目次
- ▼いわさきちひろってどんなひと?
- ▼いわさきちひろの代表作は?
- ▼いわさきちひろの絵本のおすすめをご紹介します
- ▼【1】あめのひの おるすばん (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
- ▼【2】ことりの くるひ (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
- ▼【3】戦火のなかの子どもたち (創作絵本 14)|岩崎 ちひろ
- ▼【4】ゆきのひの たんじょうび (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
- ▼【5】あかちゃんの くるひ (至光社ブッククラブ国際版絵本)|岩崎 ちひろ
- ▼【6】ぽちのきたうみ (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
- ▼【7】となりに きたこ (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
- ▼【8】おふろでちゃぷちゃぷ (松谷みよ子 あかちゃんの本)|著・松谷みよ子 絵・いわさき ちひろ
- ▼【9】つるの おんがえし (いわさきちひろの絵本)|著・松谷みよ子 絵・いわさき ちひろ
- ▼【10】心にパシャッ (ちひろ美術館コレクション絵本)|著・ゆうき まさこ 絵・いわさき ちひろ
- ▼いわさきちひろの紙芝居のおすすめをご紹介します
- ▼【1】紙芝居 おかあさんのはなし (世界のおはなし傑作選)|著・稲庭 桂子 絵・いわさき ちひろ
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- ▼まとめ
いわさきちひろってどんなひと?
やさしい水彩画のタッチが人々の心をつかむ
いわさきちひろさんは、もともとは油絵も描いていたものの、1960年代からは水彩画だけを描くようになり、そののちに絵本の制作もはじめました。
1968年に初めて自分で文章とイラストの両方を手掛けた「あめのひのおるすばん」は、文章だけでなく絵でストーリーを語るという当時としては新しい手法の作品でした。
いわさきちひろさんの絵本の魅力は、なんといってもその繊細で美しい水彩絵の具で描かれたイラストです。色の濃淡や滲みを利用した優しくて幻想的なタッチは、絵本の枠をはるかに超えたスケールがあります。
「子どもの幸せと平和」をテーマにした作品のほとんどは文章が短い作品が多いですが、それはイラストで状況や感情などを巧みに表現できるからなのかもしれません。
いわさきちひろの代表作は?
松谷みよ子作品のほか、影響を受けたアンデルセン童話の挿絵など

いわさきちひろさんの代表作は、ひとりでおるすばんしている女の子の様子を描いた「あめのひの おるすばん」、小鳥をめぐる少女の感情の揺れを描いた「ことりの くるひ」、ベトナム戦争の犠牲になった子どもたちを描いた反戦の絵本「戦火のなかの子どもたち」などでしょう。
どの作品も派手な展開はないものの、子どもの繊細な感情の変化が、水彩画の濃淡のあるイラストで見事に描き出されています。
文字は少なめですが、その分イラストが多くを語っているので読みごたえたっぷりですよ。またいわさきちひろさんは自分の著書だけでなく、たくさんの作家の絵本で挿絵を担当しています。
その中で特に有名なのは松谷みよ子さんの「あかちゃんの本」シリーズの一つ「おふろでちゃぷちゃぷ」でしょう。また、アンデルセン童話に強い関心があったことから、アンデルセン童話や日本の昔ばなしの絵本の挿絵なども多数手がけています。
いわさきちひろの絵本のおすすめをご紹介します
【1】あめのひの おるすばん (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
ひとりでお留守番する心細さを描いた、絵と文で展開する当時珍しい作品

女の子が一人でおるすばんをしている様子が、美しい挿絵と詩のような短い文章で描かれています。おるすばんをしているときに感じるさみしさや、一人でいると見慣れているはずの家の物がなぜかよそよそしく感じる言いようのない不安感が、濃淡のある水彩画の挿絵に見事に描き出されています。
ママが帰ってきたときには、読んでいる自分までほっとしてしまいますよ。絵本画家として挿絵を多く手掛けていたいわさきちひろさんが初めて文章もご自身で書いた作品で、同時に彼女の代表作でもあります。
口コミ
・美しい絵が画集のようで、いつまでも手元に置いておきたい一冊です。
・個性的なタッチのイラストなので、子どもの印象に残る絵本になると思います。
・眺めているだけで穏やかな気持ちになれます。
【2】ことりの くるひ (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
ボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞した作品

小鳥が好きな女の子は、野鳥をむりやり捕まえようとする他の子どもの行動を悲しく思いながらも、いつか自分も小鳥を飼えたらいいなと願っていました。
そしてついに小鳥を家に迎え入れることになったものの、かごの中で元気のない小鳥の姿に胸を痛めます。そして小鳥を大空に放してあげた女の子に、素敵なことが起こりました。
短い文章で語られる物語は、挿絵のようで淡く透き通った空気に満ちています。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞した秀作です。
口コミ
・文章が少なく、小さい子どもにもおすすめです。美しいイラストなので部屋に飾っておきたいです。
・透明感あふれる内容とイラストで、いつまでも眺めていたくなります。
・あたたかいお話で、美しい言葉とイラストに癒されます。
【3】戦火のなかの子どもたち (創作絵本 14)|岩崎 ちひろ
戦争に巻き込まれた子どもたちを描く、いわさきちひろ最後の作品

ベトナム戦争で亡くなり傷ついたたくさんの子どもたちに思いを馳せて描かれた作品です。モノトーン調の物悲しい子どもたちの姿とその子どもたちの底なしに暗い瞳が、戦争の不条理さややりきれなさを表していて、見ていると心がつぶれそうになります。
第二次世界大戦を経験している作者のとてつもなく強い反戦への思いが、ページをめくるたびに切ないくらいに伝わってきます。ライプチヒ国際書籍展銅賞を受賞したこちらの作品は、いわさきちひろさん最後の絵本となりました。
口コミ
・悲しそうな表情の子どもの姿がとても印象的です。
・穏やかな色彩で描かれた他の作品とは異なり、哀しさと静かな力強さを感じます。
・何度見ても感動する作品です。
【4】ゆきのひの たんじょうび (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
誕生日をめぐる女の子の揺れ動く気持ちを描いた物語

5歳の誕生日を明日に控えたちいちゃんは友達の誕生日会に行くのですが、ケーキが出てきたときに大きな失敗をしてしまいます。
悪いことをしたと分かっているのになぜか出てこない「ごめんね」の一言。どうにもできない感情の波にむくれてしまったちいちゃんがお星さまにするお願いに心が揺さぶられます。
まだ幼いちいちゃんを許し受け入れてくれる家族や友達の姿があたたかくてほっとしますよ。各ページの挿絵の色は、まるでちいちゃんの気持ちとリンクしているようです。いわさきさんは繊細な女の子の気持ちまでを丁寧に描き出しています。
口コミ
・1973年に出版された絵本ですが、今になって読んでも色あせることがない素敵な絵本です。
・周りの子どもと関わりを持ち始める未就学児の子どもにおすすめです。
・淡い色合いなのに女の子の表情が細かく丁寧に表現されています。
【5】あかちゃんの くるひ (至光社ブッククラブ国際版絵本)|岩崎 ちひろ
子どもが生まれてお姉ちゃんになった女の子の葛藤

女の子はお母さんが病院から赤ちゃんを連れて帰ってくるのを待っています。お姉ちゃんになったことがうれしくもあり、でもちょっと不安でもある気持ちの揺れが美しく描かれています。
お姉ちゃんのまだ見ぬ弟への不器用な愛情を感じる、心温まる作品です。そして同時に新しい命を迎えるということは、とても神秘的で心躍ることなんだということを再確認させてくれます。
これからお姉ちゃんやお兄ちゃんになる子どもがいる家庭に特におすすめです。
口コミ
・ついにお姉ちゃんになる女の子の気持ちが淡い水彩画から伝わってきます。
・子どもへの愛を再認識させられる一冊です。
・女の子が赤ちゃんに向けた優しい表情に心打たれます。
【6】ぽちのきたうみ (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
海に来て楽しい気持ちとポチに会いたい気持ち

夏休みに海の近くのおばあちゃんの家に行くことになって喜んだちいちゃんでしたが、仲良しの犬のポチはいっしょに行けないと聞いて落ち込みます。
美しい海を見てもどうしてもポチのことが気になってしまうちいちゃんは、ポチにあてた手紙を書きます。ちいちゃんの優しい気持ちに導かれるように訪れたうれしいラストに、思わず笑顔になってしまいますよ。
大切な友達と一緒だと、楽しみが何倍にもふくらみますよね。
口コミ
・心が和むお話です。子どもから大人まで性別、年齢問わず読んでほしい絵本です。
・自分の子どもの頃を思い出して懐かしくなりました。
・ちいちゃんが書いた手紙から伝わるぽちへの思いがとても微笑ましいです。
【7】となりに きたこ (至光社国際版絵本)|岩崎 ちひろ
友達になりたいのになかなか踏み出せない

女の子の家の隣に、ちょっとやんちゃそうな男の子が引っ越してきました。お互い相手のことが気になるのになかなか距離を縮めることができない2人の気持ちが、それぞれの視点から見事に描かれています。
小さいころに良く感じた、友達になりたいのになれないというくすぐったくてもどかしい感情が心の中によみがえります。ちょっとのきっかけや勇気で案外すんなり友達になれるもんなんだよと、優しく子どもたちに語りかけてくれているような気がしますよ。
口コミ
・子どもたちの繊細な気持ちが淡いイラストから伝わってきます。
・大人が読むと、子どものときの懐かしい気持ちがよみがえるようです。
・どの年代の人が読んでも心があたたまるお話だと思います。
【8】おふろでちゃぷちゃぷ (松谷みよ子 あかちゃんの本)|著・松谷みよ子 絵・いわさき ちひろ
童心社の人気絵本「あかちゃんの本」シリーズ

「いないいないばあ」や「いいおかお」などで知られる松谷みよ子さんの、あかちゃんの本シリーズの中の1作品です。いわさきちひろさんが挿絵を担当したこちらは、男の子があひるちゃんとお風呂に入るというストーリーです。
いわさきちひろさんの描き出す、丸くて柔らかそうで小さな子どもの肌を見ていると、自然と優しい気持ちになりますよ。あかちゃんのファーストブックにぴったりなので、出産祝いや誕生日プレゼントなどにもおすすめです。
お風呂の楽しさを教えてくれる一冊ですよ。
口コミ
・子どもがズボンやセーター、パンツなど、洋服の種類をこの絵本のおかげで覚えることができました。
・かわいらしいお話で、読んでいる方も楽しい気持ちになれます。
・文章は少ないので、絵本に慣れていない赤ちゃんにもおすすめです。
【9】つるの おんがえし (いわさきちひろの絵本)|著・松谷みよ子 絵・いわさき ちひろ
切ない民話にぴったりの挿絵

日本昔話の定番「つるのおんがえし」の、松谷みよ子さんによる再話です。いわさきちひろさんはこちらの絵本のように、日本の昔話やアンデルセン童話の挿絵もたくさん描かれています。
このお話が持つせつなくて悲しい世界観が、いわさきちひろさんの絵の具で濃淡をつけた幻想的な絵で見事に表現されています。
みんなが知っているお話だからこそ、本当にいい絵本で読み聞かせてあげたいですよね。松谷みよ子さんといわさき ちひろさんの描いた作品には、ほかに「いっすんぼうし」もあります。
口コミ
・3歳の子どもが気に入ったようで、何回も読みたがります。
・いわさきちひろさんの美しい絵は日本の民話にぴったりです。
・表紙の絵がとても素敵で思わず手に取りました。
【10】心にパシャッ (ちひろ美術館コレクション絵本)|著・ゆうき まさこ 絵・いわさき ちひろ
いわさきちひろさんの絵をたっぷりを味わえるしかけ絵本

ちひろ美術館コレクションには、いわさきちひろさんの作品のほか、世界中の約30カ国以上の国と地域から集めた画家の作品があり、ちひろ美術館に収蔵されています。こちらの絵本は、そのコレクションの中から生まれた絵本です。
気になる女の子がいる男の子は、心の中にあるカメラで季節の風景を切り取っていきます。いわさきちひろさんの作品では珍しいしかけ絵本になっています。美しい絵をたっぷり楽しみたいといういわさきちひろファンに特におすすめ。
子どももファインダーを覗いているかのように見えるしかけを楽しむことができますよ。
いわさきちひろの紙芝居のおすすめをご紹介します
【1】紙芝居 おかあさんのはなし (世界のおはなし傑作選)|著・稲庭 桂子 絵・いわさき ちひろ
母の力強い愛が伝わる作品

いつものいわさきちひろさんの絵とは異なる雰囲気のこちらの紙芝居は、稲庭桂子さんによるアンデルセン童話の再話です。
死神に連れて行かれてしまった息子を取り戻すため、おかあさんは全てを迷わず投げ捨てて死神のもとへ向かいます。ただただ力強い母の愛を感じる内容で、子どもに読み聞かせをするというよりは母親向けかもしれません。
アンデルセン童話とは全く異なる結末になっているので、ぜひ読み比べてみて下さいね。
口コミ
・とても感動的なお話です。
・いわさきちひろさんの絵の雰囲気がほかの絵本と全く異なり、興味深いです。
・読んでいる大人もついつい惹きこまれてしまいます。
(ご参考)コズレ会員の絵本お気に入りランキング・おすすめ診断もチェック!
(ご参考)Amazon・楽天の絵本人気ランキングもチェック!
Amazon・楽天の絵本人気ランキングは以下のリンクからご確認いただけます。お気に入りの絵本選びの参考にしてください。
まとめ
激動の人生を行き55歳の若さで亡くなったいわさきちひろさんですが、彼女が描くイラストはやわらかく繊細で何とも言えない優しさがあります。
イラストを通してこんなにもたくさんのメッセージを伝えてくれる絵本は他になかなかないのではないでしょうか。読み聞かせてあげていると、子どもと大人で物語から受ける印象が全然違うのではないかとも思います。
いわさきさんの絵本を読んだ時の心の中の柔らかいところを撫でられるような感覚を、ぜひ子どもと一緒に体験してみてくださいね。
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。