破水とは?何が原因?

破水とは?

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破水とは赤ちゃんが包まれている卵膜が破れて、羊水が外に出てくることをいいます。通常は出産が始まって子宮口が全開大になった頃に自然に破水しますが、それ以前に破水する場合もあります。

一般的にはおしるしがあり、陣痛が起こってから破水が起きると説明されますが、その順番には個人差があり、この通りの順番に進まないこともあります。

破水が起きてから数時間後に出産に進むケースが多いです。

破水の種類

適時破水

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破水は起こる時期や起こる場所によって適時破水、前期破水、早期破水、高位破水に分けることができます。

通常は子宮頚管が全開大することに自然に破水しますが、これを適時破水と呼びます。この場合は、子宮口に近い卵膜の下側が破れてそこから破水します。

早期破水

正期産の時期(妊娠37週~41週末まで)の破水は特に原因はないとされてます。

早産時期の破水の原因としては、

・重いものを持ったり、運ぶ

・激しい咳

・赤ちゃんを包む卵膜の異常(性病・炎症などで弱っている・感染など)

・胎動による激しい衝撃

・妊娠中の性交(妊娠後期は特に注意しましょう)

・高齢・喫煙者などのハイリスクの妊娠

などが挙げられます。

前期破水

分娩が開始する前、つまり陣痛がくる前に破水することを前期破水と呼びます。37週以降に前期破水が起きた場合は、赤ちゃんが十分に成熟しているため24時間以内に分娩開始となることが多いです。

その場合、入院して感染予防の処置を受けることになります。破水が起きると24時間以内に陣痛が始まることが多いですが、始まらない場合は分娩を誘発することことも多いです。

37週未満に破水が起きた場合は、注意が必要です。赤ちゃんの発達や元気の良さを見ながら、入院して感染予防の処置や子宮収縮を抑える薬を投与して安静に過ごします。

赤ちゃんの発達具合にもよりますが、すぐに分娩を誘発するのではなく妊娠を長く継続させる方向でいくことが多いです。

破水すると感染が起きやすいので、感染しないように最大限の注意を払うことになります。

高位破水

上でも説明した通り、通常の破水では子宮口に近い卵膜の下側が破れて破水しますが、高位破水とは子宮口から遠い卵膜の上側が破れて破水することを言います。

高位破水の原因は、早期破水と似たような原因が考えられるのですが、怖いのは症状に気付きにくいということです。

破水する場所が子宮口から遠いため、通常の破水のように一気にジャバーと出てくるというよりは、スピードが遅くチョロチョロと出てくることが多いので尿漏れと感じる妊婦さんも多いです。

もし破水だと気づかず、そのままにしておいたり入浴やシャワーを浴びてしまうと、子宮内に菌が入り母子ともに感染症になってしまう恐れがあります。

また、正産期より前に高位破水になってしまった場合は、子宮内に菌が入るのを防いだり、赤ちゃんの発育を守るために管理入院になることもあります。

破水だと気づくことが何よりも大切ですので、尿漏れやおりもののような気がしても違和感を感じたら医師に相談してみましょう。

破水と間違えやすい、尿漏れとの違いは?

破水か?尿漏れか?その判別方法

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破水の仕方にも色々あり、ドバッと出る人もいればチョロチョロと出る人もいます。そうなると気になるのが尿漏れとの違いです。

妊娠後期になると大きくなった子宮に圧迫されて尿漏れに悩まされる妊婦さんも多いかと思います。尿漏れと破水を見分けることができるのかなと不安になるかもれしれません。

一般的に尿漏れと破水を見分ける特徴があります。まず1つ目は臭いです。尿はアンモニアが含まれていますので尿独特のアンモニア臭がします。それに対して羊水はアンモニア臭がしません。

羊水自体の臭いには個人差があるのですが、「生臭い臭い」と感じられる方が多いです。2つ目は何か液体が出てきたなと感じた時に、尿漏れなら自分で止めることができます。

それに対して破水は自分の意志に関係なく出てくるので自分で止めることができません。破水は動いたり歩いたりしても出てくるのが特徴です。

3つ目は個人差もあるのですが、尿は黄色いのに対して羊水は無色透明です。

この点に関しては、尿は水分の濃縮具合によって薄い色のときもありますので、サブのポイントとしてとらえてもらえたらよいでしょう。

尿漏れとの区別がつかない場合

たくさんの量が休んでも動いても出てくるなら破水と気付きやすいのですが、チョロチョロと少量しか出ない場合や、チョロチョロと出ないけれど下着がたくさん濡れている場合などは、尿漏れと気付きにくいですよね。

そんな場合は、かかりつけの産院に電話して指示をもらうようにしてください。尿漏れと区別がつかないなんて言うのが恥ずかしいと思うかもしれませんが、そんなことはありません。

心配になって電話をしたり受診する妊婦さんは意外といますので安心してください。破水すると子宮内に感染を起こすリスクもありますので、少しでもおかしいなと感じたら連絡しましょう。

病院では視診をしたり膣鏡診をして判断しますし、見分けにくい場合は膣内のPHを測定していきます。膣鏡診をすると、羊水が流れ出てくるのを目で見ることができます。

また羊水はアルカリ性なのでリトマス試験紙のようなもので検査すれば色が変色するため見分けることができます。

陣痛前に破水した場合の対処法

病院への連絡

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陣痛が来る前に破水したとわかったら、慌てずに清潔なナプキンやタオルを当ててから、病院に連絡しましょう。すべての羊水が一気に出てしまうことは無いので安心してください。

落ち着いて病院に連絡をし、指示を仰ぎましょう。

この時、病院から質問があるかとは思いますが、「何時から破水が続いているか」「陣痛はあるか」「胎動はあるか」「出血はあるか」「羊水の状態」など確認しておくと良いかもしれません。

動くと、羊水が出てしまうのでなるべく安静にしましょう。病院からの指示があり、病院へ向かうことになれば準備をしましょう。

自家用車などが無い場合は、タクシーを呼びましょう。臨月に入ることになると、破水が起きる可能性もあるので、すぐに病院やタクシー会社に連絡できるよう準備しておくと良いですよ。

また、準備に慌てずに済むように、最低限に入院準備品は用意しておきましょう。

病院までの移動

自宅または外出先で破水した場合、病院に向かうまでの間は、清潔な下着に着替えてナプキンまたはバスタオルをあて、病院へ連絡してから受診しましょう。

ここで注意してもらいたいのが、膣内から細菌が入ってしまうと胎児に危険が及びますので、お風呂・シャワーは絶対に厳禁です。また、病院へ向かう際は車で横になりながら向かって下さい。

付き添いの方がいない場合はタクシーに事情を話し向かって下さい。また、逆子の場合は歩いてはいけません。逆子で前期破水した場合は、一刻も早い手当が必要です。

正常位なら、赤ちゃんの頭で子宮口に栓をする形になり、羊水がでる量が少なくてすみますが、逆子でお尻や足が下になっていると、羊水がたくさん流れたり、卵膜の破れたところから、臍帯(へその緒)がでてしまうことがあります(臍帯脱出)。

破水した時は 周りの方に協力を求めましょう。誰もいなければ、救急車を呼びましょう。

まとめ

今回は、破水について詳しく説明しました。陣痛が来る前に、いきなり破水が起きると慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いて対処しましょう。

事前に色々と準備をしておけば安心です。清潔な下着やナプキンはいつでも用意しておくと良いですよ。

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