目次
- ▼井上洋介ってどんなひと?
- ▼井上洋介の代表作は?
- ▼井上洋介の絵本 おすすめをご紹介します!
- ▼【1】でんしゃえほん|井上洋介
- ▼【2】わっ (にじいろえほん)|井上洋介
- ▼【3】やまの ばんさんかい (にじいろえほん)|井上洋介
- ▼【4】つきよのふたり (にじいろえほん)|井上洋介
- ▼【5】タマゴ イスにのり (チューリップえほんシリーズ)|井上洋介
- ▼【6】ぼうし (こどもプレス)|井上洋介
- ▼【7】まえむき よこむき うしろむき (こどものとも絵本)|いのうえようすけ
- ▼【8】たわし (おひさまのほん)|井上洋介
- ▼【9】ホウホウフクロウ (日本傑作絵本シリーズ)|井上洋介
- ▼【10】くまの子ウーフ (くまの子ウーフの童話集)|作 神沢 利子、絵 井上洋介
- ▼まとめ
井上洋介ってどんなひと?
東京生まれの絵本作家 大胆な絵とナンセンスなストーリーが魅力!

井上洋介さんは1931年に東京で生まれました。小さい頃から絵を描くのが好きだったという井上さんは、10代の頃から漫画を書くようになり、武蔵野美術学校西洋画科を卒業した後も漫画や絵画の制作、それに本や絵本の挿絵で活躍するようになります。
そんな中『くまの子ウーフ』の挿絵が高く評価され、次第に自身の絵本も発表していくようになりました。子どもたちが声をあげて笑ってくれるような作品を作っていきたいと語っていた井上さんの作品の特徴は、なんといってもナンセンスな発想です。
読んでいると大人でも笑ってしまいそうになるナンセンスさは、第二次世界大戦中の東京で育ち毎日空襲で人が死んでいくという不条理さを身をもって感じていた井上さんの生い立ちが影響しているというので、奥が深いですよね。
そんな井上さんは2016年に84歳で亡くなるまで意欲的に絵本を続け、たくさんの作品を子どもたちに残してくれました。
井上洋介の代表作は?
くまの子ウーフだけじゃない!ぜひ他の作品も読んでみて!

井上洋介さんのオリジナル絵本はナンセンスさが魅力で、どれも意外な発想と展開を見せる楽しい作品ばかりです。たくさんある作品の中で代表作といえるのは、『ぼうし』や日本絵本賞大賞を受賞した『でんしゃえほん』でしょう。
『ぼうし』は次々登場するぼうしとぼうしを買ったらもらえるおまけだけで笑える作品で、物語の終わり方も秀逸です。『でんしゃえほん』はページをめくるごとに出てくる不思議でありえない電車たちの姿を楽しめます。
乗ってみたいような遠慮したいような変わった電車たちが登場するその内容は、他の電車を題材にした絵本とは一線を画しています。
そしてこんなナンセンスで楽しい世界を、一見豪快にも見える筆使いで描いた挿絵が、物語の世界観を完璧なものにしています。絵の具で描いたイラストの他に、版画や水墨画で描かれたものもあり、絵を見るだけでも楽しめますよ。
井上洋介さんは『くまの子ウーフ』の挿絵でしか知らないという方は、もったいないのでぜひ他のオリジナル作品も見てみてくださいね。
井上洋介の絵本 おすすめをご紹介します!
【1】でんしゃえほん|井上洋介
へんてこな電車が次々登場 日本絵本賞大賞受賞作

ドーナツでんしゃやかいだんでんしゃなど、ちょっとへんてこで面白い電車が次々に登場する作品です。中にはあまり乗り心地のよさそうではない電車も登場しますが、乗っている人はみんな楽しそうで、作品全体から楽しさがあふれています。
擬音語も交えたテンポのいい文章が軽快で、電車たちが疾走していく感じがとてもよく伝わってきますよ。豪快なタッチで描かれたイラストも、作品の不思議さを強調しているようで味わい深いですよね。
日本絵本賞大賞を受賞した、井上さんの代表作の1つです。
口コミ
・普通ではありえないような電車が出てくるのがユニークで、電車好きの甥っ子は繰り返し読んでとても気に入っています。思わず笑ってしまうような楽しい電車と個性的なイラストが、想像力を刺激します。
・ページをめくるたびにアッと驚く電車が次々に現れて、井上さんの独特の世界観が楽しめます。
【2】わっ (にじいろえほん)|井上洋介
色んなものがおじいさんに「わっ」

散歩しているおじいさんを色々な物や生き物が「わっ」と言って驚かしていきます。驚かしてくるものたちのバラエティの豊かさにも注目ですが、趣向を凝らしたその驚かし方でさらに面白さがアップしています。
びっくり箱を開けるような楽しさがノンストップで続く展開を、ただただ楽しんでしまいましょう。初めて見るものがたくさんある小さい子どものお散歩って、このおじいさんのお散歩ぐらい驚きが詰まっているのかもしれませんね。
口コミ
・おじいさんを色んなものが「わっ」と驚かそうとします。ただそれだけなのですが、そのシンプルさがとても面白いです。
【3】やまの ばんさんかい (にじいろえほん)|井上洋介
動物たちがおめかしして行く先には何が

スーツや燕尾服、それにステッキなどでたっぷりおしゃれした動物たちが、頂上にある何かを目指して山へと登っていきます。
大小さまざまな動物たちが向かう先に何があるのか気になりますが、なんとそこにあったのは山盛り食べ放題のおいしい食べ物でした。お腹いっぱいになって、見るからに幸せそうな動物たちの姿に、こっちまでうれしい気持ちになってきます。
テンポのいい繰り返しの文章とダイナミックな筆使いのイラストで、何回も読み返したくなりますよ。
【4】つきよのふたり (にじいろえほん)|井上洋介
月夜に仲良くしているのはだあれ

みんなが寝静まった真夜中の町の中には、仲良くしている意外なもののペアがたくさんいます。郵便ポストと自転車、コウモリガサとものほし、ダンゴムシとぶらんこ等、どうやって仲良くなったのか不思議な組み合わせが月明かりの下に描き出されているのですが、そのペアがなぜかとても親密そうに見えて素敵です。
満月の夜の神秘的で理由もなくちょっと怖いあの感じがひしひし伝わってくるイラストは、本当に秀逸です。静かなトーンで、寝る前の読み聞かせにもおすすめですよ。
口コミ
・色彩も暗めで繰り返しの文章が多いためか、子どもが寝る前に読み聞かせをすると必ず寝てくれます。本の好き嫌いが激しい子ですが気に入っていて、このぱっと見複雑な絵に惹かれるようです。
【5】タマゴ イスにのり (チューリップえほんシリーズ)|井上洋介
イスとタマゴの散歩

生まれたばかりのタマゴをイスがお散歩に連れて行ってあげるというストーリーです。このかなり変わった二人組は、街や海など色々な場所を旅し、メジロやモグラなど色々な生き物と出会います。
この二人の散歩を見ていると、何気なく歩いている普段の風景も、実は楽しさとちょっとした出会いにあふれているのかもしれないなと思えてきます。文章は少ないですが饒舌な絵からたくさんのものを感じられる、様々な年代の子どもが楽しめる作品ですよ。
口コミ
・ナンセンスな中に哲学的な要素があって、笑いのセンスも素晴らしいと思います。
・イスは生みたての卵を乗せて歩くのですが、次元の違う面白さで、すごいとしか言いようがありません。
【6】ぼうし (こどもプレス)|井上洋介
色んな動物の帽子屋さん

くまさんのおみせでくまのぼうし、ワニさんのおみせでワニのぼうし等、主人公の男の子が色々な動物のお店で帽子を買っていきます。ぼうしのデザインもさることながら、ぼうしを買ったらもらえるおまけが面白くて、次はどんなおまけが出てくるのかと楽しみになります。
最後のお店からつながるラストのオチもほのぼのしていていいですよ。井上さん独特の発想と味わい深いイラストで、同じようなシチュエーションと文章の繰り返しでもこんなに面白くなってしまいます。
文章が手書きで書かれているので、まるで文字もイラストの一部のように感じ、物語の世界にすっかりはまってしまいますよ。
口コミ
・大人でもにやりと笑ってしまうような内容でオチもあるので楽しく読めます。
【7】まえむき よこむき うしろむき (こどものとも絵本)|いのうえようすけ
色んなものを色んな方向から見てみる面白さ

こちらは、電車や動物などを前・横・後ろから見た図が描かれている絵本です。井上さんのダイナミックで味のあるイラストに、子どもだけでなく大人も見入ってしまいます。
よく知っているものでも、改めて色んな方向からじっくり見てみると、新鮮だったり新しい気づきがあったりしますよね。
内容はシンプルながら、子ども心をくすぐる魅力がいっぱいの1冊ですよ。
【8】たわし (おひさまのほん)|井上洋介
出だしから謎だらけ

“さむくなってきたので ぼく たわしをかわなくちゃ”という謎の一文から始まるこの作品は、ここから最後まで予想できない展開の連続です。
冒頭で、背中に背負わないと運べないくらいの大きなたわしを買った僕。ラストでこのたわしをどうするのかがわかるものの、わかったあとも納得するどころかさらに驚かされることになります。
子どもたちに愛されるナンセンスさがぎっしりなので、深いことは考えずただただ物語の展開に身を任せて、井上洋介さんワールドを堪能してください。
口コミ
・理解不能な展開、衝撃の結末に驚かされますが、不思議な魅力があります。想像力を刺激する良い本です。
・不思議な物語に、独特な雰囲気の絵がぴったり合っています。
【9】ホウホウフクロウ (日本傑作絵本シリーズ)|井上洋介
水墨画の画集のような存在感 生前に出版された最後の作品

こちらは2016年に逝去された井上洋介さんの最後の作品です。水墨画で描かれたフクロウやミミズクそしてセミの迫力は、絵本という枠を超えたものすごい世界観です。
それくらい、文章で語られる物語よりも、絵の方の存在感にやられてしまいます。そして圧倒されるままに絵を眺めているだけで、ものすごく色んなものを感じることができます。
井上洋介さんの集大成というのにふさわしい作品ですよ。
口コミ
・水墨画の筆使いひとつひとつに、井上さんならではのたくましさと愛情を感じます。
【10】くまの子ウーフ (くまの子ウーフの童話集)|作 神沢 利子、絵 井上洋介
井上洋介さんの絵が彩る物語

井上洋介さんが挿絵を務めた、児童文学の大ベストセラーです。井上洋介さんというとまず最初このウーフのイラストを思い浮かべる人も多いと思います。
食べること、遊ぶこと、考えることが大好きなくまの子ウーフの楽しい世界は、このイラストなしでは語れませんよね。ママやパパも子どもの頃ウーフのお話に夢中になったのではないでしょうか。
絵本から児童書へとステップアップする子どもたちに読んであげたい不朽の名作ですよ。
口コミ
・多くのことを自分なりに考えて理解していくウーフに、子どもたちは深く共感するのだと思います。文章も面白く、井上さんの挿絵もフレッシュでかわいいです。
・内容はとても哲学的ですが、こういった世界観をまさに子どもは持っているのかなと思います。息子はとても気に入っていて何度も繰り返し読んでいます。
まとめ
井上洋介さんのナンセンス絵本では、難しいことは考えずそこに展開される物語をただただ楽しむという絵本の醍醐味を味わえます。躍動感にあふれているイラストは、その独特のタッチに子どもも大人も魅了されてしまいますよ。
想像力豊かな子どもたちの心をぐっとつかむ素敵な作品を、ぜひ親子で楽しんでみてくださいね。
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