紫外線対策はなぜ必要?
年間を通して影響を受けるから
最近では、日焼けを防ぐために紫外線対策をすることの重要性が注目されています。
紫外線対策というと夏の暑い時期にするものだと思われがちですが、紫外線は1年中降り注いでいるんですよ。
紫外線の中でもシミやそばかす、日焼けの原因となるUV-Bは、春頃から初秋にかけてとくに強くなるといわれています。
また、晴れている日以外は紫外線対策をすることを忘れてしまいがちですが、薄い雲ではUV-Bの80%以上が透過するといわれています。
季節や天候に関わらず、年間を通してしっかりと紫外線対策をすることが大切ですよ。
浴び過ぎると悪影響も
紫外線を浴び過ぎると、紫外線から肌を守るためにメラニンが生成されます。
メラニンは紫外線から肌を守るために非常に重要な役割をもっていますが、紫外線の浴び過ぎでメラニンが多く作られてしまうと、肌が黒く日焼けしたり、シミができたりする原因となります。
また、シミだけではなく、シワやたるみなどの肌の老化も紫外線の影響が大きいことが最近では分かってきました(光老化)。
それだけではなく、紫外線を浴び過ぎると皮膚がん(悪性腫瘍)や白内障の原因になることもあります。
美容だけではなく健康面にも影響を及ぼしてしまうので、そのような病気を予防するためにも対策をしっかりとしておく必要があります。
妊娠中の体と紫外線の関係
紫外線の影響を受けやすい
妊娠中や産後にシミが増えたという話をよく耳にしますが、それにはどのような理由があるのでしょうか。
妊娠中はホルモンバランスの大きな変化により、肌が紫外線の影響を受けやすい状態となるためです。
妊娠によって増えるホルモンであるプロゲステロンがメラノサイトを刺激するといわれています。
そのため、妊娠中は妊娠していなかったときよりも、メラニンをつくりやすい肌の状態となってしまい、シミやそばかすができやすくなってしまうのです。
また、妊娠中はシミだけではなく、肌が敏感になって肌荒れもしやすくなります。
少しでも肌の負担を減らしてあげるため、紫外線の予防が重要です。
過度の紫外線対策はNG
妊娠中に紫外線を対策することはもちろん大切ですが、過度な紫外線対策にならないよう気をつけましょう。
ビタミンDの生成が減ってしまい、産まれてくる赤ちゃんにビタミンD欠乏症の症状が出てしまうことがあります。
ビタミンDには、腸からのカルシウムの吸収をよくする働きがあるのですが、ビタミンDが不足するとカルシウムをうまく吸収することができません。
カルシウム不足となり骨に悪い影響が出てしまうこともあります。
人間に必要なビタミンDは食事と日光の両方から得ることができるため、適度に紫外線を浴びることと、食事からビタミンDをしっかり摂取することが、妊娠中は重要になります。
妊娠中の紫外線対策 気をつけるポイントは?
時間や日陰を選んで外出する
1日のうちでも時間帯によって紫外線の量は大きく異なります。とくに正午をはさむ数時間(午前10時~午後2時)は紫外線量がとても強いといわれています。
そのため、この時間帯を避けて外で活動するように心掛けるようにするだけでも紫外線の浴びすぎを防ぐことにつながります。
また、日陰は日向に比べて紫外線の量が50%になるため、紫外線が強い時期や時間帯に外出するときにはなるべく日陰で過ごすようにすると紫外線量を減らすことができます。
日焼け止めを塗る
妊娠中は肌が敏感になっていることがあるので、妊娠前に使っていた日焼け止めでも急に肌に合わなくなることがあります。そのため、まずは少量を塗って肌荒れなどしないかを確認してから使うようにしましょう。
また、日焼け止めの成分には紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。
紫外線吸収剤は肌への刺激が強いことがあるので、できたら紫外線散乱剤を使用した日焼け止めを使用する方が安心です。
スプレータイプやミストタイプの日焼け止めは手軽で使いやすいですが、吸い込んで体内に入ってしまう可能性があるので、念のために控えた方がいいでしょう。
肌の露出を少なくする
帽子やアームカバー、日傘などを活用して肌の露出を少なくすることで紫外線を防ぐことができます。
日差しの強い日には頭皮も日焼けをするので、頭皮を紫外線から守るために、日焼け止めだけでなく、日傘や帽子を活用しましょう。
また、紫外線は目からも入ってきます。紫外線が強い時期にはサングラスを使用することで防ぐことができます。
まとめ
妊娠中は、肌に優しい日焼け止めを使ったり紫外線対策グッズを使ったりしながら、無理のない範囲で紫外線対策をおこなっていきましょう。(執筆:保健師)
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。