子どもの喘息について

喘息はどうして起きる?

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喘息は、気道の慢性的な炎症が原因となり、外界からの様々な刺激に敏感な状態になることで、気道周囲の筋肉の収縮や、粘膜自体がむくむことで発症します。

気道は空気の通り道であるため、筋肉の収縮などが起こって気道が狭くなることで呼吸が苦しくなり、喘息の発作が起きます。

子どもの喘息の見分け方。ヒューヒュー、ゼーゼーには注意!

子どもの背中に耳を当ててみてください。子どもが息をする度に、喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーという特徴的な音)が聞こえたら喘息の可能性が高いです。

また、風邪のウイルスが原因として発症することも多いので、子どもの「コホコホ」とした咳が続く場合も注意が必要です。

子どもが息苦しいと訴えた場合も、喘息のサインです。

お近くのかかりつけ医などへ受診することをおすすめします。

子どもの喘息は治る?

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大人になるにつれて、体の機能が強くなり喘息が治る子どもは多いです。

ただし、最近では40〜50代の喘息の発作が多く、高齢者によっては喘息で亡くなる方もでてきています。

喘息の原因は?

アレルギー|ダニやほこり、猫や犬などの動物

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家のほこりや猫や犬などのペットについているダニ、空気中のカビなどのアレルゲンから、喘息の発作が起きることは、子どもたちにはよくあることです。

また空気の乾燥も発作のきっかけになりやすいので、お子さんの生活環境のチェックを今一度行ってみてください。

アレルゲンが気道などから体内に入ると、それをきっかけに炎症が起きることがあります。

タバコなどアレルギー以外の要因

タバコの煙、気圧の変化や冬の冷たい空気も発作が増える要因となります。

季節でいうと秋から冬に入るまでの9〜11月が、喘息の発作が増える傾向にあります。

アトピー性皮膚炎との関係

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アトピー性皮膚炎も子どもに多くみられる疾患です。多くは、本人または家族がアレルギーになりやすい体質であるか、またはアレルギーと関係がある免疫物質を体が作りやすい体質であることが背景にあります。

そのため、アトピー性皮膚炎に悩んでいるお子さんは、同じくアレルギーがきっかけとなる喘息にかかりやすい傾向にあります。

アトピー性皮膚炎が発症する因子としては、喘息と同じくダニやホコリ、ペットなどが関係してきます。

親や家族の遺伝

喘息については、遺伝との相関性はほとんどないと言われています。ただし、先ほど述べたアレルギー体質は遺伝することがあります。アレルギー体質のため、喘息にかかりやすくなるのです。

そのため、アレルゲンの排除や部屋を掃除することなどで喘息にかかりづらくなる環境をつくってあげるようにしましょう。

喘息の症状・発作

小発作

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横になると楽になるくらいの小発作では、今までお使いの薬を飲むことと、短時間作用性の気管支拡張薬を飲んで安静にしてみてください。

中発作、大発作

吸入を始めてもどんどん悪化してしまう、動悸がしてきた、などの症状が出てきたときは医療機関へすぐ受診した方が良いでしょう。

子どもの喘息の治療・ケア

家の生活環境を整えましょう

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家の中で喘息の発作となるダニ(アレルゲン)が多い場所はソファーや布団です。ダニを通さない布団カバーや、こまめに掃除機でダニを吸引することを心がけてください。

また、エアコンのフィルターにカビが発生していて、それが風として子どもに降りかかる恐れもあります。季節の変わり目にちゃんとフィルターの掃除をしていますか?

その他、ホコリやペットの毛が落ちている状態を無くし、アレルゲンを減らしていきましょう。

運動は出来る?水泳は喘息に良い?

薬で発作が治まった状態なら、通常の運動をしても構いません。運動をして、体を強くすることも、喘息を治す一つの方法です。

特に水泳は発作が起こりにくく、おすすめの運動です。ただし、プールの塩素が子どもによっては刺激になるため、自分の子どもは大丈夫かどうかの注意は必要です。

病院を受診するときは小児科でいい?

まずは、小児科の受診をおすすめします。子どもの病気や発作に関しては様々な要因があるため、小児科医の判断のもと、治療方針を決めていただいた方が良いかと思います。

また、小児科で対応しきれないケースも「どの診療科目が良い」かを紹介してくれます。

薬で治療

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喘息の治療につかう薬は、大きく3つあります。
1.吸入ステロイド剤:炎症を抑えます
2.気管支拡張薬:狭くなった気道を拡げます
3.抗アレルギー薬:アレルギー反応によって出てくる刺激性物質の作用を抑えます

喘息は治ったと思っていても、薬の作用で発作が収まっているだけの場合がほとんどです。薬の使用をやめてしまうと、また喘息の発作が起きてしまいます。

自分の判断ではなく、医師の指示通りに薬を使い続けましょう。

吸入ステロイド剤は正しく使おう

吸入ステロイド剤は段階に応じて、低用量〜高用量の製品を使い分けることが大切です。

喘息の症状が毎週出るほどではない人は、低用量のステロイド剤をお使いください。単独で使うだけで治る人もいます。

自分はどの治療ステップなのか?どの用量のステロイド剤を使うべきか?判断を間違うと強い作用を持つ薬なので、注意が必要です。

治療方法を医師にご相談の上、早く健康になってくださいね。

専門機関へのご相談はこちら

※夜間休日、お子さまの健康状態に心配なことがある場合や受診の目安に迷った場合は子ども医療電話相談♯8000に相談をおすすめします。

厚生労働省・子ども医療電話相談事業
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

まとめ

今回は喘息について、見分け方、その症状、原因、治療法などについてご紹介しました。

喘息は放っておくと症状が悪化し、子どもが苦しい思いをしてしまいます。喘息かな?と思ったら迷わず小児科で受診してください。

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