母乳外来とは?
母乳外来にはどんなときに行くもの?
受診の目安は?

母乳外来はどのようなときに受診すればよいのでしょうか?以下のような悩みがあるときには、気軽に相談してみましょう。
・母乳が出なくて悩んでいる、母乳の量が足りないのではないかと思う、母乳が出過ぎる
このような悩みを持っているママに対しては、マッサージや搾乳の方法の指導が行われます。
・母乳育児が辛いと感じる、授乳が上手にできない、赤ちゃんが上手に飲んでくれない気がする
このような悩みを抱えるママに対しては、話を詳しく聞いて授乳方法を説明します。必要に応じて授乳に関する講習会を開くところもあります。
・乳首や乳房に痛みを感じる、乳首が切れた、乳腺が詰まった、乳腺炎の症状がある(高熱、悪寒など)、乳房のしこりが気になる
おっぱいが原因の体調トラブルについては、医師が常駐している病院などの施設では、医師が直接診察します。
・赤ちゃんの体重が増えないのが気になる、ミルクを足したほうがいいか教えて欲しい
母乳外来では、ママを診察するだけでなく赤ちゃんの身体状態についてもサポートが可能です。
・断乳、卒乳について相談したい
母乳外来では、出産直後の悩みだけでなく、成長過程で生じる母乳に関する悩みについても相談することができます。
母乳外来で受けられる診察とは?
母乳外来の診察内容は?

母乳外来では、主に以下のような診察が行われます。
・授乳方法を確認し、授乳方法についてアドバイスをする
ママに実際に授乳してもらい、適切な授乳の方法をアドバイスします。抱き方や乳頭の咥えさせ方など、細かいところまで丁寧に行われます。
・乳房マッサージをし、セルフケアの方法を指導する
ママは専門家のマッサージを受けられるため、母乳の出具合が良くなります。また、自分でマッサージする方法の指導も行われます。
・赤ちゃんの体重増加について確認する
赤ちゃんの体重変化、ミルクと母乳の混合にして良いのかどうかなどについて、丁寧にアドバイスしていきます。
母乳外来の受診方法は?
母乳外来は、多くの施設で基本的に予約制です。その理由は、診察内容の性質上ママ1人1人にたっぷり時間をとって丁寧に話を聞く必要があり、また、デリケートな悩みゆえ1対1で聞くことが重要であるからです。
母乳外来は基本的に病院、助産院に併設されていたり、近くにあったりします。助産院では、基本的に全てのケアを助産師が行います。そのため、基本的には健康なママと赤ちゃんが対象となっています。
病院は、医師が常にいる上に、看護師や助産師といった様々な専門家がそれぞれの観点からサポートします。そのため、ママの身体か赤ちゃんの身体に何らかの異常があるときには、病院の母乳外来を受診することが望ましいです。
母乳外来を受診する場合の流れは以下の通りです。
1.まず、予約を取ります。
2.当日は余裕を持って、予約時間より早めに母乳外来に行くようにしましょう。保険診療になることもあるので、保険証を忘れないようにしましょう。
3.その後、個々の悩みに応じた診療がなされます。例えば、母乳の飲ませ方に不安がある場合は、助産師の前でママが赤ちゃんに実際におっぱいを飲ませ、それを踏まえて助産師からママに飲ませ方の指導がなされます。
4.お会計をして帰ります。医療費控除の対象となる場合もあるので、領収書は保管しておきましょう。
母乳外来にかかる費用は?

母乳外来の費用はどのようになっているのでしょうか?
例えば、母乳の出をよくするためのおっぱいマッサージなどは自由診療となり、全額自己負担になります。具体的な金額は病院・助産院により異なります。受診する前に費用について確認しましょう。
これに対し、医師の診察が必要な場合、薬が処方される場合などには、保険診療となることもあります。母乳外来を受診する際は、保険証を持参しましょう。
母乳外来でかかった費用は、医療費控除の対象になるの?
母乳外来にかかった費用は、医療費控除の対象になるのでしょうか?
例えば、特におっぱいトラブルはないけれど母乳の出を良くするためにおっぱいマッサージを受けた場合には、医療費として認められず、医療費控除の対象にはなりません。
しかし、例えば、乳腺炎などのトラブルを解消するためにおっぱいマッサージを受けた場合には、医療費として認められ、医療費控除の対象になります。念のため、母乳外来を受診したときの領収書は捨てずにとっておきましょう。
桶谷式との違いは?
桶谷式治療手技とは

おっぱいマッサージ方法の1つに、「桶谷式治療手技(乳房マッサージ)」があります。故桶谷そとみ氏が発案したマッサージ方法です。一般的なおっぱいマッサージと桶谷式治療手技(乳房マッサージ)には、どのような違いがあるのでしょうか?
一般的におっぱいマッサージは、張っている乳房をしこりがとれるようにそれなりの圧を加えてマッサージをするため、おっぱいの出を実感できる反面、かなりの痛みを伴うことが多いです。
それに対し、桶谷式治療手技(乳房マッサージ)は、「痛くなくてよく出る乳房マッサージ」とされています。桶谷式治療手技(乳房マッサージ)は、全ての助産院及び病院で受けられるわけではなく、特定の研修を終了し認定を受けた人のみが施行できる技術となっています。
そのため、桶谷式治療手技(乳房マッサージ)を受けるためには、桶谷式母乳育児相談室へ行く必要があります。
桶谷式治療手技(乳房マッサージ)を受けたママの中には、「おっぱいに対する認識が変わった」という人もいます。食事や日常生活、赤ちゃんのことなど、細かい相談にも乗ってくれ、おっぱいトラブルに悩むママを精神的にもサポートしてくれるようです。
おっぱいトラブルについての体験談
赤ちゃんが上手に吸えるようになるまで、搾乳して頑張りました
RINANさんからの体験談:
出産してすぐの話です。私が陥没乳首だったのと、赤ちゃんも吸う力が弱かったのとで、シースルーと言う透明の偽乳首を付けても初めは血が出たりと、なかなかおっぱいをあげることができませんでした。
でもおっぱいは張るので、手でほぐし搾乳してばかりでした。退院してからも何度もシースルーで挑戦しましたが、うまくいくのは数回で、シースルーにストレスを感じてきたので搾乳1本にしました。
赤ちゃんがちゃんと吸えるようになるまで1ヶ月以上はかかりました。直接吸うようになってからはとても楽になりました。
産後7ヶ月で乳腺炎になり、激痛と発熱に苦しみました
uka51さんからの体験談:
母乳1本での子育てでした。産後7ヶ月で初めて乳腺炎になり、辛い思いをしました。母乳をあげる体勢が毎回同じになり、ほぼ片乳のみの授乳となっていたため、授乳頻度の少ない方が熱を持ってしまい、気が付いたときには激痛と発熱に襲われていました。
すぐに乳腺科にかかり、2日程で熱も下がりました。油っこいものはおっぱいがつまりやすいとのことだったので、乳腺炎になってからはなるべく避けるように気を使うようになりました。それ以降は、乳腺炎にもならずにすみました。
専門機関へのご相談はこちら
※健康状態に心配なことがある場合や受診の目安に迷った場合は専門機関へのご相談をおすすめします。以下のような窓口もご活用ください。
助産師会 相談窓口
https://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html
まとめ
赤ちゃんの成長に大きな影響をもたらす母乳。授乳の時間は、ママと赤ちゃんの大切なコミュニケーションの時間でもありますよね。
おっぱいのトラブルは、実は多くのママが抱えているものです。ママ1人で悩まず、専門家に相談し、楽しく母乳育児をしてくださいね。
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。