目次
妊娠30週のママの様子
ホルモン分泌の変化|子宮や胸が大きくなったり、乳腺の発育を促進したりする

妊娠30週を含む妊娠後期は、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌に変化が起きます。
ホルモン分泌の変化は、妊娠中や産後に必要な働きがありますが、ホルモンバランスが崩れると様々な影響・症状が現れることになります。
妊娠8ヶ月頃は、エストロゲンが急激に増加します。エストロゲンは、主に子宮や胸を大きくする働きがあります。また、体内の水分を保持する働きもあります。
プロゲステロンは妊娠8ヶ月~9ヶ月がピークで、子宮筋の収縮を抑えて妊娠を維持したり、乳腺の発育を促進したりする働きがあります。また、内臓の筋肉緊張も抑えるので、胃や大腸の活動が鈍ることがあります。
【症状1】胃の不調|少量ずつ消化の良い食事を

プロゲステロンは、消化物を運ぶ役割をする平滑筋の緊張を抑え、胃や大腸の活動を鈍らせてしまうことから、胃もたれや胃のむかつきを起こす事があります。
また、大きくなった子宮が胃腸を圧迫することも原因の一つです。これらの症状は妊娠周期が進み、赤ちゃんが骨盤の方へ下がってくることにより解消することがほとんどです。
【対処法】
1.食事を数回に分けてとる
空腹になると胃酸の分泌により、胃もたれや胃のむかつきが出やすくなってしますので、食事を数回に分けてとるようにしましょう。また、水分は胃酸を薄めてくれるので適度な水分補給も効果的です。
2.消化の良い食事をこころがける
胃の調子が悪い時は、揚げ物のような脂っこい食事やカレーといった刺激の強い食事は良くありません。お粥やうどんなど、消化の良い食べ物をとるようにしましょう。胃の調子があまりに辛い時は、我慢せずに主治医に相談してみましょう。
【症状2】便秘・痔|冷えに注意、適度な運動も◎

胃の不調と同様に、便秘や痔もプロゲステロンの影響や子宮が胃腸を圧迫することが大きく関係しています。この他にも、運動不足や貧血治療の鉄剤の影響もあります。
便秘になると、硬い便を無理に出そうとするため肛門に圧力がかかることで痔になりやすくなります。また、大きくなった子宮が肛門周辺を圧迫し、うっ血することでもなりやすくなります。
【対処法】
1.食物繊維が豊富な食事をとる
便秘の改善には、食物繊維の豊富な食材をとり、便のかさを増やすようにしましょう。さつまいもや根菜類、豆類やきのこ類、ヨーグルトなどがよいでしょう。雑穀米も白米に比べて食物繊維が豊富で、満腹感も得やすいのでおすすめです。
2.体を冷やさない
体が冷えると血流が悪くなり、腸の蠕動運動が鈍くなります。特に下半身を冷やさないように、マタニティウェアなどを活用しましょう。また、お風呂や足湯に浸かるのも効果的ですよ。
3.適度に運動をする
妊娠30週頃は、お腹が急激に大きくなる時期ですので、ついつい運動不足になりがちです。運動不足ですと、腸の働きが鈍くなってしまい血液循環も悪くなるので安静時以外は、なるべく体を動かすようにしましょう。
マタニティスポーツを取り入れたり、毎日30分程度の散歩をしたりすることでも効果があるとされています。
あまりにも便秘がひどい場合や痔になってしまった場合は、お医者さんに相談し、妊娠中でも安全な薬を処方してもらいましょう。
【症状3】手足のむくみ|食事で改善、フットバスなどで血行促進

体内の水分を保つ働きがあるエストロゲンは、妊娠8ヶ月頃にピークに達します。この頃、急にむくみやすくなったというママも多いのではないでしょうか。
むくみとは、体内に水分が溜まって腫れてしまうことです。脚などを手で押すと跡ができ、しばらく戻らないこともあります。
女性ホルモンの影響だけでなく、血液量の増加、塩分の摂り過ぎ、運動不足もむくみの原因となります。深刻なむくみは妊娠高血圧症候群も心配されますので、注意が必要です。
【対処法】
1.むくみを改善する食材を取り入れる
むくみを改善するのに適した食材を料理に取り入れてみましょう。わかめ・きゅうり・とうもろこし・あずきなどは利尿作用があります。
また、ほうれんそう・キャベツ・キウイ・バナナなどには、体内の余分な塩分を排出する効果のあるカリウムが多く含まれています。これらを上手に組み合わせて、おかずに一品取り入れてみてはいかがでしょうか。
2.体の血行をよくする
血液循環をよくすることは、むくみの解消に効果的です。体を冷やすと、血液循環が悪くなってしまうので、下半身を中心に温めるようにしましょう。湯船にゆっくりと浸かるだけでなく、フットバスだけでも足の冷えはよくなります。
また、適度な運動も効果的です。マタニティレギンスやマタニティタイツを活用してのウォーキングは、手軽にできて冷えの防止やむくみ改善にもなるのでおすすめです。
【症状4】ストレスでイライラ|好きなことをしてリラックス!適度な運動も

妊娠後期に入ると、ホルモンバランスが崩れるためイライラや情緒不安定になることが多くなります。ホルモンの影響もさることながら、お腹が大きく思うように動けないことや体調不良、出産や産後への不安などもストレスとなりイライラの原因になります。
よく「ママのストレスは赤ちゃんに伝わる」と言われるように、なるべくイライラせずストレスを感じないように過ごしたいものですね。
【対処法】
1.おしゃべりをする
ホルモンの影響ですので、ストレスを感じたりイライラしたりするのは当たり前です。イライラはため込まずにパパや友人などに話しをしてみましょう。産後は、なかなか友人とも会う時間がなくなってしまうので、今のうちに会っておくのもよいでしょう。
ランチしたりお茶をしたりしながらのおしゃべりはそれだけでストレス解消になるはずです。仲の良い友人に会うだけでもリラックスでき、笑顔になりますよね。
2.運動する
運動は、妊娠中に肝心な体重管理のためだけでなく気分転換にもなるのでおすすめです。最近では、マタニティビクスやマタニティヨガなど、妊婦さん向けにプログラムされたスポーツも豊富です。妊婦さん同士で行うということも安心感がありますよね。
運動を取り入れる場合は、ママの体調によりますので必ずお医者さんの許可をもらうようにしましょう。
3.好きなことをする
好きなことをしている時は、自然とイライラもなくなるものです。好きな音楽を聴いたり好きな映画を観たりするのもよいですね。
出産準備も兼ねて、胎教に良いとされるCDをママと赤ちゃんのために聴いてみたりベビーグッズを手作りしてみるのもおすすめです。できるだけ楽しいマタニティライフを送りたいものですね。
妊娠30週の体験談
後期つわり、貧血、便秘などのマイナートラブル

出産や産後の不安など、気分の浮き沈みが激しく

妊娠30週の赤ちゃんの成長
器官形成|呼吸機能・消化器官がほぼ完成し体温調節が可能に
妊娠30週頃の赤ちゃんの器官形成は主につぎのようなことが挙げられます。
・呼吸機能がほぼ完成する
・体温調節ができる
・脳の皺や凹凸がさらに増え、外見は大人の脳とほぼ変わらない形になる
・骨髄が赤血球をつくり始める
・消化器官がほぼ完成する
行動と器官の動き|五感がさらに発達、外部の音も聞こえるように

この頃の赤ちゃんは、ママのお腹の中で様々な行動をしています。睡眠のリズムがつき始めるので、眼球の動きで寝ているか起きているかが判断できます。口をパクパクと動かすのは、呼吸する練習やおっぱいを吸う練習をしているようです。
妊娠30週には五感がほぼ完成しています。その中でも聴覚は妊娠28週を過ぎると、さらに発達して、お腹の外の声や音が聞こえるようになります。
ですから、この頃から本格的に胎教を行うと良いですね。特に、赤ちゃんはママの声を聴き分けられるとされているので、お腹の赤ちゃんにたくさん話しかけてあげましょう。音楽を聴かせたり絵本の読み聞かせをしてあげたりもよいですね。
しておくべきこと・気を付けることは何がある?
妊娠線の予防|急激な体重増加に注意、入浴後に皮膚のケアを
お腹が大きくなってくるこの時期に気を付けたいのが妊娠線です。妊娠線とは、皮膚が急激に伸ばされることによって、真皮や皮下組織に生じる亀裂のことです。
多くはお腹にできますが、中には胸や脚にできることもあり、痒みを伴う場合もあるようです。予防策としては、「急激な体重増加を防ぐこと」と「スキンケアをまめに行うこと」です。
急激に皮下脂肪がついてしまうと妊娠線も出やすくなってしまうので、この面からも緩やかな体重増加を目指したいですね。
スキンケアの方法としては、皮膚に油分や保湿を補うことです。妊娠中の肌は敏感になっているので、妊娠線予防専用のクリームやジェルを使えば安心です。また、皮膚が清潔で血液循環が良くなる入浴後にお手入れしてあげると効果的です。
不正出血や破水、腹痛などの心配な症状は産婦人科を受診
〇お腹の張り
〇腹痛
〇破水
〇不正出血
このような症状が出た時は、早急に産婦人科を受診しましょう。切迫早産や早産、前置胎盤、常位胎盤早期剥離といった兆候かもしれません。
お腹の張りは、この時期はよく感じるようになることですが、横になっても治まらない場合や反対に痛みを感じるくらいになるような場合は心配です。
禁酒・喫煙は妊娠中も産後もNG!赤ちゃんに悪影響
禁酒|胎児性アルコール症候群による発育不全や奇形などのリスク大

妊娠中の飲酒や喫煙は、赤ちゃんにどのようなリスクがあるのでしょうか。具体的な症例をまとめました。
(1)胎児性アルコール症候群
以下のような先天的な異常が起こりやすくなります。
・発育不全、発達障害
・発達障害や多動症などの中枢神経障害
・特異的な顔立ち、小頭症などの頭蓋顔面奇形
・先天性心疾患、関節異常などの種々の奇形
エタノールやアルデヒドといった成分が、胎盤を通過して赤ちゃんに影響してしまいます。妊娠初期だけでなく、妊娠中期・後期では発育遅延や中枢神経障害のリスクがあります。
このようなことから、妊娠期の飲酒は赤ちゃんに多大な悪影響を及ぼす危険性があります。
喫煙|前置胎盤や胎盤早期剥離、乳幼児突然死症候群を引き起こす可能性も
(2)乳幼児突然死症候群(SIDS)
産まれた赤ちゃんが何の前ぶれもなく突然死してしまいます。原因の1つが両親の喫煙だとされており、喫煙していない場合と比べ4.7倍にもなるとされています。
(3)子宮内胎児発育遅延(IUGR)
タバコには、ニコチン・一酸化炭素といった有害物質が含まれています。これらの物質は、血管を収縮する作用があります。
ママが喫煙してしまうと、ママの血液中の酸素が不足することにより、赤ちゃんが低酸素状態になってしまいます。
この結果、子宮や胎盤の機能が低下、赤ちゃんに必要な栄養や酸素が行き届かなくなるため、赤ちゃんの発育が遅れてしまったり低体重症を引き起こしてしまったりします。
また、流産や早産、前置胎盤や胎盤早期剥離などの原因ともなりますので、妊娠中はもちろん産後にかけても禁煙するようにしましょう。
妊娠30週の体験談
子宮口が開いてしまった

食事で貧血の改善を

パパはなにをしてあげたらいい?
ママの足元に気を付けてあげよう
ママにとってお腹が大きくなって困るのは、足元が見えづらくなることです。階段を下りる時やお風呂に入る時などは、とても気をつかいます。
ママと一緒に歩く時は、手をつないだり支えたりしてくれると安心です。足元が見えなくて困る事はそれだけではありません。
靴下や靴を履くのに苦労したり、足の爪が切れなくてイライラしたりなんていうこともあります。そんな時に、靴下を履かせてくれたり足の爪を切ってくれたりするだけでも助かるのです。ママが靴下と格闘している時は、ぜひ進んで履かせてあげてください!
マタニティフォトを撮ろう
妊娠期間は、ママにとって体調不良や情緒不安定などの連続です。そんなママを笑顔にするマタニティフォトを夫婦で撮ってみてはいかがでしょうか?
妊娠30週は、お腹の大きさが目立つ時期なので、マタニティフォトに向いています。ただし、ママの体調が最優先なのでお医者さんとも相談しておくことをおすすめします。
最近では、実に様々な写真が撮れるので、きれいなメイクときれいな衣装で、ママもきっと気分が上がるはずです。
これから増える家族のためにも、夫婦の絆を形にしておくと良いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?妊娠30週の胎児は、五感が完成し聴覚も発達しています。ママの声やママの好きな音楽を聴くと胎動が激しくなるという話もあります。
ママは体の不調が多くなる時期ですが、お腹の中の赤ちゃんとたくさんおしゃべりして少しでもリラックスして過ごすようにしてくださいね。
(文書作成:ひとで)
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