年子とは
年子とは

普段あまり意識することなく使っているこの「年子」という言葉ですが、実際には何ヶ月差までを年子と呼ぶのでしょうか?
辞書で引くと、「同じ母親から年ごとに続いて生まれた一つ違いの子ども」とあります。例えば、上の子が2016年生まれで、下の子が2017年生まれ、というような場合です。
ただし、日本の学年は4月~3月の周期で区切られていますから、下の子が早生まれ(1月~3月生まれ)の場合は、生まれ年が2年違っていても学年は一年違いになることがあります。
この場合も、一般的に年子と呼ばれます。ちなみに上の子が4月生まれの場合、下の子を23ヶ月以内に出産すれば学年が一つ違いの年子になります。
逆に上の子が3月生まれの場合、下の子を12ヶ月以内に産まないと年子にはなりません。また、上の子が4月~6月生まれの場合、出産後すぐに妊娠すると年子で同じ学年になる可能性があります。
年子妊娠のメリット
年子妊娠のメリットは、何と言っても「妊娠自体が記憶に新しい」ということではないでしょうか。
妊娠には不安がつきものですが、年子の場合はついこの前体験したばかりなので、身体の変化などにも余裕を持って対処することができます。
また、妊娠から出産までの流れがわかっているので、最初の妊娠のときほど戸惑うこともありません。
更に母体への負担という意味では、きょうだいで大きく年数が空くよりも、意外と軽いこともあります。身体がまだ妊婦モードに近いので、最初の妊娠時ほど辛く感じることが少ないでしょう。
年子妊娠の場合、上の子が2歳のイヤイヤ期に突入する前に、一番大変なつわりの時期を乗り切ってしまえるので、体力的には意外と楽かもしれません。
上の子が大きくなってからの妊娠は、保育園や幼稚園の送り迎え、他のママさん達とのおつきあいなど、身だしなみに気をつけなければならない機会も多く、家で一日パジャマで過ごすということが難しくなってきます。
その点、年子妊娠では多少だらしなくしていても誰にも会わずに済みますから、気が楽なのではないでしょうか。
仕事をしているママさんにとっては、一度職場に戻ってからまた産休に入るよりも一人目の育休中に2人目の産休に入る方が、精神的な負担が少ないということもあります。
更に仕事復帰の際には、2人同時に保育園に行くことになり、優先的に受け入れてくれる地域もあります。
年子妊娠のリスク
上の子を帝王切開で出産している場合、年子妊娠では非常に低い確率ですが子宮破裂の危険が伴います。
これは、子宮の筋層にできた傷がまだ完全に治らないうちに、子宮がまた大きくなり始めるからです。
この場合、子宮が陣痛に耐えられるかどうかが心配されるので、予定日前に帝王切開を行うのが一般的です。
また、上の子を普通に分娩した場合でも、子宮を支える筋肉や子宮の周りの筋肉(骨盤底筋)がまだ完全に回復しないうちに次の妊娠をすることになるので、将来的に頻尿や子宮脱のリスクが上がります。
ただしこれは、妊娠中や出産後の骨盤底筋運動でかなり改善することができます。
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上の子への接し方|抱っこや授乳はどうするの?
育児に変化はある?
妊娠中はつわりや眠気、疲れやすいなど不快な症状が現れやすくなります。そのため、今まで楽しくやってきた育児に対しても気持ちの上で変化が起こるかもしれません。
育児はただでさえ大変なのに、妊娠と同時となるとイライラするのも仕方のないことです。
また、1歳前後の赤ちゃんというのは何も分かっていないようでいて、ママに起きた変化を敏感に感じ取るものです。下の子を妊娠した途端、ぐずりや夜泣きが増えたというのはよく聞く話です。
気持ちに余裕がない中で上の子に優しく接するのは大変かもしれませんが、できるだけ気持ちをポジティブに持ち、一番辛い時期を乗り切りましょう。大変なのはあと数年です。
実際に下の子が生まれて、上の子と一緒に遊ぶようになれば育児はぐっと楽になります。一人っ子の育児よりも楽な面もありますし、子どももきょうだいから多くのことを学びます。
体験談:時間に追われるが、心は強くなった年子育児
poohkuniboさんからの体験談:
3ヶ月頃は上の子も首がすわるくらいだったので、毎日2.3時間起きの生活リズムでも、1日、1日が本当に新しい発見で私の場合はどっと疲れたりとかはありませんでした。
現在2児の母ですが、1人目の時は全てが初めての経験だったので、多少は不安がありましたが自分が堂々としていなくてどうやって我が子を守るんだという気持ちが自然と身について、その時その時に身を任せながら頑張ってました。
2人目を出産してからは、年子のせいか、とにかく毎日時間に追われる日々なので、落ち込みや不安というマイナスな気持ちは全くおきませんでした。
授乳はいつ止める?
「授乳を続けることが流産の原因になる」と思っているママ達は少なくありません。しかし、これは統計的には証明されていないのです。
では、なぜそのように信じられているかというと、分娩前の乳首への刺激はオキシトシンというホルモンの分泌を促し、これが子宮を収縮させるからです。
また、分娩後も赤ちゃんに授乳することでオキシトシンが分泌され、出産後の子宮収縮を助けます。これは全て人間の身体が自然に備えた合理的な機能です。
しかしこの現象はあくまでも分娩前後のことであって、妊娠初期には子宮収縮はおこりません。従って、流産の原因にもなりません。
下の子を妊娠した途端、流産が心配で無理に断乳するママ達がいます。でも、これは誰にとっても良いことではありません。
上の子はおっぱいを欲しがって泣きますし、ママ自身もつわりと重なって疲れきってしまいます。
最近では、下の子の妊娠中もずっと授乳を続け、出産後は2人同時に授乳する「タンデム授乳」という授乳方法も認識されてきています。
国際的にも多くのリサーチによって母乳の有益性が報告され、WHOは2歳までは母乳をあげ続けるように推奨しています。自然な形での卒乳を目指すなら、これも選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
年子妊娠、不安も苦労も多いことと思います。でも何といってもかわいい我が子がもう一人増えるわけですから、ポジティブに、楽しみに、家族みんなで力を合わせて乗り切って下さいね。
数年後には苦労が報われる時が必ずやってきますよ。
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