妊娠12週のお腹の状態
ホルモンの働きと分泌の変化
妊娠中は、ホルモン分泌が様々に変化します。主なホルモンの種類はエストロゲン(卵胞ホルモン)・プロゲステロン(黄体ホルモン)・ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)という3種類です。
(1)エストロゲンの働き 子宮やおっぱい(乳頭や乳管)を大きくする。
(2)プロゲステロンの働き 子宮筋の収縮を抑えて妊娠を維持する。乳腺の発育を促進する。体温を上昇させる。
(3)ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG) 子宮筋の収縮を抑えて妊娠を維持する。
また、エストロゲンとプロゲステロンは色素沈着の作用があります。この2種類のホルモン分泌量は妊娠周期が進むにつれ緩やかに上昇していきます。
反対に、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG) の分泌量は、まるでジェットコースターのように妊娠初期の間に上昇、妊娠3ヶ月をピークに降下します。
これらのホルモン分泌によりママの体には様々な影響が出てきます。
体験談:妊娠12週の頻尿、便秘


妊娠12週の赤ちゃんの状態
妊婦さんがしておくべきこと・気を付けることは何がある?
規則正しい食生活をこころがける

妊娠12週頃から、徐々につわりが治まってくるママもいらっしゃることでしょう。つわりの落ち着きとともに食欲が増してくることもあります。
ここで注意したいのが急激な体重の増加です。急激な体重増加は、妊娠高血圧症、妊娠糖尿病などのリスクを高めます。
妊娠初期のこの時期から体重管理をこころがけましょう。体重管理=ダイエットではありません。大切なのは、規則正しい食生活と栄養バランスのとれた食事です。
一日3回の食事はなるべく決まった時間に摂り、よく噛んでゆっくりと食べましょう。栄養バランスの主なポイントは次のとおりです。
・高たんぱく低カロリー・低脂肪の食事にする
・カルシウム、鉄分の多い食品をとる
・塩分、糖分は控えめにする
・緑黄色野菜をとる
以上のポイントをこころがけて食事を採りましょうね。とはいえ、あまり神経質になってしまうのも返ってストレスが溜まります。楽しく、おいしく食事をとるようにしたいものです。
マタニティウェアを用意しておく

お腹がぽっこりし始めると、これまで着ていた洋服や下着ではお腹が苦しくなります。お腹が窮屈だと知らぬまに腹圧がかかってしまいます。
お腹の赤ちゃんを守るためにも、できるだけ腹圧をかけないような対策をし始めましょう。お腹が楽なマタニティウェアを着ることも対策のひとつです。
今後さらにお腹が大きくなってくるので、この時期からマタニティウェアを用意しておくことをおすすめします。最近では、妊娠初期から妊娠後期まで使えるものもあるので便利ですよ。
また、乳房や乳首などに痛みや痒みがある場合は、締めつけ感がなく刺激の少ないマタニティ用の下着を身につけるといくらか楽になるでしょう。
お腹にいる赤ちゃんを守りつつ、ママも快適に過ごせるよう工夫しつつマタニティグッズ選びも楽しんでくださいね。
薬の服用について

妊娠12週は胎盤が完成に近づく時期です。胎盤は、赤ちゃんに酸素や栄養を届ける重要な役割を果たす反面、薬やアルコール、ウイルスなども通過してしまいます。
妊娠12週は、赤ちゃんの重要な器官形成は完了し,奇形を起こす恐れが低下する時期です。しかし、絶対安心というわけではありませんので赤ちゃんの事を気にかけて過ごすようにしましょう。
少しの不調であれば薬を飲まずに自然に治るのを待つのがよいですが、どうしても不快な症状がある場合は、個人で服薬の判断をせず、必ず主治医に相談しましょう。
また、妊娠中の症状によっては産婦人科から薬が処方されることがあります。お腹の張り止めや貧血を補う鉄剤などが主な例です。こちらは、ママや赤ちゃんへの影響を考えてのものですので、きちんと服用するようにしましょう。
アルコール摂取と喫煙について

アルコールやタバコは赤ちゃんとって良い影響はありません。アルコールは胎盤を通過するだけでなく、血液に溶け込むスピードが速いので、赤ちゃんも酒酔いのような状態になってしまいます。
妊娠中や授乳中にアルコールを摂取すると、ママの血液中の濃度が高くなり、赤ちゃんの脳の重さや増加が抑制されてしまうとも言われています。
また、タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素などの影響により、胎盤の血流を悪くしてしまいます。そのため、胎内で十分に成長できずに低出生体重児が生まれる確率が高くなります。
妊娠中のママがタバコを吸うと早産、常位胎盤早期剥離、周産期死亡が起こりやすいとも言われています。妊娠中のアルコール摂取・喫煙は控えましょう。
受動喫煙の影響も大きいのでで、パパをはじめ周りの人も気を付けてあげましょう。
カフェイン摂取について

カフェインもまた、胎盤を通過し赤ちゃんに移行します。過剰に摂取すると流産や早産、低出生体重児、発達障害の原因になるとも言われています。
かといって、妊娠前に好きだったコーヒーや紅茶をまったく飲めない、お気に入りのカフェに行けないというわけではありません。
一般的に、コーヒーなら1日に150mg~200mg(1杯~2杯)くらいまでなら大丈夫とされています。また、最近ではノンカフェイン・カフェインレスのコーヒーやお茶が豊富になってきていますので、できるだけカフェインを控えたい場合はこちらがおすすめです。
少量のカフェインにはリラックス効果もありますので、何かとイライラしがちな妊娠中は上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
パパはなにをしてあげたらいい?
気持ちを受け止めてあげよう

妊娠中は、ホルモンバランスが崩れ精神的にも不安定になりがち。ちょっとした一言でも傷ついたりイライラしたりします。
パパは「なんでこんなことで?」と思ってしまうかもしれませんが、妊娠中のママはお腹の赤ちゃんにも自分の体にも変化が現れ、気を付けなければならないことも増え、色々なことに過敏になりがち。
責めたり問い詰めたりせずに「体調が悪いのはつらいね、でも頑張っているね」と大きな心で受け止めてあげましょう。
そして、よくママの話を聞いてあげましょう。特に妊娠が初めてのママは不安がいっぱいにもかかわらず、不安や悩みを吐き出せずにいるかもしれません。
パパが率先して話を聞いてあげれば、ママの安心感も増していくでしょう。できる時は、妊婦健診にも付き添ってあげるのもよいですね。
特に体調がよくない時は、ひとりで健診に行くのも一苦労です。病院に一緒に来てくれるだけでも心強いものですよ。
お医者さんの話を聞いたりエコーで赤ちゃんの状態を見たりすれば、子どもを産むという大仕事の大変さへの理解が深まるかもしれません。
体験談:妊娠12週パパにしてもらってうれしかったこと


まとめ
いかがでしたでしょうか?妊娠12週になると、赤ちゃんも人間らしい形になってくるので健診でのエコーチェックもママやパパの楽しみになってきますね。
妊娠中は、ママの体と心に様々な症状が起きますので、パパのサポートをうまく借りながら上手に楽しく過ごしてくださいね。
(文書作成:ひとで)
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