産後の出血 種類は?

悪露とは

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悪露とは、出産後に子宮の内部から出てくるおりもののような分泌物をさします。産後子宮内に残った血液やリンパ液、胎盤の残り、赤ちゃんを保護していた卵膜や子宮内膜など、様々なものが含まれています。

子宮を収縮させて悪露が出ることで、子宮は妊娠前と同じ状態に戻っていきます。これを子宮復古といいます。

初めのうちは慣れない出血にびっくりするかもしれませんが、子宮がもとに戻るためにはとても大切なことです。生理のときのような血生臭い匂いが特徴的で、正常であれば産後1ヶ月ほどで段々とおさまります。

帝王切開でも、子宮内に残ったものや、傷口からの分泌液などが悪露として出ます。ただし、切開してある部分から胎盤など悪露の原因となるものは取り除かれているので、量としては多くないのが特徴です。

不正出血とは

不正出血とは、生理以外の出血をいいます。育児ストレスや細菌による感染、子宮が十分にもとに戻っていない、子宮の病気など、産後の不正出血の原因は様々です。

産後1ヶ月経ち、悪露も徐々に少なくなり色も薄くなっていたのに、突然鮮血が出たり、出血とともに腹痛を伴ったりしたときは、不正出血か生理の可能性があります。

悪露・不正出血・生理・痔の見分け方

悪露の特徴

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<時期>
産後2ヶ月以内の鮮血は、悪露の可能性があります。悪露は時間の経過とともに変化していきますから、極端にいつもと違う場合は注意が必要です。

<量、色、臭い>
正常な初期の悪露は、赤色、小さな凝血があり、匂いは少ないようです。4日から10日くらい経過すると褐色になり、量も少しずつ減少します。11日~21日後になると黄色や白色になり、量もだいぶ減少してきます。

産後4週目になると、悪露はほぼ無色・無臭になり、悪露自体がなくなる方もいます。個人差があるため断定できませんが、もし産後5週目くらいに入ってもまだ大量に出る場合や、匂いや色が異常であると感じた場合は、医療機関に相談しましょう。

<痛み>
悪露に伴う痛みはありません。痛みがある場合は医師に相談しましょう。

不正出血の特徴

<時期>
産後2ヶ月以降の鮮血は、生理や不正出血の可能性があります。

<量、色、臭い>
基本的に、悪露は時間とともに量が減り、色も茶色から黄色っぽく変化し、臭いも薄まっていきます。「一度量が減ったのに増えた」、「一度薄くなった色が急に鮮血になった」「急に臭いがひどくなった」という方は注意が必要です。

<痛み>
鮮血と一緒に下腹部痛を伴う場合は、体調不良の可能性もあります。産後2ヶ月目以降の出血は生理か、不正出血か見分けが付きにくいようです。

生理であれば鮮血は止まります。なかなか鮮血が止まらなかったり、鋭い痛みを伴う場合などは不正出血などの体調不良を疑いましょう。

生理の特徴

<時期>
産後の生理再開時期は個人差があります。産後間もなく始まる場合もあれば、産後1年経過しても生理が再開しないという方もいます。特に母乳を与えている期間は排卵が起きにくくなるため、生理再開にも時間がかかると言われています。

<量、色、臭い>
通常の生理であれば、多少の匂いは気になっても鮮やかな色で、量もそれほど普通と変わらないと考えられます。色が異常に黒かったり、量が普段の倍以上あったりした場合は注意が必要です。
                      
<痛み>
生理痛であれば時間とともにおさまりますが、痛みが強くなる場合や続く場合は医師の指示を仰ぎましょう。

<時期>
腸が圧迫されやすい妊娠中や、母乳を与えることで体内の水分が減りやすい産後は、特に便秘になりやすく、それが原因で痔になってしまう方が多いようです。また、分娩中にいきんだことが原因で痔になってしまう方もいます。

<量、色、臭い>
子宮内の残存物が出てくる悪露と違い、鮮血が出てきます。痔の種類によりますが、少量の場合もあれば、ぽたぽたと出てくる場合もあります。便秘が原因の場合は特に、力んだ際に会陰切開した部分が傷ついて出血することもあります。血管からの出血ですから、特別に臭いはありません。

<痛み>
便秘が原因の、固い便を出そうとして肛門が切れてしまう切れ痔の場合、排便する際に痛みを伴います。同じく便秘が原因で、便を出そうと力むことで静脈がうっ血し、イボのようなできものができるイボ痔の場合も痛みを伴います。

痔になって病院へ行くのをためらう方もいますが、女性は妊娠中・産後に痔になりやすいので、心配なら受診するようにしましょう。また、食物繊維と油分を含む料理をバランスよく食べ、水分をしっかり補給して便秘にならないようにするのもおすすめです。

悪露に鮮血が見られる場合の原因

【1】感染症 : 産褥熱 ( さんじょくねつ )

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悪露が始まったころは、出産によりはがれ落ちた子宮内膜などが混じった分泌物がでるため、鮮血が見られる場合があります。しかし、この鮮血が混ざる状態が長く続き、それに伴って発熱がある場合などは、産褥熱という感染症の恐れが考えられます。

【産褥熱の症状】
産褥熱とは、分娩によってできた性器や子宮の傷から細菌が感染することで、分娩後24時間から10日以内に2日以上にわたって38度以上の高熱が続く症状です。

軽度のものは分泌物に少しにおいがあり、軽い発熱を伴って1~2日で治まりますが、重症になると高い熱と痛みがあり、全治までに数日かかります。これが悪化して熱や出血が治まらない場合、産褥敗血症になり生命が危険にさらされますので、早急な処置が必要です。

【産褥熱の原因】
ブドウ球菌、大腸菌、連鎖球菌、肺炎双球菌など病原菌に感染することが原因で起こります。

【産褥熱の検査と診断】
血液検査で炎症のレベルを調べ、傷から分泌物がある場合はそこに細菌がいるか培養検査を行います。また、発熱が続いていて炎症が高度な場合は血液からも細菌培養検査を行います。状況によって、超音波検査やCT検査などの画像的検査も行います。

【産褥熱の治療方法】
まずは十分に休息をとり、抗生剤や解熱鎮痛剤を使用します。抗生剤には内服から点滴も含め様々ありますが、熱の原因となっている場所や培養結果により種類が選択されます。

【2】子宮復古不全

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まれに産後2週間を経過しても鮮血の混じった悪露が続いたり、大きな塊が出て下腹部に痛みを感じたりする場合があります。

このような場合、産後に残った子宮内の胎盤などによって収縮が妨げられている可能性が考えられます。これを「子宮復古不全」と呼びます。晩期子宮出血を起こしているため、治療が必要です。

【子宮復古不全の症状】
産褥期に子宮の収縮がうまく進まず、子宮の機能回復が遅れている状態です。血性の悪露や子宮出血が多量で、子宮底は高く、子宮が大きくやわらかいままの状態です。産後の身体の回復の妨げになり、細菌感染や産褥熱にもつながるので早目の治療が必要です。

産後の子宮の収縮がうまくいかず悪露が長びき、出血量が増えたりします。通常であれば産後数ヶ月で悪露はすべて排出されますが、子宮内に悪露などが残ったままだと、胎盤ポリープを発症してしまう場合があります。また、悪露が残った状態が続くことで、細菌に感染するリスクも高まります。

【子宮復古不全の原因】
子宮の収縮がうまくいかないために子宮内に残存物がとどまり、子宮がうまく元の状態に戻らないことでおこります。よって子宮内に残っている胎盤片や卵膜片を取り除くことが最良と考えられます。

【子宮復古不全の検査と診断】
内診所見や悪露の状態を観察した上で異常が認められた場合、 通常のケースでは超音波断層法が行なわれます。画像によって、子宮の大きさや子宮のなかの残存物や子宮の中の血液などの状態を見ます。

【子宮復古不全の治療方法】
子宮収縮剤を一週間から二週間程度飲用すると、症状が治まります。子宮復古不全の状態が続くと、貧血を起こしてしまう可能性が高くなるので、貧血気味の方には鉄剤が処方されます。

このように悪露の状態を確認することで、子宮の回復状態を確認することができ、異常の早期発見にも繋がります。

病院に行くべき症状|腹痛、発熱、出血が続く…など

以下のような症状があったら要注意!

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産後24時間は大量出血が起こることもまれではなく、産院でも注意深く経過を観察されます。分娩後出血(PPH)は、「分娩後24時間以内に起こる500ml以上の失血(帝王切開では1000ml以上)」と定義され、子宮収縮が主な原因となります。

産後24時間をすぎると出血は落ち着くことが多いですが、産院を退院したのちにも出血が増えてしまうことがまれにあります。以下のような場合には、分娩をした病院に相談しましょう。

・悪露に嫌な匂いがある
・出血にともない、熱や寒気がする
・お腹にさしこむような痛みがある
・気持ちが悪くなったり、気を失ったりする
・心拍に乱れが出たり、心拍数が上がるなど
・一時間以内にパッドを使い切ってしまう
・出血に混じって大きな固まりのようなものが数日間にわたって出る
・安静にしていても血の色がどんどん鮮やかになり、そのような状態が数日間続く
・出血が長く続き、真っ赤な鮮血が一週間以上続く

これ以外でも、もし心配な症状があったら、病院で相談してみましょう。

出血がある時の処置

生理用パッドや悪露専用のパッドを使い、できるだけ日々の生活が困難にならないような工夫が必要です。出産後間もない時期は、パッドも1~2時間くらいでこまめに交換するようにしましょう。細菌の繁殖を抑えることが出来ます。

その後、数週間経ったあとは、3~4時間をめどにパッドを交換するようにしましょう。会陰切開などを経験した方は細菌感染をさけるため、その部分もきれいに洗浄するとよいでしょう。

産後6週間は、出血が多いからといってもタンポンを使ってはいけません。タンポンを使うことで、まだ回復しきれていない子宮が、細菌などに感染する恐れがあるからです。出産から6週間経っても出血が続く場合は、病院を受診しましょう。

まとめ

産後は赤ちゃんの世話や育児におわれ、自分の事に注意がいかなくなるお母さんも多いことでしょう。しかし、悪露や不正出血の変化に気を付けていないと、時間の経過とともに病気に繋がってしまうことがお分かりいただけたかと思います。

赤ちゃんの健やかな成長も去ることながら、産後の出血にも十分注意をはらって、いつもと様子が違うと思ったらすぐに医師に相談するようにしましょうね。(文章作成:ヴァネ)

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