目次
妊娠15週ってどんな状態?
妊娠15週、子宮の中で起こっていること
赤ちゃんの様々な大事な器官が作られ、ママの体に大きな変化が起きている妊娠初期も、この妊娠15週で終わりになります。胎盤が完成し、赤ちゃんの成長環境が整うことから、妊娠16週からを安定期と考えることもあります。
もちろん、すべての可能性が拭い去られるわけではありません。しかし、流産の最も多い妊娠初期を終えることで、少しホッとできるママも多いのではないでしょうか。
妊娠15週のママの状態
突然の鼻血、ひどい鼻づまりは何が原因?
このころ、突然鼻血が出る、というママが増加します。その原因は、妊娠によってプロゲステロンとエストロゲンの量が急激に増えていること。
それにより、鼻の粘膜が充血し、鼻づまりや鼻血が起こりやすくなっているのです。また、ママは出産に備えて、血液量が多くなっています。
この増加している血液は、通常の成分よりも血小板が少なくなっており、その影響で鼻血が止まりにくくなることがあります。
頻尿に悩まされる人も
妊娠中の代表的な症状である頻尿も、このくらいの時期から始まります。まだ、お腹は大きく目立つわけではないのに…と思うかもしれませんが、子宮はどんどん大きくなっていて、この時期にはグレープフルーツくらいの大きさに。
この大きくなった子宮が近くにある膀胱を圧迫するので、どうしてもトイレが近くなってしまいます。頻尿はこのように、通常は妊娠に伴う症状です。しかし、頻尿の原因が膀胱炎のこともあります。
膀胱炎の場合は、排尿時の痛みや血尿などが見られますので、早めにかかりつけの産科を受診して薬を処方してもらうと良いでしょう。
妊娠初期の切迫流産について
腹痛や出血は切迫流産の可能性も

この時期に気を付けなければならないことの1つが、「切迫流産」です。「流産」という言葉にはドキッとしてしまいますが、「切迫流産」はすでに流産しているわけではなく、このままだと流産する恐れがある状態のことを言います。
おりものに血が混じるような症状や、腹痛などで受診すると「切迫流産」と診断され、入院を勧められるときもありますし、自宅での安静を指示されるときもあります。
出血や腹痛があっても、安静にしていれば妊娠を継続できる可能性がある状態なので、切迫流産での安静を指示されたときは、なるべく横になっているようにしましょう。
安静の度合いが分からない、という声もよく聞かれるのですが、トイレと食事のとき以外はベッドで横になっているのが基本です。調理や洗濯などの身体を起こしている状態は負担になります。できるだけ体を横にした状態を保ちましょう。
妊娠15週の赤ちゃんの状態
超音波(エコー)検査で性別も
生殖器の形がはっきりし始めるのもこのころです。エコー検査をするときに、赤ちゃんの体勢によっては性別が分かることも。
しかし、この時期はまだはっきりしないことも多いので、参考程度に聞いておきましょう。また、性別を知りたくない場合などは主治医の先生に伝えておくと良いでしょう。
指を吸う、吸てつ反射も起きてきます
赤ちゃんが口を開けたり閉じたりできるようになると、親指を吸う「吸てつ反射」が生じてきます。
「吸てつ反射」とは、外の世界に出てきてからおっぱいに吸い付くための反射で、このときどちらの指を吸うかで利き手が決まるとも言われています。
まだまだ小さい赤ちゃんですが、少しずつ人間らしくなっていく姿はとてもかわいいですね。
出生前診断が行える時期に
母体血清マーカーテスト
母体血清マーカーテストは、妊婦の血液を少量採取して行われる検査です。この検査は胎児がダウン症、18トリソミー、二分脊椎、無脳症である確率を出すものです。
この確率を見て数値が高いと考えた場合は、羊水検査などの確定的検査をさらに追加するかを検討します。
羊水検査
羊水検査はおへその下あたりから針を刺して直接羊水を取り、その中に存在する胎児細胞の染色体を調べる検査です。この実施時期は、妊娠15週頃以降です。
この検査では、ダウン症や18トリソミーなどの染色体異常を特定できます。しかし、この検査後、約0.3~0.1パーセントの確率で流産などの合併症が起こるといわれています。結果が出るまでに約2週間かかるため、妊娠18週頃までに行われることが一般的です。
新型出生前診断(NIPT)
2013年に認可された新型出生前診断も、妊婦の血液を少量採取して行う検査です。赤ちゃんが13トリソミー、18トリソミー、ダウン症である可能性を判定するものです。
分娩予定日が35歳以上である、または、上記の病気の赤ちゃんを妊娠したことがある、他の検査で上記の病気が疑われた場合、という基準が設定されています。また、検査できる施設も決まっています。
診断は自由診療ですので、検査の基準に該当している場合でも、検査をするかしないかは個人の判断に任されています。
しておくべきこと・気を付けることは何がある?
出産する病院を決めておきましょう
出産する病院や施設によって異なるのですが、早めのところではそろそろ入院予約をしておく時期のところも多いのではないでしょうか。
入院する病室や病院の中を見学させてくれる病院もあります。また、母親学級などを開催する病院もあります。
また、無痛・和痛分娩といって、痛みをコントロールしながらお産のできる病院もあります。そういった希望がある場合は、かかっている病院が対応しているかどうか、調べておいた方が良いでしょう。
つわりが終わった人は体重増加に気を付けて!

つわりが治まると、今まで食べられなかった人は特に、猛烈な食欲に襲われることがあります。身体がこれまでの分を取り返そうとしているように、様々なものを食べたくなってしまうのです。
何を食べてもおいしく感じられなかったつわりの時期が嘘のように、何を食べてもおいしくて仕方がないという人も。しかし、その分、体重が急激に増えてしまいやすいので注意が必要です。
急な体重増加は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を引き起こしやすくなるほか、関節や腰などにも負担が大きくなります。
あまりに急な体重増加が起きると、主治医によっては管理入院を指示する場合もあります。上のお子さんがいる場合など、入院ということになってしまっては大変ですから、なるべく自制するようにしましょう。
食事は1度に大量に食べるのではなく、何度かに分けて食べると空腹を感じにくくなります。1度の食事量を少なめにして何回かに分けて食事をとる、など工夫してみてはいかがでしょうか。
また、飲酒・喫煙は胎児に百害あって一利なしです。赤ちゃんの体重が軽くなったり、出産後の乳幼児突然死症候群にも影響があるといわれています。
また、流産や常位胎盤早期剥離などを起こす可能性も。妊娠中の禁酒・禁煙は徹底して行うようにしましょう。
パパは何をしてあげたらいい?
安静の指示が出ている場合は、家事をさせないで

この時期、切迫流産を起こしやすいのは、前項にも書いたとおりです。もし、ママが「切迫流産で安静」と言われたら、極力、家事をさせないようにしてください。
まだ、そんなにお腹が大きいわけでもなく、つわりも治まってきて、一見、何でもないように見えても、お腹の中では赤ちゃんが猛烈な勢いで大きくなっています。
この負担は何と、1日の消費カロリーで言うとスポーツ選手と同じくらいとされています。ですから、妊娠中のママはとても疲れやすく、いつもウトウトしたいような健康状態のことも多いのです。
安静と言われている場合は、基本的には横になっていることが必要です。食事とトイレ以外は寝ていなくてはいけません。掃除や洗濯、料理など家事は極力させないようにしましょう。
妊娠にかかわる病気は、大体のものが他の病気と違って、出産が終われば終わるものです。長いように感じるかもしれませんが、最長でも10ヶ月。
2年3年と闘病するほかの病気のように、先が見えないわけではありませんし、かわいい赤ちゃんに会える、といううれしいことも待っています。家族で新しい命の誕生を支えていけると良いですね。
パパも自宅では禁煙・禁酒を
妊娠中のママが禁酒・禁煙なのは前述のとおりです。しかし、パパも少なくとも自宅では禁煙を心がけるようにしましょう。副流煙にさらされていることは、喫煙しているのと同じくらいの害があると言われています。
妊娠中の受動喫煙も良くありませんし、赤ちゃんが生まれてきてからも、子どもにタバコの煙を吸わせることは、肺炎や気管支炎、喘息、中耳炎、乳幼児突然死症候群を発症する確率を上げることにつながります。
また、飲酒には直接的な問題はないのですが、もし、ママがお酒を我慢しているとすれば、パパが目の前で飲酒しているのはどうでしょうか。この期間、少なくともママの前では禁酒してもいいかもしれませんね。
妊娠15週の体験談
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まとめ
妊娠15週の生活、いかがでしたか?つわりもやや治まり、赤ちゃんがどんどん大きくなってうれしい時期でもあります。
体調が良いときを見計らって、出産する病院を決めたり、これからのことをゆっくり考えてみるのも良いですね。
また、出生前診断のことなど重大なことを決める時期にもなります。パートナーとしっかり話をできる環境を作っておくことも大事ですね。
(文書作成:Reikon)
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