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妊娠22週のお腹はどんな状態?
お腹のふくらみが目立ち始める

妊娠22週とは、妊娠6ヶ月の第3週のこと。「妊娠中期」と呼ばれる時期です。受精から数えて140~146日目に当たります。
妊娠生活もちょうど折り返し地点で、安定した時期といえるでしょう。少しずつお腹が出てきたことが、外見からも目立ち始める時期です。
お腹の中では赤ちゃんの顔にまつ毛や眉毛が生えてくるころで、上下のまぶたも整い、人間らしい表情になってくるころ。
膨らんできたお腹に血管が圧迫されたり、体内のホルモンバランスなども崩れることから、こむら返りが起こりやすかったりと、ママの体にも変化が現れます。では、ママや胎児に具体的にどんな変化が現れてくるのでしょうか?詳しく見てみましょう!
妊娠22週の母体の状態
つわりは落ち着き、乳腺は発達

このころの子宮の大きさ(子宮底長)は子宮底長21~27cmまでに大きくなり、おへその高さあたりまで大きくなります。
つわりも落ち着いている人が多く、妊娠生活に慣れてきたころですが、さまざまな体の変化が現れてくるころでもあります。
お腹もぐっと大きさが目立ち始めるころで、内面だけでなく外見も妊婦らしくなります。このころになると、ホルモンの分泌は「エストロゲン」が次第に増えてきます。
あまり大きな変動はないものの、出産や産後の育児に向けて活発に活動を続けています。その影響は乳房の発達にも関係しているのです。
おっぱいは乳房の中の「乳腺組織」で作られます。この時期、乳腺はかなり発達し、乳首を押すと薄い黄色みを帯びた乳汁が出る人もいます。出産まではまだ期間はありますが、着実にママになる準備をしていることがわかりますね。
お腹が大きくなることで起こる症状は?

妊娠22週ころになると、これまで述べてきたようにママの体には内側にも外側にも変化が現れる時期です。そこで、さまざまな症状が起こります。
お腹がぐっとせり出してくる大きさになるため、腰痛や背中痛を感じるようになる人もいます。また、大きくなった子宮が、背中側の自律神経節や腎臓に行く血管などを圧迫することで、血圧が高くなることも。
カルシウムやリン、マグネシウム、カリウムなどの体内バランスの崩れからこむら返りが起こりやすくなったり、「手根管症候群」という、手首に痛みやしびれを感じる症状が出たりします。他には、膀胱や骨盤内をを圧迫されることによる尿漏れや、痔の症状が出ることもあります。
長時間の立ちっぱなしや、血管の圧迫による「静脈瘤」もこのころの悩みのひとつ。特に仕事を続けているママは、長時間同じ姿勢のままであったり、制服などにより過度に締め付け感などあれば改善していきましょう!
妊娠22週の胎児の状態
赤ちゃんの成長や胎動は?

このころ、呼吸器の発達が進みます。まだ、自身で呼吸することにより酸素を血中に送る働きはできませんが、産後に呼吸ができるように準備しているのです。内臓や各器官もほぼ完成に近く、それぞれの働きを活発にし始めています。
20週を過ぎたころから、耳も聞こえるようになっていると言われ、 音の情報を脳に伝えることができるほどになっています。骨格や筋肉も発達してくるので、ママは胎動をしっかりと感じられるようになっていることでしょう!
子宮内の羊水も一段と増えます。このころの胎児の動きは、体を子宮内でクルッと回転させる「ローリング」が主。これは、無重力状態の中で宇宙飛行士が体を回転させる動きに似ているからそう呼ばれるのだそうです。
生育限界の境界線とは?

妊娠22週は、胎児にとっての分岐点である大事な時期です。これは、「生育限界の境界線」と言われています。
妊娠22週以降になると、胎児が何らかの理由で早期に子宮の外に出てきたとしても、生存できる可能性が高いとされているのでこう呼ばれています。
妊娠21週目までは「流産」となりますが、22週目からは「早産」。また、出産はまだですが、正産期前にお産傾向(お腹の強い張りなど)にあれば「切迫早産」となります。
妊娠22週は胎児が子宮の外に出ても生存できる「生育限界の境界線」を超えたことになります。そして、生まれてきた赤ちゃんは、外の世界に対応できないためNICU(集中管理治療室)で治療や生育を行うことになります。
境界線を超えた時期ではありますが、この時期の胎児は本来お腹の中にいるべき時期。大きさも器官もまだまだ未熟です。生存率は30~40%とされています。
しかもそのうちの90%の赤ちゃんには、何かしら後遺症が残るとも言われていますので、慎重にNICUで管理し、外の生活が問題なくできるようになる時期までは入院することになります。
このようなことから、切迫早産と診断されたら、正産期に近い時期まで1日でも長くお腹にとどめておけるよう、ママは入院して絶対安静で過ごすことになるのです。
妊娠22週頃の切迫早産に関する体験談
切迫早産と診断され…

とにかく安静に

日常生活でしておくべきことは?切迫早産の症状とは?
お腹や体重に気を配ろう

妊娠22週ころになると、つわりも落ち着き活動しやすくなる人も多いと思います。しかし、お腹も大きくなり、動きもだんだん制限されてきます。
できるだけ規則正しい生活を心掛け、無理は禁物です!お腹もせり出てくる時期ですし、お腹や血管を圧迫するような服装は控えましょう。
そして、たんぱく質を多く必要とされる時期。摂取することは大事ですが、肉類に含まれているリンが過剰だと妊娠性浮腫の原因になってしまいます。
この時期のたんぱく質は、植物性たんぱく質を摂取することを心掛けましょう。魚や大豆に多く含まれています。「洋食よりも和食」基本の食事が理想ですね。
それから、つわりが終わったことで、活発に動きたくなることもあるでしょう。運動は軽めのウォーキングなど、体に負担の大きくないものにしましょう。
安定期には「マタニティスイミング」や「マタニティヨガ」、「マタニティビクス」など、妊婦さん向けのエクササイズなどが受けられますが、かかりつけ医の許可を取るようにしましょう。
お腹の妊娠線予防、入院準備をしよう

・妊娠線予防クリーム
急激に大きくなるお腹や胸は、妊娠線予防に保湿クリームなどでケアしておくことをおすすめします。含有成分やアロマ入りなど、妊娠線予防用のマッサージクリームも市販されています。好きな香りなど、予防しながらリラックス効果もあるお気に入りのクリームを選ぶのも良いでしょう。
・入院セットの準備
出産まではまだまだ先な気がする時期ですが、先にも書いたように、妊娠22週目以降は早産の可能性や切迫早産での入院など、予期しない事態も考えておかなければならない時期です。
いつ、どのような事態になっても良いように、お産に備えての入院セットを準備しておいたほうが良いでしょう。
急に入院になった時、パパでは自宅のどこに何があるかわからなかったり、女性用品は購入に迷うものが多かったりと大変です!
早産の可否を判定、健診はきちんと受けよう

妊娠22週ころは、定期的な妊婦健診は、何も問題なければ4週に1回です。間隔が長いため、何かあった場合は自己判断せず、かかりつけ医に相談しましょう。
一般的な健診では、尿検査で尿蛋白、尿糖をチェック、体重・・腹囲・子宮底長測定、血圧測定で妊娠高血圧症候群の傾向をチェックします。
そのあと診察室で医師の問診を受け、むくみのチェックや体調に変化がなかったか確認を受けます。そして、超音波検査をお腹の上から受け、子宮内の様子を確認します。胎児の位置(頭位かどうか)、発育状態、体の形態、羊水量、胎盤位置などを確認しています。
他に、貧血の検査として血液検査が行われたり、何か心配事がある場合は、内診や経腟エコーがある場合も。産道感染の可能性がある場合、必要であれば膣分泌物の検査が行われる場合もあります。
早産の可能性がないかどうか評価するために、経腟エコーで、子宮頸管(子宮の出口)の長さを測る場合も。その際、25mm未満は早産リスクが高くなります。
お腹の張りや腹痛、出血に注意

「出産はまだまだ!」だと思ってしまいがちな時期ですが、先にも述べたように、早産の可能性が出てくる時期です。
妊婦健診の間隔も長めの時期なので、もしも不安なことがあった場合にはかかりつけ医に連絡を取りましょう。
ここでは、切迫早産の症状や受診タイミングなどをご紹介したいと思います。切迫早産の兆候は、下腹部痛、背部痛、お腹の張りが長い、不正出血、破水などが挙げられます。
しばらく休んでも痛みや張りが治まらなかったり、少量であってもダラダラと出血が続くなどあればすぐに受診しましょう!
破水の場合は、羊水に雑菌が繁殖して細菌感染してしまう恐れもあります。すぐにお産とはならないかもしれませんが、自己判断は危険です。この場合もすぐに連絡を取り、早めに一度受診しましょう。
妊娠22週のママの体重に関する体験談
妊娠前から体重が7キロも増え…

体重管理に気をつけるように

まとめ
妊娠22週は安定期でもありますが、生育限界の境界線を超えるポイントとなる大事な時期です。日々大きくなるお腹を抱えたママ。さまざまな妊娠症状も増えることでしょう。
胎児や自身の体調の変化を気にかけながらも、安定期という楽しいマタニティライフの時期を楽しみましょう!
(文書作成:mon)
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