目次
- ▼甲斐信枝さんってどんな人?
- ▼甲斐信枝さんの代表作は?
- ▼甲斐信枝さんの絵本のおすすめをご紹介します
- ▼【1】たんぽぽ (絵本のおくりもの)|甲斐信枝
- ▼【2】つくし (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)|甲斐信枝
- ▼【3】たねが とぶ (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)|甲斐信枝
- ▼【4】ふきのとう (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
- ▼【5】ざっそう (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
- ▼【6】きゃべつばたけのいちにち (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
- ▼【7】ひがんばな (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
- ▼【8】雑草のくらし-あき地の五年間- (福音館の科学シリーズ)|甲斐信枝
- ▼【9】ちょうちょ はやく こないかな (幼児絵本シリーズ)|甲斐信枝
- ▼【10】のげしと おひさま (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)|甲斐信枝
- ▼【11】小さな生きものたちの不思議なくらし|甲斐信枝
- ▼まとめ
甲斐信枝さんってどんな人?
科学絵本シリーズでおなじみ

1930年生まれの甲斐信枝さんは、1976年に「ざっそう」でデビューしました。その後、主に福音館書店の「かがくのとも絵本シリーズ」で、足元に生えている雑草や草花について描いた科学絵本を多数発表しています。
2016年、NHKで放送されたドキュメンタリー番組で甲斐さんのことを知ったり、彼女の絵本に興味を持ったりした方もいるのではないでしょうか。90歳近くになった今でも、大きな麦わら帽子をかぶって雑草を観察・写生し、そこで見つけた感動や驚きを絵本にして子どもたちに届けています。
写実的で繊細なイラストも魅力的ですよね。足元には実はものすごく興味深くて不思議な世界が広がっているということを教えてくれる、唯一無二の作家さんです。
甲斐信枝さんの代表作は?
名前も知られていない雑草に注目した作品

甲斐信枝さんの作品の題材のほとんどは、野原や道端に何気なく生えている、どこにでもある雑草や目立たない花たちです。甲斐さん自身が観察して発見した草花の生態や一生をもとに綴られていて、読んでみると私達があまり知らない草花の世界のドラマを体感することができます。
数ある作品の中で代表作とされているのは、第8回絵本にっぽん賞や第17回講談社出版文化賞を受賞した「雑草のくらし-あき地の五年間-」でしょう。タイトルの通り、5年もの間雑草を観察し続けて描かれた64ページにも及ぶ大作で、雑草たち奥の深い世界を堪能できます。
甲斐さんの作品を読むと、普段あまり目立たない草花でも実はものすごくドラマチックな一生があり、みんな必死で生きていると気付かされ、その強さやひたむきさに心打たれるものがたくさんありますよ。
甲斐信枝さんの絵本のおすすめをご紹介します
【1】たんぽぽ (絵本のおくりもの)|甲斐信枝
小さくて黄色い花のドラマチックな一生

道端の花の代表格、たんぽぽの一生にスポットを当てた作品です。ママパパの子どもの頃、一度はたんぽぽの綿毛をふっと吹いて空に飛ばした経験がありますよね。空に高く舞い上がった綿毛はその後一体どうなるのでしょう。子どもなら一度は思いをはせたことのある、綿毛の行く先を知ることができます。
ひたむきでありながらアスファルトにも咲くほど力強いたんぽぽの一生が、繊細で美しいイラストで感動的に描かれています。身近にある草花について詳しく知ることの楽しさを教えてくれる一冊です。
口コミ
・一生懸命に生きるたんぽぽの生涯が丁寧に美しく描かれています。
・子どもが道端のたんぽぽに興味を持ち、観察するようになりました。
・見開きのたんぽぽのイラストがリアルで素敵です。
【2】つくし (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)|甲斐信枝
つくしとスギナは家族?

春になると地面のあちこちから顔を出すつくしが、枯れてからまた次の春に生えてくるまでの1年間を描いた作品です。つくしの根っこを見たことってあまりないですよね。この絵本では、つくしの根っこをめぐるスギナとの関係など、つくしの生態の秘密を知ることができますよ。
冬の間に土の中で成長しながら春風が吹く日を待つつくし、春の野原に一斉に生えたつくし、どのイラストも力強さを感じる印象的なイラストです。この絵本を見たら、春の陽気に誘われてついついつくしを探しに行きたくなってしまいそうです。
口コミ
・つくしについて知らなかったことがたくさんあり、驚きました。
・水彩画のイラストがとても丁寧に描かれています。
【3】たねが とぶ (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)|甲斐信枝
植物が種をまくまさにその瞬間を見られる

植物が自分の生息する地域を広げ、次の世代に命をつないでいく仕組みである種にフォーカスした作品です。野原の草花が種を飛ばすまさにその瞬間のイラストは躍動感にあふれ、大人が見ても興味深いですよ。
風を利用したり、さやの弾力を利用したりと、草花の種を効果的に飛ばすための工夫の巧妙さや大胆さには、草花の強さや面白さが凝縮されているような気がします。どこにでもあるけれど、これまで名前も知らなかったような草たちを身近に感じることができますよ。
口コミ
・身近な草花に興味を持つようになりました。イラストを見ているだけでも癒されます。
・作者が長い間いかに丁寧に観察を続けてきたかが伝わる作品です。
・普段道端で見かける身近な花の名前を知ることができました。
【4】ふきのとう (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
ふきのとうの命のリレーや地面の下の秘密がわかる絵本

雪の中から顔を出していち早く春の訪れを告げてくれる、食べてもおいしいふきのとうについて描いた作品です。ふきのとうの花には白と黄色があるということ、そしてそれぞれ違う重要な役割があることなど、ちょっとおどろきのふきのとうの生態にふれながら、ふきのとうの1年間を追っていきます。
特にふきのとうの根っこについては、野原で見ているだけではどうなっているのかわからないので、かなり興味深いですよ。この本を見ると食卓に上がるふきのとうがなんだか特別な存在に思えるかもしれません。
口コミ
・自然いついて学べる絵本です。
・力強いイラストにリズム感のある歌のような文章が素敵です。
【5】ざっそう (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
40年以上前に発表されたデビュー作

ありとあらゆるところに生い茂っている雑草の世界を描いた作品です。どこにでも生えている雑草ですが、実は雑草たちは生き残るために他の雑草たちと熾烈な戦いを繰り広げています。
抜いても抜いてもすぐにまた生えてくる困った草と思われがちな雑草ですが、この本を読むとその力強さに敬意を払いたくなってしまいますよ。1976年に発売された甲斐信枝さんのデビュー作で、40年以上たった現在でも読み継がれているロングセラー絵本です。
口コミ
・季節ごとにわかりやすいイラストで描かれていて、子どもも興味深く読んでいます。
・力強い雑草のイラストを見ていると、まるで自然の中にいるようです。
・シンプルな文章なので、子どもが想像力を働かせることができます。
【6】きゃべつばたけのいちにち (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
キャベツ畑に生きるさまざまな生物

ちょうちょ、あおむし、カエルにハチなど、キャベツ畑にやってくるさまざまな生き物にスポットを当てた作品です。キャベツ畑の1日の中で展開される小さな生き物たちの活動が、時間の流れに沿って紹介されています。
こんなにたくさんの生き物がキャベツ畑に集まり、それぞれの生き物たちにそれぞれのドラマがあるなんてなかなか気付くことができないですよね。わたし達の食卓にあがる定番野菜のキャベツですが、この絵本を読むと、そのキャベツを通して色々な生き物とつながっているのだなと思わずにいられません。
口コミ
・ひらがなで書かれた簡単な文章なので、子どもでも読むことができます。
・キャベツ畑で起こっている虫たちの様子がありのままに描かれています。
・普段見ることのない夜のキャベツ畑の様子など、知らないことがたくさんありました。
【7】ひがんばな (かがくのとも絵本)|甲斐信枝
地中でも活動的!ひがんばなの不思議な生態

ひがんばなは地方によって色々な呼び名を持ち、日本ではなじみ深い花ですが、その生態は不思議に満ちています。この作品を読むとひがんばなは他の花と比べてちょっと変わっていることがわかりますよ。
特に一度花が咲いた後、養分を球根に吸い戻し、次の秋によりたくさんの花を咲かせるというのには驚きです。秋にあちこちで見られる真っ赤な花にはこんなミステリアスな一面があったのだと感心してしまいますよ。
まるで写真であるかのように精巧に描かれた真っ赤なひがんばなのイラストも素敵です。
口コミ
・ちょっと変わっていて印象的だったひがんばなのことが、とてもわかりやすく描かれていました。
・作者の自然への熱い想いが感じられる一冊です。
・この絵本を読んだら、ひがんばなが咲く時期がとても楽しみになりました。
【8】雑草のくらし-あき地の五年間- (福音館の科学シリーズ)|甲斐信枝
5年もの間観察を続けて完成させた超大作

5年間にもわたる雑草の観察をもとに描かれた超大作です。空き地に生える雑草は毎年同じように見えますが、実は毎年そこに生える草花の種類は変わっています。
雑草たちの生き残るための知恵や生命力にはただただ感嘆です。結構ボリュームがあるので、毎日少しずつ読むのもいいですね。
第8回絵本にっぽん賞、第17回講談社出版文化賞を受賞した甲斐信枝さんの代表作で、作品全体から雑草に注がれる甲斐さんの愛情あふれる目線を感じられます。
普段目何気なく目にしている雑草にもそれぞれ名前がついています。子どもと一緒に歩きながら探すのも楽しそうですね。
口コミ
・せいいっぱい生きる雑草のことを知り、見方や思いが変わりました。
・この絵本を読んでいると、自分がこの雑草の生い茂る自然の中にいるような気持ちになります。
・生命力あふれる雑草たちに感心しました。自然のエネルギーを感じます。
【9】ちょうちょ はやく こないかな (幼児絵本シリーズ)|甲斐信枝
ちょうちょを待っている小さな花の気持ち

ちょうちょが来てくれないかなとずっと待っている小さな花ですが、ちょうちょはみんな他の大きな花に行ってしまってなかなか来てくれません。小さな花の待ち遠しかったり不安だったりする気持ちが伝わってきて、気が付くとかなり感情移入してしまっています。
やっと小さな花にちょうちょが来てくれた時には、心の底からほっとしますよ。言葉の繰り返しもあって2歳くらいから楽しめそうな内容ですが、これくらいの小さい子ども向けの絵本で、こんなにも精巧で美しいイラストのものはなかなかありませんよね。
口コミ
・お花に顔がついていて、ちょうちょを待つ花の気持ちが伝わってきます。
・春をたくさん感じることができました。
・細かく丁寧に描かれたイラストがとても素敵です。
【10】のげしと おひさま (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)|甲斐信枝
のげしの願いはかなうのか

よく道端で見かける黄色いお花「のげし」が、虫たちのように自由に動き回りたいとおひさまに打ち明けます。するとおひさまは、毎日しっかり自分が出す光をすったらいいよと教えてくれます。
毎朝一生懸命におひさまの光を吸い込むのげし。さて、のげしの願いはかなうのでしょうか。ストーリーもイラストも温かく心にしみるだけでなく、のげしの生態についても知ることができる作品です。この絵本でのげしについて知ると、道でのげしを見つけるのが楽しくなりそうですよね。
口コミ
・文章がシンプルでわかりやすいです。子どもはもちろん大人も一緒に楽しめます。
・道端でよく見かける花なので、子どもと歩いているときに探すようになりました。
・植物の生命力を感じる絵本です。
【11】小さな生きものたちの不思議なくらし|甲斐信枝
自然を観察し続けてきた作者のことばが詰まったエッセイ集

福音館書店のこどものとも、かがくのともシリーズなどに描かれていた、作者のことばが一冊の本になったエッセイ集です。雨や雪の日も、夜中や早朝の暗く寒い時間帯にも、作者が自分の足や目で見て描き続けてきた作品を、少しずつのぞくことができます。
160ページもあるので、一日数ページずつ親子で読み進めていくのがおすすめ。大人もふと疲れたときにページをめくると、一生懸命に生きる植物たちや作者の優しいことばに癒されますよ。
口コミ
・リズム感のある文章で、どの言葉も生き生きとしていてなんだか懐かしい気持ちになります。
・子どもと一緒に身近な自然を観察するのにぴったりの絵本です。
・文章もイラストもとても美しく、大人が読んでも楽しめます。
まとめ
甲斐信枝さんのあたたかなまなざしで描かれた草花の一生は、賢くて大胆で美しさを持っています。絵本の中の雑草の姿から、子どもたちは生きていくために大切な何かを感じ取ってくれるのではないでしょうか。
アスファルトで舗装された都会の道でさえ、ちょっとした隙間に雑草たちの姿を見ることができます。普段はまったく気にしていなかったその雑草たちについて絵本を通して知ることができると、いつもの散歩がより楽しくなりそうですね。
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