出産後の悪露とは?
産後に出る血などの分泌物

悪露とは出産後の産褥期間に性器から排出される分泌物のことで、「おろ」と呼びます。血液やリンパ液、卵膜や子宮内膜などたくさんの物が含まれています。
出産直後は鮮血で量も多いですが、時間がたつにつれ色も薄くなり、量も減っていきます。個人差はありますが、約1ヶ月程度で治まってきます。
悪露の色や量は子宮の回復が順調かどうかを判断するための大切な目安になります。産褥期間は何よりも子宮の回復を促進することが重要な期間になりますので、異常を見逃さないようにしてくださいね。
個人差がありますので、一般的な経過だけを見るのではなく、いつもと比べておかしいところはないかという視点でみることが大切です。
産後1週間の悪露
産後1日目には鮮血だった悪露は、7日目には赤褐色に変わってきます。大きな産褥パッドでないと吸収しきれないほどの量が出ますが、次第に減っていきます。臭いは血液の生臭い臭いがしますが、鉄の臭いと感じる人もいます。
この時期はレバーのような塊が出ることがありますが、この塊は産後に排出しきれずに残ってしまった子宮内膜や卵膜、胎盤であることが多いです。また肌色の塊は赤ちゃんが包まれていた羊膜です。
大量の血液が排出され貧血も起きやすいので、移動時、立ち上がる時などのふらつきなどに注意してくださいね。
産後2週間の悪露
悪露の色は茶褐色から黄色っぽい色になります。量もだんだんと減ってきます。
2週目になると退院して家で過ごされることも多いですが、動き過ぎると一時的に悪露の量が増えたり鮮血に戻ることがあります。
この時期は寝たり起きたりの生活をして体を休める必要がありますので、悪露の量が増えたと感じたら休憩して体を休めるようにしてください。
産後3週間の悪露
淡い黄色からクリーム色になってきます。量もさらに減ってきます。匂いはうっすら感じる程度になります。身体を動かすと鮮血に戻ることもありますので、動きすぎたと感じたら休憩を取るようにしてください。
早い人ではこのあたりに悪露が終わります。
産後4週間の悪露
悪露は白色に変わり、量が減ってきます。臭いも無臭です。この時期に悪露が終わる人が多いですが個人差もあります。
1ヶ月健診があると思いますが、1ヶ月健診では子宮の回復もチェックしていきます。診察の結果、収縮を促す薬が処方されることもありますし、子宮の回復に問題がなければ悪露が続いていても様子を見ることがあります。
退院してから悪露の変化で不安なことがあればこの時に相談してみるといいですね。
それ以降の悪露
産後1ヶ月を過ぎると悪露が治まる人が多いですが、個人差があります。産後1ヶ月を過ぎても悪露ダラダラと続く場合は受診しましょう。
出産後の悪露 いつまで続く?
悪露の続く期間は産後1ヶ月程度になります。産後に1ヶ月健診がありますので、そのあたりを目安にされるとよいでしょう。ただ個人差がありますので、1ヶ月たたないうちに出なくなる人もいれば2ヶ月近く続く人もいます。
家事などを始めて動き始めたら、減っていた悪露の量が増えることはよくあります。子宮の回復のために多少体を動かすことはよいことですが、動かし過ぎは禁物です。様子を見ながら徐々に運動量を増やすようにしましょう。
動いた時に一時的に量が増え、休憩したら量が戻る場合は安心して良いでしょう。ずっと量が減らずにダラダラと続く場合は子宮の収縮がうまく行ってない可能性がありますので、受診してくださいね。
母乳育児の場合はミルク育児よりも悪露が早く終わる傾向があります。赤ちゃんに乳頭を吸われるとオキシトシンというホルモンが分泌されますが、このオキシトシンは子宮の収縮を促進する働きがあるからです。
母乳は赤ちゃんの栄養という役割だけでなく、ママの子宮回復にも役立っているんですね。
出産後の悪露の対策は?
ナプキンの交換をこまめにして清潔に

悪露は栄養分が豊富で細菌が繁殖しやすいので、感染予防のために清潔をこころがけてください。トイレのたびに産褥パッドやナプキンを換えるようにしてくださいね。
1ヶ月健診で許可が出るまで入浴ができませんが、シャワーは毎日浴びるようにしてください。縫合している場合は痛いので洗うのも怖いと思いますが、しっかりと汚れを洗い流してくださいね。痛くない程度の水圧を調整するといいですね。
悪露がある間はトイレのたびに清浄綿を使用して清潔を保つようにしましょう。外陰部の前から後ろに向かってぬぐい、毎回捨てましょう。真ん中、右、左と汚れがひどい部分から拭いていきます。
おうちにウォシュレットがある場合は清浄綿で拭く必要がないと指導される産院も多いかと思います。どちらでもかまいませんので好きな方を選んでくださいね。ウォシュレットの水圧が高いと傷口が痛みますので、弱い水圧から始めてください。
痛みが強い間は清浄綿を使用して、痛さがマシになってきたらウォシュレットに切り替えるという方法もありますね。
悪露の時に使う産褥グッズ
産後すぐは悪露の量も多いので、専用の産褥パッドを使用することになります。産褥パッドは生理用ナプキンよりも厚みがあり大きいので悪露を吸収しやすくなっています。滅菌処理もされていることが多いので感染予防にも役立ちます。
産後すぐは大きい産褥パッドを使わないと間に合わない程の量の悪露が出ていますが、次第に少なくなってきますので、生理用ナプキンでも代用できるようになります。大きめの夜用ナプキンを用意しておきましょう。できれば羽根つきがおすすめです。この時期は肌が敏感になっているので、いつも使っていたナプキンでもかぶれる人も出てきます。肌に優しいタイプを選ぶといいですね。
股の部分が開閉できるショーツを産褥ショーツといいますが、入院中には必須です。医師や助産師が診察するのに、ショーツを脱がなくても寝たまま診察できます。産褥ショーツや産褥ナプキン、清浄綿は入院セットとして産院が準備してくれている場合も多いので、準備する必要があるかを判断するために事前に産院に確認しておきましょう。
余ったとしても清浄綿は赤ちゃんのおしりふきに使えますし、小さめの産褥パッドは生理用ナプキンに使えます。ちなみに筆者は大きい産褥パッドが余ったので、部屋で赤ちゃんのおしりを洗うときに下に引いたりして無駄なく使いました。
入院中は必要な産褥ショーツですが、退院してからは股を開閉させる必要がありませんので、生理用ショーツを使用するといいですね。
専門機関へのご相談はこちら
※健康状態に心配なことがある場合や受診の目安に迷った場合は専門機関へのご相談をおすすめします。以下のような窓口もご活用ください。
助産師会 相談窓口
https://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html
まとめ
いかがでしたか?悪露の変化や対策についてお分かりいただけたと思います。悪露は子宮の回復を示すバロメーターなので、量や色、臭いの変化に注意してくださいね。
産後は分娩の疲れも取れない中、新生児のお世話に大変な時ですが、感染症を起こさないように清潔をこころがけてくださいね。
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