風疹ってどんな病気?
風疹の主な症状

風疹とは、風疹ウイルスを含んだ空気を吸うと罹患するウイルス性の急性感染症です。感染すると2~3週間(16~18日)の潜伏期間を経て、38℃前後の熱が出たり、顔や体全体に赤い発疹が出たりします。
他にも、耳の後ろにあるリンパ節が腫れて痛くなる、目が充血して赤くなるなどの症状が出る人もいます。これらの症状は基本的に3日ほどで治るため、風疹を「三日ばしか」と呼ぶこともあります。
風疹の治療方法に関しては、残念ながら現在、風疹ウイルスそのものに効く薬はないので、症状が落ち着くまでは解熱鎮痛剤を飲んで、自宅で安静に過ごすことになります。
風疹が流行する時期って?
一般的に風疹は、春から初夏にかけて流行します。しかし、流行る年には冬にも患者数が増えます。風疹ウイルスはインフルエンザウイルスよりも感染力が強いため、職場などで誰かが風疹になると、近くにいる人も巻きこんで集団感染してしまうケースもあります。
風疹には『以前一度かかった事がある。』と勘違いしていませんか?
「子どもの時に風疹にかかったから、私は絶対に大丈夫でしょ?」と思っている人は、ちょっと待ってください!それは本当に正しい記憶ですか?
過去に風疹にかかったことがあると思っていても、実は勘違いで麻疹(はしか)や水ぼうそうなどの別の病気だった、という可能性もあります。
他にも、子どもの頃に予防接種を受けていても、大人になるにつれて抗体が減り、風疹の免疫を持たない人もいます。
大人になって風疹にかかると、完治するまで1週間ほどは必要で、仕事にも生活にも支障が出てしまいます。特に妊婦さんは注意が必要です。
妊娠中、風疹にかかった時の症状と胎児への影響は?
妊婦が風疹にかかった時の症状

大人になって風疹にかかった場合、発熱や発疹の他に3~30%の人が手足のこわばりや関節炎の症状が出ます。人によっては頭痛や腰痛など、風邪に似た症状がみられることもあります。
通常であれば薬を飲んで熱や体の痛みを抑えることができますが、妊娠中はむやみに薬を飲めません。外出したあとに風疹のような症状が出ている、家族が風疹にかかったばかりだなど、風疹の疑いがあったらすぐにかかりつけの産婦人科へ行きましょう。
赤ちゃんへのリスク
妊娠中のママが風疹にかかってしまうと、風疹ウイルスが胎盤を通して胎児に感染してしまいます。すると、生まれてくる赤ちゃんに難聴や心奇形、白内障などの先天的な障がいが現れる可能性があります。
これを「先天性風疹症候群」と呼び、生まれた直後は低出生体重や髄膜脳炎になるリスク、将来的には糖尿病にかかるリスクもあると考えられています。
先天性風疹症候群は、ママが妊娠初期(12週頃)までに風疹にかかるとなりやすいという特徴があります。妊娠がわかってから予防接種を受けることはできませんので、妊娠前に風疹ワクチンを打っておくことが肝心です。
体験談:抗体があると信じ込んでいたら…
E.Aさんからの体験談:
妊娠4ヶ月(15週)血液検査の結果、風疹の抗体がないことが判明しました。自分の母子手帳を確認し小学生の時一回受けたことがあると記録されていたのであまり心配しないでいたのですが、意外な結果に驚きました。抗体って長くは続かないんですね。
もし今風疹にかかってしまったらおなかの中の赤ちゃんの命が危険にさらされてしまうと医師から説明を受けました。
まさか、出産までずっと風疹におびえる日々を過ごすことになるとは思ってもいませんでした。妊娠する前に風疹の抗体検査をしておけばよかった、予防接種をしておけばよかったと後悔しました。
妊娠を希望する本人とパートナーは予防接種を
風疹ワクチンを打つ際の注意点
妊娠中の女性や、妊娠の可能性がある女性は風疹ワクチンを打つことができません。予防接種をするときは妊娠していないこと(生理中やその直後であることが望ましい)が確かで、予防接種後に2ヶ月ほど避妊を続けることが必要です。
接種直前の体温が37.5℃以上の人や、過去にワクチン接種でアレルギー反応を起こした経験がある人も風疹の予防接種を受けられません。
妊娠中のワクチン接種は、赤ちゃんに影響はあるの?
国立感染症研究所の情報によると、妊娠中に風疹ワクチンを接種して胎児に障がいが出た例はないと発表されています。
ただし、風疹ワクチンが妊婦に影響を与える可能性はゼロであると証明されたわけではありませんので、予防接種を受けたあとに妊娠がわかった女性はかかりつけの医師に相談しましょう。
風疹の予防法
予防の基本!マスクとうがい・手洗い

風疹を予防するためにできることは、外出後の手洗いとうがいです。風疹は咳やくしゃみなどの飛沫で感染するため、外へ出るときはマスクを身につけて、なるべく人混みを避けましょう。
すでに妊娠中の女性は、パートナーや家族にも風疹予防をしてもらうことをおすすめします。予防接種をしていないパートナーが家に風疹ウイルスを持ち帰ってしまい、妊娠中の女性に風疹をうつしてしまうケースもありますので、家族みんなで風疹対策をはじめましょう。
妊娠中はとにかく予防を
E.Aさんからの体験談:
妊娠4ヶ月(15週)に風疹の抗体がないことを知り、とにかく予防をしなければと思い、外出はできるだけしない、人ごみには近づかない、風疹が流行しているところに遊びに行った人とはできるだけ接触しないなど心がけていました。
風疹以外にも、どの病気に感染しても治療はできないし母体にも赤ちゃんにもリスクがあるので、感染症におびえながら毎日を過ごしました。予防法としてはうがい、手洗い、外出の際はマスク着用、人とできるだけ接触しないことを心がけました。
まとめ
目に見えない風疹ウイルスからママと赤ちゃんの体を守るためには、やはり妊娠前に風疹ワクチンを打っておくことが重要です。
妊娠中、風疹の抗体がないことを知って、外出するたびに怖い思いをするのは避けたいですよね。これから妊娠を希望している人、結婚を予定している人はぜひ計画的に風疹の予防接種へ行っておきましょう。
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