出産後に生理不順になる原因
授乳中のホルモンの影響
赤ちゃんに母乳をあげることで、プロラクチンというホルモンが分泌されます。これは排卵を抑制する作用もあるホルモンです。卒乳や断乳するとプロラクチンの分泌が減るため、生理が再開します。
しかし、プロラクチンの量にもよるので、少ないと生理が止まったり不規則になったりと、生理不順になりやすくなります。卒乳(断乳)から約1~3ヶ月は生理周期が不規則になる方が多いようです。
また授乳する期間が長くなると、ホルモンバランスの影響で、より不規則になりやすくなります。したがって生理不順は授乳中のママにとってよくあることなのです。
ストレス
慣れない育児が絶え間なく続くことによるストレスや睡眠不足、授乳中にも関わらずお世話などでしっかり食事時間が取れないことによる栄養不足など、産後の女性はさまざまなストレスを抱えがちです。
そのようなストレスにより、生理を起こすエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が不安定になって、生理不順が引き起こされる場合もあります。
子宮の回復状態
子宮は、産後約6~8週間ほどかけて元の大きさや状態まで戻っていきます。出産してすぐに元の状態に戻るわけではなく、少しずつ変化していくのです。そのため、生理も時間をかけて以前と同じような状態に戻るのです。この変化は人によってさまざまなので、個人差が出ます。
体の冷え
女性は男性に比べてもともと筋肉量が少ないため、冷え性になりやすいです。産後は赤ちゃんのお世話で家にこもりがちになるため、運動不足が続いて血液の循環が悪くなり、冷え性に悩まされる方も多いと思います。
体が冷えてしまうとホルモンバランスが崩れ、生理周期が長くなったり遅れたりし、生理不順となってしまうのです。
産後ダイエット
産後太りを気にして、授乳しているにも関わらずダイエットをする人がいますが、食事を抜いたり、偏った食事をしたりするのは体のために良くありません。
たとえ授乳していなくても、産後は体を元の状態に戻すために、たくさんのエネルギーを必要としています。過度なダイエットをすることはホルモンバランスを崩すことになり、生理不順になる可能性があります。
生理不順はいつまで続く?改善方法はある?病院へは?
試してみましょう!
産後は、出産の疲れを完全にとることができないまま育児に入ります。そのため自分が思っている以上に、体は疲れています。しかし、育児に休みの日はありませんよね。
そんな忙しい中でも体調を改善する方法があります。完全に体調をよくすることは難しいかもしれませんが、すぐに実践できるものばかりなので参考にしてみてください。
食生活の改善
まずおすすめしたいのは、食生活の改善です。和食中心の食事を心がけ、授乳による貧血を防ぐために、レバーや小松菜といった「鉄分」を多く含む食材を積極的にとるようにしましょう。
女性ホルモンの分泌に効果があると言われている、豆乳や納豆、きなこといった大豆製品をとるのもいいですね。
育児中に理想通りの料理をすることはなかなか難しいと思いますので、無理をせず簡単なものでもよいので、バランスのとれた食事をとりたいですね。また体の冷えを改善するために温かい物を飲んだり食べたりするように心がけましょう。
睡眠時間の確保
夜は2~3時間おきに授乳し、昼間は赤ちゃんが寝ている間に家事や食事をするため、なかなかまとまった睡眠時間が確保できない方も多いでしょう。
しかし、少し時間が取れたら目を閉じて横になったり、赤ちゃんのお昼寝に合わせて寝たりして、体を休ませましょう。そうすることで人間の体は回復しようとするので、少しの時間でも体が楽になりますよ。
ストレスを溜めない
最後に大切なことは、ストレス発散方法を見つけることです。例えば、赤ちゃんが寝た後に好きなお茶を楽しんだり、体を温めるためにストレッチをしてみたり。
赤ちゃんのお世話をパパや家族にお願いして、少しの時間ショッピングに行くのもよいですよ。ママ1人でがんばらず、家族みんなで赤ちゃんを育てていきましょう。
妊娠したい場合はどうする?
生理不順でも妊娠は可能?

生理不順だと妊娠できないのではないか、と思っている人もいると思いますが、中には出産後最初の生理がこないまま次の妊娠をしたという人もいます。これは、産後のホルモンバランスが崩れている中で、生理がこないまま排卵が起こっていたということです。
つまり、生理が来ない・生理不順=妊娠ができないというわけでもないのです。逆を言えば、生理が来ないからと避妊せずに夫婦生活を続けていると、妊娠する可能性もあるのです。
通常の生理周期は、25~38日で3~7日間と言われていますから、万が一授乳をやめてから3ヶ月以上生理が来ない場合や、1ヶ月の間に2回生理がきたなど普段とは違うことがあれば、一度病院で診察してもらってください。
基本的には個人差があるものなので、あまり深く考えすぎずストレスをためないようにして、のんびりと生活することが大切です。
出産後に生理不順が治ることも
専門機関へのご相談はこちら
※健康状態に心配なことがある場合や受診の目安に迷った場合は専門機関へのご相談をおすすめします。以下のような窓口もご活用ください。
助産師会 相談窓口
https://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html
まとめ
出産後の生理不順は誰にでも起こるということや、ストレスによるものだとわかっていただけたと思います。一人でがんばろうとせず、周りの家族や友人の協力を得て育児をしていきましょう。自分は一人で子育てしなくちゃいけないわけではない、仲間やサポーターがいる、ということを忘れないでくださいね。
産後の体は生理をはじめ、想像と違って不安になることも多いかもしれませんが、不安はためこまず婦人科などで相談してみましょう。
(文章作成:nobii)
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