妊娠10ヶ月の妊婦さんの状態

お腹の状態

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妊娠10ヶ月のママのお腹はさらに大きくなってきます。赤ちゃんは出産に向けて骨盤の方へ下がってくるので、お腹のふくらみも徐々に下がってきます。

赤ちゃんが出てくる子宮口が柔らかくなり、妊娠10ヶ月目は1cm~2cmほど開いている妊婦さんも多いです。

体重増加の目安

赤ちゃんが骨盤の方へ下がってくるので、胃への圧迫がなくなってきます。すると食欲が増してくるので体重がさらに増加しやすい時期です。

妊娠後期(妊娠8ヶ月~出産)の体重増加は、3kgに抑えるとよいとされていますので、週に500gを超えないように出産までしっかり体重管理をしましょう。

BMI値より算出した体重増加の目安は以下の通りで、厚生労働省から出ている基準※です。

・BMI 18.5未満 12~15㎏
・18.5~25未満 10~13㎏
・25.0以上30未満 7~10㎏
・25以上 個別対応(上限5㎏までが目安)

※「妊産婦のための食生活指針」改定の概要より

胎動について

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妊娠10ヶ月の頃の胎動は、ママパパも驚くほど力強くダイナミックになっていることでしょう。ママは痛みを感じることもあるくらいかもしれません。

お腹の上から胎動の動きがはっきりと確認できたり、赤ちゃんがしゃっくりをしていることも感じられたりします。

この頃は、赤ちゃんの頭が骨盤に収まってくるので胎動は比較的減少傾向にありますが、いつもと変わらない様子であれば心配はいりません。

段々と弱くなってきた、いつも感じる時間に感じなくなったという場合には、お医者さんに相談しましょう。

胎動がどのタイミングで起きるかを普段から気にかけておくことが大切です。

妊婦健診の頻度

妊娠10ヶ月の妊婦健診は、一般的に1週間に1回になります。臨月に入るといつ産まれてもおかしくない状態ですので必ず受診するようにしましょう。

具体的な健診内容は、子宮口の開き具合をチェックし、出産時期を見極めます。

また、赤ちゃんが元気かどうか出産に耐えうるかどうか(NST)、子宮口に向けて下りてきているかどうかも確認します。

・NST(胎児心拍数モニタリング)の方法

お腹の張りをキャッチするセンサーと、胎児心拍数をキャッチするセンサーをママのお腹につけます。ママはリラックスした状態で仰向けになり、赤ちゃんの胎動や子宮収縮を待ちます。

赤ちゃんが寝ている場合は、音を聞かせたりお腹を優しく揺らしたりして胎動を促します。通常は、20分~40分程度で終了します。

妊娠10ヶ月の胎児の状態

体重/身長の成長

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妊娠10ヶ月(妊娠36週~39週)の赤ちゃんの成長をみていきましょう。この期間の平均的な体重と身長の成長は下記の通りです。

・体重 約2000g~3400g 
・身長 約45cm~50cm

週で換算すると、体重は100g~150gほどの増加にとどまります。

赤ちゃんの状態

この頃の赤ちゃんは、内臓や器官はすべて完成しており、腸内に胎便がたまります。胎便は、生まれてすぐ排出機能が働きはじめ、体外に排出されます。

見た目は、体を覆っていた体指が剥がれて、肌がピンク色に変化します。体脂肪を蓄えるためふっくらとしてきます。

感覚の発達としては、光のある方向に顔を向けることができるとされています。

妊娠10ヶ月で注意すべき症状、陣痛、おしるしについて

この時期に注意したい不調、トラブル

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(1)恥骨痛・股関節痛
この頃は、赤ちゃんの頭が骨盤に入り込んでくるため、骨盤や恥骨が押し広げられた状態になります。そのため恥骨や股関節に突っ張るような痛みが出ます。

また、女性ホルモンであるリラキシンが骨盤を緩める作用があることも影響しています。

(2)頻尿、尿漏れ
赤ちゃんが子宮口に向けて下りてくるため、膀胱がさらに圧迫され、頻尿や尿漏れの症状が現れます。

(3)不眠
不眠の症状を訴えるママが多くなります。不眠の原因としては、頻尿・寝返りがうてない・胎動の激しさ・女性ホルモン(エストロゲン)の影響などがあります。

また、この時期は気分の浮き沈みが多い時なので、精神的なものから不眠になることもあります。

(4)むくみ
出産に備え体内の水分量が増加すること、赤ちゃんの成長による下半身圧迫により、むくみやすくなります。

前駆陣痛と本陣痛

臨月になると気になる言葉が「前駆陣痛」と「本陣痛」ですね。2つの違いと特徴をみていきましょう。

・前駆陣痛とは
不規則な子宮収縮のことで、間隔だけでなく痛みの強さも不規則なのが特徴です。前駆陣痛のほとんどはお産にはつながりません。

前駆陣痛の役割として、子宮を収縮させて本陣痛に向けて子宮口を柔らかくしていると考えられています。

前駆陣痛は、妊娠36週~40週未満に起こる方が多いのですが、個人によって感じ方や起こる時期もまちまちです。

ほとんどが本陣痛にはつながりませんが、子宮収縮や痛みが出た場合や治まらない場合などは、自己判断せずお医者さんに相談するようにしましょう。

・本陣痛とは
規則的に繰り返す子宮収縮にともなう痛みのことです。本陣痛には出産後までに3段階あり、段階が進むにつれて間隔が短く痛みも強くなっていきます。

【第1期】子宮口が広がり始める時期

第1期、前半の陣痛間隔は5分~10分、後半の陣痛間隔は3分~5分です。この時期に破水する場合が多いので、病院へ連絡・移動するのが理想でしょう。

【第2期】赤ちゃんを押し出す時期

子宮口はすでに10cmと全開大で、陣痛間隔は通常2分~3分です。陣痛の痛みだけでなく、赤ちゃんの頭でお尻を押される痛みを感じます。分娩時も引き続き陣痛は続きます。

【第3期】胎盤などを排出する時期

赤ちゃんを出産した後も胎盤などを排出するため、わずかな陣痛を感じます。

おりものの変化に注目。おしるしって?

妊娠10ヶ月は、女性ホルモンの影響でおりもの量が増え、色も変化します。おりものに混じっておしるしが来ることもありますので、注意して見ておきましょう。

(1)おしるしとは
出産が間近にせまっているサインです。子宮の収縮や子宮口の広がりなどによって、卵膜が剥がれ落ちて出血します。

おしるしが来てから1週間以内に出産というケースが多いようです。また、おしるしがない場合もありますので、来ないからといって心配する必要はありません。

おしるしは、粘り気のある出血が特徴ですが、色や量には個人差があります。

(2)見分け方
この時期は、尿漏れや破水など、おしるしと見分けがつきにくいものがあります。それらの見分け方は以下の通りです。

・尿漏れ:自分の意志で止められる。黄色がかっていてアンモニア臭がする。

・破水:自分の意志で止められない。安静時にも出る。サラサラとした出方で、生臭く酸っぱいにおいがする。

破水した場合は、ママの子宮や赤ちゃんが細菌感染する危険性があるのですぐに病院へ連絡しましょう。

(3)注意したい出血
下記のような出血の場合には必ずお医者さんに相談・受診しましょう。

・大量出血(生理2日目程度)
・だらだら続く出血
・塊の混じった出血
・強い下腹部痛を伴う出血
・妊娠37週以前の出血(早産の可能性)

妊娠10ヶ月の過ごし方

食事について

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妊娠10ヶ月になると、胃の圧迫感もなくなり食欲が増してくるママもいらっしゃるでしょう。出産まであと少しだからと食欲に身を任せるのは好ましくありません。

臨月にもなるとお腹が最大になり、動くのもやっと。産休に入ったママは運動量もそのぶん減りますので体重増加は気になりますね。

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクはまだありますので、食生活・栄養バランスには引き続き気をつけていきたいものです。

この時期おすすめなのが、野菜をたくさん取り入れた食事です。サラダや具だくさん野菜スープを食事の最初に食べると、満足感を得られるだけでなく血糖値の上昇を緩やかにするので妊娠中のママにはもってこいです。

ストレスなく上手に食事をとることが大切ですね。

運動について

食事制限だけで体重管理をするのはなかなか難しいものです。臨月も無理のない程度に運動をしましょう。

お腹の張りも頻繁になってくるので、遠出する運動は避けたいママには、家事を運動として取り組むのがおすすめです。

よく言われるのが「拭き掃除」です。拭き掃除が出産に向けて良い効果があるとされています。

四つん這いやしゃがんだ姿勢で行うと、無理のない程度で腹筋が鍛えられ、骨盤が柔軟になると言われています。

産後は拭き掃除もなかなかしづらいので、今のうちに赤ちゃんを迎える環境作りを兼ねてやってみてはいかがでしょうか?

出産準備の総仕上げ

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妊娠10ヶ月に入ったら、いつでも入院できるように準備万端にしておきましょう。入院準備品は、1つか2つにまとめていつでも持ち出せる場所に置いておきましょう。

また、外出中にいつ陣痛や破水が起きても大丈夫なように、母子手帳・健康保険証・診察券は持って歩くようにしましょう。

破水が起きてしまった場合を予想して、ナプキンやタオルを持ち歩くと安心ですよ。

気分転換やのためにも、この時期に赤ちゃん用品を手作りするのも良いですね。お腹の赤ちゃんに話しかけながら作れば、赤ちゃんも喜ぶことでしょう。

予定日を過ぎたら?

出産予定日を過ぎても陣痛が来ないとママも焦ってしまいますよね。予定日を過ぎると「ママのお腹が心地いいのね」という言葉を助産師さんなどから言われることがあります。

これはママの気持ちを察しての言葉というだけでなく、子宮内環境が良好で赤ちゃん自身が居心地が良いと思っている内は陣痛は来ないとされているそうです。

出産予定日(妊娠40週と0日)を過ぎると、病院によって異なりますが、妊婦健診は週に2回となることもあります。健診では、ママと赤ちゃんの健康度や胎盤機能の確認、NSTや超音波羊水量計測などを行います。

妊娠41週0日までは、健診で特に問題なければ予定日を過ぎていても心配はいりません。出産予定日はあくまで予定日なので不安に思わずにゆったりと構えましょう。

それでも「何かしないと落ち着かない!」というママは、子宮収縮やお腹の張りを促すため、家事や散歩、スクワットやおっぱいマッサージをしてみるといいでしょう。

お腹の赤ちゃんに話しかけてあげるのもいいですね。ママがストレスを感じずに穏やかに過ごすことが1番ですよ。

パパは何をしてあげたらいい?

赤ちゃんを迎える環境作りをしよう

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赤ちゃんが産まれたらドタバタの連続です。今のうちに赤ちゃんを迎え入れる環境作りの総仕上げをしておきましょう。

特にしておきたいのが掃除です。お風呂掃除や布団干しはママにとって負担が大きいのでパパに進んでやってもらいたいものです。

赤ちゃんの寝室は特に清潔にしておきましょう。出産準備品を揃えてから出産までの間にほこりなどが溜まってしまうこともしばしば。念入りに掃除しておきましょう。

また、地震などに備えて、家具を固定または移動させておきましょう。赤ちゃんに危険が及ぶものは極力取り除きましょう。力仕事はパパの出番です!

最後に、車を使う家庭では、チャイルドシートの取り付け方をあらかじめ練習しておくのもパパとしてやっておきたいことです。

いざという時は焦ってしまうものです。今のうちに練習しておくとママもパパも安心ですね。

役所などへの手続きを確認しよう

赤ちゃんが産まれた後の手続きは意外と色々あるものです。ママは、産褥期で赤ちゃんのお世話がやっとの状態です。出産後の手続きはパパが積極的に行いましょう。

出生届は提出期限が思いのほか早いので子どもの名前をどうするか、申請に必要な書類は何か、など今のうちにママと確認しておきましょう。

【手続きの一部】
・出生届 提出期限:出産から14日以内(国外出産の場合は3ヶ月以内)

・健康保険の加入 提出期限:1ヶ月以内

・児童手当 提出期限:出生月内

・出産育児一時金/出産育児付加金 提出期限:出産日翌日から2年以内

ママの傍にいてあげよう

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妊娠10ヶ月は、いつ陣痛が来てもおかしくない時期です。ママは、楽しみな反面、出産への不安を抱えているものです。

そんな時にパパの帰りが遅い、パパが休日もでかけてしまうというのはママにとっては不安なもの。パパも仕事で大変でしょうが、早めに帰宅してママと一緒に過ごしてあげましょう。

これから赤ちゃんが産まれると、夫婦だけの時間はなかなか取れないもの。休日は、ぜひママと二人の時間を取りましょう。

子どもが産まれてからはなかなか行きづらい場所はいかがでしょうか。映画館や美術館などでデートしたり、静かなレストランに食事に行ったりするのもよいですね。

また、これからの出産に向けてや、産後の生活について色々と話し合ったりママの話に耳を傾けましょう。ママの出産の不安を軽減させてあげるのもパパの大切な仕事ですよ!

まとめ

いかがでしたでしょうか?妊娠10ヶ月は、長かったマタニティライフも終わりに向かう時期です。もうすぐ、かわいい赤ちゃんとの大変ながらも充実した日々が待っています。

安心して出産に臨めるように、この記事を参考になさってみてくださいね。

(文章作成:ひとで)

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