野菜嫌いはなぜ起きる?
野菜嫌いの理由

子どもが野菜嫌いになるのは何が原因なのでしょうか?
まず第一に考えられるのは味が嫌い、というシンプルな理由なのではないでしょうか。
ごはんやパンに多く含まれる炭水化物には甘味を感じ、お肉や魚に含まれるたんぱく質はうま味を感じることができます。
しかし、野菜に含まれる酸味や苦味、渋味といった独特の味を小さな子どもが受け入れるのは難しいかもしれませんね。
また、独特な香りや青臭さを感じることも多い野菜の「においの強さ」が苦手だといわれるお子さんも多いですね。
そして、歯が生えそろわない低年齢のお子さんは、奥歯ですりつぶすことができないので繊維の多い野菜が食べにくいことから、次第に野菜嫌いに発展してしまうこともあります。
その共通点は?
子どもが特に苦手だと感じる「苦味」のある物質は、毒性があることが多いことから本能的に小さな子どもが拒否をすることが多くあります。
また、子どもは薄い味を感じる力が強いので、大人に比べて味覚が敏感だと言われます。
大人があまり気にしていないちょっとした苦味や酸味を強く感じている可能性があるので、苦手な食べものが多く出てきているのです。
甘い味や旨味といった分かりやすい味は子どもも受け入れることが簡単ですが、酸味や苦味、噛むほどにおいしい、分かりにくい大人の味は経験を積んでいって初めておいしいと感じられるようになっていくのです。
野菜嫌いは克服できる?
食べ方を工夫する

調理方法や味付けを少しだけ変えてみるだけで、野菜嫌いを克服することができますよ。
もう、見た目から苦手!見るのも嫌!というお子さんは、野菜をすりおろしてみたり、細かく刻んで見た目の抵抗をなくしてみましょう。
また、ピーラーなどを使って薄いリボン状にしてみるのも効果的ですよ。
まずは食べやすい大きさや見た目にしてみると「食べてみよう」という意欲につながります。
調理方法は「生・焼く・炒める・煮る・揚げる」と様々です。いろいろな調理方法を組み合わせてみると料理のバリエーションも広がりますよ。
一方で、野菜そのものの味が苦手!という場合は味付けを工夫してみましょう。
苦味や青臭さのある野菜はオイスターソースやケチャップといった甘味や旨味の強いものを使うと食べやすくなります。また、野菜だけの組み合わせではなくお肉や魚と一緒に調理することでより食べやすくなりますよ。
野菜のことを知ってみる
「食育」という言葉、みなさんもよく聞いておられるのではないでしょうか?
小さいうちから食に関する知識や食を選択する力を育てよう、というのが大きな目的となっています。
そこで、幼稚園や保育園でさかんに行われているのが「野菜の栽培活動」です。
特にミニトマトやピーマン、なすびといった夏野菜は栽培時期も短く、子どもが自分でお世話するのにはもってこいの食材です。
庭や畑がなくても、プランターや牛乳パックを使って家庭でミニにんじんのようなミニ野菜を育てるのもおすすめです。
自分で育てて自分で収穫するという経験は何にもまさる「おいしい」と感じる調味料になりますね。
お手伝いを通して自分で作った気持ちをはぐくむ

また、野菜を題材にした絵本も多く出版されていますね。
いつの時代も子どもに嫌われてしまうピーマンが主人公の「グリーンマントのピーマンマン」やインパクトの大きな「トマトさん」、一歳のお子さんからも楽しめる「にんじん」など、絵本の読み聞かせをしてからごはんを食べてみるのも良いでしょう。
毎日の調理のお手伝いをすることも野菜を知ることにつながりますよ。
難しい準備は必要ありません、玉ねぎの皮むき、ピーマンの種とり、しめじをほぐすなど、小さいころから野菜に触れると興味や関心を育てることにつながりますね。
「今日は皮むきしてくれた玉ねぎが入ってるよ!」と声をかけながらごはんを一緒に食べてみてください。
タイミングを変えて出してみる
一度食べなかったからといって、この先もずっと食べないわけではないので、タイミングを変えて出してみても良いかもしれません。体の大きさが変わっていくように、味覚も大人になるにしたがって変わっていきます。
味覚の幅が広がったことで、子どものころは食べられなかったものも、大人になって食べられるようになったと感じておられる方も多いのではないでしょうか?
大事なポイントは食卓にその苦手な食材を並べることを止めないことです。子どもが苦手だから、とついつい敬遠してしまうこともあるかもしれませんが、大人が美味しそうな顔をして食べていると、子どもも「ちょっと食べてみようかな?」と思うことがあります。そうして少しずつ色々な食材に触れていくのも大切なことですね。
どうしても野菜を食べない場合はどうする?
代わりになる食べ物はあるの?
そうはいっても、野菜を食べないことが気になる場合はどうしたらいいのでしょうか。
例えば、なすびが苦手で食べられないなら、他にB-カロテンや葉酸を含むにんじん、ブロッコリー、ほうれん草を食べる。
れんこんのようにビタミンCを多く含むものは、野菜以外にも果物を食べる、といった具合に食材にこだわらず他に食べられる野菜や果物を食べるのも良いでしょう。
ただ残念ながら、まったく同じ種類や量の栄養素を含むものはありません。
それを知った上で他の野菜でカロテンやビタミン、葉酸を補いながら無理なく子どものペースで野菜を食べられるように見守っていくのも良いですね。
ちなみに、野菜や果物以外の食品でも納豆やのり、わかめはビタミンKを多く含む食材として知られています。少し意外に感じますよね。
野菜ギライな子でも食べやすい、野菜を使ったレシピ5選!
【野菜嫌い克服★】野菜かさましミートソース レシピ・作り方

【材料】
スパゲッティ 100g~400g
トマト缶(ダイス、ホールどちらでもOK) 1缶
玉ねぎ 小1個
にんじん 1/3本
しめじ1/4株
豚ミンチ(合挽肉でもOK) 100g
オリーブオイス 大さじ1
砂糖 大さじ1
ケチャップ 大さじ3
コンソメ(固形もしくは顆粒)1個または大さじ1/2
中濃ソース 大さじ2
塩コショウ 少々
カレー粉 小さじ1
水100cc
【作り方】
①野菜はフードプロセッサーにかけるか、包丁で小さくみじん切りにする
②深めのフライパンか鍋に油をひき、お肉を炒める
③肉に火が通ってきたら、みじん切りにした野菜を加える
④野菜がしんなりしてきたらトマト缶をつぶしながら入れ、その他の調味料をすべて加えて中火で10分ほど煮込んでいく
⑤ときおりかき混ぜながら、最後に塩コショウで味をととのえる
⑥表示通りにゆでたスパゲッティにかけていただきましょう。
※小さく野菜を刻んだり、カレーを加えることで野菜が苦手なお子さんも食べやすくなります。またトマト缶は酸味が強いので砂糖を加えて甘味を加えてあります。他にも、なすやパプリカといった野菜を使うのもおすすめですよ。
肉野菜嫌いの為のマカロニグラタン++

【材料】(4人分)
マカロニ 50g
かぼちゃ 1/8個
小松菜 1/8束
たまねぎ 1/2個
ハム 4枚
牛乳 300cc
水 200cc
シチューミクス(顆粒) 大さじ2
片栗粉 大さじ1
バター 15g
塩コショウ 少々
溶けるチーズ お好みで
【作り方】
①かぼちゃは小さめに切り、小松菜、玉ねぎ、ハムはみじん切りにします
②フライパンにマカロニ、牛乳、水、シチューミクス、片栗粉、バター、①の野菜とハムを加えます
③混ぜながら20分ほど煮込み、味見をして薄いようなら塩コショウを加えて味をととのえます
④③を耐熱容器に入れ、チーズをかけトースターかオーブンで焦げ目がつくまで焼いたら出来上がりです。
※牛乳と甘いかぼちゃの相性は抜群です。市販のシチューミクスを使ったり、フライパン一つで手軽にできるのもうれしいですね。
野菜嫌いのお子様でもOK!野菜たっぷりカレー

【材料】(4人分)
玉ねぎ 大2個
にんにく 1片
セロリ 1本
にんじん 1本
トマトピューレ
お肉(お好みのものを) 500g
油 大2
じゃがいも 2個
マイタケ 1/2
カレールウ(お子さまには甘口がおすすめです)
【作り方】
①油でニンニクを炒め、次にお肉を入れる
②玉ねぎ、セロリ、にんじんをフードプロセッサーにかけるか、包丁で細かく刻む
③鍋に②を加えて煮込んで、カレーは完成④お好みの野菜やキノコに油を振ってこんがり焼き、カレーのトッピングにする。
※細かく刻み、カレーと一緒にすることでいつもは苦手な野菜もたくさん食べてくれますよ。トッピングは卵やチーズにしてもOKです。
野菜嫌いさんに♫栄養たっぷり♫お野菜ポタージュ

【材料】4~5人分
大根 1/4本
にんじん 小1本
さつまいも 小1本
キャベツ 2.3枚
玉ねぎ 1/2個
水 100ml
顆粒コンソメ 大1
みりん 大2
牛乳 300ml
バター 15g
塩 少々
パセリ 少量
クルトン 少量
【作り方】
①キャベツはざく切りに、他の野菜とさつまいもは大きさをそろえてみじん切りにしておく
②鍋に①の食材と水、コンソメ、みりんを入れ、野菜にしっかり火が通るまで煮込む
③野菜が柔らかくなったら、ミキサーかフードプロセッサーに入れ、滑らかなペースト状になるまで撹拌する
④③を鍋に戻し火にかけ、木べらで混ぜながら牛乳を加えていく
⑤フツフツと煮立ってきたら、バターを加え、塩で味をととのえる
⑥パセリとクルトンをトッピングにして完成です。
※野菜をしっかり柔らかく煮込んでからペースト状にすることで、舌触りの滑らかなスープになります。さつまいもの甘味が感じられ、野菜苦手なお子さんでも楽しめる食物繊維たっぷりのスープになっていますよ。
野菜嫌いの娘がぺろり!簡単にんじんパン

【材料】8個分(2人分)
強力粉 160g
すりおろしにんじん 90g
無縁バター 20g
牛乳 30g
砂糖 20g
塩 2g
ドライイースト(予備発酵不要タイプ) 4g
【作り方】
①耐熱ボウルに牛乳、無縁バター、砂糖を入れラップをせずに600w30秒加熱する
②泡立て器でよく混ぜてバターを溶かし40℃以下にする
③ドライイーストを加えてしっかり混ぜる(ここでしっかり溶かしておかないと出来上がったときに匂いが気になります)
④強力粉の半分を加えて混ぜる
⑤残りの強力粉、塩、すりおろしたにんじんを加えてしっかり混ぜて、こねる
⑥生地がまとまったら、ラップをしてレンジで1次発酵(発酵機能:40℃7分)
⑦発酵が終わったら8等分にして丸めながら形を整え、固く絞った布巾をおあけて10分ほど休ませる
⑧レンジで2次発酵する(発酵機能:40℃15分)発酵が終わったら予熱なし190℃15~20分オーブンで焼き上げる。
※すりおろしたにんじんの甘さが程よく、子どもも喜んで食べてくれますよ!形成を一緒にすると、もっとよろこんで食べてくれると思います。
まとめ
子どもの成長は個人差があり、親としては心配になるあまり、つい口を出してしまうことも多くありますよね。それは子どもの将来を思えばこそ、親の愛情なのだと思います。
野菜嫌いも同じように、体にいいから食べてほしい、給食に嫌いなものが出たらどうしよう、そんな風に心配に思われるのではないでしょうか。
残念ながら一瞬で野菜を好きにする魔法はありません、まずは食事が楽しいと思える時間にしていくことが大切です。
いつもと雰囲気を変えて庭で食事を食べてみたり、調理のお手伝いをしてみたり、調理が難しかったら、一緒に買い物でも良いでしょう「にんじん、取ってきてくれる?」と頼んでみてはいかがでしょうか。
いつもは食べにくいにんじんも、自分が選んだにんじんは特別なものになるでしょう。そして、大人も一緒に目の前で「おいしいね」と言いながら食事をとることで、子どもも真似をするようになります。
小さいうちは、食事を楽しむことを第一に、そしていろいろなことが分かるような年齢になったら、次は野菜は体にいいから食べたほうがいい、好き嫌いしないほうがいい、という理解の仕方に成長していきます。
ぜひ、お子さんのペースに合わせた野菜との付き合いかたをしてみてくださいね。(監修:栄養士)
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。