妊娠初期は体調が不安定・・。職場にはいつ報告する?
妊娠初期、つわりや便秘などの症状が見られる人も

妊娠初期とは、妊娠3ヶ月(妊娠15週)までの事を指します。この時期は、眠気や吐き気など、いわゆる妊娠初期症状が現れ、日常生活を送るのが大変になることも。
流産のリスクも高い時期なのですが、見た目にはまだ妊婦さんとはわからないことが多いので、本人にとってはつらい時期になります。妊娠初期症状やつわりの症状としては、以下のようなものがあります。
・おりものの変化
・頭痛、腰痛、腹痛
・吐き気
・強い眠気
・味の好みの変化、臭いに敏感になる
・肌荒れ
・胸の張りなど
また、大きくなり始めた子宮が腸を圧迫し、お腹の不快感や便秘に悩まされるのも妊娠初期の特徴となります。
妊娠2ヶ月目~妊娠3ヶ月目あたりにつわりがピーク、という妊婦さんも多く、また流産の不安に悩むのもこの時期。実は、妊娠初期の体調不良やつわりの症状、妊娠への不安感と戦いながら日常を過ごし、仕事をしている女性も多いんですね。
妊娠の報告はいつすればいいの?
つわり症状や、産科への受診スケジュール上、欠勤しなければならないこともある妊娠初期。職場には、いつ妊娠報告すればいいのでしょうか?
妊娠報告は流産のリスクが下がる、妊娠5ヶ月頃にするのがベターと言われてはいるものの、一番つらい時期にこそ、早く報告して予め了承を得たいものですよね。
しかし一方で、この時期はまだ流産のリスクが高いため、妊娠発覚後すぐに職場へ妊娠報告しても、万が一、ということがあったら・・という懸念も大きいでしょう。
また、会社に育休や産休を取って仕事を続けている女性、という前例がなく会社の妊婦やママに対する理解があるのか不安、という声も多いです。
最近、マタニティハラスメントという言葉も取りざたされているように、妊娠を報告したら暗に退職をほのめかされた、不本意な部署異動があった、などという会社の対応への不安から妊娠報告を戸惑っている方もいます。
しかし、優先すべきはお腹の中にいる赤ちゃんです。赤ちゃんの健やかな成長のために、体調が不安な場合は直属の上司に報告の上、周囲にはしばらく黙っておいていただくようお願いしてみましょう。
妊婦さん特有のストレスと上手に付き合いましょう。
ストレスが流産に影響?
妊娠初期は、仕事を辞めなければならない、特別に制限をかけなければならなというわけではありません。しかしながら、やはり無理をすると流産などのリスクが高まると言われています。
また、早めに上司に報告をしたとしても、職場全体に妊娠している事実を伝えるタイミングは安定期に入ってからにしたいもの。その為、妊娠初期に仕事をセーブすることは実際なかなか難しいものです。
妊娠期の仕事中に気を付けたいのは、心身にかかるストレスです。神経質になる必要はありませんが、ストレスは少なからず胎児へ影響を及ぼす可能性を踏まえ、無理は禁物です。
ただでさえホルモンバランスの変化によりイライラしがちな妊娠期。重労働や長時間勤務、人間関係などでストレス受けることも避けたいものです。ストレスを受けやすい環境と対処法を、体・心に分けて詳しくご紹介していきます。
仕事中のストレス|体編

男女雇用機会均等法では妊娠中の女性に対して、受診のための通院時間を確保したり、妊娠中の通勤緩和、妊娠中の休憩を延長したり、妊娠中又は出産後に危険な作業などをさせないようにする、といったことが決められています。
ですので、重いものを頻繁に持ち運んだり、体に強い衝撃を受けたりする作業は配置転換してもらえることになっています。
また、仕事をする際の服装などにも配慮が必要です。ヒールやからだを締め付けるような服装を指定されている場合も、なるべく身体に負担をかけるものは避けられるよう、相談してみましょう。
立ち仕事に就いていらっしゃる場合は、タイミングを見て腰掛けるようにしましょう。身体への負担が少しでも少ないような仕事内容に変えてもらえるとベストですね。
また、姿勢に関わらず、妊娠初期は下腹部が腸や膀胱を圧迫するため、トイレが近くなることも多いです。トイレへ行きがてら、少しの時間座って休むのなど工夫をしてみるのも1つの手かと思います。
さらに、座り仕事の方でも気を付けたい体へのストレスに、冷えがあります。オフィス内の空調は、自分だけに合わせて調整できないものですよね。冷え対策にブランケットや靴下を用意したり、あたたかい飲み物を飲んだり、と工夫してみましょう。
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仕事中のストレスを軽減する工夫|心編

妊娠中は、ホルモンのバランスが崩れることにより、心も不安定になりやすいもの。特に妊娠にかかわる、女性ホルモンは通常時の1000倍にもなると言われていますから、心にも変化が起きて当然なのです。
くよくよしてしまったり、妊娠していないときには何でもないことで泣けてきてしまったりすることも、よくあることです。「なぜ、自分はこうなってしまうのだろう」ではなく、「妊娠しているときは、こうなってしまうものだ」と冷静にとらえられるといいですね。
まずは、直属の上司や一緒に仕事をする機会の多い信頼できる仕事仲間には、早めに妊娠を報告し「いつも通りではないこと」「体調不良の場合は迷惑をかける可能性があること」を伝えておきましょう。
自分の状態を分かってくれる人が職場に何人かいる、と思うだけでも、心の負担がずいぶん違います。
職場に先輩ママがいたら、上司への報告の後どのようにつわりを乗り切ったか、などアドバイスをもらうのもいいかもしれません。
また、夫やパートナーなどに、自分が置かれている状況を話す、ということも大切なストレス解消になりますから、コミュニケーションを密に取るようにしましょう。どうしても、気分転換がはかれない場合などは、主治医などに相談してみましょう。
通勤時の乗り物などにも注意を
職場への通勤には、様々な乗り物を利用することが多いですよね。特に、通勤ラッシュの時間に通勤している方は、ただでもつわりで気分が悪くなりがちなので、気が重いなあ、と感じていらっしゃる人もいるのではないでしょうか。
しかし、妊娠中は初期に限らず、時差通勤できるように会社が配慮するよう、法律で定められています。実際に、こうした場合には会社に申し出てみましょう。
次に、自転車通勤をされている方は、注意が必要です。妊娠中は体調を崩しやすいですし、集中力も落ちます。お腹が大きくなってくるとバランスも悪くなりますから、事故を起こす可能性が上がると言えるでしょう。
また、自転車を漕ぐために腹圧が上がることや、振動が伝わることでお腹が張りやすくなり、流産のリスクも。とはいえ、乗り続けなくてはならない事情もあるでしょうから、ご自身の体調を踏まえ、主治医に相談してみましょう。
自動車やバイクの運転も、集中力が下がることでは変わりがありません。仕方がない場合もあるのですが、なるべく避けたほうが良いかもしれませんね。
つわりなどの体調不良時には「母性健康管理指導事項連絡カード」
医師に「母性健康管理指導事項連絡カード」を発行してもらいましょう
つわりや妊娠の症状で体調がすぐれない場合に、会社がどうするべきか、をお医者さんが指示してくれるカードが「母性健康管理指導事項連絡カード」です。
やはり、自分が妊娠していることはプライベートなことですし、職場には休憩を延ばしたり、勤務時間を調整してほしいなどと言い出しにくい部分もありますよね。
そんな時、主治医に「母性健康管理指導事項連絡カード」を書いてもらうと、職場に対してどうするべきか、を医師が間接的に伝えてくれることになります。
体調が悪くても無理をするのではなく、こうした制度を活用して、元気な赤ちゃんを産みたいものですね。
まとめ
妊娠初期は、全妊娠期間中を通してみても、つわりや体調不良が強い傾向にあります。妊娠中も仕事を続けたくても、この時期を乗り越えられず、仕事をリタイアせざるを得ない女性がたくさんいます。
お腹が大きくなってみると、助けてくれる人が多くなるものの、お腹が小さいのに症状が深刻な妊娠初期は、妊婦さんにとってとても辛い時期です。
しかし、法律などでは妊婦さんを守る制度がたくさんあります。こうしたものを上手に利用して、周囲の理解を得て、仕事をしながら元気な赤ちゃんを育てていきたいですね。
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