気を付けたい!産後の食事

食事の時間を確保

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赤ちゃんが泣き始めたりして、ゆっくりと食事をする時間が取れないママも多いですよね。
パパが早く帰ってくるなら、あやしてもらっているうちに食事をするなど、周りの人の協力をが必要です。

うまく食事の時間を確保することが大切なので、買い物や調理に時間がかからない工夫をしてくださいね。育児の合間にすぐに食べられるようにおにぎりを作り置きしておくのも良いですよ。

おにぎりであれば、赤ちゃんを抱きながら片手で食べることができます。具材をたっぷりにすれば栄養も摂れるのでおすすめです。

積極的に取りたい栄養素

産後は分娩で疲れ切った体の回復が必要です。母乳ママは母乳の事も考えた栄養が必要になりますね。

産後は特別な食事は必要なく、バランスのとれた食事が大切です。高たんぱくで低脂肪の献立を意識してください。そして鉄分、カルシウム、たんぱく質、葉酸、亜鉛などの栄養素を積極的に摂りましょう。

また、厚生労働省は授乳ママに350calの付加を推奨しているので、1食多く食べるなどして調整してみると良いですよ。

【1】鉄分

分娩での出血や悪露が原因で産後は貧血になりやすいです。母乳は血液から作られることからも、母乳ママは特に貧血に注意してください。

厚生労働省では授乳期は2,5㎎の鉄分の付加を推奨しています。鉄分を多く含む小松菜、ほうれん草、レバーなどを意識して摂るようにしてください。鉄は吸収されにくいのでビタミンCやタンパク質と一緒に摂るのを忘れずに。

【2】カルシウム

歯や骨の元になるカルシウムは母乳を通して赤ちゃんに運ばれます。カルシウムは赤ちゃんに優先して運ばれるので、不足するとママの骨密度が低下して骨粗しょう症の原因になります。

ママの骨密度が高ければ母乳中のカルシウム量も多くなるという研究もありますので、積極的に摂っていきましょう。カルシウムは牛乳やヨーグルト、あゆ、しらす、青梗菜に多く含まれます。

女性の9割がカルシウム不足と言われていますので意識して摂るようにしてくださいね。

牛乳はコップ1杯(200ml)で230㎎のカルシウムが含まれています。1杯で日本人女性の平均の不足量を補えるので、毎日1杯を習慣づけるのもよいですね。

アレルギーを気にして牛乳を避ける人がいますが、摂りすぎなければ大丈夫です。母乳が詰まりやすい人は乳製品からでなく、小魚や豆製品からカルシウムを摂るようにしましょうね。

【3】タンパク質

三大栄養素のうちのタンパク質は産後の傷や体力を回復させるために必要な栄養素です。

赤ちゃんの骨や筋肉を作るのにも必要なので、厚生労働省は授乳ママには20g/日を増やすように推奨しています。肉や魚、卵、豆腐、白身魚、鶏むね肉に多く含まれます。

【4】葉酸、亜鉛

葉酸は子宮の回復を促進して貧血予防に効果があり、ほうれん草やブロッコリーなどに多く含まれます。

亜鉛はタンパク質の代謝や細胞分裂に必要な栄養素で、牡蠣や豚レバー、納豆に多く含まれます。

厚生労働省は授乳時には葉酸は100μg、亜鉛は3㎎の付加を推奨していますので、積極的な摂取を心がけるようにしましょう。

避けた方がいい栄養素

産後だからといって特定の栄養素を避ける必要はありません。バランスの良い食事をするためにも、色々な栄養素を摂る必要があります。

脂質や乳製品を避ける人もいますが、全く取らないでいると特定の栄養素が不足します。母乳が詰まりやすい体質の人以外は、色々なものをまんべんなく食べるようにしてくださいね。

カフェインは1日3杯程度のコーヒーなら大丈夫です。もし、赤ちゃんが興奮してしまうようなら控えてくださいね。ノンカフェインのコーヒーなどを取り入れるのもおすすめです。

アルコールの摂取について

アルコールは母乳に移行するので授乳中は避けた方がいいです。母親の血液中のアルコール濃度の90~95%が赤ちゃんに移行します。赤ちゃんが直接アルコールを摂取しているような濃度です。

飲酒後に授乳することで、深い眠り、肝臓からの出血、体重の増加、身長の低下などの報告があることからも大量摂取は避けてください。

アメリカ小児学会はアルコールの摂取は最小限に抑えるべきで時折摂取する程度(60kgの母親であればビール2本程度)にとどめるべきとし、飲酒から2時間はあけて授乳すべきとしています。

アルコールに対しては専門家の意見も様々です。絶対にだめだという医師もいれば、息抜き程度に少しならOKとする医師もいます。

飲酒直後は血中のアルコール濃度が高くなります。母乳への移行を少しでも減らすために授乳中の飲酒は避け、一緒に食事をして血中アルコール濃度下げましょう。

タバコの摂取について

喫煙は乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンの分泌を悪くするので、母乳が出にくくなります。喫煙本数が多いほど母乳の分泌量が低下すると言われています。

また、両親がともに吸う場合はSIDSの発症は非喫煙夫婦に比べて5倍上がるとされています。喫煙しているなら禁煙すべきですが、喫煙のために母乳をやめる選択はしない方がいいと言われています。

「タバコのために母乳をやめた場合」と「タバコを吸いながら母乳育児をした場合」を比較すると、「やめた場合」の方が気管支炎や上気道炎のリスクが3~8倍上昇することがわかりました。

母乳には赤ちゃんの感染を予防する物質が含まれているので、たとえ喫煙しながらでも母乳を続けた方がいいということになります。

とはいえ、両親が喫煙する場合はしない場合に比べてSIDS発症のリスクは5倍も上がりますし、やめるにこしたことはありません。

産後の食事メニュー

効率よく調理できる調理法

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毎食きちんと作るのは大変なので、効率よく調理できるワザを使いましょう。

・焼くだけや煮るだけレシピをストックする

・肉や野菜を切ったり茹でたりと下処理をして冷凍する

・副菜を多めに作り保存する

・野菜を切るだけのお鍋にする

・片手で食べられるおにぎりを作り置き

これらの時短ワザを取り入れて、ゆっくりと産後の体を休めてくださいね。

冷凍レシピ 〜鉄分チャージ冷凍おにぎり〜

しらすとひじきを混ぜ込んだおにぎりです。しらすはカルシウムが豊富ですよね。片手で食べられるので育児の合間に小腹が空いた時にもおすすめのメニューです。

時間のある時に、たくさん作っておいて冷凍しておくと食べたい時にすぐ食べられますよ。

<材料(10個分)>

・米  2合
・乾燥ひじき  大さじ1.5
・乾燥大根葉  25g
・しらす干し  15g
・白ごま  小さじ2
・しょうゆ  小さじ1
・酒  小さじ2
・塩  ひとつまみ

<作り方>

①米を洗い2合目まで水を入れた後、乾燥ひじきと乾燥大根葉、しょうゆ・酒・塩を加え、炊きます。

②炊けたら、好みの大きさに握りラップで包みます。粗熱が取れたら、冷凍しましょう。

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ダイエットを意識しているママのレシピ 〜具だくさん石狩汁〜

野菜がたっぷりの石狩汁は、鮭が入っているのでヘルシーです。水分をたっぷりと摂ることができるので満腹感もあり、母乳の分泌も良くなりますよ。

<材料>

・鮭の切り身  2~3切れ
・じゃがいも  中2〜3個
・大根  15cmくらい
・にんじん  1本
・玉ねぎ  1個
・こんにゃく  1枚
・油あげ  1枚
・水  1500cc
・日本酒  20cc
・だしの素   5g
・味噌  お好みの量
・ねぎ  少々

<作り方>

①具材となる野菜を食べやすい大きさにきり、ねぎは小口切りにしておきましょう。

②鍋に水を入れ、大根・にんじん・玉ねぎ・こんにゃくを茹でます。大根に竹串が刺さるくらいまで茹でましょう。

③さらにじゃがいもと鮭を入れ、5分くらい茹でます。

④具材を茹でた鍋に、日本酒とだしを入れお好みの濃さになるまで味噌を入れ、味がなじんだら完成です。仕上げにねぎを散らしましょう。

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母乳がいっぱい出るレシピ 〜冬野菜のスープ〜

身体を温めて母乳をたくさん出してくれる冬野菜がたっぷりのスープは、水分も取れるのでおすすめです。

簡単にたくさん野菜が摂れるので、栄養満点ですね。ゆくゆくは赤ちゃんの離乳食にもアレンジできそうです。

<材料>

・豚肉  100g
・大根  3cm分
・にんじん  1/4本
・白菜  1/4個
・えのきたけ  1/2袋
・春菊  1/3袋
・薄口しょうゆ  大さじ1
・本みりん  小さじ1/2
・だし汁  2カップ

<作り方>

①スープに入れる具材を食べやすい大きさに切ります。

②鍋にだし汁を入れて、①で切った具材をすべて入れ煮ます。この時、肉→根菜類→葉物・きのこの順に入れましょう。

③鍋にさらに、調味料を入れ好みの味にします。具材が柔らかくなったら完成です。

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乳腺炎になった時のレシピ 〜切り干し大根の煮物〜

栄養価が高い切り干し大根の煮物です。油分が少なくヘルシーなので乳腺炎のときはおすすめです。疲れやストレスが乳腺炎の原因になりますので、しっかり休息をとってくださいね。

授乳回数や吸わせ方を見直して、カロリーの少ない食事をこころがけましょう。

<材料>

・切り干し大根  50g
・油揚げ  1枚
・人参  1/2本
・酒  大さじ1
・砂糖  大さじ1
・みりん  大さじ2
・醤油  大さじ3
・塩  ひとつまみ
・だし汁  500cc
・サラダ油  大さじ1

<作り方>

①切り干し大根を水で戻し、水気を切ったら食べやすい大きさに切ります。

②油揚げと人参を細切りにします。油揚げは、油抜きをしておくと良いですよ。

③鍋にサラダ油を熱して、切り干し大根→人参→油揚げの順で加え炒めます。そこに、だし汁・酒・みりん・塩を加えて煮立たせましょう。

④煮立ったら、砂糖と醤油を加えて汁気がなくなるまで煮て完成です。

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パパにお任せ簡単レシピ 〜簡単しらす丼〜

カルシウムたっぷりのしらすを使った丼ぶりです。火も包丁も使わないので、料理に慣れていないパパでも簡単にできますよ。

インスタントのスープを付ければ水分も取れて母乳にも優しいです。2,3時間おきの授乳で睡眠不足のママを助けてあげてくださいね。

<作り方>

・ご飯  1膳
・釜揚げしらす  適量
・ごま油  大さじ1〜2
・万能ねぎ(小口切り)  好みの量
・卵黄  1個
・めんつゆ(3倍濃縮)   小さじ1/2
・塩  好みの量

<作り方>
あつあつのご飯にしらすを盛り付け、調味料を回し入れれば完成です。食べる時は、卵黄を潰してかき混ぜて食べるとおいしいですよ。

今回、ご紹介したスポットの詳細はこちら

産後の食事、おたすけアイテム

宅配の利用

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赤ちゃんが小さいうちは買い物に行くのも大変なので、ネットスーパーや宅配弁当を利用しましょう。

宅配弁当は高齢者向けのメニューが多くヘルシーなので、産後ママにもぴったりです。値段は1食500円~程度であります。玄関先まで届けてくれるので助かりますよ。

1週間単位で注文のお店が多いので、産後2週間の体が大変な時期は宅配弁当にしてみるのもおすすめです。

食材を宅配してくれるネットスーパや生協などのサービスもいいですね。紙おむつや日用品を一緒に注文できるので便利ですよ。

産後ヘルパーの利用

自治体によっては産後ケアや産後ヘルパーの利用ができます。産後ケアセンターは24時間体制で助産師を中心とした専門スタッフが母子のケア、授乳指導、育児相談をしてくれます。

産後ヘルパーは専門スタッフが家に来て家事代行や赤ちゃんの世話をしてくれます。1時間単位で頼むことができます。

料金は民間で産後ケアが1泊で2~3万、産後ヘルパーは1時間に2,000円程度です。市町村のサービスを利用した方が安くなります。

参考までに、筆者の市の産後ケアはでは1泊3食付きで5,600円だそうです。里帰りをしないママや高齢出産ママの利用が多いそうですよ。

利用できるサービスを知っているだけで、気持ちが楽になるものです。こういったサービスをうまく利用しましょうね。

専門機関へのご相談はこちら

※健康状態に心配なことがある場合や受診の目安に迷った場合は専門機関へのご相談をおすすめします。以下のような窓口もご活用ください。

助産師会 相談窓口 
https://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html

まとめ

いかがでしたか?産後は特別な食事は必要なく、バランスよく食べるのが一番ですね。赤ちゃんのために栄養を!と張り切る気持ちも分かりますが、今はママの体の回復が一番です。

パパに協力を頼んだり、宅配を頼んでゆっくりする時間を持ってくださいね。

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