妊娠20週の母体の状態
ホルモン分泌の影響とそれによる症状(1)腰痛

エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの影響による身体の変化も、妊娠が進むことでより顕著になってきます。妊娠20週頃の身体の変化として、多くの人が感じやすいものに腰痛があります。
女性ホルモンの影響により、骨盤が緩くなってズレやすくなり、腰付近や足の付け根などのあたりで痛みを感じることが増えてくるのです。
マタニティスイミングやヨガは腰痛予防に効果的とされているので、運動の許可が出ている人は気分転換も兼ねてチャレンジしてみると良いかもしれません。
また、お腹が大きくなることによって、どうしても姿勢が前かがみになりがちですが、これは腰痛にもつながりますので、なるべく背筋を伸ばして姿勢を良くすることを心がけましょう。
ホルモン分泌の影響とそれによる症状(2)口腔内トラブル
女性ホルモンの影響による変化は、他にも、歯周病(妊娠性歯肉炎)や虫歯になりやすいということがあります。つわりのせいで歯磨きがおろそかになったり、ものを食べる回数が増えたりすることも関係してきます。
妊娠中に歯周病になると、早産や低出生体重児になる恐れもあると言われているので、注意しなければなりません。
また、ママの体内のカルシウムが赤ちゃんの骨や歯をつくるために使われることで、ママの歯質が弱くなるという変化も起こります。
口内炎ができやすくなったり、歯が痛むこともよくある症状ですので、意識してカルシウムを摂ることが重要になってきます。
この時期に何本かの歯が虫歯になって欠けてしまい、歯医者で治療してもらう妊婦さんもいらっしゃいます。
妊娠中の検査や治療などはいろいろと不安や不便な点もあるので、口腔内トラブルを引き起こす前に、甘いものはできるだけ控える、歯磨きを念入りにする、歯科健診に通うなどの対策が必要でしょう。
妊娠20週の赤ちゃんの大きさや状態
超音波(エコー)検査で性別がわかる場合も

さて、妊娠20週の赤ちゃんはどのような大きさでどんな成長をしているのでしょうか。
この頃になると、赤ちゃんの身長は約17~23センチ、体重は約220~350グラムで、身体の比率は生まれる頃と同じくらいになってきます。エコー写真などで見ても、ますますかわいく愛おしく感じるでしょう。
この時期は身体の細部の形成がなされる頃で、筋肉や骨、歯などが成長し、キックなどの動きもいっそう力強くなります。身体の表面は産毛で覆われ、まぶたもできるので顔のつくりがはっきりしてきます。
五感もより発達していき、お腹の外の音も聞こえるようになり、音楽をかけたりトントンとお腹をたたくと反応する赤ちゃんもいるようです。
思考機能も発達してくるので、パパとママがケンカしたり声を荒げたりするのは、赤ちゃんにとっても良くないことなので気をつけたいですね。
そして、先にも書いたとおり、羊水の量が急激に増加してくる時期でもあります。常に清潔な環境で赤ちゃんが育っていけるよう、約3時間という頻度で、古い羊水から新しい羊水に交換されます。
また、エコー検査の時、赤ちゃんの姿勢によっては性別が分かることもあります。中には足をずっと閉じていて性別を教えてくれない赤ちゃんもいますが、何回か検査を重ねていくとほぼ確実な判定ができるようになります。
胎動を感じるように
この頃から、赤ちゃんが動く「胎動」を感じるママも増えてきます。
初めは、自分の内臓か何かが動いたのかと勘違いする人もいるかもしれませんが、徐々に胎動が強くなっていくにつれ、感じ方のバリエーションも豊富になってくるでしょう。
「ポコポコ」「ぐにゅーっ」「ピクピク」など、胎動の感じ方はさまざまですが、一般的には太っている人のほうがお腹に肉が多く、胎動を感じにくいようです。
やせていたり、ぴちっとした服を着ている場合には、見た目にもお腹がうねる様子が分かるかもしれません。
また、お腹が動いた場所をトントンと手でたたいてあげることを繰り返していると、今度はママがたたいた場所をねらって赤ちゃんがキックしてくるなどといったこともあり、コミュニケーションがとれたようでうれしくなりますね。
もし、なかなか胎動が感じられなくて焦ったり寂しくなったりするのであれば、少し横になって静かにお腹に手を当ててみると感じやすいとも言われています。
ちなみに、いつもとちょっと違う胎動を感じたときは、もしかしたら赤ちゃんのしゃっくりかもしれませんよ!おへその下あたりの位置で、定期的に痙攣するかのように動く時は、しゃっくりをしていることも多いです。
赤ちゃんがお腹の中でしゃっくりする理由については、はっきりとしたことは分かっていませんが、悪いことや異常な事ではないので、その感覚を楽しむくらいの余裕を持っていると良いかもしれませんね。
20週に入り、胎動が頻繁に!

胎動を感じ、愛おしい気持ちも強くなりました

妊娠20週にしておくべきこと、気を付けること
体調、体重管理

この時期に心がけること、気を付けることは、当たり前の事かもしれませんが、生活習慣をしっかり整え、体調管理をするということです。
つわりが落ち着いてくる頃ですので、それまで食べられなかった反動でつい食べ過ぎてしまったり、あるいは、食べづわりの延長で食事量が増えてしまったりということもあるかもしれません。
しかし、この頃にそのような食生活の習慣が定着してしまうと、適正な体重増加量をオーバーしてしまったり、妊娠高血圧症候群の引き金となってしまったりというリスクも出てきます。
尿タンパクが出ている人の場合は特に注意が必要ですので、食事内容や体重管理法などについて指導をあおぐのが良いかと思われます。
また、かたよった食事は便秘を引き起こす原因ともなりますので、食物繊維を積極的にとることを心がけましょう。
水分補給に関しては、子宮が大きくなることによる頻尿を気にして、飲み物を控えたくなるかもしれませんが、羊水が増える時期でもあるため、飲まな過ぎも禁物です。
食事と同様に重要になってくるのが運動です。安定期と呼ばれる事も増え、体重管理や気分転換、腰痛などのマイナートラブルへの対処法として、定期的な運動が効果的です。
無理の無い範囲で、ヨガやストレッチなどの手軽に取り組めるものから始め、水分補給と休息を忘れないようにしましょう。
お腹がどんどん大きくなる事で、主に足元が見えづらくなってくるので、外を歩くときや階段を上るときは特に、手すりを持ったりゆっくり歩いたりして転倒しないような工夫が必要です。
用意すると良い道具・アイテム

大きなお腹が目立ってくるようになると、バストやおしりなどにも脂肪がついて、身体全体がふっくらとしてくるようになります。
それに伴い、これまで着ていた服がきつくなったり不便に感じられる事もあります。そんな時には無理して着たりせずに、マタニティウェアを少しずつ揃えていくのが良いでしょう。
最近では、妊婦ならではのかわいらしいデザインも豊富にありますし、産後も着られる授乳口がついたものもあります。
仕事を続けているママには、妊婦専用のストッキングもおすすめです。股上が深めで生地が大きめに設計されているので、締め付けることなくやさしくお腹を包み込んでくれ、冷え対策にも一役買ってくれます。
また、お腹やバストが大きくなるにつれ、ひび割れのような妊娠線ができるのが心配という人は、そろそろ妊娠線対策クリームなどによる保湿対策が必要となってくるでしょう。
オイルやローションなど、さまざまな種類のものがあるので、香りや触感など自分に合ったものを探してみるのも楽しいかもしれません。
薬やレントゲンの影響

妊娠中には歯がもろくなり、歯周病や虫歯になりやすいということは前にも述べました。しかし、虫歯などの治療を行うにあたり気になるのは、薬やレントゲンが赤ちゃんに与える影響です。
一般的に妊娠4~10週目の妊娠初期には、薬剤の影響が赤ちゃんへ大きく出るといわれています。鎮痛剤や風邪薬などの飲み薬はそれほど問題ないことが多いですが、この時期はなるべく薬をひかえ、医師に妊娠中であることを告げ、相談するのがよいでしょう。
また、痛み止めの薬の中にロキソニンというものがありますが、これは妊娠後期で服用する事が禁忌とされていますので、もし痛みを伴う治療が必要な場合には、妊娠後期に入る前に対処しておきたいものです。
レントゲンの場合、歯医者で行うものについてはお腹に直接当てるものではなく、エックス線量も多くないため、赤ちゃんに影響を与えることは少ないとされています。
お腹の大きさや体調が落ち着いているなどの点を考慮しても、薬やレントゲン検査が必要な場合には、できるだけ妊娠中期のうちに治療を済ましておくのが得策かもしれません。
パパは何をしてあげたらいい?
ママの身体がしんどい時、スキンシップや言葉がけをしてあげよう

妊娠期間を通して言える事ですが、ママが妊娠による身体のしんどさを感じているとき、パパや家族がしてあげられることはたくさんあります。
ママはパパが思っている以上に、妊娠による体調や心境の変化をたくさん感じており、その辛さを一人で背負っていることも少なくありません。
例えば、体型がどんどん変化していくことに対して不安や失望を感じたり、腰痛や足の痛み、便秘などのマイナートラブルといった妊婦特有の悩みも増えてきます。
そんな時、一番身近にいるパパや家族が、優しく抱きしめてくれたり、「大丈夫?」「手伝える事はない?」などといった気遣いの言葉をかけてくれることで、ママの心は軽くなるのです。
もしがんばれるようなら、ママの代わりに家事をやったり、足や腕などを軽くマッサージしてあげるのもママにとっては大変うれしい事です。
ママの立場からでは、身体や心がしんどい時には、そっとパパの手を握ってみたり寄り添うだけでも安心するかもしれませんね。
また、「私一人だけ辛い思いをして、パパは何もしてくれない」と感じてしまうのなら、具体的にパパにやってほしいことを書き出して伝えてみると、案外あっさりとやってくれることもあります。妊娠中から助け合うことは、赤ちゃんが生まれた後もスムーズに協力体制に入りやすいものだと思いますよ。
パパのサポートや優しい声掛けがうれしかった

仕事で疲れていても嫌な顔ひとつせず協力してくれた

まとめ
妊娠20週は妊娠生活にも慣れてきて、心にも余裕が生まれる時期です。
気をつけるべきことには気をつけながら、赤ちゃんの反応や成長を楽しんだり、妊娠中期ならではの生活を味わってください。
(文書作成:caltoids)
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。