出産時の「会陰切開」とは?どんな時に行うのかなどを解説!

今回、教えて頂いた先生:婦人科医 宮本亜希子先生

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記事監修者プロフィール

2006年兵庫医科大学卒業。現在東京美容外科と分娩取扱クリニックで勤務。専門は産婦人科全般で周産期、婦人科美容、アンチエイジングなど女性の悩みに寄り添う。3児の母としてお子さんを育てながら、女性のQOLの向上にも尽力。

会陰切開とは?

「会陰」とは膣と肛門の間の皮膚のことを指しますが、お産をよりスムーズに進めるため、医師があらかじめ会陰を切開して出口を広げておくことを会陰切開と呼んでいます。

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出産時に赤ちゃんの体が出てくることで会陰は引き伸ばされますが、この部分の伸びが悪いまま分娩を進めると皮膚が裂けてしまうことがあるのだとか。

自然に裂けてしまうと切開に比べて傷の治りが遅いこともあり、重度の場合は肛門や尿道にまで及ぶことがあるようです。会陰切開はそのようなことを防ぐ措置の一つとして知られています。

痛みはあるの?

会陰が裂けた場合、産後すぐはその傷でしばらく痛みが残ることもあるようですが、その後約1ヶ月ほどで消えていくことが多いそう。

感じ方はさまざまですが、こんなクチコミ*も寄せられています。

avator ゆきくま16さん
出産の痛みの後に会陰切開の痛みがあるとは知らなかったので、事前にケアの重要性を知りたかった
avator 7みーみさん
日常生活を送る中で会陰切開をした部分の痛みはあまり長くは感じなかったが、違和感は長く感じました

*ママの困りごとに関するWebアンケートより
※実施時期 2021年12月※n=1,332


座っている時に痛みが出やすいので、産後用ドーナツクッションなどを使ってケアする方もいます。

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会陰切開は防げる?

会陰の伸びがよい場合には会陰切開をしないで済むことがあり、かつ産後の回復は早いという説もあります。

最近では、会陰切開を予防する手段として会陰マッサージをおすすめする婦人科の医師もいますが、宮本先生もそのひとり。

avator 宮本先生
会陰マッサージをすることで会陰部の伸びを良くして出産時に会陰裂傷や会陰切開を予防できることもあります。(会陰切開は分娩の進行状態や赤ちゃんの具合により、必要があれば行われることもあります)

また、会陰切開を避けるために出産前からボディオイルや専用オイルなどでデリケートゾーンをいたわることも対策の一つなので、もしマッサージに抵抗があるという方はそのようなケア商品を検討してみるのも良いかもしれませんね。

妊婦さんもデリケートゾーンのケアってやった方がいい?

妊娠中も清潔を保つのは大切

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デリケートゾーンは普段からケアしている方も多いと思われますが、特に妊婦さんがデリケートゾーンを清潔にすべき理由はどこにあるのでしょうか。

avator 宮本先生
デリケートゾーンを清潔に保つメリットは、においの発生を抑えたり、かゆみをおさえたりすることもある点です。ただし、膣内は洗わないことがおすすめです。もともと膣内は常在菌もいて、自浄作用もあるので膣内を洗うことで膣内の常在菌のバランスが崩れ、自浄作用に影響が出てカンジダ膣炎になりやすくなることがあります。

妊娠中はおりものが増えることで、普段よりもかぶれやすくなったり、免疫力も低下して膣炎にもかかりやすいので清潔に保っておくことが大切なのですね。

デリケートゾーンの洗い方

マッサージよりも気軽にデリケートゾーンをケアできる方法が、洗うこと。入浴時にはデリケートゾーン専用ソープを使って洗いましょう。

優しくなでるように「泡」で洗うことを意識しながら、膣の表面を洗いますが、膣の中まで洗う必要はありません。

avator 宮本先生
妊婦さんはただでさえカンジダになりやすい状態なので膣の中は洗わず、外陰部の皮膚のみ、適切にケアしましょう。

そして、拭くときも、ゴシゴシとこするようなことはせず、清潔なタオルで軽く押さえて水分をとるのがポイントです。

会陰マッサージのやり方とは?

会陰マッサージは、体調が安定する妊娠28週以降、34週目あたりに始めるのが一つの目安とのこと。

avator 宮本先生
会陰マッサージは、34週くらいから週に1回程度行うのがおすすめ。しゃがんだ体勢で清潔な手でマッサージをしてみてください。会陰を傷つけないように爪を短くしておくことやオイルを使うのもポイント。37週未満でお腹が張る時などは無理して行わないほうが良いでしょう。
この頃になるとお腹もだいぶ大きくなってくるので、危なくないようにトイレや椅子などに腰かけるか、椅子や踏み台などに片足をあげるかなど姿勢にも注意したいところ。

会陰マッサージのやり方
1,雑菌などが入らないように、手をきれいに洗います。
2,手にオイルをつけ、デリケートゾーンに塗って保湿します。
3,膣口と肛門の間の会陰を、指2本ぐらいでクルクルとなでながらマッサージをします。


コツは血行がよくなるように、優しくマッサージすること。

解説書などによっては、膣に指を入れるやり方もありますが、怖いと感じたら無理に指を入れる必要はありません。また、お腹が張っている時はやめましょう。

顔などのスキンケアと同様にデリケートゾーンのケアも日々の積み重ねが大切です。無理は禁物ですが、体調が良ければ臨月に入ってからは毎日ケアをしても問題はありません。

実際にマッサージを始める場合には、事前に必ず婦人科医や助産師に確認をしましょう。

やってみたいと思ったら、できることからでOK!

デリケートゾーンのケアと聞くと、ちょっとためらう方もいるかもしれません。

でも、「会陰マッサージは怖いけど洗うのはできそう」「慣れたらマッサージもやってみようかな?」というように、できることや興味を持ったことからならスタートできそうですよね。

マッサージをしたからといって絶対に切開を避けられるわけではありませんが、会陰がやわらかくなることは、産後の回復や分娩時の負担を緩和することにもつながります。

落ち着いて出産を迎えるための心の準備としても、ぜひ試してみてくださいね。

まとめ

今回は、会陰切開やデリケートゾーンのケア方法、手軽に使える最新ケアアイテムについて詳しくお伝えしました。

出産を迎える準備のひとつとして、無理せずできることからぜひ試してみてくださいね。

産後のカラダの回復に努めましょう

出産後は、赤ちゃんのお世話でつい後回しにしがちだけど、ママのカラダは様々なケアが大切。

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上手にグッズも活用して、産後のカラダの回復に努めましょう。

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