切迫早産と切迫流産の違い

切迫流産、早産とは?

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それでは、切迫早産と切迫流産の違いとはいったい何かご存知でしょうか。

切迫早産
妊娠22週から36週に起こる症状です。胎児の成長が不十分で出産が母子ともにリスクが高い時に子宮収縮や出血、子宮口の開大という出産の兆候がみられ、早産となる可能性が高いことを言います。

切迫流産
流産になりかけている状態のことを言います。流産が起こりうる妊娠22週未満に子宮出血があった場合に切迫流産と呼ぶことになるので、流産になる可能性が低い場合であっても、切迫流産に含まれます。妊娠初期である妊娠16週目までに多く起こるとされています。

切迫早産の症状

お腹の張り、痛み、出血には要注意!

切迫早産の症状は、出血、腹部の張りや痛みが症状とされています。腹部の張りや痛みは、自覚症状として1番多く挙げられており、週数が増すにつれておこる張りとは明らかに違います。そのため、普段から自分の体調へ十分注意を払っておくことが必要となります。

また、出血の場合は鮮やかな真っ赤な血が大量に出ることが多いです。しかし、中には無症状で、検診にて子宮口が指1本分ほど開いていることを指摘され、入院となるケースもあるようです。

初産であるお母さんは、お腹の張りがどのくらい張ることがよくないことなのかなどが分からず、後々「これがお腹が張っているということだったんだ」と気づく人もいます。

切迫早産の原因

早産の原因は感染症?

早産の原因として多くなってくるものが、絨毛羊膜炎などの感染症です。細菌、またはその他の病原体が子宮に膣から侵入していまい、その菌が子宮に達することで炎症を起こし、子宮を収縮させることによって起こります。

お母さんの体の心身のストレスも原因として挙げられます。女性の社会進出に伴い、産休ギリギリまで働く女性が増えているためか、疲労性による切迫早産が増えているのが現状です。

また、妊娠中毒症や前置胎盤などやむを得ない妊娠中のトラブルによって、人工的に早産を促す人工早産ということを選ばなければならないというケースもあります。

切迫早産の治療法

入院または自宅安静

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切迫早産の治療では、入院または手術または自宅安静という選択肢があります。一般的に、この場合の入院とは早産とならないよう、安静を目的としたものになります。

第一子やペットがいて安静にしていることが難しいご家庭や、入院をしないと安静にしていることが難しい場合、強く入院をすすめられます。入院中は食事、排泄全てベッド上となることが多いです。

また現在法律としては、妊娠22週からが早産となります。安全に出産するためには、最低でも妊娠28週まで経過し、胎児の体重が1000グラムは必要とされています。それ以下で早産となってしまった場合は、生まれた赤ちゃんも治療が必要となります。

入院の場合

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子宮収縮が強く、子宮口がどんどん開いてきてしまっている場合は、入院がすすめられます。切迫早産で入院して治療をしていく場合、子宮口が開かないようにするために、子宮の収縮を抑えるという目的で子宮収縮抑制剤を点滴します。

また、前述した切迫早産の原因となる細菌による膣内感染を予防するために抗生剤を使用することもあります。

手術としては、開きかけている子宮口を縛る「子宮頸管縫縮術」というものが行われます。これは主に子宮頸管無力症や、子宮頸がんにて手術をし、子宮口が開きやすくなっている場合に適応となります。

子宮より内側を縛る「シロッカー手術」と、子宮頸管内部を縛るマクドナルド手術の2つが一般的です。

気になる入院費

手術、入院となれば気になるのが入院費です。切迫早産の入院期間は長期に渡るケースが多いです。

点滴だけの治療もしくは手術だけであれば、5日~1週間ほどで済みますが、長ければ2~3ヶ月となるケースも多々あります。

入院でかかる費用は、治療にかかる医療費、食事、個室であった場合は差額のベッド代が主にかかります。医療費と食費だけでだいたい1日1万円程はかかります。個室のベッド代の差額は設定が自由であるため、場合によっては1万円以上かかってしまうこともあります。

切迫早産の医療費に関わる保険には、健康保険と医療保険があります。従って、健康保険に加入していれば、3割負担となります。

また、高額医療費制度というものがあります。これは、健康保険に入っていれば誰でも使用が可能です。高額医療費制度とは、入院での治療が長期となる場合、医療費に上限がかかるというものです。

しかし、高額医療費制度には食費の負担、差額のベッド代の負担がありません。そのため、食費(1食平均300円程度)1ヶ月で約30,000円かかることになります。また、ベッド代も個室であった場合にはかなりの負担がかかります。

あとはそれぞれ掛けている民間の医療保険によって適応される値段等は変わってきます。可能であれば妊娠前に保険の見直しをする必要があるでしょう。

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自宅安静の場合

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自宅安静の場合、絶対安静とほどほどの安静という2つのパターンに分かれます。

絶対安静とは、トイレや食事以外は横になって過ごさなければならないが、入院を必要とするほどでもないことを言います。こちらは、ほとんどの家事を家族任せにすべき段階です。

ほどほどの安静とは、そこまで差し迫ったような症状、状況ではなかったり、絶対安静をしているうちに症状が良くなってきた時に出る指示です。簡単な家事はやっても良くなりますが、なるべく家族へ頼むことが望ましいとされます。

安静と言われたときの過ごし方

安静とは、一体どこまでが安静でどこからが危険となるのでしょうか。家事については、絶対安静である場合、調理もしてはいけません。

掃除も数日おきとし、洗濯物も下着のような小さなもの以外は家族に任せてください。出血がなければ湯船に浸かることはできますが、長風呂や熱い湯に浸かることは子宮収縮を招きます。

出血がある場合はシャワーのみとし、医師に止められている人は体を拭く程度としましょう。しかし、陰部は清潔を保たないと感染症を起こしやすくなるため、シャワートイレを使うなどして清潔を保ちましょう。

また、絶対安静である場合は外出や性行為も基本的には禁止となります。このように制約がたくさんあるのが自宅安静。

しかし、点滴もなく、住み慣れたお家で過ごせるということがメリットではあるかと思います。家族にたくさん協力してもらい、安静を保っていきましょう。

切迫早産体験談

二人目妊娠で切迫早産に!

35mamaさんからの体験談:
気持ちは出産に向けて、とにかくあせらず待つ!っといった感じで、二人目ということもあり心の準備はバッチリでした。切迫早産で入院をせざるおえませんでしたが、絶対大丈夫!と根拠のない自信も(笑)

入院生活はとにかく快適で、ホテルのようなお食事も上げ膳据え膳で頂き、出産後の大変な育児の前の先取りご褒美だと思えるほどでした。

実家の母や上の子への心配はありましたが、どうにか上手くやってくれてる様子。私の役目はとにかく健康な子を産むだけだ!と割り切って、焦らず、ゆっくりのんびり過ごすことを心がけました。

まとめ

切迫早産を経験している妊婦さんは、女性の社会進出に伴い増えているのが現状です。切迫早産という診断による不安や、入院生活によりストレスは増強することもあるかと思います。

しかし、これを乗り越えてかわいい我が子に会えることを考えてぜひがんばって安静を心がけていただきたいと思います。

そして何より、切迫早産を乗り越えるためには家族、特に夫の協力は必要不可欠です。家族で協力しあって切迫早産を乗り越えられることを願っています。

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