妊娠中の頭痛はいつまで続く?

原因は?

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妊娠中の頭痛は頭がズキンズキンとする症状が特徴で、重い人では嘔吐を伴います。主に妊娠によって女性ホルモンが多量に分泌され、ホルモンバランスが乱れることによるものです。

頭痛は、身体が妊娠による変化に慣れないことによって起きる症状の一つです。妊娠によるストレスや自律神経の乱れ、首や肩のコリによって頭痛が引き起こされることもあります。

いつまで続く?

妊娠による頭痛は、妊娠初期に多い症状で、妊娠中期になると自然におさまって来ることが多いです。妊娠による身体の変化に、身体が慣れてくることで頭痛も起こらなくなってくるのです。

つわりがおさまる頃には、頭痛も起こらなくなると考えるとよいでしょう。ただ、もともと頭痛持ちの方や妊娠による肩や腰への負担が原因の場合はずっと続くこともあります。あまりに辛い場合は医師に相談してみましょう。

市販薬は飲んでもいい?

妊娠中は、頭痛薬に限らず胎児に影響を及ぼす可能性がありますので、自己判断で市販薬を服用するのは避けるのが鉄則です。

妊娠中でも飲める漢方薬や妊娠中期になると服用できる薬もありますので、頭痛がひどくて我慢できないときには医師に相談しましょう。

頭痛をともなう妊娠中の病気とは?

頭痛と吐き気は重いつわりの可能性

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重いつわりは「重症妊娠悪阻」といわれ、吐き気や嘔吐といった症状とともに、身体に負担がかかっているため、頭痛が起こることもあります。

つわりは早い人で妊娠4週から始まり、妊娠12週頃には治まるのが一般的ですが、長い人では16週まで続きます。つわりに効く薬はありませんので、重症妊娠悪阻では安静にして過ごすことが基本です。

水分摂取が不足しているときには、糖分やビタミン剤を加えた点滴が行なわれ、症状が重いときには入院となるケースもみられます。

妊娠高血圧症候群の可能性

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頭痛が妊娠中特有の病気によって引き起こされるものとして、「妊娠高血圧症候群」が挙げられます。

妊娠高血圧症候群とは、妊娠前には異常がなく、妊娠20週から産後12週までに高血圧がみられる場合をいいます。高血圧のみの場合は「妊娠高血圧症」、高血圧に尿たんぱくを伴う場合には「妊娠高血圧腎症」です。

妊娠高血圧症候群の自覚症状は、頭痛や倦怠感などで重症化してくると持続する、強い頭痛やかすみ目、耳鳴りといった症状が表れます。

妊娠高血圧症候群によって、胎盤を通して胎児には充分な栄養や酸素が行き渡らなくなると、発育不全となることも。けいれん発作である「子癇」や、出産前に胎盤が剥がれ落ちる「常位胎盤早期剥離」など、母子ともに危険な状態になることもありますので、早期の発見が望ましいです。

妊娠高血圧症候群の診断と治療法

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妊娠高血圧症候群は、血圧の測定と尿検査で診断されます。通常の妊婦健診でも行われる検査ですが、異常を感じたら受診するようにしましょう。

妊娠高血圧症候群の治療の基本は、安静と入院とされています。降圧剤を使用すると、急激に血圧が低下し、胎児に悪影響を及ぼすことがあるため、医師によって慎重に判断が必要です。

妊娠の終了が根本治療につながることから、重症例では帝王切開による早期の出産がとられることもあります。通常は出産とともに母体の状態はよくなりますが、重症化した場合には、高血圧や蛋白尿が続くことがあり、継続した治療が行なわれます。

妊娠中の頭痛の対処法は?

心身のストレスを和らげる

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頭痛対策には、リラックスして過ごし、心身のストレスを和らげることが大切です。入浴の際には、38℃~40℃程度のぬるめのお湯にゆったりとつかり、肩や首まわりをマッサージしてコリをほぐしましょう。

ローズマリーやラベンダーなどのアロマオイルを使用すると、頭痛を和らげる作用が期待できます。バスタブにアロマオイルを入れたり、アロマの香る部屋で過ごしたりすると効果的です。

眼精疲労はホットタオルで温める

目の疲れを感じているときは、ホットタオルを使って目を温めます。目の血流を促すことで、頭痛や肩こりが改善する効果があります。

ホットタオルは濡らしたタオルを電子レンジで温め、冷めるまで10分ほど目の上に置いておくだけと簡単です。できれば、パソコンやスマホを見る時間を減らし、目への負担を軽減しましょう。

我慢できない時は病院に受診を

妊娠中に頭痛が起きたときにはリラックスしてゆったり過ごすなど、まずは自分でできる対処法を試してみます。

どうしても改善せず症状がひどい場合には、頭痛の程度によっては病気の可能性がありますので、産婦人科を受診するようにしましょう。妊娠によるものであっても、薬の処方を受けられることもあります。

妊娠中の頭痛に関する体験談

つわりで吐いた勢いで頭痛もひどく…

みーこ*さんからの体験談:
8週目の頃、なんとも言えない気持ち悪さが一日中続きました。家事や仕事もできず、座っていても横になっていても気持ち悪く、楽な体勢が見つかりませんでした。

9週目に入ると、1日に何度も吐くようになり、トイレとお友達状態に。食べられるものもほとんどなく、そのため吐くものがなくなり、胃が荒れたような状態になりました。

胃痛と共に吐いた時の勢いで頭痛もひどかったです。3週間で体重も4キロ減ってしまい、腰骨が当たって痛く、眠れないことがほとんどでした。

なるべく薬を使わずに頭痛対策を

hikaru01さんからの体験談:
幸い臨月までこれといった病気をしてこなかったので、最後まで軽い風邪や頭痛も含めて薬を飲むことに気をつけていました。

もともと偏頭痛もちでどうしようもないときには薬を飲んだこともありましたが、臨月になるとストレッチで肩周辺を柔らかくしてみたり、家庭用カッピング(吸い玉)を使い血行を良くしたりしていました。

中でも私が毎日していたのは自分で作った小豆袋をレンジに入れ暖かくしたものを肩や目に乗せていました。小豆のいい香りでリラックス効果もありました。

まとめ

妊娠中の頭痛の辛さは、病気によるものでなければ、つわりと同様に妊娠初期の特有の症状です。ずっと続くものではなく、終わりがあると思えば、気持ちも少し楽になりますね。

ただし、妊娠中期や後期で頭痛に悩まされている場合には、妊娠高血圧症候群の可能性もあります。我慢できないほど痛みが強い場合は、無理せず受診するようにしてくださいね。

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