目次
妊娠後期のスタート!妊娠8ヶ月の妊婦さんの様子は?
体重増加|出産までの増加は3キロが目安
妊娠8ヶ月頃の摂取カロリーの目安は2200kcal~2400kcalほどで、妊娠前に比べてプラス500kcalほど多くなります。
しかし、ただ多く食べれば良いわけではありません。またホルモンの影響で太りやすくなっています。引き続き栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
もうひとつ注意しなければならないのが糖分。妊娠8ヶ月は赤ちゃんが大量にブドウ糖を必要とする時期。ママの体からブドウ糖が送られるため、甘いものが無性に欲しくなるママも。
ブドウ糖はご飯や穀物などの炭水化物からも摂取できます。おやつには糖分の多いお菓子や果物より、小さいおにぎりがおすすめですよ。
体重増加の目安は妊娠後期の3ヶ月でプラス3kg、1ヶ月に1kg程度の増加におさえられるといいと言われています。
胎動|手足などの動きが大きくなり、お腹が張ることも
胎動はますます激しくなります。腕を伸ばしたりキックをしたりあくびをしたり…。赤ちゃんの激しい動きに伴ってお腹が張ることも。
妊娠期間で最も胎動が激しいため、夜寝ていても起こされる場合があります。ママはびっくりしてしまうかもしれませんね。
胎動が激しいのは赤ちゃんが元気な証拠です。胎動が痛い、寝苦しいなどの症状はママもつらいですが、横になる、まめに仮眠をとるなどしながら乗り切りましょう。
反対に怖いのが胎動が無いこと。赤ちゃんが眠っていて静かな場合もありますが、何らかの理由で弱っている可能性も考えられます。
いつもより胎動が静かかも、と感じたら産院に相談してみて下さいね。
妊娠8ヶ月の赤ちゃんの状態
感覚の発達|脳にシワができ五感も機能、肺呼吸の練習も
赤ちゃんの器官のうち、もっとも早く成長を始めるのが脳。9週目頃から急速に細胞分裂し、全妊娠期間を通して成長し続けます。8ヶ月の頃になるとしわも出てきます。
他の器官はこの時期に完成し、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感も機能していることが実験で証明されています。
心臓や肺、腎臓などの内臓や骨髄の働きも出来上がってきます。肺呼吸はまだ完成されていませんが、肺呼吸の練習のような動きは見られます。
8ヶ月の終わりにはさまざまな機能が整うので、もしこの時期に早産となってしまっても、しかるべき設備で適切な治療を受ければ、無事に育つ可能性は高いと言われています。
妊娠8ヶ月で注意すべき症状、病気、マイナートラブルは?
水分量増加が原因のむくみ、子宮収縮によるお腹の張り、胸やけなど

妊娠8ヶ月で起こるトラブルといえば、むくみ。妊娠後期に入り、ママの体の水分量はますます多くなります。
これは、血液をサラサラにして循環を助けたり、血圧を上げすぎないようにする体の仕組み。加えて、大きくなった子宮が下大静脈を圧迫しするのでむくみやすくなるのです。
お腹の張りもますます増えるでしょう。子宮が収縮してお腹が少し固くなりますが、これが1日に何度も起きます。
後期つわりに悩まされるのもこの頃。胃が大きくなった子宮に押し上げられ、胃液が食道に逆流し、げっぷや胸やけが起こりやすくなります。
また、便秘から痔を引き起こすこともあります。子宮の重みで直腸周辺の血管がうっ血し、便秘と併発して肛門に負担がかかりやすいのです。
その他には、頻尿や激しい胎動で眠りが浅くなったり、出産に向けて不安な気持ちが大きくなったりも。
マイナートラブルがなかなか解消されないとつらいですね。次からは、トラブルへの対処法をご紹介します。
むくみやお腹の張りなどの対処法|無理せず横になって安静に

むくみがつらい時は、足を高くして横になると効果的。クッションなどを敷いて、楽だと感じる高さにするといいですよ。
この時、体の左側を下にして横になると血流がよくなり、むくみがより取れやすくなります。大きめの抱き枕を使うと、お腹も支えられて楽になるでしょう。
お腹の張りを感じる時は、なるべく横になって休みましょう。立ち仕事や2人目ママなど、動き回ることが多い人ほど張りやすいです。
横になれなくても、イスに座るなどして安静にするだけでも違います。頻繁に張ったり、痛みや出血を伴う時は産院に連絡しましょう。
後期つわりに対しては、食べ物を小分けにする、消化のよいものを食べる、食べたあとに横になりたい時は頭を高くする、などの方法で楽になることも。
妊娠9ヶ月以降、赤ちゃんが下がって胃の圧迫が取れると改善してきます。上手に乗り切ってこの時期は過ごしましょう。
便秘や痔、頻尿などの対処法|保健師による相談窓口なども利用しよう
便秘や痔には、水分や食物繊維をたっぷり取ることが効果的。血行がよくなると改善するので、合わせてウォーキングなどの運動もおすすめです。
頻尿もママにはストレスですが、かと言って水分を減らすのは体にも赤ちゃんにもよくありません。
外出時にはトイレの場所をマメに確認する、万が一に備えてライナーをつけておくなどの対策で気持ちが楽になりますよ。
眠りが浅くてつらい時は、昼寝などで補っても。横になるだけでも体は休まります。無理に家事をこなそうとせず、パパや周囲に頼りましょう。
不安な気持ちが大きくなる時は、話を聞いてもらえると楽になるようですね。ため込まずにパパや家族に聞いてもらいましょう。
自治体によっては、保健師などによる相談窓口を設けているところがあります。また、児童館や子育て支援センターなどでは妊婦さん向けのイベントをやっている所も。
妊婦仲間や先輩ママから話を聞いたり、実際の赤ちゃんの姿を見れば不安が解消される場合もありますよ。お住まいの自治体に相談してみてはいかがでしょうか。
注意すべき症状|破水、血流不良などによる切迫早産など

妊娠7ヶ月頃に引き続き、破水、早産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの深刻なトラブルには注意が必要です。
破水は赤ちゃんを包んでいる膜が破れ、羊水が出てしまうこと。バシャッと大量に出る場合とチョロチョロと少量ずつ出る場合があります。赤ちゃんの細菌感染のリスクが高まります。
早産は、妊娠22週~37週未満で出産してしまうこと。出産に備えて妊娠6ヶ月から子宮が収縮の練習を始めます。これがお腹の張りで、触ると少し固くなります。
問題のない張りが多いのですが、子宮内の炎症やストレスによる血流不能などにより、早産に繋がることも。早産になりかかる状態を切迫早産といいます。
注意すべき病気|妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降に高血圧もしくは尿たんぱくの症状が出ること。妊娠前に普通の血圧だった人もかかり、以前は妊娠中毒症と呼ばれていました。
血流の増加に伴い拡張するはずの血管が、何らかの理由で拡張せず、血圧が上がることで起こると言われています。
子宮への血流不足により、ママには常位胎盤早期剥離や難産、赤ちゃんには早産や低体重児、胎児機能不全などのハイリスクをもたらす場合もあります。
妊娠糖尿病は、胎児に必要なブドウ糖を何らかの理由で過剰に胎児に送ってしまい、バランスが崩れることで起きます。
症状がひどくなると、ママには流産、早産、妊娠高血圧症候群、脱水や意識障害などのショック症状、赤ちゃんには先天奇形、巨大児、子宮内胎児死亡などを引き起こすケースも。
いずれの症状も、ママと赤ちゃんの変化が急激なこの時期には起きやすいもの。軽度の時に発見ししっかり治療すれば順調な妊娠経過をたどれることが多いです。
お腹の痛み、出血、その他何か不調があれば些細なことでも産院に相談しましょう。
体験談:妊娠8ヶ月のマイナートラブル
胃が圧迫されることによる吐き気と便秘

お腹の張り、便秘と下痢の繰り返し

頻尿、足がつる、お腹が張る

妊娠8ヶ月の過ごし方
運動|産院と相談して無理のない範囲で

大きくせり出したお腹、動悸や息切れ、お腹の張りなどでだんだん動きづらくなる時期です。無理せずゆったりとできて、いざという時は中断できるものにしましょう。
全妊娠期間でおすすめなのがウォーキング。ペースの調整がしやすく、出産に必要な下半身の筋肉を鍛えられます。適度な速度で歩けば有酸素運動の効果も。
その他の運動としてはマタニティヨガやマタニティビクスなどがあります。ある程度の負荷がかかるので運動したという爽快感が味わえます。
軽めの運動や室内でできるものがいい時は、ストレッチなどで体をほぐすだけでも気持ちいいですよ。血行が良くなり、マイナートラブルの軽減にも。
ただし妊娠8ヶ月は動くとお腹が張りやすい時期。いずれの運動も、産院に相談してからやるようにしましょう。
出産準備|不調による入院や急な出産、里帰りにも備えておこう

妊娠8ヶ月は出産も近づき、産院でも出産中の過ごし方やバースプランの確認、産後の生活について説明を受けることが多くなる時期でしょう。
この時期までに赤ちゃんを迎える準備を終わらせておきましょう。9ヶ月以降はますますお腹が大きくなるので動きづらくなります。
他にも、里帰りするママは9ヶ月以降は大忙しですし、急なトラブルで出産が早まる可能性もあります。
入院準備と赤ちゃんが過ごす環境づくりには早めに取りかかり、赤ちゃんが身につける物は多めに用意しましょう。
たとえば、夏の出産だから赤ちゃんの肌着やママの着替えは多めに用意する?反対に実家にお世話になって洗濯をしてもらえるから最小限のものに抑える??など工夫できることもありますね。
タイムスケジュールを立ててみて、出産入院時、退院時、帰宅後などそれぞれのシーンで必要なものをリストアップすると分かりやすいですよ。
出産後すぐに必要なものは?リサイクルショップやネット購入の活用も
ベビーベッドや布団など家での居場所は、赤ちゃんが帰宅してからすぐ使います。一方、ベビーカーや抱っこひもはどちらかだけそろえ、外出に慣れてから追加購入するという手も。
産院などで必要なもののリストをもらったら、それぞれのご家庭の環境や経済状態などで調整しながらそろえてもOK。
新品購入だけでなくレンタルやお下がり、リサイクルショップなどを利用することを検討してもいいですね。自治体のリサイクルイベントが盛んな地域もありますよ。
そして見落としがちなのが、産後1ヶ月は赤ちゃんもママも外出を控えるということ。もし必要なものがあっても買い物にでかけることができません。
ネットで購入できるものを調べたり、パパや家族に買いに行ってもらえるように一緒にお店を下見しておくことをおすすめします。
体験談:妊娠8ヶ月の過ごし方
出産準備のため買い物に、逆子のため運動は我慢

ウォーキングと旅行

パパは何をしてあげたらいい?
お腹の大きいママの代わりに…

お腹が大きくなって動きづらくなりマイナートラブルに悩みながら、出産への不安が募るママ。この時期のママにパパができることをご紹介します。
何といっても、お腹がつかえてやりづらいこと。これを代わりにやるととても喜ばれますよ。特にお風呂掃除は姿勢がつらいだけでなく、床が滑るのでぜひ代わってあげてください。
また靴下を履いたり足の爪を切ったりする行為もママはできなくなってきます。どちらも他人にやってあげると意外と大変です。
妊娠中にパパがやっておくと赤ちゃんのお世話の練習にもなりますよ!他には、布団や掃除機を運ぶなどもママにはしんどいことだったりします。
特に掃除機を持って階段を上り下りする行為は疲れるだけでなく、バランスも崩しやすいのでママもヒヤヒヤです。
お掃除そのものを引き受けたり、柄付きの掃除道具をそろえてあげてはいかが?パパの株があがること間違いなし!
上の子と遊んだり、ママの話を聞いたり…できることはたくさん!
上の子がいる場合は、率先してお世話をしてあげましょう。ママは思うように動けないと、上の子は寂しがっている場合もあります。
この時期に上の子にできるだけかまってあげると、上の子がパパ好きになる場合が多いです。子どもと積極的に関わる姿を見てとても安心したというママもいるそうです。
精神面では、出産への期待より不安が大きいこの時期のママには、とにかく話を聞いて共感することが大事ですね。
眠りの浅いママにつられて起こされたら、ママだってやむを得ず目が覚めてしまうことを理解して。マッサージなどのスキンシップでママの不安が軽減する場合もあるそうです。
もし今まで健診に行ったことがないパパも、この時期に一度は健診に行ってみては?ママの気持ちに近づけるかもしれません。パパからお医者さんに質問してみてもいいですね。
ママも全ての要望に完璧に応えてくれることを望んでいるわけではありません。ささいなことにも耳を傾け共感し、ママの希望はできる範囲で叶えてあげましょう。
体験談:パパにしてもらってうれしかったこと
背中をさすったりマッサージをしてくれたり…

家事の手伝いや階段などの移動時に補助をしてくれた

まとめ
妊娠後期に入り、ますます成長を遂げる赤ちゃん。そんな赤ちゃんの姿を見て、責任感からかプレッシャーに感じることもあるでしょう。
一方マイナートラブルにも見舞われ、出産への期待と不安も入り混じる時期。赤ちゃんのいる生活を思い浮かべながらグッズや環境を整えて、ポジティブにとらえられるといいですね。
あまり動けないママに代わって、ますますパパの存在が重要になってきます。力仕事やママの悩み相談は、パパだからこそできること。
ママはパパや周囲の人に今こそ甘えて、ママ自身と赤ちゃんのためにゆったり過ごして下さいね。
(文章作成:さこまーま)
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。