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妊娠28 週の母体の状態と気を付けたいトラブル
切迫早産
出典:www.jsog.or.jp切迫早産とは
早産になりかかっている状態、つまり早産の一歩手前の状態を切迫早産といいます。子宮収縮が頻回におこり、子宮の出口(子宮口)が開き、赤ちゃんが出てきそうな状態や破水(子宮内で胎児を包み、羊水が漏れないようにしている膜が破れて、羊水が流出している状態)をしてしまった状態のことです。
お腹の張りが頻回であったり、出血等の症状により「切迫早産」と診断されることがあります。まず、早産にならないようにするための第一目標が、胎児の体重が1000g以上に達する時期の妊娠28週ころ。
妊娠28週ころは、胎児の器官や機能はほぼ完成していますが、出産に至るにはリスクを伴う可能性もあります。まだ脳性まひや呼吸器系等の問題を抱える可能性があるので、なるべくお腹にとどめておきたい時期なのです。
切迫早産と診断されたら安静を言い渡されますが、危険度によって安静の度合いが違います。薬を服用し、自宅安静で様子を見る場合や、絶対安静の場合は24時間点滴で張り止めし、管理入院となることもあります。
体験談

妊娠28 週の赤ちゃんの状態|身長・体重・胎動など
胎児・胎盤の状態

このころの胎児の身長は39~40cm、体重は1000~1300gくらいまでに成長します。身長の伸びは少しスローペースに。皮下脂肪が付き、赤ちゃんらしいふっくらした体つきになります。
外で生きていくため、機能も整い始めます。脳が指令を出し、呼吸様運動という呼吸の練習をしたり、体温調節機能も働き始めます。
このころには外からの光や音を感じたり、味やにおいなどの五感も敏感に備わります。以前までは軽かった胎動も、このころになると活発に感じられるようになります。時に足で蹴った場所が、大きく盛り上がって見えることも!
そして、お腹にピクッ!ピクッ!とするような胎動を感じることがあります。これは、胎児のしゃっくりです。横隔膜のけいれんといわれていて、胎児の横隔膜がちゃんと機能している証なので、心配いりません。
エコー写真でも目鼻立ちがハッキリと見えます。胎盤の位置や状態、子宮口、羊水量などもチェックします。前置胎盤の診断もそろそろです。このように、胎児は日々お腹の中で、出産に向けての準備を整え始めているのです。
妊娠28週の生活
日常生活(服装・食事・運動)

このころから、急にお腹が大きくなってきたという人も多い時期。今までマタニティウェアでない緩めのウエストゴムのパンツやスカートで大丈夫だった人も、窮屈に感じることもあるでしょう。
いくらウエストがゴムでも、普通のパンツは股上が妊婦には短いです。お腹をゴムで圧迫しないように、無理のないマタニティウェアが良いですね。
食事では、母体の脂肪からつくられるブドウ糖が赤ちゃんへ優先的に送られます。そこで、母体がブドウ糖不足に感じ、突然甘いものを欲することもでてきます。
食欲に任せて食べてしまうと、ここから一気に体重増加につながってしまうので注意しましょう。我慢はストレスになってしまいます。ブドウ糖はご飯や穀物などから摂取し、適度な運動で体重コントロールを心掛けてくださいね。
お腹も大きく、ハードな運動はできません。体重コントロールと、お産に備えた体力をつけるため、ウォーキングが最適です。気分の良い日に、外へ出かけることは、ストレス解消にもなります。また、このころの赤ちゃんは光や音も感じることができるので、胎教にもなりますね。
用意すると良い道具・アイテム

・ベビー用品の手配
ベビー用品はこのころまでに準備しましょう。産後でも準備はできますが、産後すぐのママは思うようには買い物に行けません。
また、ネットスーパーやインターネット通販の登録をしておくのも良いですね。食材の配達や、おむつ、ミルクなどの重たいものも、自宅に配送してもらうことができて便利ですよ。
・入院セットをバッグに入れておく
この週から「妊娠後期」に入ります。いつお産が始まるとも限りませんし、急な破水や切迫早産などの場合は、受診した後そのまま入院になることもあります。
入院時に必要な荷物をひとまとめにして、わかりやすいところに置き、家族にも情報を共有しておくと良いでしょう。
薬やレントゲンの影響

このころは、器官形成は終了している時期ですので、催奇形性(奇形が起こる危険性のこと)の影響は無い時期と言えます。
しかし薬によっては、胎児毒性(胎児の発育や機能に悪い影響を及ぼす)という形で悪影響をもたらしてしまう場合もあります。ママが何らかの理由で薬が必要になった場合は、かかりつけの産婦人科に相談して処方してもらいましょう。
レントゲンは、妊娠初期の器官形成時期に胎児が一度に直接50~100ミリシーベルトを浴びると、流産や小頭症などの奇形の危険があると言われてます。妊娠後期のこの時期は、器官形成が完了しているので、その可能性はないでしょう。
歯のレントゲン撮影をした場合、胎児の浴びる放射線量は約0.0008ミリシーベルトです。1回のレントゲン撮影程度では胎児に影響もありません。
また妊娠中は、よっぽどでないとレントゲンは撮りませんし、万が一撮影が必要な場合には、銅板の入った防護エプロンを着用しますので安心です。
マタニティライフを楽しむ

この時期は、分娩にもつながる症状が起こるかもしれません。遠くへの旅行などは避けた方がベターですが、臨月に入るとますますおでかけし辛くなります。
また、お腹の中の赤ちゃんの五感が敏感になってくるので、ママのリフレッシュもかねて、ぜひこの時期におでかけしましょう!
例えば旅行なら、車で行ける範囲にゆったりしたプランで出かけましょう。定刻に出発する新幹線や飛行機などは、万が一気分が悪くなったりした場合に変更が難しく、無理をしてしまいがちです。
旅行できなくても、晴れの日に外へ出かけるのも良いですね。太陽の光を感じ、外気の気持ちよさ、外の世界のいろんな音を赤ちゃんにも体感させてあげましょう!
妊娠後期でも、後半はお腹が重くて同じ体勢を長時間とるのはきついもの。産後はゆっくり美容室にも行けなくなることもあるので、今のうちに行っておくのもいいですよ。
妊娠後期に入ってすぐのこの頃は、まだまだ動きやすい時期です。今しか撮れないマタニティフォトを撮影したりして、出産まであと少しとなったマタニティ期間を楽しんでくださいね。
体験談

パパはなにをしてあげたらいい?
辛そうな時は話を聞いてあげよう

このころのママは、お腹が大きくなり体が重く辛い時期になっています。辛いときに家事を代わってあげたり、ママの精神的な疲れも受け止めてあげてほしいのです。
むくみや腰痛で日常的に辛かったり、お腹が大きいことで熟睡できず、寝不足になったりすることも。そんな時にはまず「じっくり話を聞いてあげる」だけで心の支えになります!
家事も、掃除機やお風呂の掃除など、お腹に負担のかかりそうなものはパパの出番です。日常の何気ない場面で、ママを気遣ってくれるパパの行動や態度に、ママはリラックスして安心して赤ちゃんを迎えられます。
他には、急な入院やお産になった時に慌てなくて良いよう、パパもママの情報を共有しておきましょう。
出産になった時のタクシー配車や、持っていく入院グッズなどのすり合わせをしておくと安心ですよ。
体験談

まとめ
妊娠28週は、いよいよ「妊娠後期」に入ります。お腹もますます大きくなり、お産に向けてママも赤ちゃんも準備の時です。
妊娠後期は無理は禁物ですが、残りわずかな「お腹の赤ちゃんと過ごす時間」を楽しんでくださいね。
(文書作成:mon)
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