目次
離乳食初期っていつから?なぜ必要?
まずは「食べる」ための練習を
離乳食初期は食べる量も少なく、食べられる食材も多くありません。そんな少量で意味があるのかな?と疑問に思う方もいるかもしれませんね。
今まで母乳やミルクなどしか飲んでこなかった赤ちゃんにとって、「食べる」ことって難しいことなのです。
・スプーンが近づいたら口を開ける
・スプーンを口の中に入れる
・スプーンの食べ物を口に入れる
・口に入れた食べ物を飲み込む
このような大人にとってはなんでもないことも、赤ちゃんにとっては「練習しなくちゃできないこと」。だからこそ、離乳食は少しずつ慣らしていく必要があるんですね。
ミルクや母乳だけでは栄養不足に
赤ちゃんの成長とともに、ミルクや母乳だけでは栄養が足りなくなってしまいます。そこで、食べ物からも栄養を補給できるようにしていく必要があるのです。
ほかにも、
・消化器官が未発達なため、少量ずつ様々な食べ物に慣れさせる
・さまざまな食べ物があることを知り、味覚を育てる
・家庭での食事の時間や、みんなで食べる楽しさを味わう
などの理由があります。
離乳食初期|進め方・増やし方
進め方:スプーン(小さじ)1さじから

離乳食をスタートする時は、赤ちゃんの機嫌がよい午前中にしましょう。まずは、スプーン1さじ分の10倍がゆを与えます。
10倍がゆは、赤ちゃんが飲み込みやすいように、あらかじめすりつぶしたりブレンダーなどにかけたりしてポタージュにします。
はじめはスプーンの触感やおかゆの味を嫌がる子もいるかもしれません。でも、焦らずゆっくり毎日続けていきましょう。
また、初めて食べさせる食材は、アレルギーに気をつけてください。食べている時に口の周りに湿疹ができたり、顔がむくんできたりしたらアレルギーがある可能性があります。
小児科をすぐ受診できるよう、病院が開いている時間帯に離乳食を与えるのも大切です。
増やし方:米→ビタミン類→タンパク質に
1週間目で10倍がゆに慣れたら、2週間目以降にじゃがいもなどの食べやすい野菜や果物をプラスしていきます。それに慣れたら、3週間目以降に豆腐や白身魚などのタンパク質を与えましょう。
どの食材もそうですが、初めて与える時は、スプーン1さじから与えます。好きそうだからと一度にたくさん与えてしまうと、赤ちゃんの体は消化器官がととのっていないため、負担になってしまいます。
離乳食初期からアレルギーに注意して
特定原材料と呼ばれる7品目
以下の7品目は、アレルギーの症例が多く、アナフィラキシーを起こすなど症状が重篤なため、食品に必ず表示しなければならないものです。
・小麦
・卵
・乳
・そば
・落花生
・えび
・かに
*このうち、離乳食初期から食べられるのは「小麦」のみ。
そば、落花生、えび、かにの4品目については、離乳食期を通して与えてはならないNG食材です。
特定原材料に准ずるもの21品目
こちらの20品目は、アレルギーを発症する人(症例)が一定数見られるため、食品表示することをすすめられている食品です。
・大豆
・さけ
・さば
・あわび
・いか
・いくら
・鶏肉
・豚肉
・牛肉
・まつたけ
・やまいも
・ごま
・アーモンド
・カシューナッツ
・くるみ
・ゼラチン
・バナナ
・りんご
・もも
・オレンジ
・キウイ
*このうち、離乳食初期から食べられる食材は、大豆(豆腐、きなこのみ)、バナナ、りんご、もものみです。
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離乳食初期に食べられる食材
【1】米類
米粉(うるち米):◯
うるち米から作られている米粉のみ、離乳食初期から与えられます。
もち米から作られている米粉や、玄米から作られている米粉もあります。原材料に「うるち米」とあるかをチェックし、間違えないようにしましょう。
玄米・雑穀米:×
玄米や雑穀米は、ヘルシーで栄養豊富なイメージがありますが、離乳食初期には与えません。
消化器官の未熟な赤ちゃんにとって、消化するのに大変な負担になるからです。
もち米:×
もち米は、離乳食期を通して与えてはいけない食材です。
しっかり噛めずに飲み込んだり、のどに詰まらせたりする事故が起こるためです。
【5】大豆・大豆製品
きな粉(きなこ):△
高たんぱくで必須アミノ酸も含むきなこは、生後6ヶ月から食べられます。粉のままで食べると気管に入ってむせてしまうので、必ず水分のあるものと混ぜます。
納豆:×
離乳食初期には与えません。
高野豆腐:×
離乳食初期には与えません。
油揚げ・厚揚げ:×
油を多く含むため、離乳食初期には与えません。
大豆:×
離乳食初期には与えません。
枝豆・そら豆:×
離乳食初期には与えません。
豆乳:×
離乳食初期には与えません。
湯葉:×
離乳食初期には与えません。
おから・がんもどき:×
離乳食初期には与えません。
【7】白身魚
鮃(ひらめ):△
生後6ヶ月ごろから与えられます。こちらも脂肪が少なく、あっさりした味わいで、使いやすい魚ですよ。
鰈(かれい):△
生後6ヶ月ごろから与えられます。こちらも脂肪が少ない魚で、加熱するとほぐしやすくなります。
鱈(たら):△
生後6ヶ月ごろから与えられますが、アレルギーが出ることもあります。気になる場合は、他の白身魚からスタートし、それから与えましょう。
調理するときは、塩だらではなく生のたらを使います。
銀鱈(銀ダラ):×
離乳食初期には与えません。タラという名前が付きますが、タラの仲間ではありません。
鮭(さけ、しゃけ):×
離乳食初期には与えません。
【11】魚加工品
しらす干し(しらすぼし):△
生後6ヶ月ごろから、塩を含まないしらす干しを与えられます。加熱したあとにすりつぶしてペースト状にしましょう。
塩が含まれているものは、しっかり塩抜きしてから使いましょう。
ちりめんじゃこ:×
やわらかいしらす干しと違い、乾燥させてあり固いため、離乳食期は与えません。
ツナ缶:×
離乳食初期には与えません。
サバ缶(水煮缶):×
離乳食初期には与えません。
さけフレーク:×
離乳食初期には与えません。
はんぺん・かまぼこ・ちくわ:×
塩分を多く含むため、離乳食初期には与えません。
カニ風味かまぼこ(カニカマ)・魚肉ソーセージ:×
離乳食初期には与えません。
さつま揚げ:×
離乳食初期には与えません。
ししゃも・鯵(あじ)のひらきなどの干物:×
離乳食初期には与えません。
するめ:×
離乳食期を通して与えません。
【15】野菜類
玉ねぎ:◯
離乳食初期ではすりおろして加熱したり、そのまま加熱したりしたものをペースト状にして使います。
ゆっくり加熱して甘みがじっくり引き出された玉ねぎの味も、赤ちゃんが好む味ですよ。
人参(にんじん):◯
生後5、6ヶ月ごろは、加熱してペースト状にしたものを与えましょう。こちらもすりおろしたり、茹でてやわらかく煮たりしたものをすり潰してから食べさせます。
にんじんは皮の近くに栄養があるので、薄くむいてから使うといいですよ。
大根:◯
皮がかたいので厚めにむいてから使い、必ず加熱したものを与えます。すりおろしたり、茹でたものをペースト状にしたりして、食べやすくしてください。
先端は繊維が多くて辛いため、離乳食では使わない方がいいでしょう。
さつまいも:◯
皮は厚めにむいて、中の部分だけ使います。さつまいもによっては、ペースト状になりにくいものもあります。お湯や調乳したミルクなどで水分量を調整しましょう。
調理された後の黄色いさつまいもは、赤ちゃんが目でも楽しめますね。
蕪(かぶ):◯(かぶの葉は×)
離乳食初期では、繊維がしっかりしている皮の部分を厚めにむいてから使いましょう。やわらかく茹でてからペースト状にすると食べやすくなります。
かぶの葉はとても栄養豊富ですが、離乳食初期では使えません。ママやパパの食べる料理に使ってくださいね。
白菜:◯
離乳食初期は、芯ではなく葉先のみを使用します。他の野菜同様、やわらかくゆでペースト状にしたものを与えましょう。
キャベツ:◯
離乳食初期では、芯を取り除いた葉先部分のみをやわらかく茹でてから使います。すり潰してペースト状にし、食べやすくしてあげましょう。
とうもろこし:◯
やわらかく茹で、薄皮は取り除いてから与えます。ミキサーやブレンダーなどをお持ちでしたら、手軽にできますよ。
とうもろこしの粒をミキサーなどで細かくした後にザルでこします。ザルに残った分をしっかりゴムベラなどでこすりつけるように水分を落とすと、ザルに薄皮のみが残ります。
ブロッコリー・カリフラワー:◯
軸はかたいので、花蕾の部分のみを使用します。やわらかくゆでてから包丁で花蕾の部分のみをそぎ取り、すり鉢などでペースト状にしましょう。
トマト:◯
湯むきして、皮と中の種を取り除いたものを与えましょう。すりつぶしてペースト状にしたり、ブレンダーなどでスープにしたりすると食べやすいですね。昆布出汁との相性もいいですよ。
ミニトマト・プチトマト:◯
トマト同様、皮がのどに引っかかってしまうため必ず湯むきし、種を取り除いてから使いましょう。茹でると身がやわらかくなりますが、他の野菜同様ペースト状にしてから与えます。
冬瓜:◯
夏が旬の冬瓜は、皮を厚めにむいて、中の白い部分のみを使います。やわらかくゆでるとペースト状にしやすくなります。
モロヘイヤ:◯
葉先だけを使います。柔らかく茹でて、しっかりペースト状にしたものを与えましょう。強い粘りがあるため、とろみづけとしても役立つ野菜です。
ほうれん草:△
繊維が多く、かたくて食べにくいため、葉先だけを使います。やわらかく茹でたら水にさらし、アクを抜いてからペースト状にして与えましょう。
レタス:△
様々な野菜に慣れてからスタートを。芯の部分や葉脈の部分を避け、必ずやわらかく茹でてからすり潰して食べさせましょう。
茄子(なす):△
生後6ヶ月以降に、少量からスタートしましょう。皮は必ずむき、中の部分だけを使います。
アクが強く少し苦味もあるので、皮をむいて切ったあと、水につけてアクを取ってから使います。
きゅうり・ズッキーニ:×
離乳食初期には与えません。
青梗菜(チンゲンサイ):×
繊維も多いため、離乳食初期では与えません。
里芋・山芋:×
離乳食初期には与えません。
さやいんげん・グリーンピース:×
離乳食初期には与えません。
アスパラガス:×
離乳食初期には与えません。
パセリ・セロリ・青ねぎ・長ねぎ・ニラ:×
クセが強いものや、苦味や香りが強いものは、離乳食初期にはむきません。
アボカド:×
脂質が多いため、離乳食初期には与えません。アボカドは分類としては果物ですが、野菜の1つとして食すことの多い食材ですね。
青じそ・バジル:×
こちらも、香りの強い食材ですので、離乳食初期には与えません。
にんにく・生姜(しょうが):×
香りがよく、食欲をそそる食材ですが、離乳食初期には与えません。
ピーマン・パプリカ:×
離乳食初期には与えません。
オクラ:×
離乳食初期には与えません。
もやし:×
離乳食初期には与えません。
ごぼう・れんこん・たけのこ:×
とても繊維の多い食材ですので、離乳食初期には与えません。
冷凍ミックスベジタブル・冷凍グリーンピース:×
離乳食初期には、これらの冷凍野菜は使えません。
切り干し大根:×
離乳食初期では使えません。水でもどして加熱しても、かたさが残るためです。
菜の花・春菊:×
独特な香りと苦味があるため、離乳食初期では使いません。
【16】果物類
いちご:◯
さっと茹でてから裏ごしなどをし、ペースト状になったものを与えます。
桃:◯
加熱してペースト状にしたものを与えます。
みかん:◯
絞って果汁にしたものを2~3倍に薄めたり、茹でてから薄皮をむき裏ごししたりしてから与えます。
すいか:◯
果汁をしぼったり、裏ごししたりしたものを与えます。種がうっかりまぎれこまないように気をつけてくださいね。
パイナップル・キウイ:×
離乳食初期には与えません。
南国フルーツ(パパイア・マンゴー・ライチなど):×
アレルギーの心配もあるため、離乳食期を通して与えません。
ブルーベリー:×
離乳食初期には与えません。
ドライフルーツ(レーズン・プルーン):×
離乳食初期には与えません。
柿・イチジク:×
離乳食初期には与えません。
グレープフルーツ・レモン・プラム:×
酸味のあるフルーツは、離乳食初期には与えません。
缶詰のくだもの:×
離乳食初期では使いません。
【18】その他の食材
春雨:×
弾力があるため、離乳食初期では使えません。
ジャム:×
糖分が多いため、離乳食初期では与えません。
プリン:×
糖分が多く、卵が含まれるため、離乳食初期では与えません。
ゼラチン:×
離乳食初期には与えません。
クリームコーン缶
離乳食初期には与えません。
ごま:×
離乳食初期には与えません。
栗(くり):×
離乳食初期には与えません。
ナッツ類(くるみ・ピーナッツ・アーモンド等):×
離乳食期を通して与えられない食材です。
小麦粉:△
離乳食をスタートして2ヶ月目から食べさせることができます。
ホットケーキミックス:×
離乳食初期には使えません。
ベーキングパウダー:×
離乳食初期には使えません。
片栗粉:△
じゃがいもデンプンを利用した粉です。離乳食を開始して1ヶ月が経ち、2回食になった頃から使えます。とろみをつけたい時などに少量使用しましょう。
ココアパウダー:×
離乳食初期には使えません。
麦茶・ほうじ茶・番茶:◯
離乳食初期から与えられます。
緑茶・ウーロン茶:×
カフェインが多く含まれるため、これらのお茶は与えません。
ドライフルーツ:×
離乳食初期には与えません。
【19】調味料
塩・醤油:×
離乳食初期には使えない調味料です。
砂糖・きび糖):×
離乳食初期には使えません。
蜂蜜(はちみつ)・黒砂糖・黒糖:×
離乳食初期には使えません。
味噌:×
離乳食初期には使えません。
マヨネーズ・ケチャップ:×
離乳食初期には使えません。
サラダ油・ごま油・オリーブ油・マーガリン:×
離乳食初期には使えません。
みりん・料理酒:×
離乳食初期には使えません。
中濃ソース・オイスターソース:×
離乳食初期には使えません。
カレー粉・カレールー:×
離乳食初期には使えません。
めんつゆ:×
離乳食初期には使えません。
酢:×
離乳食初期には使えません。
胡椒(コショウ)・辛子(からし)・わさび・唐辛子:×
離乳食期を通して使えません。
メープルシロップ:×
離乳食初期には使えません。
ポン酢しょうゆ:×
離乳食初期には使えません。
ドレッシング:×
離乳食初期には使えません。
焼き肉のたれ:×
離乳食期を通して使えません。
【20】市販品など
市販のだし(和風・鶏ガラ・コンソメ・ブイヨンなど):△
離乳食初期に適したもので、赤ちゃん用のものや無添加のものを選んで使いましょう。
アロエ・ナタデココ:×
離乳食初期には与えません。
梅干し:×
離乳食初期には与えません。
ふりかけ・お茶漬け:×
離乳食初期には使えません。
レトルトカレー(甘口):×
離乳食期を通して使えません。
インスタントラーメン:×
離乳食初期には使えません。
ピザ:×
離乳食初期には与えません。
餃子(ギョーザ)・焼売(シュウマイ):×
離乳食初期には与えません。
たこ焼き:×
離乳食初期には与えません。
市販の惣菜:×
離乳食初期には与えません。
まとめ
初めての離乳食、楽しんでいる方もいらっしゃる一方で、食べてくれないことにストレスを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
べーっと吐き出されたり、離乳食を見ただけで泣き出されたりと、うまく離乳食が進まない経験のママさんも多いですよ。焦らず我が子のペースに合わせて、ママも赤ちゃんも楽しく進めてみてくださいね。
この食材一覧を利用して、少しでも食べられる食材を増やしてもらえるとうれしいです。
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。