マイコプラズマ肺炎について

マイコプラズマ肺炎とは

肺の感染症,肺炎,子ども,

肺炎の一種であるマイコプラズマ肺炎は、1984年と1988年のオリンピック開催年に大流行して以来、4年周期で流行が見られたことから、かつては「オリンピック病」とも言われていました。

近年では周期的な大流行が発生することは少なくなったものの、毎年発症者がみられるようになり、患者数はむしろ増加してきています。

最近では2011~2012年にも流行し、2016年も大流行の兆しがあると注意喚起されています。6~12歳の子どもが罹患しやすい(かかりやすい)病気とされていますが、乳幼児や大人もかかるケースが増え、年齢に関係なく注意が必要な感染症となりつつあります。

マイコプラズマ肺炎の症状と期間

発熱、頭痛、咳など

発熱で寝込む子ども,肺炎,子ども,

発熱、頭痛、倦怠感、のどの痛み、関節痛などの風邪症状から始まります。子どもは鼻水が出ることもあります。これらの症状が出てから3~5日後に咳が出始めます。コンコンとした乾いた咳で、痰はあまり出ません。咳はどんどんひどくなり、次第にヒューヒュー、ゼイゼイという喘鳴がするようになります。

咳は熱が下がっても3~4週間ほども続き、後半には湿った咳に変わります。その他には、声がかすれて出なくなったり、胸の痛み、下痢、耳の痛み、蕁麻疹のような発疹などが現われたりすることもあります。

風邪のような症状から始まるため、風邪だと思ってマイコプラズマ肺炎だと気づくのが遅れ、重症化してしまうことも多くあります。

この記事に関連するリンクはこちら

気管支喘息などの合併症も

中耳炎、髄膜炎、心筋炎、胸膜炎、副鼻腔炎、気管支喘息などを起こす可能性があります。重症化すると、敗血症を起こしたり、命が危うくなることがあります。

再感染する?

マイコプラズマ肺炎にかかると抗体ができますが、その抗体は時間とともに徐々になくなってしまうので、再度かかってしまう可能性があります。抗体が残っている期間は、個人差が多く、一定ではありません。

マイコプラズマ肺炎の原因

マイコプラズマ感染の原因と経路

マスクをつけて手洗いをする女の子,肺炎,子ども,

細菌の一種である、マイコプラズマに感染することで発症します。マイコプラズマは、熱と界面活性剤に弱いという特徴があります。

感染経路には、感染者の唾液や鼻水をくしゃみなどから吸い込んでしまう飛沫感染、マイコプラズマのついた玩具をなめたり、ドアノブなどについているウイルスに触れた手で、鼻や目などの粘膜に触れたりすることで体内にマイコプラズマを取り込んでしまう接触感染があります。

潜伏期間と感染力

感染力はそれほど高くなく、インフルエンザなどのように通常の集団生活で容易に感染するわけではありませんが、油断は禁物です。

飛沫感染、接触感染する病気ですが、感染には濃厚接触が必要になるので、近い距離で同じ時間を過ごす友人間や家族間での感染が多くなります。特に乳幼児は指や物をなめたりしますし、人との距離が近いので注意が必要です。

潜伏期間は2~3週間ほどですが、潜伏期間中にも感染力があるため、知らないうちに感染を広めてしまうこともあります。

感染力が強いのは、発症前の2~8日から発症後の1週間ほどとされています。その後、感染力は弱まるものの4週間~6週間はマイコプラズマを排出します。

マイコプラズマ肺炎の検査方法、薬、治療法

検査方法

検査用の綿棒,肺炎,子ども,

マイコプラズマ肺炎と特定する検査に、迅速診断キットがあります。のどの粘膜を綿棒でこそげ取り、液体につけて検査します。

簡単に検査でき、結果がすぐに出るのが利点ですが、マイコプラズマに感染していても、結果が陽性とならなかったり、逆もあります。そういう時には、血液検査でマイコプラズマの抗体を調べます。

その他、採血で炎症反応を見たり(あまり上がらないのが特徴です)、胸部レントゲンを行ったりします。

治療法

抗菌薬治療を行います。発熱している場合には解熱剤を、咳がひどい場合には去痰薬なども使用することがあります。重症例では、ステロイドを使用することもあります。治療を開始し、2週間~1ヶ月ほどで症状が良くなります。

また、治療を行わなくても自然軽快することも多々あり、必ずしも抗菌薬投与が必要なわけではありません。

マイコプラズマ肺炎は細菌性肺炎と比べて症状が軽くすむことが多いため、外来治療ですむ場合も多いですが、2歳以下、酸素状態が悪い、食事や水分がとれない、他に持病がある、症状が重症化している場合には入院治療を要することがあります。

入院期間は3~7日程度であることが多いですが、病状によっては入院期間が長くなります。

薬の種類は?

子どもの薬,肺炎,子ども,

マイコプラズマ肺炎には、マクロライド系という種類の抗菌薬が使用されることが多いのですが、近年耐性菌が増えており、数日投与して効果が無い場合にはニューキノロン系やテトラサイクリン系の抗菌薬を使用します。

ただし、テトラサイクリン系は8歳未満には副作用が出ることが懸念されるため、使用を避けます。

登園、登校は?おうちでのケアは?

保育園、幼稚園、学校には行ける?

登園の様子,肺炎,子ども,

法的にはっきりとした欠席日数は決められていませんが、学校安全保健法で、他の人に感染させる恐れがないと学校医や医師が認めるまでは欠席することが必要とされています。

登園・登校には医師の許可が必要になります。発症後1週間は感染力が強いため、登園・登校が禁止となることが多いようです。保育園、幼稚園、学校によって対応が違う場合がありますので、登園・登校する前に確認してくださいね。

自宅療養で気を付けること

マイコプラズマ肺炎にかかったら安静にするのが大切です。お家でゆっくりと静かに過ごしましょう。状態が落ち着くまで、無理に入浴させる必要はありません。体の汚れが気になる場合には、絞ったタオルで体を拭いてあげましょう。

気温差があったり、空気が乾燥していたりすると咳が出やすくなるので、エアコンや加湿器を使って温度や湿度を調節するとよいでしょう。咳が出て苦しい場合には、上体を少し起こしてあげると楽になります。脱水症状を防ぐためにも、こまめに水分補給を行いましょう。

子どものことをよく観察し、呼吸困難や脱水症状があったり、様子がおかしかったりする場合には、すぐに病院に連絡の上、受診してください。また大人もかかる病気なので、看病をする時にはきちんと予防をし、家族間での感染を防ぎましょう。

予防法

マイコプラズマを体内に取り入れないことが大切です。手洗いとうがいを徹底し、子どもが目や鼻をいじらないように習慣づけましょう。マスクをつけるのも、手についたマイコプラズマを口や鼻に近づけないという意味で効果的です。

おもちゃなどをなめてしまう場合には、こまめに消毒をし、できるだけ人との共有を避けるようにしましょう。

マイコプラズマ肺炎体験談

熱が下がらず、レントゲンと血液検査で診断。入院も。

クルーンさんからの体験談:
発熱、発疹がありました。熱は、初期の2日間38度まで上がりましたが、一晩寝ると翌朝は36度台まで回復しました。この為、発熱2日目にインフルエンザを疑い、病院で検査、陰性の診断が下りました。

3日目から5日目までも夜は熱っぽいが、翌朝になると平熱程度まで下がっていました。発熱から5日目以降には発疹も出ました。

4日目に熱が収まらないので、再度受診。抗生物質を処方されました。6日目には元気がなくなり、咳も出てきたので受診し、レントゲン検査と血液検査をしました。

発熱から入院までは、自宅で抗生物質を服用。入院2日目(7日目)でマイコプラズマ肺炎と診断がされ、抗生物質(今までとは違う種類のもの)の点滴治療。発熱時は解熱剤も服用。5日間入院し、その間、毎日抗生物質の点滴。退院後も5日間抗生物質を服用しました。

発疹が体幹部分に出たので、塗り薬を一日一回。かゆみが治まるまで2週間ほど塗りました。

まとめ

風邪の症状と似ているのでなかなか気づくことが難しいマイコプラズマ肺炎。咳がなかなか治らない時には、ただの風邪だとは思わずに、マイコプラズマ肺炎を疑ってみてください。

子どもだけでなく大人もかかることがあります。看病をするママパパも気をつけてくださいね。(文章作成:鳥子 医療監修:しゅうぴん先生)

※掲載内容や連絡先等は、現在と異なる場合があります。