逆子とは?割合は?
逆子ってどんな状態?

一般に、赤ちゃんは成長すると頭が重くなるため、子宮の中では頭が下に、足が上になります。この状態を頭位と言います。
しかし、何らかの理由で頭が上、お尻や足が下になることがあります。この状態を逆子(骨盤位)と言います。また、赤ちゃんが横向きになっている状態を横位と言います。
逆子は、赤ちゃんの体勢によって以下のように分けられます。
・単臀位
お尻が下にあり、両足とも上を向いている状態です。
・複臀位
お尻が下にあり、体育座りのような体勢をとっています。両膝を曲げている状態(全複臀位)と、片膝を曲げて片足を上げている状態(不全複臀位)があります。
・足位
子宮の中で立っているような体勢をとっています。赤ちゃんが両足を伸ばしている状態(全足位)と、片足を伸ばしている状態(不全足位)があります。
・膝位
膝立ちをしているような体勢をとっています。両膝を曲げている状態(全膝位)と、片膝を曲げている状態(不全膝位)があります。
逆子となる割合は?

逆子は特に珍しいことではなく、妊娠中期では半分ほどの赤ちゃんが逆子の状態とも言われています。赤ちゃんは羊水の中で動き回っていますので、ほとんどの場合は自分で回転して頭が下になっていきます。
逆子のまま出産を迎える方は約5%、横位では約0.3%です。逆子や横位の場合、経腟分娩にはリスクがありますので、出産予定日近くになっても頭位にならなければ帝王切開で出産することが多いです。
手術ということで不安に思うかもしれませんが、ママや赤ちゃんの安全を第一に考えた方法ですから大丈夫です。リラックスしてお産に臨みましょうね。
逆子の原因とは?
なぜ逆子になるの?

はっきりとした原因はわかってはいません。骨盤が小さすぎたり、前置胎盤などの胎盤異常や子宮筋腫などの子宮の形態異常だったりで、赤ちゃんが自分で回転するのを妨げられると逆子になりやすいと考えられています。
その他、羊水過多・羊水過少やストレス、冷えなども関係するとみられています。また、赤ちゃんが双子以上の多胎であったり、水頭症などであったりする場合も逆子になりやすいと考えられています。
どのように診断するの?
触診や内診、エコーなどによって診断されます。また、胎動の場所からもわかることがあります。赤ちゃんの頭が下にある場合はおへそよりも上のあたりで胎動を感じます。
一方、赤ちゃんの体勢にもよりますが、逆子の場合は下腹部のあたりで胎動を感じることが多いようです。
治療の方法
かかりつけ医と相談しよう

赤ちゃんの回転を促す方法として、以下のようなものがあります。ただし、それぞれにリスクがありますので、必ずお医者さんに相談して行うようにしましょう。
また、有効性が立証されていない方法もあります。赤ちゃんが逆子のままであったとしても、ママの責任ではありませんので、ご自分を責めたりしないでくださいね。
外回転術
お腹に手を添えてお腹の外から赤ちゃんを回転させる方法です。保険が適応され、お薬で子宮の収縮を抑えたり、赤ちゃんの心拍を確認したりしながら行います。
羊水が最も多い妊娠30週頃に行いますが、早産となっても未熟児分娩とならないように妊娠35~37週頃に行うこともあります。
施術にかかる時間は2~3分ほどですが、胎盤が剥離したり、早産になったりするリスクがあります。成功率は約6割ですが、また赤ちゃんが回転して元に戻ってしまうこともあります。
なお、子宮奇形や前置胎盤であったり、羊水が少なかったりする場合は、外回転術を行うことができません。また、出血がある、子宮口が開いている、破水している、へその緒が赤ちゃんの首に巻きついている、といった場合も実施できません。
逆子体操

お尻を高くあげることで、赤ちゃんの回転を促す方法です。妊娠30週を過ぎても頭位に改善しない場合に行います。
お腹が張るなど、異変があったらすぐにやめましょう。また、切迫流産などの危険がある場合などは行ってはいけません。代表的な方法をご紹介します。
・胸膝法
1、寝る前に行います。
2、両膝をつき、お尻をできるだけ高く持ち上げます。
3、15~20分間キープします。
4、頭を上げないようにして横向きで寝ます。
※赤ちゃんの背骨がママのお腹の右側にある時は左半身を下に、赤ちゃんの背骨がママのお腹の左側にある時は右半身を下にして寝ます。
・ブリッジ法
1、仰向けに寝ます。
2、お尻の下に枕や布団を入れ、お尻を30~35cm持ち上げます。
3、10分間キープします。
4、この姿勢を1日2回行います。
ツボを刺激する
ツボを刺激することで体を温めたり胎動を活発にしたりして、赤ちゃんの回転を促す方法です。妊娠30週以降に行います。ツボは直接押すだけでなく、鍼を刺したり、お灸で温めたりする場合もあります。
ただ、刺激する場所がずれると効果が落ちるだけでなく、刺激する時期によっては赤ちゃんが危険な状態になることがあります。必ずお医者さんに相談し、鍼灸師の指導のもと行ってください。
・至陰
副腎皮質ホルモンの分泌が促進され、胎動が活発になると言われています。また、血行が良くなることで赤ちゃんが動きやすくなる効果も期待されます。足の小指の爪の横にあります。
・三陰交
体の冷えを解消するツボで、赤ちゃんが動きやすくなると言われています。くるぶしの内側から指を4本置いたところにあります。ただし、妊娠初期に三陰交を刺激すると流産する可能性がありますので、注意しましょう。
また、内ももを刺激することでも胎動が活発になると言われています。固めの床にあぐらをかき、両手の拳で内ももを2~7分間圧迫します。
この時、太ももの骨に対して垂直に力がかかるようにしましょう。入浴やフットバスで体を温めてから行うと、より効果的だと言われています。
逆子で出産をする場合
逆子で出産をする際のリスクとは?

赤ちゃんの体勢によっては、膝やつま先といった細い部分が子宮口近くにありますので、破水しやすくなります。
破水すると、赤ちゃんの頭で栓ができないため破水がどんどん進んでしまい、赤ちゃんよりも先にへその緒が出てしまう可能性が高くなります。
そうなると赤ちゃんに酸素を送っているへその緒が圧迫されてしまいますので、赤ちゃんが低酸素状態となり、仮死や障害につながる可能性が出てきます。また、赤ちゃんの頭が上にあると、スペースの空いている下の方にへその緒が下がりやすくなります。
この状態で破水してしまうと、赤ちゃんよりも先にへその緒が出てしまいますので、やはり赤ちゃんが危険な状態になります。
さらに、逆子の場合は頭より小さいお尻や足から出てきますので、頭が子宮口にひっかかってしまい、難産になることもあります。その際にへその緒が圧迫されてしまったり、赤ちゃんが骨折してしまったりすることもあります。
ただし、万が一分娩時まで逆子の情他のママでも、産科医や助産師は安全なお産を目指して出産を進行してくれるはずですので、あまりネガティブにとらえずに安心して任せましょう。
どのように出産・手術するの?

単臀位である、へその緒が上にある、などの場合は経腟分娩となることもありますが、やはりリスクは大きいです。
そのため、ほとんどの場合は妊娠37~38週に予定帝王切開で出産します。予定帝王切開とは、あらかじめ日程を決めて行う帝王切開です。
手術は約1時間で終わり、切開は15cmほどです。局部麻酔でしたら赤ちゃんの産声もわかりますし、出産後すぐに対面することもできます。病院によっては直接母乳をあげることもできますし、母子同室が可能な場合もあります。
逆子に関する体験談
お灸やストレッチを実行

帝王切開がとにかく怖かった

まとめ
逆子での出産はリスクがありますので、注意は必要です。ですが、「いつまで逆子のままなのだろう」と心配しすぎたり、不安に思ったりする必要はありません。
もし、帝王切開になったとしても、ゆったりとした気持ちで出産に臨みましょうね。
(文章作成:米奉行)
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