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どんな痛みがあるの?
下腹部や足の付け根がチクチク、ズキズキ

妊娠16週~妊娠27週となる妊娠中期に、下腹部や足の付け根などにチクチク、ズキズキといった痛みや突っ張る感じがするという妊婦さんは多くいらっしゃいます。
中には生理痛のような鈍い痛みを感じたり、下腹部がキューッと締め付けられるような痛みを感じたりする方も。こうした腹痛は何が原因で起こるのでしょうか。また、赤ちゃんへの影響はあるのでしょうか。
妊娠中期の腹痛の原因は?
考えられる原因は?

妊娠中期に起きる腹痛の原因には、
・子宮が大きくなること
・便秘
・前駆陣痛
などがあります。これらは特に問題はありません。しかし、注意が必要な腹痛もあります。
・常位胎盤早期剥離
・子宮頸管無力症
・細菌などによる感染症
・子宮収縮
これらによっても腹痛は起こります。その場合は処置が必要となりますので、腹痛の原因を見分けることが大事になります。
子宮が大きくなることによる痛み
痛みを感じた時には安静に
こうした痛みを感じたら、座ったり、痛みがある方を下にして横になったりしてみましょう。ただ、激しい動きや急な動きをすると、身体に負担がかかって余計に痛みが強くなってしまいます。
座ったり横になったりする際にはゆっくり動くようにしましょう。座ったり横になったりすることが難しいようでしたら、深呼吸をするだけでも違いますよ。
また、腹帯などをして身体を温めると痛みが出にくくなります。骨盤ベルトでお腹を支えると楽になることもありますので、試してみてくださいね。
なお、靭帯が引っ張られることによる腹痛は、お腹が急激に大きくなる、この時期特有の痛みです。妊娠週数が進んでいくと徐々に痛みはおさまっていきますので、安静にしながら過ごしましょう。
便秘による痛み
食事の取り方を気を付ける

便秘による腹痛を予防するためにも、食事のとり方を見直してみましょう。食べることで腸の動きが活発になりますので、食事はきちんととるようにしましょう。特に朝食は活動開始のスイッチとなりますので、抜いてはいけません。
そして、胃腸の負担を軽くするためには、一回の食事量を少なめにして回数を増やしたり、しっかり噛んでゆっくり食事をしたりするようにしましょう。寝る2時間前までには食事を済ませておくことも大事です。
また、食べるものにも気をつけてみましょう。脂分や糖分の多いものは避け、栄養バランスが偏らないような食事を心がけると良いでしょう。
特に、食物繊維は積極的にとりましょう。食物繊維は玄米にたくさん含まれていますので、ごはんを白米から白米・玄米のミックスに変えると手軽にとることができます。他にも、食物繊維は根菜類や海藻類、きのこ類に多く含まれています。汁物などにすると、水分もしっかりとれて良いですね。
便秘そのものは赤ちゃんに影響をあたえるものではありません。ただ、排便時にお腹に力を入れすぎてしまうと良くありません。妊娠中でも服用できるお薬はありますので、あまりにも便秘がひどいときは病院で相談してみましょう。
なお、ネットなどでは服用できるお薬を紹介していますが、自己判断は危険です。必ず病院で診てもらい、お薬を処方してもらうようにしましょう。
体験談
mssmssmssさんからの体験談:
お腹が大きくなってくることで、妊娠初期からあった便秘が更にひどくなりました。24週を過ぎた頃からは便秘による腹痛もあったので、子宮に関する下腹部痛なのか、便秘による下腹部痛なのかが判断できず、怖かったです。
お腹の張りがあれば子宮の張りかと思うのですが、お腹は張らないまま、左下腹部が痛む時は便秘による痛みだということが段々わかってきました。
前駆陣痛による痛み
症状は?

前駆陣痛が原因となって腹痛が起きることもあります。この場合、下腹部がキューッと締め付けられるような痛みを感じます。深夜に起こることが多く、痛みで眼が覚めることがありますが、しばらくするとおさまっていきます。
腹痛の他に、お腹の張りや、不快感、圧迫感などがあることもあります。前駆陣痛とは、分娩につながる本陣痛の予行練習のようなものです。早産の兆候ではありませんので、前駆陣痛がきても心配する必要はありません。
対処法
前駆陣痛は妊娠36~40週に始まることが多いのですが、早い方だと妊娠中期に始まることもあります。痛みが強い時は、お腹を温めると良いでしょう。また、体勢を変えると痛みが引いていくことが多いですので、寝返りをうってみてくださいね。
注意が必要な腹痛
異常や違和感を感じたら病院で受診を!

以上で説明した腹痛は、特に心配する必要のないものです。ただし、何らかの異常が起きており、そのせいで腹痛がみられる場合があります。
・常位胎盤早期剥離
赤ちゃんがお腹にいるうちに胎盤が子宮の壁から剥がれてしまうことです。赤ちゃんに酸素や栄養を送れなくなってしまいますので、大変危険です。
・子宮頸管無力症
子宮の出口にあたる子宮頸管の筋肉が緩み、子宮口が開いてしまうことです。切迫流産や切迫早産を引き起こします。
・細菌などの感染症
妊娠中は免疫力が低下しますので、感染症にかかりやすくなります。クラミジアやカンジダなどに感染すると、おりものが黄色や黄緑色になったり、悪臭がしたりします。子宮が収縮して切迫流産につながったり、赤ちゃんも感染すると死亡するリスクが高くなったりしますので、大変危険です。
・子宮収縮
安静にしても痛みがおさまらないときは、ストレスなどによって子宮が収縮している可能性があります。子宮が収縮すると子宮頸管が短くなり、切迫早産につながることがあります。
以上のような場合は、適切な処置を受ける必要があります。次のような症状がみられたときは、すぐに産婦人科に連絡しましょう。
・安静にしても痛みが続く
・定期的な痛みがある(10分間隔で痛むなど)
・痛みの他に出血が見られる
・痛みがどんどん強くなっている
・痛みが非常に強い
・胎動が感じられない
まとめ
妊娠中期になると、体調が徐々に安定してきます。ただ、なんといっても妊娠中ですので、無理をしてはいけません。
そして、何か異常が起きた時にすぐに気付けるよう、ご自身の体調をしっかりチェックするようにしましょうね。
(文書作成:米奉行)
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