計画出産の大まかな種類
誘発分娩と帝王切開

誘発分娩とは事前に日程を決め、自然な陣痛が始まる前に薬を使ったり処置をして陣痛をおこし分娩することを言います。
これは、無痛分娩を行う際にもすることですが、胎児や母体の状態によって早く出産した方が良い場合などにも誘発分娩が行われることもあります。また、逆子や母体の状態によっては帝王切開による計画出産を行うこともあります。
計画出産できる病院

計画出産を行うのには大きく2つの理由があります。1つ目は母体や胎児の状態によって、帝王切開で出産した方が良い場合や誘発分娩をした方が良い場合。
2つ目は、ママの希望で無痛分娩をしたい場合などになります。1つ目の理由ですと医師が必要とした場合はほぼすべての分娩施設で行えます。しかし、2つ目の無痛分娩については、すべての病院や産院でできるわけではありません。
現在日本には約2800の分娩施設がありますが、無痛分娩ができる施設は250足らずしかありません。もし、無痛分娩を希望されるのであれば早めに無痛分娩のできる産院を探しておくことをおすすめします。
計画出産と予定日

計画出産の日程は、お腹の張りが頻繁に起こり子宮口が柔らかくなる時期に設定されることが多いです。もちろん、施設の受け入れ人数やポリシーによって違いはあるので事前に医師とよく相談しておくのがよいでしょう。
帝王切開の場合は、陣痛がきてしまうと緊急で帝王切開を行わなければならなくなります。その為、施設によって違いはありますが、だいたい37~38週頃を出産日として設定されることが多いようです。
初産婦と経産婦での違い
計画分娩の場合、子宮口を柔らかくするために風船のようなものや棒状のものを入れたりすることがあります。また、薬を使って子宮口を柔らかくしたり、陣痛を強める点滴を使うこともあります。
初産婦の場合、経産婦と比べると子宮口や産道が硬く、そのため子宮口が開きにくいということがあります。個人差もありますが、計画分娩を行う際にも経産婦よりやや時間がかかることがあるかもしれません。
計画出産の流れ-器具(バルーンを使う)/薬を使う

計画出産の場合、子宮口が柔らかくなっていない場合は、まず風船のようなものを子宮口に入れ熟化を促します。また、子宮口を柔らかくする薬を飲むこともあります。
そして、陣痛を強めるためにオキシトシンという子宮を収縮させる点滴を使います。この時、陣痛が強くなりすぎると子宮が破裂したり、胎児に酸素が行かなくなったりするので点滴の量は少しずつ増やしていきます。
さらに、お腹の張りと胎児の心拍をみるためのモニターをお腹につけ、常に状態を観察しながら行います。
帝王切開
帝王切開の場合は、だいたいの施設では出産前日に入院することが多いです。入院してその日の夜からは絶飲食となり、出産日を迎えます。
出産後は痛みや麻酔で思うように体が動かせないため、手術当日はベッド上で安静にして過ごします。その後はゆっくり歩行の練習を開始するなど徐々に動けるようになってきます。
体験談:帝王切開が決まっていたので過剰な運動はせず
いぶきせきママさんからの体験談:
36週目に入るととにかく歩いたり、掃除したり、動きなさいって普通分娩なら言われますよね。下の子の時ははじめから帝王切開だったので、日常生活にちょっと散歩を加えるぐらいで、おなかがパンパンに張るような運動はしませんでした。
よく食べて、よく寝て、余計なことは考えないように気分を紛らわすように歌を歌って過ごしてました。
計画出産のメリット・デメリット
計画出産のメリット

計画出産のメリットは、陣痛促進剤などを使って経腟分娩をする場合も帝王切開で出産する場合も日程が決まっているということがあります。自然分娩であれば、いつ陣痛が来るのかはわかりませんよね。
計画出産ならば事前に日程を決めて行うため、ある程度の出産日が予測できますので、旦那さんや家族の予定も立てやすいのが特徴です。
特に上の子が居て入院中のお世話を誰かにお願いする場合などは大きなメリットになります。また、旦那さんが単身赴任や里帰り出産などで離れて暮らしている場合も、予定が立てられるので「出産に間に合わなかった…」という可能性も低くなります。
計画出産のデメリット

では、逆に計画出産のデメリットとはなんでしょう。一番のポイントはやはり費用ではないでしょうか。逆子や多胎妊娠など、医学的な理由のある帝王切開の場合は保険適応になるため、そこまで費用は高くありません。
しかし、無痛分娩の場合は一般的に費用は高くなります。施設にもよりますが普通分娩の費用にプラスして5~10万円程はかかるようです。詳しい費用については施設ごとで異なるため事前に確認しておきましょう。
無痛分娩するなら計画出産?
無痛分娩を日本で行う場合、誘発分娩による計画出産をする施設が多いです。その理由は、現在の日本では365日24時間硬膜外無痛分娩を行える体制が整っている施設が非常に少ないことにあります。
そこで、無痛分娩を希望する妊婦さんが無痛分娩で出産できるようにするため、計画出産であらかじめ日程を決めておく施設が多いのです。
もちろん、陣痛を待ってからの無痛分娩を行える施設もあります。こうした施設は非常に人気がありますので、希望される場合は早めの分娩予約を行いましょう。
計画出産でも陣痛がある?
器具を使ったり、陣痛誘発薬を使って計画出産をする場合でも、基本的に陣痛はあります。
しかし、無痛分娩の場合は陣痛が始まり、妊婦さんが痛み止めを希望し医師の許可がおりると硬膜外麻酔を行うため、麻酔後は痛みをほぼ感じずに出産される人が多いです。施設によっても違いはありますがだいたい子宮口が3~5cm開く頃までに麻酔を入れることが多いです。
また、帝王切開の場合は自然分娩では危険性が高いと判断された場合に行われることがほとんどなので、陣痛が来る前に手術を行います。
ただ、まれに予定していた日程よりも早く陣痛が来てしまい緊急で帝王切開になる人もいます。その場合は少し陣痛を経験することになります。
計画出産のリスクは?
過強陣痛

誘発分娩を行う際に使用する陣痛促進剤によって過剰に陣痛が起こる「過強陣痛」のリスクがあります。子宮口の開きや赤ちゃんの回旋が伴わないまま陣痛だけ強くなり、子宮破裂を起こす危険性もあります。
したがって、このリスクを回避するために陣痛促進剤を投与している間は常に分娩監視装置を使用し、妊婦さんのお腹の張りと赤ちゃんの状態を観察し薬の量を調整して行います。
まとめ
いかがでしたか?計画出産のメリット・デメリットやリスク、無痛分娩などについて詳しくご紹介しました。病院によっていろいろな分娩方法がありますが、自分の希望する形でお産ができると良いですね。
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