風邪はどうしておこるのでしょう

ウイルスが風邪の原因です

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風邪はウイルスが原因になります。風邪の原因となるウイルスにはいろいろあります。代表的なウイルスとしては、RSウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスなどがあります。

RSウイルスは口、鼻、のど、気管支、肺などの息をするための器官(まとめて呼吸器とよびます)に感染します。1歳までに半数が、2歳までにほぼ全員が感染します。

RSウイルスにはたくさんの種類があります。そのため、一度かかっても繰り返し感染する可能性があります。扁桃腺炎、気管支炎の場合には外来で治療を行います。肺炎まで進むと、入院治療になる場合があります。

その他のウイルスでは呼吸器に感染するアデノウイルスや、腸に感染するエンテロウイルスなどがあります。

流行するのはいつ?

ウイルスの種類によって流行する時期に違いがあります。RSウイルスがうつることによってかかる風邪は、冬から春に流行します。一番多いのは年末から1月です。

エンテロウイルスがうつることによってかかる風邪は、夏から秋に流行します。アデノウイルスはエンテロウイルスと同じ時期に流行します。目ヤニがでたり目が充血して、結膜炎になることもあります。

ウイルスの感染力

風邪がどれくらい感染するかは、ウイルスの感染力の強さと赤ちゃんがもつ免疫の強さとのバランスによって決まります。

RSウイルスは、潜伏期間が2~8日、エンテロウイルスは3~7日、アデノウイルスは5~7日です。いずれも高い感染力があります。

1年で何度も風邪をひくのはなぜ

一度ウイルスに感染すると、そのウイルスの抗体ができて、同じウイルスには感染しないといわれています。しかし、ウイルスによっては抗体ができにくく、何度もかかってからウイルスをやっつけるようになる場合もあります。

ウイルスの抗体は1つのウイルスにしか効果がありません。例えば、インフルエンザでもA型B型などとありますよね。

インフルエンザの予防接種は、ある1種類のインフルエンザの抗体を注射するわけですから、ワクチンに含まれない型のインフルエンザウイルスには感染してしまう、というわけです。

風邪のときはどんな症状がでてくる?

風邪はどのように発症するのか

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風邪はウイルスによって引き起こされるものですが、体の中ではどんなことが起こっているのでしょうか。

まず白血球がウイルスを見つけると、そのウイルスを取り込み殺そうとします。また、他のウイルスを殺す役割のある細胞をよぶ信号をだしたりします。これを「免疫(めんえき)が働く」といいます。ウイルスを殺した白血球は膿になります。

免疫は熱をだして、ウイルスを殺そうとします。ウイルスに対する抗体がある場合はその抗体をよび、ない場合は抗体を作る細胞をよびます。

また、鼻水や排泄物でウイルスを体の中から外へ出そうとします。抗体はウイルスと結合してウイルスを殺します。

0歳から1歳まではこの免疫の力が弱いので、ウイルスが増えて症状がでるのです。なお、ウイルスによって症状の現れる場所は違います。

主な症状

咳(せき)、鼻水、発熱、下痢、嘔吐などの症状がでます。

咳はゼーゼーといった息をするときに雑音が入ったり、ケンケンといったような音がでたりします。これは、炎症をおこして気道が狭くなっている証拠です。

鼻水が濁っているときは、白血球の死がいが混じっていて自分で病気を治そうとしている場合です。濁っている上に変な臭いがする場合は、細菌に感染している可能性があります。

発熱は、微熱の場合はウイルスを殺すための免疫の働き、高熱はウイルスによる炎症のせいと考えられます。下痢は、腸管にウイルスが感染したときや、抗生物質によって腸の善玉菌が少なくなったときにおこります。

赤ちゃんの風邪 治療法はあるの?いつ病院に行けばいい?

こんな症状がでたら診察を受けましょう

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ドロっとした鼻水や軽い発熱、少し咳がでているぐらいの場合には、赤ちゃんは自分でウイルスと戦っている状態と考えられます。鼻水、汗をこまめにふいて、頭を冷やし、水分を十分に与えて2、3日様子をみます。

機嫌が悪かったり、離乳食やミルクを飲めなかったり、症状が2、3日でおさまらない場合や喘鳴(呼吸するときにゼイゼイやケンケンという音)が混じっている場合には、診察を受けましょう。

治療法

インフルエンザウイルスを除けば、風邪ウイルスに対する薬剤はありません。そのため、熱に対する解熱剤、咳をおさえる鎮咳去痰剤(ちんがいきょたんざい)、鼻水をおさえる抗ヒスタミン剤を使います。

解熱剤を使うときには注意が必要です。発熱はウイルスの炎症から発熱する場合がありますが、体の免疫がウイルスを排除しているときにも熱がでます。いずれの薬も医師に相談の上、使用しましょう。

鼻水がどろっとしてきて変な臭いがするときは、細菌も感染している可能性があるので、医師が抗生物質(細菌を殺す薬)を処方する場合があります。抗生物質は腸内にいつもいる善玉菌も殺してしまうので、下痢を起こす場合があります。

風邪をひいているときにかかりやすい病気

弱っている赤ちゃんが風邪をひいている時、他の細菌に感染することがあります。これを二次感染とよびます。

例えば肺炎球菌に二次感染すると細菌性肺炎がおこり、この場合には抗生物質が効果を示します。黄色ブドウ球菌に二次感染すると下痢や嘔吐がひどくなります。この場合には血管から水や食塩水を点滴して、その中に抗生物質を加えます。

髄膜炎など、命にかかわる病気が合併することもあります。強い解熱剤による副作用の場合もあるので、発熱に対する薬は医師としっかり相談しましょう。

おうちでできることは?

授乳やミルク、離乳食はどうする

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熱で汗をかいたりすると水分不足になりがちです。こまめに水分補給を行いましょう。ミルクや授乳は欲しがるだけあげて大丈夫です。

離乳食は無理に上げなくても大丈夫。食べたそうならあげる、食欲がなさそうならお休みするなどその時の状況に応じて判断しましょう。

離乳食を始める時期に風邪をひいてしまって思うように離乳食が進まないことに焦らないでください。その分ゆっくりすすめてみましょう。

お風呂

昔は風邪の時はお風呂に入ってはいけないなんて言われていたこともありますが、現在では高熱でない限りお風呂は入れてもOKと言われています。

ただ長風呂は避け、汗をさっと流すだけ、下痢などで荒れてしまったお尻を清潔にするだけなどと赤ちゃんの負担にならないようにしましょう。判断がつかない場合は、受診したときに医師や看護師に相談してみましょう。

外出

やむ終えない外出以外は、お家でゆっくり過ごすといいですね。病状は夜に悪化したり夜泣きがひどくなったりすることがありますので、赤ちゃんが寝ているときはママパパも体を休めるようにしましょう。ただ嘔吐したりすることもあるので、必ず目は離さないようにしましょうね。

ホームケア

自宅での過ごし方ですが、頭を冷やしてあげると赤ちゃんは気持ちよく過ごすことができます。また、汗が乾くときに熱が奪われるので、こまめに汗を拭いたり着替えさせたりしましょう。

鼻が詰まらないよう、こまめに鼻水をふきましょう。ティッシュでもいいですが、湿ったガーゼなどで拭うと乾燥や肌荒れも防げて赤ちゃんも気持ちいいようです。看病の際うつらないように、ママパパも気を付けましょうね。

まとめ

風邪はウイルスや細菌の感染により鼻水、咳、発熱を症状とする病気です。インフルエンザのように感染力の高い場合には、他人に移さないように1週間程度は外出を控えましょう。

また月齢が小さいうちは母体からもらった免疫がありますが、それでも風邪をひくこともあります。心配ならば自己判断で市販薬を飲ませることはせず、かかりつけの小児科に相談しましょう。初めての風邪だと慌てがちで不安になりますが、落ち着いて行動しましょうね。

(文章作成:軽木 徹)

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