不安や気持ちの落ち込みを感じるのはなぜ?
誰にでもありえること
妊娠期や産後に不安や気持ちの落ち込みを感じることは、決して珍しいことではありません。
妊娠出産により、ママの体の中では大きな変化が起こっています。 それに伴って不安や気持ちの落ち込みがあるのは当然ですし、また誰にでも起こるとされています。
もしかすると、周りのニコニコしているママを見て、「どうして自分だけこんなに落ち込んでいるんだろう」と思うこともあるかと思います。
しかし、こういった気持ちの感じ方には個人差があるため、周りと比べる必要は全くありません。 自分を責めることのないよう、ご自身の心と身体を大事にしてくださいね。
原因はホルモン、ストレス、疲れ
不安や落ち込みを感じる理由として、ひとつめに挙げられるのがホルモンバランスの変化です。
妊娠中からママの体の中では様々なホルモンが作り出されていますが、出産をきっかけにしてホルモンの減少が始まります。
それにより心と体のバランスに急激な変化がもたらされ、不安や気持ちの落ち込みが発生するとされています。
また、育児による身体的・精神的なストレスや疲れも原因のひとつです。
ホルモンバランスの乱れに加え、心と体に負担がかかることで不安や気持ちの落ち込みにつながるとされています。
これはマタニティブルー?産後うつ? 症状の違いは?
マタニティブルーとは?
・急に涙が出る
・自信がなくなる
など、情緒不安定になるような症状です。妊娠中の不安感もマタニティブルーと呼ばれることがあります。
ホルモンバランスの変化が原因とされており、 産後2日目から5日目くらいがピークで、10日もすると落ち着いてきます。
一時的な気持ちの変化ですので、無理に前向きになろうとせず「これがマタニティブルーなんだな」と客観的に受け止めることが大切です。
特に治療をしなくても、産後10日ほどで自然に気持ちが落ち着いてきます。
産後うつとは?
・不安になり涙が出る
・やる気が出ない
・眠れない
などの症状があり、ホルモンバランスの変化に加えて、初めての育児で頑張りすぎて体や心がパンクすることで起こるともされています。
産後1ヶ月以降から症状が出始め、数ヶ月から1年ほど症状が続くこともあります。
対処方法として、周囲の人や地域の育児サポートへの相談、精神科や心療内科をはじめとした病院への相談がおすすめです。
周りや専門家の支援を借りながら環境を整えることが大切になってきます 。
相違点は?
マタニティブルーと産後うつは、発症期間の長さと治療方法に違いがあります。
【マタニティブルー】
産後2日目ぐらいから始まります。症状の現れ方に差はあるものの誰にでも起こり、10日もすると症状は自然に治まります。
【産後うつ】
産後1ヶ月が過ぎても、
・不安になる
・悲しくなって涙が出る
・やる気が出ない、何もできない
・笑顔になれない
・疲れていても眠れない
・途方に暮れる
といった症状があれば早めに専門家のサポートを受けましょう。
10%~15%の人がなると言われており、早めの治療が必要です。
不安や気持ちの落ち込みへの対処法
発散する
まずひとつめは、自分の気持ちを周りの人に話すなど、気持ちを発散させることです。
不安や気持ちの落ち込みは誰にでも起こることであり、決して悪いことではありません。自分の気持ちのありのままを話すことは、気分の落ち着きに繋がるのでおすすめです。
気分転換する
気分転換に、無理のない範囲で体を動かしてみるのもおすすめです。
ウォーキングをしたり、ヨガを行ったりしてもいいですね。運動をすると体も気持ちもすっきりしますよ。
ただし、産後ヨガの開始時期については、お医者さんの指示を仰ぐようにしましょう。
しっかり休む
しっかりとした休息もとても大切です。
ママの中には「母親なのに休んじゃいけない」と休むことに罪悪感を覚える方もいらっしゃると思います。
しかし 頑張りすぎは禁物です。 周りの人や地域のサポートをうまく活用して、ママ自身の心と体も大切にしましょう。
専門的・公的な機関へ相談する
いつもとは違う不調を感じたら、専門的、公的な機関に相談することはとても大切です。
こちらでは助産師、保健師をはじめとした専門職の方に相談したり、必要なアドバイスを受けたりすることができます。
自分では「問題ない」「大丈夫」と思っていても、実際は産後うつだったというケースもあるので、 ママの状態を客観的に見てもらえるという点でもおすすめです。
また、必要に応じて 病院の紹介や育児・生活に必要なサポートへつなげてくれるといったメリットもあります。
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まとめ
今回の記事では、妊娠出産における不安な気持や落ち込み、 またマタニティブルーや産後うつについてお伝えしました。
繰り返しにはなりますが、不安な気持ちや気分の落ち込みといったものは誰にでも起こる症状であり、 決して悪いことではありません。
あなたの周りには、あなたを支えてくれるたくさんの人やサポートがあります。
毎日の自分の頑張りを認め、 周りの人や専門機関も上手に活用しながら環境を整え、あなたの笑顔があふれる生活になることを願っています。(執筆:保健師)
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