出産方法
自然分娩の割合

出産方法は大きくわけて2つです。自然分娩か帝王切開です。近年帝王切開が増えていると言われていますが、実際のところ自然分娩の割合はどうなっているのでしょうか。
”出産・育児に関する実態調査2016(赤すぐ総研調べ)”によると76.3%が自然分娩です。年代別の内訳は20代84.7%、30代74.1%、40代60.9%という結果がでました。
年代が上がるにつれて、自然分娩の割合が下がり帝王切開の割合が上がるという結果がでました。また立ち会い出産の割合は、年代が若いほど高くなる傾向にあります。
いつ出産方法を決めるのか

だいたい妊娠後期になると、バースプランを考える場合が一般的です。しかし、出産兆候はいつ起こるのか誰にもわかりません。余裕をもって早めに考えておけると良いですね。
ただ、自分が考えていた出産方法とは異なる場合もある、ということを想定しておきましょう。例えば、自然分娩をする予定であっても、緊急帝王切開になる可能性もあります。また、逆子で帝王切開の予定だったのが出産当日までに逆子が戻り自然分娩となる場合もあります。
おすすめの出産方法はあるか?
出産方法は以前に比べてさまざまな方法があります。自然分娩の中でも呼吸法の違いによる出産方法や水中分娩・無痛分娩などさまざまです。
どの出産方法にもメリットやデメリットがあります。自分が一番リラックスし安心して出産できる方法が適した出産方法となります。また何よりも赤ちゃんとママが無事に出産を終えることが一番大切です。
自然分娩
自然分娩とは

自然分娩とは、自然に任せて妊婦さんが自力で出産する方法をいいます。また吸引分娩や鉗子分娩であっても、産道を通っている経腟分娩となるのでこれらも自然分娩となります。陣痛促進剤を使ったとしても、これに部類されます。
その中から呼吸法、どこで出産するか、どのようなスタイルで分娩をするかなど、さまざまな分娩方法に分かれています。例えば、無痛分娩・ソフロロジー・ラマーズ法・水中出産・フリースタイル分娩などです。
種類が多いので、それぞれのメリットやデメリットをしっかり調べて、どれが自分にあっているのかを医師に相談の上、考えてみてください。
ソフロロジー

ソフロロジーとはラテン語で「心を落ち着かせる」という意味があります。陣痛の痛みをあらかじめ受け入れる練習をすることで、出産や陣痛の恐怖を和らげていくという方法です。
出産の時は、痛みや不安でどうしても緊張してしまいます。そうすると筋肉が硬直して子宮口も固くなってしまいます。またママが緊張して呼吸が浅くなると、赤ちゃんへの酸素や血液も届きにくくなってしまいます。
そこでヨガや瞑想や音楽を取り入れて、心を落ち着かせる呼吸法などを妊娠中から練習していきます。出産のイメージトレーニングが重要です。
メリット
自然分娩はしたいけれど、陣痛の痛みが怖いという人におすすめです。出産の痛みや不安を受け入れるイメージトレーニングをして、どのようにすれば自分が落ち着くのかという練習をしていくので、痛みや不安に対して、自分自身で折り合いをつけていくことができます。
また、ママがリラックスして出産できるので子宮口が柔らかくなり会陰切開が減ると言われています。出産後に疲れたりストレスがたまったりした時にリセットする気持ちで取り入れることで、スッキリすることもできます。そのため、出産の時だけでなく出産後でも利用できる方法です。
リスク
ソフロロジーは精神面の効果が大きいので、出産の時にパニックになって呼吸法などを忘れてしまうと効果はなくなってしまうようです。
また、出産時にパニックにならないように日々練習していくので、練習が続かない人にも向いていないと言われています。薬を使ったりすることはないので、母体への影響はありません。
ラマーズ法

ラマーズ法はフランス人の産科医が広めた方法です。出産の進み具合に応じて呼吸法を変えていきます。陣痛の痛みをやわらげたり、いきみをうまく逃がしたりしていきます。そうすることで自然な形で出産する手助けを目的としています。
ラマーズ法もソフロロジーも呼吸法です。何が違うかというとラマーズ法は呼吸法だけですが、ソフロロジーは出産に対するイメージトレーニングや母性を育むこともおこなうと言われています。
メリット
陣痛がくると、どうしても痛みで呼吸が浅くなってしまいます。しかしラマーズ法をおこなうことで、意識的に呼吸をし、うまく酸素を取り込めるようになります。そうするとリラックスして子宮口が柔らかくなり出産がスムーズに進むようです。
また、立ち合い出産で一緒に立ち合ってくれる家族や助産師さんと一緒に呼吸することで、安心することもできます。わかりやすい呼吸法なので、立ち合う人も一緒にやりやすいです。呼吸に集中することで、痛みをやわらげる効果もあります。
リスク
陣痛の痛みでパニックになって呼吸法を忘れてしまったり、力んでしまうとラマーズ法の効果が発揮できません。ママも赤ちゃんも多くの酸素を取り込んで、ゆったりとした気持ちで出産することが重要です。ラマーズ法もソフロロジーと同じで、呼吸法なので薬を使わず母体への影響はありません。
水中出産

水中出産とはその名の通り水中でおこなう出産のことを言います。そのため水中で産むこと以外は自然分娩と大きな違いはありません。体温と同じくらいの水温のプールで羊水と同じくらいの塩分濃度に調整しておこないます。
この方法は主にイギリスやフランスなどでおこなわれているようです。陣痛が始まってずっと水中にいるというわけではなく、つかる時間は一時間程度と決められています。
メリット
体温と同じくらいの水温なので、温かくゆったりリラックスできます。出産時は陣痛がきてどうしても痛みや不安で緊張してしまいます。それらをうまくやわらげてくれる効果があります。
ママがリラックスすることで、筋肉もゆるむので出産が進みやすくなります。しかも水中ということで浮力の効果でママが楽な姿勢を取りやすくなります。
また、赤ちゃんは羊水の中で成長してきたので産まれた瞬間が水の中でも何も違和感を感じません。むしろ水中の方が赤ちゃんにとっても安心できる環境なのです。
リスク
水中出産は実施している施設が少なく見つけることがなかなか難しいでしょう。また、衛生管理をしっかりとしている施設でないと赤ちゃんが感染症になってしまう可能性があります。
早い段階から水中に入ると疲れが増すので、陣痛が弱くなってしまうことがあるようです。また手や足の先まで温められるので体の血行がよくなり、通常より出欠量が増える可能性があります。費用面ですが、設備費用がかかるので自然分娩よりも5~10万円ほど高くなります。
帝王切開
帝王切開とは

何らかの原因で経腟分娩に適さないと判断された場合に、手術で出産する方法をいいます。帝王切開には予定帝王切開と緊急帝王切開があります。最近は帝王切開の割合が高くなっていて、約5人に1人が帝王切開と言われています。
医療が進歩したことで、より多くの赤ちゃんが安全に産まれてくるようになりました。また帝王切開は保険適用となるので、場合によっては自然分娩よりも安くなったという場合もあります。
予定帝王切開
予定帝王切開とは逆子、多胎児や前置胎盤などあらかじめ経腟分娩が難しいと判断された場合に、事前に予定をして手術することをいいます。
一度帝王切開をすると次回の出産も帝王切開となる可能性が高くなります。しかし、経腟分娩を希望することができる場合もあるので、医師とよく相談して決めてください。
体験談:安全な帝王切開にして良かった
shunmamaさん 前置胎盤と診断され、医師に帝王切開の方を勧められました。ギリギリまで迷いましたが、安全な帝王切開にして良かったと思います。
出血も多量になるとは聞いていたのですが、貧血の症候で入院が長くなり、退院後も、日に3回、血圧を測定して、1週間後に診察でした。
高血圧で、なかなか寝れなくて、つらかったです。そのためか、入院中は、ずっと熱が出ていて、頭を冷やしていました。
陣痛の痛みを経験していないので、残念ですが、何より無事に、産まれてきてくれて、良かったです。
緊急帝王切開
緊急帝王切開とは、妊娠中や出産中に母体や赤ちゃんに異変が起こり、すぐに対応しないといけないようなときにおこなわれます。
例えば陣痛が長引いて赤ちゃんの心拍がさがってしまい、このままだと経腟分娩が難しいと判断された場合は緊急帝王切開となります。そのため緊急帝王切開はどの妊婦さんにも起こりうることなのです。
体験談:子宮口がなかなか開かない
aippeさん トラブルと言っていいのかわかりませんが、私の場合まれに見る難産でした。前駆陣痛から本陣痛に移行するまでに相当な時間を要し、出産までの間何も食べれない状態でした。
飲まず食わずでの出産は、体力的に本当に辛いものでした。本陣痛にかわってからも子宮口がなかなか開かず、痛みだけが先行していくばかり。
お腹の中の赤ちゃんの体力もだんだん衰えてきて、母子共に危険な状態であると医師が判断し、緊急帝王切開に。あとで聞くと、赤ちゃんが裏表逆に出てこようとしていたので口が開かなかったようです。
その他、バースプランで考えたいこと
立ち会い出産

陣痛や出産のときにパパやご家族がママのそばについて、一緒に出産に立ち会うことをいいます。つらい出産のときにパパや家族に支えてもらうことで、ママがリラックスして出産することができるでしょう。
また、出産に立ち会うことで、パパの自覚が芽生えやすく、その後の育児への参加もしやすくなると言われています。
体験談:生まれてくる瞬間を一緒に
みつママさん 陣痛の痛みは辛かったですが、その分子どもが生まれてきたときの感動は大きかったです。
旦那にも立ちあってもらい、色々と頑張ってもらいました。何より、生まれてくる瞬間を旦那も見れたことが良かったです。
LDR
LDRとは陣痛(Labor)分娩(Delivery)産後の回復(Recovery)の略で、このすべてを移動せずに同じ部屋でおこなうという方法です。陣痛で体力が落ちている場合や出産後体を休めたい場合も部屋の移動をしなくてすむので、体への負担が軽減されます。
しかしこの方法は比較的新しいものなので、この設備が整っている病院はまだ限られています。また、費用は通常よりも少し高めとなることが多いようです。
助産院での出産
昔ながらの自然な分娩を希望し、助産院での出産を選ぶ方も多くいらっしゃいます。助産院では、産科医がおらず助産師の介助による出産となります。まるで自分の家にいるかのような感覚で出産ができます。
助産院で出産できるのは、妊娠時の検査などで特に問題がなかった人に限られますが、出産途中で何かあっても産婦人科と提携しているので、医療的な対応もしてもらえるようになっています。出産後の母乳育児についての指導を受けることができたりもするので、人気が高まっています。
自宅出産

自宅出産とはその名の通り、自宅で出産をすることです。昔は自宅で出産することが当たり前だったので、なんら不思議なことではありません。
自宅出産では環境が変わらないのでストレスが軽減できます。こちらも産科医ではなく助産師が出産に立ち会います。費用は病院での自然分娩と同じくらいになることが多いです。
双子の場合の出産方法
帝王切開となる場合が多い

双子の場合、帝王切開となる場合がほとんどのようです。またいくつかの条件をクリアすることで自然分娩をすることもできます。
しかし、自然分娩ができたとしても急に状態が変わる可能性もあるので、緊急帝王切開ができる病院などでの分娩になるようです。病院によっても方針が違うので、自分の意向をきちんと伝え、病院の医師とよく相談してください。
まとめ
出産はママも大変ですが、赤ちゃんも一生懸命がんばっています。なによりも大切なことは母子ともに無事出産を終えることですよね。赤ちゃんに会えることを楽しみに、バースプランをしっかり考えて出産に挑んでくださいね。
(文書作成:nobii)
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