感染の原因や経路|妊娠中は感染しやすい?

トキソプラズマ症とは?

トキソプラズマとは、トキソプラズマ原虫のことをいいます。この原虫は寄生虫の一種で、猫や鳥などさまざまな動物が保有しています。

これは人間にも感染します。通常は正常な免疫機能があれば、人間に感染しても症状が出ることはまれです。

しかし免疫力が落ちていると、風邪のような症状やリンパ節の腫れ、筋肉痛のような症状が出ることもまれにあります。

多くの場合が重症化することはなく自然治癒します。また、一度でも感染していれば免疫ができるので再度感染することはありません。

感染原因、経路は?土いじり、猫、生肉

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感染経路は主に土いじりや動物の世話、生肉を食べることからと考えられています。トキソプラズマは土にもいるので、土いじりをした手で顔を触り口から入ってしまって体内に入る場合がほとんどです。

そして、トキソプラズマの終宿主は猫科の動物です。飼っている猫や外にいる猫などの排泄物から人間へ感染することがあります。

ほかには、レバーや生ハムなど生肉や半生の食べ物だと加熱処理されていないので、トキソプラズマがいる可能性があります。しっかりと加熱して、肉の中心部まで火を通せば死滅するので問題はありません。

妊娠中は感染しやすいの?

トキソプラズマは身近なものだけに、触れている可能性は誰にでもあります。健康な人であれば感染する可能性は極めて低くなります。自分自身の免疫がトキソプラズマをやっつけてくれるからです。

しかし、妊娠中のようにホルモンバランスが崩れ、睡眠不足だったりつわりで食事がとれなかったりと免疫力が低下しているような状態は注意が必要です。食事や睡眠をしっかりとり、免疫力を高めておくよう心がけたいですね。

症状や潜伏期間は?

トキソプラズマ症の症状

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トキソプラズマ症にかかっても、正常な免疫機能があれば、トキソプラズマ症に感染しても気づかずに終わることが多いようです。

しかし、免疫機能が弱まっている場合などには、少数の割合で軽い風邪をひいたかのような症状が表れることがあります。体のだるさやのどの痛み、リンパ節が腫れるといった症状です。

節々が痛くなったり発熱することもあるので、最初は風邪かと思ったり妊娠した時に起こる体の変化だと感じたり、トキソプラズマに感染しているとは思いもしないことが多いかもしれません。

トキソプラズマの潜伏期間は約1週間ほどなので、感染してもすぐに症状が出るわけではありません。検査結果も数週間経たないと陽性にならない場合があります。

検査方法・治療法は?

検査方法は?

トキソプラズマかどうかは血液検査で調べます。現在、トキソプラズマ抗体検査は妊婦さん全員が必ず受けるものではありませんが、妊婦検診の際に検査をする病院も増えてきました。かかりつけの病院の検査項目に含まれているのか、検査可能なのかを問い合わせてみましょう。

トキソプラズマの検査は基本的に妊娠初期(4~12週)におこなわれます。陽性であれば抗体があるということなので、感染しているということになります。

妊娠中のトキソプラズマ症は赤ちゃんにも影響を与えるため、妊娠前に感染したものなのか妊娠後に感染したものなのか、さらに詳しい検査をおこないます。

薬を使った治療は必要?

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トキソプラズマに感染すると、胎盤を通じて赤ちゃんへ影響が出る可能性があります。そのため、感染の可能性がある段階から飲み薬を処方されることもあります。

投薬により、胎盤を通じて赤ちゃんへの感染リスクを減らすことが期待できます。感染した可能性がある場合は、早急に医師に相談して指導を受けてください。

利用する薬は?

トキソプラズマに感染した妊婦さんには、アセチルスピラマイシンという薬を処方されます。これは細菌や寄生虫を殺菌する抗生物質です。

妊娠していても感染が疑われれば、早期に服用することで胎内感染率が下がると言われています。そのため妊婦さんが服用しても比較的安全な薬であると言われています。

副作用は比較的少ないですが、吐き気・食欲不振・下痢などの症状が出る場合があります。症状がひどい場合は必ず医師に相談してください。

検査・治療の費用は?保険は適用される?

トキソプラズマの検査費用は病院により異なりますが1,000円~4,000円程度となります。検査希望の場合、はあらかじめ病院で確認することをおすすめします。

次に治療についてですが、妊娠中にトキソプラズマ感染が発覚した場合は、薬を処方されます。保険適用外になる場合がありますので、病院に確認してみましょう。

胎児への影響は?障害の原因になるの?

妊娠発覚から6ヶ月以上前の感染

赤ちゃんへの影響の出方は、妊婦さんがいつトキソプラズマ症に感染したのかによります。また、妊娠の時期によっても赤ちゃんへの影響の出方が異なるので、妊娠直前期・初期・中期・後期にわけてご紹介します。

まず、妊娠発覚の6ヶ月以上前に感染した場合は、赤ちゃんへの影響は特にありません。逆にトキソプラズマ症に感染したことがわかったら半年程度は妊活を控えたほうが良いでしょう。

妊娠直前期の感染

妊娠のごく直前にトキソプラズマに感染した場合や、妊婦さんが免疫不全の状態にあるなど特別な場合は、赤ちゃんに影響が出てくる可能性があります。

したがって、妊娠直前期の検査では妊娠前の感染なのか妊娠後の感染なのかをより詳しく検査していきます。検査結果によっては治療が必要となります。

妊娠中の感染

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妊娠初期
赤ちゃんはとても未熟で、さまざまな器官ができる最も重要な時期です。そのため妊娠初期に感染すると流産や死産になってしまう場合もあります。

また問題なく生まれてきたとしても、水頭症などの病気を起こしている場合がありますので、医師と相談の上詳しい検査を受けたり、治療をしたりと対処する必要があります。

妊娠中期
胎盤が出来上がり、胎盤を通じて赤ちゃんに感染することがあります。失明となるような目の病気、脳炎、黄疸やリンパの腫れが起こることがあります。妊娠中期から後期に感染すると脳内石灰化、水頭症、運動機能障害、視力障害などの症状を起こすことがあります。

妊娠後期
妊娠後期に向かうにつれ、赤ちゃんが発症してしまう可能性が高くなります。しかし、妊娠後期の方が赤ちゃんの体を守る機能もできあがっているので、妊娠初期に比べると障害があっても軽くすむ傾向にあります。

予防法は?

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トキソプラズマは口からの感染がほとんどで、猫の排泄物、土いじりや生肉を食べることで感染すると言われています。

そのため、猫を飼っている場合は排泄物を見つけたらすぐに処理しましょう。土いじりも極力控え、万一する場合は手袋をしたり手洗いを徹底してください。

生肉からの感染もあるので、肉を食べる時は十分に加熱して食べるようにしてください。生ハムなどの半生の食べ物も妊娠中は注意が必要です。また、調理中に生肉などを取り扱う場合はまな板をかえるなど対策しましょう。

まとめ

妊娠中は制限が多く不安になることもあるかと思いますが、トキソプラズマ症に関しては予防すれば感染する可能性は低くなります。正しい知識を家族とも共有して生活を送ってください。

猫に近づかない、肉を食べないなど極端なことはしなくても大丈夫ですので、ストレスを抱えずに過ごしてください。万一感染した場合にも、治療法はありますので、医師の指導のもと取り組んでいきましょう。

(文章作成:nobii)

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