妊娠中に飲み物に注意する理由とは
お腹の赤ちゃんにも優しい飲み物を!

妊娠すると、新陳代謝が活発になり、非妊娠時よりも水分を必要とします。お腹の赤ちゃんのためにも水分はとても重要です。
そこで、こまめに水分補給をすることは良いことですが、妊娠中にママが口にしたものは、成分が血液を通して胎盤へ運ばれ赤ちゃんへ送られます。ですから、体によくない成分は控えたいですよね。
大人にとっては害と感じられない成分でも、お腹の中の胎児にとっては害になってしまう成分もあります。そこで、妊娠がわかったら控えるべき飲み物をご紹介します。
必ず避けたい!アルコール含有飲料
ダメな理由とは

アルコール類は「妊娠したら飲んではダメ」というイメージがあると思います。なぜ飲まないほうが良いのでしょうか?
ママが妊娠中にアルコールを過剰摂取すると、先天性疾患である「胎児性アルコール症候群」のリスクが高まると言われており、日常的にお酒をたくさん飲む人は、飲まない人よりも流産の確立が上がってしまうこともわかっています。
ママと胎児をつなぐ胎盤には、ある程度飲み物の成分をフィルターする機能が備わっています。しかし、アルコール成分はこのフィルターを通過して、胎児に届いてしまうのです。
妊娠を自覚する前の飲酒について不安がある方もいるかもしれませんが、あまり不安になりすぎてもストレスになってしまいます。必ずそうなるとは限りませんし、どのくらいの量が大丈夫だという目安も人それぞれです。
少ない量でも胎児に影響をおよぼす可能性があることは事実ですから、妊娠初期・後期などに関わらず、妊娠がわかったらすぐにやめたほうが良いですね。
飲む量に注意!コーヒーや緑茶など
カフェインを含む飲み物

カフェインを過剰摂取すると、どんなことがおこるのでしょう?胎児は臓器の機能が低く、カフェインを分解できず体に蓄積してしまいます。影響としては、胎児の中枢神経を興奮させる作用が考えられます。
また、血管を収縮させる作用のために胎盤の血流が減少し、胎児発育遅延がおこり低出生体重児の出生率を高くしたり、流産の危険性を上げてしまうと言われています。
カフェインを多く含む飲み物として、コーヒーが有名ですね。1杯150mlとした場合、ドリップコーヒーで100mg、インスタントコーヒーで65㎎程度です。
コーヒーにはリラックス効果もあります。飲むことで落ち着く人は飲んでかまいません。日本で妊婦のカフェイン摂取量の上限は定められていませんが、胎児への影響を考え、1日1~2杯程度なら安心でしょう。
他にも紅茶、ほうじ茶、ウーロン茶で30㎎、抹茶48㎎、ココア50㎎、コーラ34㎎などにも含まれています。
タンニンを含む飲み物

タンニンは、主成分のカテキンが、葉酸の働きを阻害すると言われています。葉酸は、胎児の形成に不可欠なビタミンB群の水溶性ビタミン。先天性異常のリスクを低くするとされ、特に妊娠初期の必要栄養素です。
また、タンニンは、鉄分の吸収も阻害してしまいます。葉酸も鉄分も、せっかく食べ物やサプリで摂り入れても、成分が阻害されてしまってはもったいないですよね。
緑茶や紅茶の他にも、コーヒーやウーロン茶にも含まれています。カフェインと同様に、飲んではいけないというわけではありません。1日1~2杯は飲んでも大丈夫だとされています。
ジュース、スポーツドリンクなど糖分・塩分を含む飲み物

糖分や塩分を含む飲み物を摂りすぎると、尿を排泄する際に、カルシウムを増加させてしまうとされています。妊娠中は、カルシウムの摂取量も気を付けなくてはいけない時期です。また、妊娠糖尿病や高血圧、むくみや体重増加の要因にもなってしまいます。
お口の環境が悪くなりがちなこの時期に、虫歯が増えるということもあります。ジュースや清涼飲料水の摂りすぎに注意しましょう。
スポーツドリンクは脱水予防に効果がありますが、糖分も塩分も多く含まれています。果汁100%のジュースはよさそうに思えて、実は高カロリー!選ぶ際には糖分・塩分の添加がないか表示確認をしてくださいね。
その他の注意が必要な飲み物

・麦茶
ノンカフェインのお茶なので、妊娠時期にすすめられるお茶の一つです。ただし、冷たくして飲むことが多いので、飲み過ぎは体を冷やす原因になります。
・はと麦
はと麦茶に含まれるコイクセラノイドは、異物を外に出そうとする働きがあり、胎児を異物と誤判断し、流産や死産につながる恐れもあります。「飲み過ぎ」に注意して飲めば問題ありません。
・ハーブティー
ひとくちに「ハーブティー」と言っても、作用はさまざまです。種類によっては子宮収縮を誘発してしまうものや、流産や早産を引き起こしてしまう可能性のあるハーブもあります。リラックス効果やつわり緩和など、妊婦さん向けにブレンドされて販売されているものもあります。ハーブの効果をよく見て選ぶようにしましょう。
・栄養ドリンク
つわりなどで体力が低下してしまったとき、栄養ドリンクを飲んで大丈夫なのでしょうか?表示には「産前産後の滋養強壮」と書かれています。飲んでも問題ありませんが、無水カフェインという形でカフェインが含まれている商品もありますので、飲み過ぎには注意しましょう。
体験談
marimo0111さん コーヒーや紅茶の飲み過ぎに注意し、飲んでも1日1杯程度にとどめました。
私はもともとコーヒーが大好きなので、ノンカフェインのものに切り替えました。ノンカフェインのコーヒーもカフェイン入りと味に大差ないように感じました。
トモアスさん 出産が10月だったので、 体を冷やさないよう温かいものを飲むのは多少嫌になる時がありましたが、好きなコーヒーをノンカフェインのものにして、ホットで飲んでリラックスしたりしました。
たんぽぽコーヒーもコーヒー感はあんまりなかったけど、味は意外とおいしかったです。
妊娠中におすすめの飲み物
妊娠中のお悩み解消も!

「妊娠中に飲んでも大丈夫で、且つ妊婦さんの悩みを解消してくれる」そんな飲み物はないのでしょうか?
妊婦さんの悩みといえば、冷えや便秘、つわりなどが挙げられるでしょう。誰でも必ず効果があるというわけではありませんが、お薬を飲めないこの時期に試してみるのはいかがでしょうか?
ティータイムはリラックス効果も生み出します。安心して飲めてリフレッシュできる飲み物に出会えると良いですね。
たんぽぽ茶|冷え&便秘対策・鉄分・カルシウム

たんぽぽは昔から、漢方薬としても使われてきた植物です。土の中で育つ食べ物には、体を温める効果があると言われています。
たんぽぽの根には体を温める効果があるほか、鉄分やカルシウムも豊富に含まれています。食物繊維も豊富で、妊娠により便秘に悩む方にはおすすめです。
高血圧や糖尿病にも良いとされていますので、妊娠性の高血圧や糖尿病の危険信号が出されてしまった場合にも、安心して飲めます。
醗酵ギンネム茶|カルシウム・鉄分・ミネラル豊富!

ギンネムは、沖縄の海で自生するマメ科の植物です。サンゴ礁が隆起してできた沖縄の土壌には、カルシウムがとても豊富です。
その豊かな土壌で育つギンネムは、カルシウムをはじめ、鉄分やミネラルが豊富!さらにギンネムを醗酵することで、より効果がアップ。
ポリフェノール、ミネラル、ビタミン、食物繊維、葉緑素などの成分を含有しています。妊娠中から産後にかけて、ママはカルシウム不足になりがち。お茶でもカルシウムやミネラルなどの成分を摂取することができるのであればぜひ取り入れたいですね。
黒豆茶|血圧やむくみに効果・体重増加の予防にも

黒豆茶は健康茶として有名ですよね。黒豆には、アントシアニン(黒大豆ポリフェノール)、サポニン、イソフラボン、レシチンなどが含有されています。効果として、血流の改善・血圧の抑制、抗メタボ効果などがあります。
血中コレステロールを下げる働きがあるため、妊娠中になりやすい「高血圧」の予防効果が期待できます。また、体脂肪量の低減効果や老廃物の排出を促してむくみをとる効果があるので、妊娠中に体重増加しやすい人は、食事の際の飲み物として取り入れるのも良いでしょう。
ゆず茶|ビタミンCが豊富!

ゆず茶は、韓国の伝統的な飲み物で、茶葉から抽出するのではなく、ゆずをマーマレード状に煮詰めたものをお湯で割って飲みます。
ビタミンC、食物繊維、クエン酸が豊富に含有されており、カフェインなどは含んでいません。体を温める効果があり、喉にも良いので、風邪気味で薬が飲めない時などにも良いですね。
柑橘系のさわやかな香りが、妊娠初期の辛いつわり中でも飲みやすいのではないでしょうか?ただし糖分を多く含んでいますので、体重管理の必要な時期は飲み過ぎ注意です!
ごぼう茶|むくみや冷え解消に効果!

ごぼう茶は、ノンカフェインなので妊婦さんも安心です。皮に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があります。
悪玉コレステロールや脂肪を分解し排出する作用があり、体重コントロールにも良いですね。イヌリンという成分には冷えやむくみ防止効果もあります。
市販品も多くありますが、ご自身で作る時には、天日干しをして、さらにフライパンで炒ってから煎じましょう。
体験談
ハッピートントンさん 妊娠してからは飲み物の種類に気を付けるようになり、白湯、お湯、麦茶に加えてカフェインレスのルイボスティーを普段から飲むように心掛けました。
tontontonさん コーヒーが好きだったのでどうしてもやめられず、1日に飲む回数を決めて、その他はノンカフェインのお茶にしました。
あまり飲んだことがなかったので、好みのお茶やハーブティを見つけるもの楽しかったです。
まとめ
妊娠中は水分不足になりがち。水分をこまめに補給しましょう!そしてお口からいれるものとして、赤ちゃんにも届くものだということを意識しましょう。
赤ちゃんにも優しく、またママの体にも優しい効果をもたらしてくれる飲み物に出会えますように。(文章作成:mon)
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