小児科の先生に質問!乳幼児の花粉症Q&A

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花粉症は何歳から発症する?

花粉症になる年齢は3~5歳が最も多く、10歳頃にはほとんどの子どもがその症状を自覚すると言われています。

一般的に赤ちゃんは食物に対するアレルギーを起こすことが多く、花粉、ほこり、カビなどの吸入物質に対するアレルギーを起こすことはまれです。

ただ、最近は1~2歳で花粉症になる赤ちゃんが増えてきていると言われています。

乳幼児の花粉症の症状は?

花粉症になると、目や鼻がかゆくなります。赤ちゃんは、目や鼻をしきりにこするようになります。結膜(目の白いところ)が充血し、まぶたが腫れることもあります。

くしゃみや鼻水も増えます。鼻詰まりがひどくなると口呼吸になって呼吸が苦しくなり、さらに眠りが浅くなって不機嫌になり、昼間に眠くなることもあります。目の下にクマができることもあります。

風邪や他のアレルギーとの見分け方は?

花粉症と風邪は症状が似ていますが、以下のチェック項目により多少区別ができます。

●鼻水の色や粘り気
花粉症:水っぽく透明
風邪:濃く濁っている
●目のかゆみ
花粉症:ある
風邪:ない
●熱
花粉症:ない
風邪:ある

その他年齢やアレルギーの既往、周囲の流行疾患や花粉の飛散情報も参考になります。なお丁寧な診察、また必要であれば簡単な血液検査をすることで、診断が可能です。

年齢が上がるにつれて、症状が辛くなるって本当?

花粉が顔や目に付着したり、吸い込まれたりすると、花粉に含まれるアレルギーの原因物質(アレルゲン)が体内に取り込まれます。

すると体内ではアレルゲンに対してIgE抗体が作られます。IgE抗体はヒスタミンというタンパク質の放出を促しますが、このヒスタミンがアレルギー症状を引き起こします。

アレルゲンが体内に取り込まれる回数が増えるほど、ヒスタミンの放出は促進されるため、歳を経るほど花粉症になる子どもの数は増え、その症状は強くなります。

例えば、日本人を対象に行った調査では、スギ花粉症と診断された人の頻度は、0~4歳で3.8%でしたが、5~9歳では30.1%、10~19歳では49.5%と大幅に上昇していました。

(出典:松原 篤ほか:鼻アレルギーの全国疫学調査2019(1998年,2008年との比較):速報─耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として─.日耳鼻 2020;123:485-490)

乳幼児の花粉症|予防や改善のためにできることは?

花粉との接触は最小限に

花粉症のアレルゲンは目や鼻から侵入するので、目や鼻の症状が強くでます。

花粉症の症状を和らげるために、可能な限りアレルゲンの付着や吸入を避ける、またはアレルゲンへの曝露を最小限に抑えるように努めるようにしましょう。

外出するときの花粉対策

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外出の際にはできるかぎりマスクをつけ、花粉を吸い込まないようにするとよいでしょう。目のかゆみや充血がひどい場合は、ゴーグルを着用することもおすすめします。

花粉の飛散情報を参考に、飛散量が多い日は屋外での活動を控えるようにしましょう。

もし外出したら、室内への花粉の侵入を減らすことが大切です。

子どもが帰宅したら、すぐに洗顔や入浴をさせ、顔や髪についた花粉を落とします。またジャケット類の花粉も落としましょう。ナイロンのように表面が滑らかな服は、花粉を落としやすいのでおすすめです。

室内での花粉対策

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窓を閉め、花粉が家の中に入らないようにすることも有用です。洗濯物はできる限り室内で干し、布団は乾燥機を使用するようにしましょう。

エアコン類のフィルターは、定期的に交換し、掃除します。

なお室内に入った花粉は人が動かないと床に落ちるので、できれば朝や帰宅後に床クリーナー等で拭き取りましょう。HEPAフィルター付き空気清浄機もぜひ活用してください。

他にもアレルギーがある場合は…

少し視点が異なりますが、アレルギー疾患にはアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎などがあり、これらは歳を重ねるにつれ順に発症することがあります。これをアレルギーマーチと呼びます。

赤ちゃんのうちにアトピー性皮膚炎や食物アレルギーをコントロールすることは、将来の花粉症発症の抑制すにつながる可能性があります。

乳幼児の花粉症|いつ行く?何科に行く?受診のポイント

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受診の目安

風邪は発症してから数日間の症状が最も強く、徐々に改善して2週間ほどで治ります。もし鼻水などの症状が数週間から数ヶ月続く場合は、花粉症の可能性が高くなります。

また家族にアレルギー体質の人がいると、子どもが花粉症になる確率は高まります。

もしかゆみや鼻詰まりがひどく、日常生活に支障をきたすようであれば、早めに受診をしましょう。

診療科目の選び方

かかりつけの小児科があれば、かかりつけ医に相談することをおすすめします。他にアレルギー疾患をお持ちの場合は尚更です。

かかりつけ医がいない場合、目の症状が中心であれば眼科、鼻の症状が中心であれば耳鼻科が最適です。

受診先がわからなければ、まずは小児科に相談ください。アレルギー科を標榜していれば、より詳細な検査や治療にも対応できるかもしれません。

検査や治療の内容は?

丁寧な診察で花粉症の診断は可能ですが、アレルゲンがはっきりしない場合は、花粉に対するIgE抗体を調べる血液検査をします。赤ちゃんでは、指先から少量採血して検査することもあります。

治療は、花粉が飛び始める前から開始することが理想です。鼻水や鼻詰まりには、第二世代抗ヒスタミン薬(生後6ヶ月頃から使えるフェキソフェナジン等)やロイコトリエン拮抗薬(プランルカスト等)の内服薬が用いられます。

また目の症状には点眼薬、鼻詰まりには点鼻薬を使うこともあります。なおスギの花粉症に対し、根治療法である舌下療法を行うこともありますが、通常5歳以下に行うことは困難です。

まとめ

花粉症の症状は、歳を経るごとに悪化します。そしてかゆみや鼻詰まりがひどくなると、生活に支障が出ることもあります。

アレルゲンを避け、環境を整えてあげることで改善が期待できますが、お子さまの苦しむ姿をみることは辛いものです。もしお子さまが花粉症ではないか、と疑われる方は、ぜひ早めにかかりつけの小児科医にご相談ください。

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