目次
妊娠10週の母体の状態
少しお腹が膨らみ妊娠を実感、下着やボトムスにマタニティウェアを

この時期の子宮の大きさは、女性の握りこぶしくらいのサイズまで大きくなっていて、下腹部のあたりを触ると少しぽっこりしてくるかもしれません。
非妊娠時の子宮の大きさはピンポン玉大くらいなので、だいぶ大きくなりました。また、赤ちゃんの命を支える大切な胎盤も完成に向かっていく頃です。
子宮が大きくなっていくことに伴い、子宮の筋肉や支えている靭帯が引っ張られるので下腹部にチクチクとした痛みを感じたり、足の付け根に違和感を覚えることがあります。
今まで着ていた服が少し窮屈に感じることも出てくるでしょう。その時は、お腹を締め付けるボトムは避けるようにしましょう。
また、赤ちゃんが生まれた後におっぱいをあげられるように準備が始まります。乳房や乳輪がだんだんと大きくなり色が濃くなってきて、最初はびっくりするかもしれません。
今までのブラジャーが苦しくなってきたら、マタニティブラジャーに変えるようにしましょう。
hCGホルモン分泌がピークになりつわりに影響も
妊娠すると、妊娠前に比べホルモンの働きが目まぐるしく変化していきます。これにより、ママの身体にも様々な影響を与えます。
まず、妊娠すると急速に分泌されるのがヒト絨毛性ゴナドトロピン、通称hCGと呼ばれるホルモンです。このホルモンが尿中や血中に現れるのを検査することにより、妊娠を判別します。
妊娠を維持する働きと子宮筋の収縮を抑える働きをするhCGの分泌は、妊娠3ヶ月をピークにその後は減っていきます。
hCGがつわりを引き起こすホルモンと言われているので、たくさん分泌している間はつわりが辛い人もいるでしょう。
エストロゲン・プロゲステロンの分泌で便秘や胃の不調なども
エストロゲン・プロゲステロンというホルモンも盛んに分泌されるようになります。この2つのホルモンは子宮や胸を大きくしたり、体温を上昇させる働きがあります。
エストロゲンは水分保持作用があるのでむくみを引き起こし、プロゲステロンによって胃や大腸の活動を低下させるので便秘や胃のむかつきを引き起こします。
また、この2つのホルモンが色素沈着の作用があるのでシミができやすくなったりもします。
妊娠12週ごろまでは染色体異常を原因とする早期流産のリスクも
「流産」という言葉、妊娠してからは1番聞きたくない言葉ではありますが、誰にでも起こる危険性があるのでしっかりと理解しておくことが大切です。
流産とは、妊娠21週6日までに胎児が子宮外に流れ出てしまうことを言います。妊娠12週未満の流産を早期流産と呼びますが、染色体異常が原因となることがほとんどです。
切迫流産にも注意を
「切迫流産」とはどのような状態のことを言うのでしょう?「切迫流産」は、妊娠は継続できているが流産の危険性があるという状態です。妊娠4週~12週に起こる事が多く、妊娠8週~10週が特に危険な時期と言われています。
胎児の染色体異常以外にも、母体におけるホルモン異常や子宮内の炎症・異常、感染症、体の冷え、ストレスなど様々な原因が考えられます。
切迫流産の危険性がある時の症状は、少量の出血や下腹部痛があげられます。妊娠中の不正出血は珍しいことではありませんが初期の出血は特に心配ですので、異変があれば医師に相談しましょう。
妊娠10週目、母体に現れる症状&体験談
【症状①】つわり|重さは個人差あり、無理せずに病院で相談を

妊娠初期にまず悩まされるのが、つわりです。症状が重い人、軽い人、全くない人と個人差がありますが、必ず終わりが来ますので安心してください。
ホルモンの分泌の影響、胎盤形成にあたり身体が異物と認識してしまうため...など、つわりの原因とされる説はいくつかありますが、医学的にははっきりと判明していないようです。
つわりと一口に言っても、食欲が激減して何も食べられなくなる状態のつわりと、「食べづわり」と呼ばれる、空腹時に気持ち悪くなり何か口にしていないといられない状態のものがあります。
食欲が無く何も口にしたくない場合は、無理せず食べられるものを選びましょう。他にも眠りづわり、においつわり、よだれつわりなど症状は人それぞれです。
この時期はすでにへその緒を通じて赤ちゃんに栄養を送っているので、あまりに何も飲食できない時や症状がひどい場合は迷わず医師に相談しましょう。
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妊娠10週の赤ちゃんの成長と様子
ダウン症などの染色体異常を調べる出生前診断について知っておこう
出生前診断とは?

妊娠する年齢があがるにつれて、赤ちゃんの染色体異常の発生率があがるといわれています。高年出産が話題になると同時に、「出生前診断」についても耳にする機会があるかもしれません。
出生前診断とは、広い意味では通常の妊婦健診で行う赤ちゃんをみるエコー検査などもそうですが、狭義では、染色体に異常がないかを調べる検査となります。
比較的頻度の多い染色体異常としてはダウン症(21トリソミー)が知られています。高齢出産になるとダウン症発症の確率が高まると報告されています。
初期に行われる出生前診断には、
・血清マーカー
・羊水検査
・絨毛検査
・新型出生前検査
などがあります。
検査により始められる週数が違っていますが、検査を行うまえにカウンセリングを受けて、本当に検査を受けるかどうかを考える必要がありますので、10週くらいの時期くらいから考えてみるといいかもしれません。
比較的早期から受けられる検査は絨毛検査と新型出生前検査になります。この2種類の検査について詳しく見ていきましょう。
絨毛検査|精度が高く、妊娠11週目から可能
お腹に注射針をさして赤ちゃんの胎盤になる前の絨毛を採取し、その細胞の染色体を検査する方法です。精度は99.9%ととても高いですが、約1%の流産のリスクがあります。
検査が可能な時期は妊娠11~15週で、結果が出るまでに2週間かかります。胎盤モザイクという判断が難しい結果がでてしまうことも稀にあります。
似た検査に羊水検査がありますが、羊水検査よりもより高度な手技が必要になるので、実施できる医療機関は少なく、費用は約15~20万円ほどになるようです。
新型出生前検査|血液採取で判定、妊娠10週目から可能
こちらは採血をして、お母さんの血液中の遺伝子から赤ちゃんの染色体や遺伝子を検査する方法です。陰性と出た場合の精度は高いですが、陽性と出た場合には診断を確定されるわけではないので、羊水検査などが必要になります。採血なので流産のリスクはありません。
ですが、こちらの検査は現在日本では臨床研究という位置づけにあるため、下記の条件のいずれかに当てはまらなければ受けることはできません。
・出産予定日に妊婦が35歳以上であること
・以前、染色体疾患(ダウン症、18トリソミー、13トリソミーのいずれか) に罹患した赤ちゃんを妊娠、分娩したことがある場合
・赤ちゃんが染色体疾患(ダウン症、18トリソミー、13トリソミーのいずれか)にかかっている可能性を他の検査で指摘された場合
また、この新型出生前検査を受けられる病院は限られていて、全国で60施設ほどです。近くの病院で検査ができるか問い合わせる必要があります。
検査が可能な時期は妊娠10~18週です。医療機関によって異なりますが、結果が出るまでに1~2週間程かかり、費用は15万~21万となります。
検査を受ける?受けない?迷ったら遺伝相談外来の利用も
新型出生前検査によってわかる病気は現在の医療では根本的には治すことができない病気です。結果をどう受け止め、どう対応するか、ご両親を悩ませることもあり、任意の検査です。
検査のこと、病気のことをよく知ったうえで検査をすすめていく必要があります。検査を受けるかどうかまよっている段階でも遺伝相談外来などで相談することはできますので、医師に相談してください。
この時期にしておくべきことは?
つわりが落ち着いたらマタニティ用品を準備しよう
だんだんと妊婦らしい身体つきになり始め、今まで着けていた下着や洋服だと不便になってくることもあるでしょう。
つわりがある方は、少し落ち着いた頃からでもマタニティ用品を準備し始めるといいですよ。妊娠初期からあると良いアイテムをご紹介します。
用意しておくと良いアイテム
・マタニティ用ブラジャー
これからどんどん胸が大きくなるので、それも考慮したサイズを選びましょう。初めは専門店でサイズを測ってもらうことをおすすめします。
授乳用として使えるものを購入しておけば、産後も長く使えますよ。
・マタニティショーツ
お腹が少しふっくらしてきて、普通のショーツだと締め付けが苦しくなるかもしれません。大きなショーツには抵抗があるかもしれませんが、お腹の冷えも防げるので良いですよ。
・マタニティ服
パンツやスカートもだんだん苦しくなってきます。専用のマタニティボトムをいくつか持っておくと大変重宝します。普通の洋服のワンサイズ大きいもので対応しても良いかもしれません。
・妊娠線防止クリーム
妊娠線とは、お腹が大きくなることで皮膚が伸び、それについていけず表皮の下にある真皮が裂けてしまうことで現れます。
この妊娠線、できる人できない人がいますが一度できてしまうとなかなかきれいに消えないのです。
なので、お腹が大きくなり始める妊娠初期から早めのケアをしていくことが大切です。保湿にもなるので乾燥してかゆみが出る時にも良いですよ。
妊娠届出書を提出しよう
病院で妊娠の診断を受け、出産予定日も確認できたら、お住まいの自治体の窓口に「妊娠届出書」を出しましょう。多くの場合、妊娠の診断を受けた医療機関で「妊娠届出書」をもらえます。
「妊娠届出書」を提出すると、母子健康手帳と共に妊婦健診を公費の補助で受けられる受診券や子育てハンドブックなどが入った「母と子の保健バッグ」を受け取ることができます。
また、保健師への相談や両親学級・母親学級、情報提供などのさまざまな母子保健サービスも受けることができます。
妊娠期を安全にそして安心して過ごすためにも、妊娠届出書は妊娠が確定したら、できるだけ早めに提出しましょう。厚生労働省では妊娠11週までの提出を推奨しています。
この時期に気を付けることは?
喫煙|流産や早産のリスク、母体にも赤ちゃんにも悪影響

赤ちゃんがやっと胎児になったこの頃は、赤ちゃんの身体の形成や成長にとってとても大切な時期です。また、流産の危険が最も高い時期でもあるので十分に気をつけましょう。
妊娠をしたらしてはいけないこと、それは喫煙です。どんなにそれまで好きであっても、お腹の赤ちゃんそして母体のためにもやめましょう。
妊娠中の喫煙は、流産・早産を引き起こしやすいですし、赤ちゃんの発達にも影響が出ます。また、無事生まれたとしても、乳幼児突然死症候群のリスクが高まります。
また、ママ自身の喫煙でなくても家族の誰かが喫煙していると副流煙の影響も大きいです。禁煙は辛いことかもしれませんが、家族にとっても自分の身体のためにも良いことなので、ご家族にも頑張ってもらいたいところです。
妊娠初期の旅行|不安定な時期は体調が良くても避けた方が無難
冒頭にも書きましたが、まだまだ不安定なこの時期、旅行を楽しむことはできるのでしょうか?
早産・流産の危険がなく、体調も良ければ問題ないかもしれませんが、こればかりは自己責任になります。
飛行機のような狭い空間での長時間移動など、想像以上に身体に負担がかかります。特に、妊娠中は血栓ができやすくエコノミー症候群にもなりやすいです。
また、海外や慣れない場所でもし何かあった場合、医療のシステムが異なっていたりすることもあるので心配でもあります。
旅行に限らず、妊娠中の無理な行動はなるべく控えた方が無難です。帰省などで、どうしても長距離の移動が必要な場合は一度医師に相談してみましょう。
カフェイン・アルコールの摂取|ノンカフェイン、ノンアルコール飲料がおすすめ
カフェインやアルコールが好きな方は、気になりますよね。カフェインやアルコールは、胎盤を通じて胎児に移行していきます。
多量の摂取でなければ大きな影響はないようですが、やはり控える方が安心でしょう。ノンカフェイン、ノンアルコールドリンクも豊富なので、しばらくはそちらで楽しむと良いですよ。
パパはなにをしてあげたらいい?
つわりで辛い時、パパにしてほしいこと

妊娠初期のつわり、症状は人それぞれです。匂いに敏感であったり、何も食べられなかったり、とても眠かったり...。
よくドラマであるような、”思わずトイレに駆け込み嘔吐する”だけがつわりではないのです。まずは、ママがどんな症状なのか理解してあげましょう。
そして、匂いに敏感であれば匂いのきついものは近付けないなど気をつけましょう。飲み会帰りのタバコ臭さやお酒臭さも結構きついので気を遣ってあげると良いですよ。
また、しんどくて横になってばかりいるように見えるママを責めてしまうのは禁物です!パパもお仕事の疲れもあるので気持ちは分からなくないですが、お腹に2人の大切な命を抱え様々な変化と戦っているので理解してあげると、ママも安心します。
簡単な食事の用意や家事など、様子を見てできることからお手伝いをしてあげても良いかもしれません。
体験談:パパにしてもらってうれしかったこと|掃除、洗濯、食事の後片付けなど

体験談:パパにしてもらってうれしかったこと|励ましのメール

体験談:パパにしてもらってうれしかったこと|食料の買い出し

タバコを吸っているパパにできること
赤ちゃんの成長にとって、タバコの煙は悪影響です。また、つわり中のママにとってもタバコのにおいは辛いものです。
いきなり禁煙が難しければ、まずは離れた場所で吸うなどママと赤ちゃんにタバコの影響が出ないように気をつけることが大切です。
ですが、離れた場所で吸っても煙は体に付いてきてしまうとも言います。換気扇の下で吸っても意味がないそうです。
1番良いのは、やはり禁煙することです。禁煙外来は保険内診療なので、通いやすいですよ。
タバコをやめるのはとても辛抱がいることですが、パパの身体にとっても良いので、頑張っているママと赤ちゃんと一緒にチャレンジしてみることをおすすめします。
まとめ
妊娠10週のママ、赤ちゃんの様子や生活についてお伝えしました。
つわりが辛い時期でもありますが、お腹がふっくらし始めたり赤ちゃんの心音が聞こえたりすると、ママになった喜びでいっぱいになり幸せになりますよ。
辛い時は、パパや家族の手助けも借りながら出産まで過ごしていきましょう。赤ちゃんと出会えた時の喜びや感動は何にも変えられないほどです!貴重な妊婦生活を楽しみましょうね。
(文書作成:あきゆきんこ)
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