妊娠後期のお腹の張り、症状は?

張りの感じ方は人それぞれ

妊婦さんの写真,妊娠後期,お腹の張り,出典:www.photo-ac.com

妊娠28週以降の妊娠後期は、お腹の張りを最も強く感じる時期だと言われています。お腹が張る回数自体も増えますし、張りの痛みも強くなります。

張りの感じ方には個人差があり、子宮辺りがキュッとするという方もいれば、ピキーンと裂けそうな感じがするという方、中には石のようにガチガチになる、と感じる方も。お腹がかたくなっているのは目で見てもわかりますし、もちろん自分で触っても確かめることができます。

また、お腹の張りと一緒に息苦しさを感じる場合もあります。これは、お腹が張ることで子宮が上に押され、肺が圧迫されることによるものです。

お腹の張りや息苦しさを感じたときは、少し横になって安静にしましょう。少しずつおさまり、楽になっていきます。

体質や体型によってはお腹の張りを感じにくい場合があります。わかりにくい場合は、仰向けになり、両膝を立てて下腹部をさわってみましょう。ほっぺたよりもかたい場合は、お腹が張っている可能性があります。あまりつらさは感じないかもしれませんが、お腹が張っているようでしたら、やはり安静にするようにしましょう。

なお、お腹が張ると赤ちゃんは苦しくないかな?と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。赤ちゃんは羊水の中にいますので、苦しくなることはありません。

体験談:お腹が張ったらすぐ安静に

ryo_coさんからの体験談:
とにかくお腹の張りには気をつけていました。張りやすい体質でもあったので、朝起きてちょっと動くと張ったりするのですぐ横になれるように布団を敷いていました。重い物を持ったりも極力せず、掃除などもちょっとずつしては休んでいました。

妊娠後期のお腹の張り、原因は?

子宮収縮によるもの

ベッドの写真,妊娠後期,お腹の張り,出典:www.photo-ac.com

妊娠後期に感じるお腹の張りの多くは、子宮収縮によるものです。子宮は筋肉でできているため、ママが緊張や冷え、ストレスなどを感じると収縮するのです。

また授乳の準備として乳頭マッサージを行うと、子宮を収縮させるホルモンが出てきますので、これによっても張りを感じます。

こうしたお腹の張りは子宮収縮によるものですので、張りを感じたときは横になって安静にしていると筋肉の緊張がほぐれ、張りがおさまっていきます。

前駆陣痛の可能性も

時計の写真,妊娠後期,お腹の張り,出典:www.photo-ac.com

妊娠36週くらいを過ぎると、出産の準備である前駆陣痛によってお腹が張ることもあります。これは不規則に子宮が収縮することによって起こります。

お腹の張りと一緒に、腹痛や腰痛を感じることもあります。陣痛とは違い間隔はバラバラで、どんどん強くなることもありません。

夜中に起こることが多いのですが、しばらくするとおさまりますので、いつの間にか眠ってしまった、という方も多いです。体勢を変えるとおさまることが多いですので、お腹の張りで眠れないようでしたら、寝返りを打って楽な体勢を探してみましょう。

なお、前駆陣痛を感じるころになると、粘り気のあるピンク色や赤色の出血がみられる“おしるし”がくることがあります。破水していなければ前駆陣痛やおしるしがきても病院へ行く必要はありませんし、いつも通りに生活してかまいません。

ただ、出産が近くなってきたサインですので、いつでも病院へ向かえるよう準備をしておきましょうね。

便秘が原因となることも

洗面台の写真,妊娠後期,お腹の張り,出典:www.photo-ac.com

妊娠中はホルモンバランスの変化により腸の働きが鈍くなり、便秘になりがちです。これにくわえて妊娠後期はお腹が大きくなりますので、腸が圧迫されて働きがより低下します。

また、体が思うように動かなかったり生活が制限されたり、とストレスも受けやすくなります。こうしたことにより、妊娠後期は特に便秘になりやすくなります。

便秘によるお腹の張りと子宮収縮による張りは、張り方の違いなどをポイントにして見分けると良いでしょう。便秘によるお腹の張りの場合、お腹が内側からパンパンに膨れる感じがすることが多く、横になっても張りは改善されません。

これに対し、子宮収縮によるお腹の張りでは筋肉がカチカチになる感じがすることが多く、横になると張りがおさまってくるという特徴があります。

痛みや出血には注意

お腹の張りだけでなく、強い痛みを感じたり、サラサラした出血がみられたときは、何か異変が起きている可能性があります。すぐに産婦人科の受診を受けましょう。

妊娠後期のお腹の張り 対策・対処法

無理は禁物!

オリーブオイルの写真,妊娠後期,お腹の張り,出典:www.photo-ac.com

・疲労に注意
あまり長時間立ち続けたり歩いたりすると、お腹が張ってしまいます。適度な運動は大切ですが、お腹が張るようでしたら休憩をとるようにしてください。

・お腹に力を入れるのは避けましょう
重いものを持ったり、ゴルフや卓球など身体をひねるような動きをすると、瞬間的にお腹に強い力が入ってしまいます。こうしたことはなるべく避けるようにしましょう。

・お腹は締め付けないように
お腹を締め付けるような服装も、お腹の張りを引き起こすことがあります。苦しいようでしたら、お腹周りは締め付けないようにしましょう。

・張るときは乳頭マッサージは控えて
産後の授乳に備えて乳頭をマッサージすると、子宮を収縮させるホルモンがでますのでお腹が張るようになります。張りを感じたら切り上げるようにしましょう。

・ストレスにも注意
ストレスを感じると筋肉がかたくなり、お腹が張りやすくなります。なるべくゆったりとした気持ちで過ごし、入浴や軽い体操などで気分転換を。筋肉もほぐれますのでおすすめです。

・身体を温めて
身体が冷えると筋肉が収縮し、お腹の張りや便秘につながり、さらにお腹が張ってしまうこともあります。夏場でもエアコンなどで意外と身体は冷えてしまうものです。靴下をはいたり、お腹周りを温めたり工夫ししょう。

・お腹の調子を整えましょう
便秘になるとお腹が張りますので、食物繊維をしっかりとってお腹の調子を整えましょう。雑穀やアボカド、寒天やこんにゃくなどを意識的にとると良いでしょう。

ただし、根菜類や豆類は繊維が多いですがお腹の中でガスが発生しやすい食べものでもあります。あまり一度にたくさんとるのは控えましょう。また、オリーブオイルなどの油を適度にとると便通がスムーズになります。良質なものを食事に取り入れてみましょう。

病院受診の目安

青空の写真,妊娠後期,お腹の張り,出典:www.photo-ac.com

お腹の張りは、問題のないものであることが多いです。ただ、赤ちゃんの異変を知らせるサインとしてお腹が張っていることもあります。

切迫早産や早産の兆候の1つにもお腹の張りがありますし、常位胎盤早期剥離である場合も、強い下腹部痛や出血とともにお腹が急にガチガチに張ります。常位胎盤早期剥離になると、赤ちゃんもママも命が危険な状態になってしまいます。

・1時間ほど横になっても張りがおさまらない
・張りの他に強い痛みがある
・張りの他に出血がある
・頻繁に張る(妊娠30週未満の場合は1時間に3回以上、妊娠30週以降の場合は1時間に5回以上を目安にしてください)

以上のような症状がみられたときは、すぐに産婦人科に連絡してください。なお、頻繁に張る場合は張りの間隔を測りましょう。間隔が規則的であり、徐々に間隔が短くなっているようでしたら、陣痛が起きている可能性もあります。

また、医師にスムーズに状況を伝えるため、以下についてメモしておきましょう。
・いつからお腹が張り始めたか
・張りの頻度(1時間に○回張る、○分間隔で張る、など)
・痛みがあるかどうか
・出血したかどうか
・胎動があるかどうか

まとめ

お腹の張りは、ほとんどが問題ないものです。ただ、中には異変を知らせるサインであることもあります。

いつもと張り方が違う、回数が多い、強い痛みがある、といった場合は、早めに産婦人科に相談しましょう。
(文書作成:米奉行)

・掲載内容や連絡先等は、現在と異なる場合があります。
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。