目次
妊娠6週の母体の状態は?
胎嚢、心拍を確認できるように

妊娠6週の子宮の大きさは、2Lサイズのたまごくらいの大きさで、普段スーパーなどで見かけるたまごより大きくなっています。
妊娠6週を過ぎると、赤ちゃんをつつむ袋である胎嚢(たいのう)の中に赤ちゃんの様子が見えるようになります。これを「胎芽(たいが)」と呼びます。まだ1mm程度ですがどんどん成長していきます。
妊娠初期段階である妊娠6週目の子宮では、ほぼ胎嚢が確認できるようになり、胎嚢の中の胎芽も見えて心拍動も確認できます。目の水晶体となる部分も形成されて鼻のくぼみや口、口の中の舌も段々出来てくる時期です。
生理周期が28日型でない場合や不順な場合は着床した時期にずれが生じることがあり、妊娠6週に入っても胎嚢が見えないことがあります。ですから、生理の周期を把握しておくことが大切です。
ホルモン分泌の変化・影響
妊娠3~4週ごろから、hCGと呼ばれるヒト絨毛性ゴナドトロピンという普段は女性の体内にはないホルモンが尿中に検出されます。妊娠6週目はこのhCGが増え始める時期です。
hCGは黄体化ホルモンと構造が似ており、黄体を刺激するため、通常は14日程度で消失してしまう黄体を妊娠黄体に変化させます。そして、月経が起こるのを防止し、流産を防いでいます。この時期はhCGホルモンが分泌されて妊娠黄体を刺激します。
そこからプロゲステロンやエストロゲンが分泌されて妊娠維持のために働くので、あらゆる女性ホルモンが分泌されます。これらによってつわりや体のだるさ、頭痛や腰痛、頻尿、便秘、微熱などの症状を訴えるようになり、精神的にも敏感になりがちです。
このhCGがつわりの原因とされてるという説もありますが、詳細はわかっていません。
つわりの症状はあるの?
個人差がありますが、人によってはつわりの症状が現れることもあります。つわりといっても吐き気がする、胃がむかむかするなどの症状だけではありません。眠さが取れない、だるい、とにかく寝ていたくなるなどの体調不良もいわゆるつわりの一種です。
風邪の初期症状にも似ていますが、この時期は絶対過敏期と呼ばれる薬剤の影響に一番注意が必要な時期ですので、風邪薬などの服用は慎重にしたほうがいいでしょう。必要ならば、医師に相談しましょう。
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妊娠6週の出血や流産
出血の原因は?

妊娠初期の出血には心配のない出血も多くあります。
以下の原因のものは心配のいらない、または経過観察で問題ないものです。
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
妊娠が正常であればこの血種は妊娠4~5ヶ月ごろには治まります。切迫流産の症状の一つでもあるため、下腹部の張りや出血が気になる場合は、健診時に医師に相談しましょう。その際は、出血の量や色、おなかの張りの有無などをメモしておくと良いでしょう。子宮膣部びらん
子宮内の粘膜がただれている状態で、こちらは妊娠中の赤ちゃんに直接影響はありません。子宮頸管ポリープ
子宮頸部にできる良性のポリープです。妊娠中に発見された場合は医師と相談の上、手術するかどうか決めます。妊娠6週目の気になる出血
妊娠6週の時期に気になる出血の原因は、主に以下のものがあります。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胎盤のもととなる絨毛が増殖する病気で、茶色のおりものや少量の出血が見られることがあります。またつわりの症状もひどいのが特徴です。500人にひとりくらいの割合で発症します。胞状奇胎と診断されたら、なるべく早く除去が必要になります。この場合残念ながら妊娠を継続することができません。部分胞状奇胎の場合、妊娠を継続できることもありますが、リスクを伴うため医師との相談が必要です。
子宮頸がん
妊婦健診の際に行われることが多くそこで判明することもあります。子宮外妊娠
受精卵が卵管など、子宮内膜以外に着床し、胎芽・胎児の発育が進んでしまうケースです。詳しくは後述します。妊娠6週での流産の原因は?
妊娠したにも関わらず、妊娠の早い時期(妊娠22週未満)に赤ちゃんの発育が止まってしまったり、流れ出てしまったりすることを流産と言います。
特に妊娠12週未満の流産を早期流産と言い、日本産科婦人科学会によると妊娠の15%前後が流産に至るという統計もあり、このような流産は避けられないものです。
原因は赤ちゃん自体の染色体の異常で、母親の行動が原因でおこるものではないといわれ、日本産科婦人科学会によると、妊娠12週までの切迫流産に有効な薬剤はないと考えられています。
流産や切迫流産などが原因で、少量の出血があった時点で受診したとしても特別な対処法は残念ながらありません。病院がお休みの日や夜間に少量の出血や軽い腹痛があっても、急いで受診する必要はなく、翌日あるいは予定された健診の受診で充分という見解です。
子宮外妊娠(異所性妊娠)
この時期に子宮に胎嚢が見られない場合には、子宮外妊娠の可能性があります。しかし妊娠週数の計算違いなどもありえるのできちんと診察を受ける必要があります。
もし子宮外妊娠の場合には早く発見して卵管破裂を防ぐために処置が必要です。また出血を伴う激しい腹痛があれば、流産の可能性がありますのですぐに専門医の診察を受けましょう。
妊娠6週の赤ちゃんの状態
胎芽・胎盤の状態|身体と器官の成長

おなかの赤ちゃんは7週目までは胎芽(たいが)、8週からは胎児と呼ばれ、6週はまだ胎芽の時期です。妊娠6週になると胎嚢がエコー写真でも見ることができます。けれども胎嚢の中の胎芽はとても小さくてまだ肉眼で見ることは難しいでしょう。
胎芽の大きさは、赤ちゃんの頭のてっぺんからおしりの出っ張ったところまでの、頭殿長(とうでんちょう:CRL:crown rump length)で計測します。
妊娠6週のCRLは7~10mm、胎嚢(GS:gestational sac)は1.5~3cmm程度です。胎芽はまだまだ小さいけれども一生懸命成長しています。
おたまじゃくしのしっぽのような部分がなくなってきて、手足は水かきのようになり、神経や頭、生殖器も形成しつつあります。胎芽は胴体よりも頭の方が発達しているので、頭の方が大きい状態です。
6週目にはエコー写真で卵黄のうも確認することができますが、これはまだ完成していない胎盤の代わりに胎芽に栄養を与えてくれます。多胎かどうかはこの時期に判明するでしょう。
胎芽・胎盤の状態|胎動
この時期はまだ胎動を感じることはできませんが、経膣超音波検査により赤ちゃんの心拍を確認することができます。
確認できない時は、妊娠週数の誤差が主な原因ですが、まれに胎嚢は完成していますが胎芽ができないこともあります。妊娠9週過ぎまで安定した心拍が続いていれば、流産の確率は低くなるといわれています。
しておくべきこと・気を付けることは何がある?
どんな準備が必要?

妊娠6週の時期には産院の情報を集め始めると良いでしょう。
自宅から通いやすいか、産院の雰囲気、出産方法、健診代など、自分の中で優先順位や見極めポイントを絞って探すと良いですね。周りに先輩ママがいる場合にはおすすめの産院を聞いておくのもいいでしょう。
また里帰り出産をする場合も同様、早めの決断が必要です。病院によっても異なりますが、人気の産院、ベッド数の少ない産院では分娩予約がすぐにうまってしまうこともあります。
地元の妊婦さんの受け入れを優先し、里帰りの妊婦さんの対応はできないという産院もありますので、情報をよく集め、適宜対応できるようにしましょう。里帰りの場合はご実家の協力も不可欠です。
洋服、下着はマタニティ用が必要?
まだおなかが出てきてはいないので、すぐにマタニティ用の洋服や肌着が必要になることはありません。しかし、人によってはつわりがひどく洋服の締め付けが気になることもありますので、その場合は、おなか周りがゆったりした洋服を選ぶとよいでしょう。
ブラジャーの締め付けが気になる場合は、ワイヤーのないもの、ブラトップなどを身に着けるのも1つの方法です。
つわりが酷いときはどうしたら良い?
つわりで食事が思うように取れなくなってくるのもこの時期の特徴です。食欲がなくてママの栄養状態が悪くても、栄養は赤ちゃんに優先的に届くようになっています。
しかし、水分不足は脱水症状を引き起こす可能性があります。トイレに行っても尿が出ない、日常生活が送れないなどの不具合がある場合はすぐに受診しましょう。
脱水症状かどうかを見極めるには尿検査を行い、尿中のケトン体の反応を調べます。症状が深刻な場合は、点滴によって水分や栄養補給を行うことがあります。
運動はしても良いの?

妊娠が判明する前からランニングをしたり、スポーツを楽しんでいる方もいらっしゃると思いますが、激しいものでなければ、制限しながら続けることは可能です。
ただし、運動強度の強いもの(心拍数140~150を超えるもの)、転倒したり、相手と接触したりする恐れのあるもの、腹部が圧迫する恐れがある運動は避けるようにしましょう。
また運動している最中に体に異変を感じた場合はすぐに中止し、医師の診察を受けるようにしましょう。
ウォーキングやヨガ、マタニティスイミング、マタニティビクスなどは妊婦さんの運動に最適です。体を動かすことは、体重増加の防止やむくみ解消などにも役立ちます。無理のない範囲で運動を取り入れたいですね。
葉酸はどれくらい摂取した方が良いの?
妊娠初期の葉酸の摂取は、神経管閉鎖障害の発症リスクを減少させるという発表が厚生労働省からなされています。
厚生労働省「第六次改訂日本人の栄養所要量」によると、ビタミンB群の水溶性ビタミンである葉酸の摂取量の目安は15歳以上の成人男女の必要量で200μg(マイクロg)、妊婦さんの場合は480μgとされています。
とりレバーや牛レバーなどに多く含まれる葉酸ですが、食事でこれだけの葉酸の摂取は難しいためサプリメントなどで補助するといいでしょう。
薬やレントゲンの影響
妊娠6週を含む妊娠28日目~50日目は、絶対過敏期と呼ばれ薬剤の影響に一番注意が必要な時期です。
しかし、妊娠中でも飲める薬はありますし、飲まないでいるとかえって赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともあります。医師と十分相談の上、自己判断はせずに納得した上で服用しましょう。
レントゲンに関してですが、日本放射線科専門医会によると主なX線検査による胎児被ばくの影響は、しきい線量を超えていないため心配ないとされています。
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パパにできることは?
パパも妊娠について知識をつけよう!

妊娠がはじめての場合は特に、ママはあらゆる体調の変化や妊娠の初期症状に不安を覚えることでしょう。その横でパパや家族達が育児本などでまずママの体の変化についてよく知った上で、ママをよく理解してあげることが大切です。
つわりで食事の準備ができないママを手伝ってあげたり、温かい一言をかけてあげたりすることもとても重要です。この時期はママはとても敏感になっていますので、心のこもった一言がママの心を大きく左右することになるでしょう。
親になるのはママだけではありません。家族が待ち望んでいた赤ちゃんを育てるために努力しているママのために、パパができることは本当にたくさんあるはずです。
パパはママのおなかに向かって赤ちゃんに話しかけたり、ママの体調が良い時に気分転換に外出したりするなどのサポートをしてあげましょう。
この商品の基本情報
商品情報*参考価格:¥ 821
*メーカー:講談社
*著作者:荻田 和秀
*ページ数:176
口コミ



体験談:パパも一緒に喜んでくれました

まとめ
待ちに待った妊娠であればあるほど、心拍が確認できるころである妊娠6週目のあらゆる症状はママをドキドキさせてしまうかもしれません。
そばにいるパパや家族達が一緒に温かくママと赤ちゃんを見守ってあげて、健康で元気な赤ちゃんが誕生できるように助けてあげましょう。(文章作成:すあまま)
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