目次
妊娠21週の母体の状態
子宮内の変化

妊娠21週の子宮の大きさは、お正月に飾る四寸の鏡餅ほどのサイズとなり、子宮底長は20~26cmほどになります。
赤ちゃんの大きさもリンゴ大くらいに成長し、子宮の内側から手足で蹴ったり叩いたりと活発に動いています。
また、おなかの中以外でもママになる準備は進んでいきます。
母乳を作る準備として、おっぱいから母乳のような分泌液がにじみ出てくることもあり、驚いてしまう人もいるかもしれません。
ですが、身体が着実に準備をしていると思えば安心できるのではないでしょうか。そして、外面的にもママの身体はますます妊婦さんらしく変化を遂げます。
大きなおなかは前にせり出してきて、足元が見えにくくなってきますし、おなか以外の箇所にも脂肪がついてうんざりしてしまうこともあるかもしれません。
筆者の場合は、出産には直接関係のなさそうな顔や腕にまでお肉がついてしまい、鏡を見て悲しくなる時もありましたが、出産後は徐々にですが元の体型に戻っていきました。
ホルモン分泌の影響とそれによる症状-肌トラブル
妊娠によるホルモンバランスの変化が原因で、シミやニキビ、肌荒れなどのお肌関連のトラブルが出てくるという人も多くいます。
特にニキビに関しては、顔だけでなく、デコルテや背中などの普段はできにくい場所にもできることがあります。
妊娠中は「プロゲステロン」と呼ばれる女性ホルモンが盛んに分泌されます。
このホルモンは皮脂の分泌を活発にさせる働きを持っており、皮脂が詰まりやすくなったり毛穴がふさがったりして、ニキビや肌荒れなどに結びついてしまうのです。
対策としては、食事・肌ケア・睡眠に気をつけることがあげられます。
つわりが続いている、または、つわりがなくなった反動で食事バランスや量が適切でなくなってしまうと、肌のバランスも崩れがちになります。
栄養バランスを意識した食事内容を心がける事が大切です。
肌に直接働きかける洗顔や保湿などのケアも重要です。刺激が少なめの洗顔料で朝晩など1日2回は皮脂や汚れを落としてあげることが必要となってきます。
そして、洗顔後は化粧水だけではなく、しっかりと保湿の段階まで行い、過剰に皮脂が分泌されないような環境を作ってあげましょう。
妊娠中はつわりの影響や出産への不安、子宮が大きくなることによる頻尿などが原因で、夜に十分な睡眠を取れないこともあります。
「プロゲステロン」の影響で眠気やだるさが時間を問わず襲ってくることもあるでしょう。しかし、睡眠バランスが崩れるとやはり肌にも影響してしまいます。
睡眠不足にならないようにリラックス音楽をかけたり、トイレを済ませてから寝たりといった工夫をすると良いかもしれません。
ホルモン分泌の影響とそれによる症状-便秘・痔
妊娠によるホルモンの影響と、子宮が大きくなることによる腸への圧迫が原因で便秘や痔になってしまうという人も多くいます。
女性ホルモン「プロゲステロン」は腸の運動機能を低下させてしまうため、妊娠中は便秘を引き起こしやすくなり、頑固な便秘が痔に結びついてしまうこともあるのです。
対策としては、基本的なことではありますが、食事バランスに気をつけることと、適度な運動をするということが効果的です。
まず食事面に関しては、食物繊維が豊富な野菜や腸内環境を整える乳製品を意識して取るようにし、消化に時間のかかる肉料理は控えめにするなどの工夫をしてみましょう。
甘いものが欲しいという場合には、バナナやココアがおすすめです。また、頻尿に悩まされている人は水分を取るのを控えてしまいがちです。
しかし、水分が十分に摂れていないと便秘にもつながってしまうので、少しずつこまめにでも水分補給をするのが良いでしょう。
朝起きたら、腸を目覚めさせるためにまず一杯の水を飲むというのも、取り入れやすい習慣かもしれません。
運動面に関しては、しっかりとメニューを組んで毎日欠かさず行うというようなハードなものでなくても、毎日の生活に取り入れやすいストレッチやウォーキングなどの簡単なものでも効果があります。
あまりに我慢をした食生活であったり、脅迫的に運動したりしていてはストレスもたまり、自律神経と深く関わっている腸の動きも鈍くなってしまいます。
自分にできる範囲で楽しさも織り交ぜつつ取り入れられると良いですね。
妊娠21週の体験談
便秘には食事と運動、水分で対応

胃痛や貧血に悩むように

妊娠21週の赤ちゃんの状態
胎児・胎盤の状態

さて、妊娠20週の赤ちゃんはどのような成長をしているのでしょうか。
この頃の赤ちゃんの身長は約19~25cm、体重は約300~450gで、リンゴ1個分くらいの大きさをイメージすると分かりやすいかもしれません。
どんどん身体がふっくらして赤ちゃん体型に近づいていきますが、同時に骨格や筋肉も発達していくので、子宮の中でより活発に動くようになります。
くるくると動き回る事が多いので、妊娠21週の時点で逆子の体勢の赤ちゃんは半数くらいいると言われていますが、まだこの時期での逆子は心配しなくても問題ないようです。
赤ちゃんの活発な動きに伴い、胎動を感じる回数も増えてくるかもしれません。
時には痛いと感じるほどにキックをする赤ちゃんもいるかもしれませんが、赤ちゃんが元気な証拠だと思えばほほえましいですね。
また、妊娠21週の頃の赤ちゃんは、脳神経がさらに発達して聴覚がより敏感になり、まぶたも開くようになって明るさの刺激も感じられるようになります。
まだ視力は発達していませんが、まばたきのような動きが可能になり、外の世界の明るさを感じ取る事で、夜と昼との区別もつくようになっていきます。
また、この時期は男の子なら精巣が、女の子なら卵巣がほぼ完成形に近い段階まで出来上がります。
エコー検査でこれらの生殖器の影を確認できることもあり、性別判定ができる確率も高まってくるでしょう。精巣も卵巣ももともとは同じ組織から作られていくものなのですが、生命の神秘を感じますね。
しておくべきこと・気を付けることは何がある?
生活習慣、体調管理
安定期に入ってしばらく時間が経ったこの時期、注意したいのは体重管理です。
つわりもおさまり妊娠生活にも慣れてきて、食生活が乱れてしまったり、身体が少しずつ重くなる事で身体を動かすのがおっくうになったりしていないでしょうか。
栄養バランスの偏りや脂分の多い食事、運動不足は、適切な体重増加量をオーバーするだけでなく、先に記述した便秘や痔の症状を引き起こす鍵となりかねません。
毎日決まった時間に体重を測って記録しておく、間食を摂らなくても良いように食事をしっかり取る、散歩や体操など気軽にできる有酸素運動を取り入れるなどの工夫をすると良いでしょう。
妊娠後期になると体重増加を抑えることが難しくなるので、比較的コントロールしやすいこの時期に正しい食生活と運動を習慣化させておくことが無難と言えます。
また、実家での里帰り出産を考えている人は、この時期からしっかりと準備をしておきましょう。
出産予定日は既に知らされているはずですので、分娩を予定している病院に連絡し、必要であれば分娩予約を取っておきます。
場合によっては臨月に入る前に一度受診を求められることもありますので、体調の良い時期に無理なく移動できるよう、交通手段や持ち物なども予め準備しておくと安心です。
用意しておくと良いものー保湿クリーム
この頃に用意しておきたいアイテムといえば、妊娠線ケア関連アイテムです。
おなかやバストの皮膚の伸びが良くないと、皮膚が割れたかのようなヒビのような妊娠線ができてしまうことがあります。
対策としては保湿が重要な鍵となってきます。
この時期からどんどんおなかが大きくなっていく妊娠後期まで長く使えるように、またおなか以外の場所にも使えるような内容と容量のものを準備しておくと安心かと思います。
また、産後の授乳を考えたおっぱいケアのためのアイテムも用意したい時期です。
おっぱいケアと聞くと、産後に母乳の分泌を良くするためのマッサージを想像する人も多いかもしれません。
しかし、乳頭周辺を刺激することは、子宮収縮による早産などを引き起こしてしまう可能性もあります。
自己流では行わず、時期と方法について医師の指示をあおぐようにしましょう。この時期のおっぱいケアというのは、乳頭の保湿のケアのことを指します。
産後すぐから赤ちゃんへの授乳は始まりますが、赤ちゃんもママも授乳に慣れていないうちは特に、乳頭が傷ついたり切れたりということも起きてきます。
ですから、赤ちゃんが吸う力に対応できるように、乳頭部分の皮膚を柔らかくしておくためのケアが必要となってくるのです。
乳頭周辺に塗るアイテムとしては、馬油などの天然成分のものが産後にもそのまま継続して使えるのでおすすめです。
伸びが良く、赤ちゃんが舐めてしまっても有害ではないので安心です。
それ以外にも、さまざまな種類の妊婦用やベビー用のクリームが出回っているので、自分が心地良いと感じる香りや触感のものを使うと良いでしょう。
用意しておくと良いもの-スキンケアアイテム
さらに、妊娠21週頃は、ホルモンの影響によりメラニン色素が生成されやすくなり、肌にシミやそばかすができたり、乳首が黒ずんできたりといったトラブルも生じてきます。
これに対しては、ビタミンCを意識して摂取し、美白用クリームなどを塗って対処すると気にならない程度になるかもしれません。
体重増加が心配な人やつわりが続いていて食事でビタミンCを補うのが難しいという場合には、タブレットやサプリメントなども豊富にあるので、医師に相談して取り入れてみるのも手ですね。
パパはなにをしてあげたらいい?
ママが不安な時、一緒に居てあげよう

この時期、妊娠初期よりもつわりがおさまってきて、ママの体調もだいぶ落ち着いてきたように見えるかもしれません。
また、出産までもまだ数ヶ月残っているので、比較的大らかな気持ちで日々を過ごしているママもいるかもしれません。
しかし、実はさまざまな身体のトラブルや出産・育児への不安などと常に隣り合わせでいるママが多いのではないでしょうか。
安定期に入っても、お通じの悩みや足腰の痛さ、お肌のトラブルなど、つわりとはまた違った身体のしんどさがあります。
ママは「私の身体はこれからどうなってしまうのだろう?」といった不安や心配を感じる事も多々あります。
出産まで日数が残されているとはいえ、おなかの中の赤ちゃんは問題なく成長しているのか、無事に出産することができるだろうか、といった不安で夜に目が覚めてしまうことだってあります。
そんな時、パパや家族のサポートがとても強い心の支えとなってくれることでしょう。ママの体調の変化に気づいてあげることは難しいかもしれません。
ですが、毎日仕事から帰ったら「今日の体調はどうだった?」などとママを気遣う言葉をかけるのはそんなに難しいことではないはずです。
ママがもし体調の悩みや出産・育児に関する不安を抱いているようであれば、パパや家族はそっと寄り添い、話を聞いてあげたり、時には共感したりしてあげてください。
おなかの中の赤ちゃんもママやパパがリラックスして穏やかな雰囲気でいれば、きっとそれを感じ取るのではないでしょうか。
妊娠21週の体験談
夫婦で楽しみながら赤ちゃんについて勉強

優しい言葉と行動がうれしかった

まとめ
妊娠21週の母体に起きうる変化や症状、胎児の様子や成長についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。
この週を乗り切れば、流産ではなく早産の扱いになるため、生存確率が上がります。
ママは無理をせず、必要な時には周りの人たちにサポートしてもらいながら、穏やかな心を持って妊娠中期を過ごせると良いですね。(文章作成:caltoids)
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