目次
降矢ななの絵本の特徴
どのような絵本を書くのか
「おれたち、ともだち!」シリーズは現在13作出版されている、降矢さんの代表作です。このシリーズはキツネとオオカミの友情を描いた作品で、大人も子どもも学ぶことが多く、読んだ後は心がほっこりとする作品ばかりです。
降矢さんは現在スロヴァキア共和国にお住まいなので、日本とは異なる風土の地にいるからこそ描ける絵やテーマを作品にしていきたいと考えておられます。
また子ども達は絵本を読んでいる時に絵もよく見ていて、小さなことにも気付いてくれるからこそ、絵本の中に子ども達が発見して喜べる「遊び」を入れるようにしているそうです。
【1】めっきらもっきらどおんどん|長谷川 摂子・ふりや なな
あらすじ

遊ぶ友だちがみつからない主人公の男の子かんたは、神社でめちゃくちゃな歌を歌った途端、どこかの世界へ紛れ込んでしまい、そこで3人のおばけたちと出会います。
3人のおばけと楽しく遊んでいたかんたですが、おばけ達が眠ってしまって心細くなってある一言を言ってしまいます。一体かんたはどうなってしまうのでしょうか。
この絵本のおすすめポイント
『めっきらもっきらどおんどん』は降矢さんの絵本作家としてのデビュー作です。登場人物の喜怒哀楽が伝わってくるおばけ達の表情と、静止画とは思えない、今にも動き出しそうな躍動感あふれるイラストが魅力です。
かんたがおばけ達の世界へ飛んでいくきっかけとなったおまじないのような歌や、おばけの名前はつい声に出したくなるようなリズミカルな音で、音読にも最適です。親子でファンタジーの世界へ旅ができる一冊です。
この商品の口コミ
・不思議で面白い擬音がたくさん出てきて、楽しい冒険のお話です。子どももお気に入りでセリフを覚えてしまうほどです。
・引き込まれるような絵は、登場人物の感情の動きがよくわかり楽しくなります。
【2】きょだいな きょだいな|長谷川 摂子 ・降矢 なな
あらすじ

「あったとさ あったとさ ひろい のっぱら どまんなか きょだいな ピアノが あったとさ」と始まります。そこへ子どもが100人やってきて…。一体どうなるのでしょうか?
巨大なせっけん、巨大な電話、巨大なトイレットペーパー、巨大なびんが次々と出てくるお話です。
この絵本のおすすめポイント
『めっきら もっきら どおん どん』の作者、長谷川摂子さんとの作品です。まるで歌を歌っているようなテンポの良いリズミカルな音や擬音語、擬態語がすーっと入ってきて、子ども達を本の世界へ連れ込んでくれます。
様々な巨大な物や100人の子ども達が楽しんでいる様子が降矢さんらしいダイナミックなイラストで描かれています。「あったとさ あったとさ きょだいな ○○ あったとさ」と繰り返されるので、赤ちゃんからの読み聞かせにもおすすめです。
この商品の口コミ
・繰り返しのフレーズや、巨大なものが次々と現れる思わずワクワクしてしまうようなストーリーで子どもを引きつけます。大人も楽しくなるような絵本です。
・読み聞かせにぴったりな作品です。水彩画のイラストも美しく、想像力が豊かになりそうな絵本でした。
【3】ともだちや|内田 麟太郎・降矢 なな
あらすじ

主人公のキツネが1時間100円でともだちや(友達屋)を始めることにしましたが、友達って売れるのかなぁ、買えるのかなぁと疑問に思うところから話が始まります。
クマがともだちを買ってくれましたが、愛想よく相手をして、普段は食べないイチゴも食べなくてはなりませんでした。
そして次にオオカミに声をかけられ、トランプの相手をした後にキツネはお代を求めます。するとオオカミは目をとがらせて「ともだちから かねを とるのか。それが ほんとうの ともだちか」と言いました。
オオカミは「ともだちや」を呼んだのではなく、本当の友達の「キツネ」と遊ぼうと自分を呼んでくれていたことに気付いたキツネはどうするのでしょうか…?
この絵本のおすすめポイント
現在13作品が出版されている「おれたち、ともだち!」シリーズの第1弾です。読んだ後は「友達って何かなぁ?」と親子で会話したくなるような絵本です。
もし友達をお金で買ったらどうなってしまうか、キツネとクマの関係性を見ると答えが見つかります。お互いに思いやりを持って友達と接することの大切さや、「友達を作ること」とはどういうことかを学べる一冊です。
この商品の口コミ
・人間関係について大切なことを優しく教えてくれる絵本です。個性的な登場人物や、会話のテンポに惹きつけられてしまいます。
・ダイナミックなイラストがとても良かったです。登場人物の描かれ方が面白いです。
【4】ともだちくるかな|内田 麟太郎・降矢 なな
あらすじ

「ともだちや」でキツネと友達になったオオカミが主人公です。今日はオオカミの誕生日。友達になったあいつがきっとお祝いに来てくれると期待していました。
でも待てど暮らせど来てくれず、あまりの寂しさに「こころ なんか いらないぞーっ」と心を捨ててしまいます。そこにプレゼントを持ったキツネがお祝いにやってきました。
しかし心を失ったオオカミは喜びません。キツネは「これから ずーっと? うれしい ひは こ、な、い…?」と言うと二匹は一緒に泣きました。心があることの素晴らしさにオオカミは気付くことが出来ました。
この絵本のおすすめポイント
心があるからこそ幸せに感じる時や楽しい時があるという、当たり前のようで生きていると忘れてしまいがちな大切なことを学ぶことができる1冊です。
心なんかいらないと叫ぶシーンや二匹で抱き合いながら泣くシーンなど、二匹の喜怒哀楽がうまく表現されていて引き込まれますよ。最後にオチもクスっと笑えます。
この商品の口コミ
・「心」という目に見えないものについて、幼い子どもでも理解できる絵本です。イラストにもインパクトがありました。
・見開きいっぱい使ったページは、登場人物の感情がひしひしと伝わってくるようで素晴らしいです。色彩もきれいで、人間にとって大切なテーマを楽しく愉快に伝えてくれる絵本です。
【5】あしたもともだち|内田 麟太郎・降矢 なな
あらすじ

本当の友達になったキツネとオオカミはいつものように一緒にお散歩に出かけると、オオカミが倒れているクマを見つけました。でも森で一番乱暴と決まっているオオカミは助ける姿を見せられず、キツネを追い返して隠れてクマを助けました。
それ以降もキツネと遊ぶ途中にクマの看病に行くようになりました。なかなか自分と遊んでくれないオオカミにキツネは寂しさを感じ、自分以外に友達がいるのではないかとオオカミの後をつけると、クマの看病をしていたことに気付きました。その姿を見たキツネはどのように感じたのでしょうか…?
この絵本のおすすめポイント
「おれは やさしい ことを しない オオカミだぞ」という気持ちがあるにも関わらず、優しいオオカミはキツネに隠れてクマを助けようとします。
キツネも最初は他にお友達がいるのではないかと嫉妬しますが、最後はオオカミのツンデレさんな性格を理解し、彼を疑って後を付けた自分を恥ずかしく思う描写もあります。
お友達は独り占めするものではないということや、人を助ける大切さ、後をつけることは良くないということなど、社会で大切なことを学べます。
この商品の口コミ
・センスの良いイラストは色使いやタッチが優しくあったかいです。表情豊かに描かれたイラストがストーリーをより引き立たせます。
・誰しも一度は悩むであろう友達との関係性をストレートに楽しく描いています。絵本を読み終わった後も親子の会話が広がりそうです。
【6】ともだちひきとりや|内田 麟太郎・降矢 なな
あらすじ

「いらないともだちをひきとります」とキツネとオオカミは「ともだちひきとりや」を始めます。
いつもイタチと喧嘩しているイノシシはイタチを引き取るよう依頼しました。するとイノシシは、キツネとオオカミがイタチと一緒に仲良く遊んでいる姿に嫉妬し始めます。
すると、ともだちひきとりやはイノシシの元へまたやってきて、いばった人も引き取ると言うので、イノシシは自分で自分を引き取ってもらうことに…。さてイノシシにどのような心境の変化が訪れるのでしょうか?
この絵本のおすすめポイント
「ともだちや」とは異なり、喧嘩ばかりしている2匹の間を取り持った「ともだちひきとりや」。喧嘩をしてもまた仲直りすれば元通りの関係に戻れること、意地を張ることや威張ってばかりの態度がなぜいけないのかを学ぶことができます。
イノシシの心境の変化がとてもほっこりとするので、大人が読んでも癒やされる1冊です。
この商品の口コミ
・ちょっぴり切なく、でも心温まるストーリーです。降矢ななさんのイラストが美しく、細かい描写まで描かれていて見ていて楽しいです。
【7】ありがとうともだち
あらすじ

はじめてキツネがオオカミのところにお泊りに行きます。なかなか眠れず、オオカミは海の話を始め、クマの10倍の大きさのカジキを釣ったとつい嘘の自慢をしてしまいました。海へ行ったことのないキツネは興奮し、翌朝海釣りに行くことにしました。
しかし小魚一匹釣れません。意地になったオオカミは残った餌を全部つけると、ついに大きな引きが…!しかし釣れたのは小ダコの大家族でした。オオカミはキツネに怒りをぶつけましたが、我に返って謝ると、キツネは素敵な言葉を返しました。キツネが言った言葉とは…?
この絵本のおすすめポイント
一度嘘をつくと、さらに嘘を重ねることになってしまうことや、成果が出ることが必ずしも大切なのではないということが学べます。そしてキツネの言葉には脱帽です。
魚が釣れなくたっていいんだよ、だって自分達は「海釣り」にきたんだから!今日は「てんこ盛りの海」という大物を釣ったんだよ、ありがとう!とオオカミに感謝するのです。キツネの優しさ、友達想いなところ、物事を大きくとらえる発想力に心を動かされます。
この商品の口コミ
・この、ともだちシリーズは本当に子どものウケが良いです。どれも繊細なテーマを扱っていますが、楽しくなる絵本です。最後には心にじんわりときました。
・ストーリーはもちろん、絵が素晴らしいです。異国情緒を感じさせるようなイラストが、主人公たちの感情の動きを豊かに表現していて世界観を作り上げています。
【8】ごめんねともだち|内田 麟太郎・降矢 なな
あらすじ

「ごめんね。」心の中なら簡単なのになぜだか言えなくて苦しい…というオオカミの心の言葉から始まります。
キツネとトランプで遊んで負けてしまった時、「いんちきだ」とキツネを足で蹴っ飛ばして、追い出してしまいした。キツネはぷんぷん。でもオオカミは後悔し、すぐに謝るつもりでした。
でもキツネと顔を合わすとなぜか「ごめんね」と言えませんでした。はたして二匹は仲直りできるのでしょうか?
この絵本のおすすめポイント
なかなか「ごめんね」と言い出せなくて苦しんでいる気持ちがとてもよく表れています。喧嘩を一度したら終わりじゃない、お互いに勇気を出して歩み寄ればまた仲直りできる、ということを教えてくれます。
「ごめんね」という言葉の重さと自分から謝ることの大切さがとてもよく伝わる一冊です。
この商品の口コミ
・素直にごめんという難しさ、誰しも経験があると思います。大人でもなかなか難しい内容を、この絵本はしっかりと伝えてくれます。
【9】いつだってともだち|内田 麟太郎・降矢 なな
あらすじ

キツネは近ごろオオカミや他の森のお友達みんなが変なことに気付いていました。だれも遊んでくれず、ひとりぼっちな気分になっていました。しかもみんな一緒になぜか穴を掘っていたのです。
実はキツネの誕生日のためにある計画をしていたのです!その計画とは一体…?
この絵本のおすすめポイント
2016年2月に発行された「おれたち、ともだち!」の最新作です。友達を想ってサプライズを計画するオオカミたちの一生懸命さが素敵です。
最後にみんなが穴を掘っていた理由が明かされ、感動せずにはいられないストーリーです。友達に見返りを求めず、ただただ喜ばせたいという純粋な気持ちがどれほど温かいのかを改めて認識させてくれる作品です。
この商品の口コミ
・今回も、友達を想う優しい気持ちについて、子どもの心にもしっかりと残るお話でした。最後はじんきました。
【10】おれたち、ともだち!【DVD】|東映ビデオ
キツネとオオカミの友情物語がアニメに!
![おれたち、ともだち! [DVD],降矢なな,](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/image.cozre.jp/magazine/post/581427.jpg)
「ともだちや」「ともだちくるかな」「あしたもともだち」「ごめんねともだち」のベストセラー絵本が一本のアニメにして収録されているDVDです。
「おれたち、ともだち!」シリーズは一冊読むと他のシリーズを読みたくなるような素晴らしい作品ばかりなので、四作のお話がこれ一本で視聴できるのはうれしいですね。
この商品の口コミ
・子どもにもわかりやすい内容で、繰り返し見ています。
まとめ
降矢さんの絵本には、まるで自分が主人公と入れ替わったような気持ちになるほど、登場人物の気持ちがひしひしと伝わってくるような魅力的なイラストが描かれています。
子どもも大人も大切なことを学ぶことができ、読み終わった後はそのストーリーについて親子で会話をしたくなるような作品ばかりで、何度も読み返したくなりますよ。
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。