妊婦さんの年末年始の過ごし方|心がけたい3つのポイント

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予定を詰め込まない

たくさんのイベントや行事がある年末年始は、普段よりも忙しくなりがちです。遅くまでのイベントや長時間の外出などが増えるかもしれません。

しかし、詰め込みすぎは疲労やストレスを増やす原因となります。

・疲れを感じたら早めに休憩を取る
・イベント当日の前後はしっかり休む
・普段通りの睡眠リズムを崩さない
・リラックス日を作る
など、ゆとりをもって予定を組むようにしましょう。

運動不足に注意

気温が低い、雪道が心配などの理由で運動不足になりがちな時期ですが、適度な運動は妊娠期にとても重要です。

妊娠中の運動不足により、筋力の低下や体重の増加、高血圧などの生活習慣病のリスクが高くなる場合もあります。

妊娠中に運動することに不安を感じるママもいるかもしれませんが、妊娠中の健康維持のために全身を使った有酸素運動が推奨されています。ウォーキングやヨガなどがおすすめですよ。

ただし、妊娠中に運動を行う場合は必ず主治医と相談し、安全な範囲内で行うようにしましょう。

もしもに備える

妊娠中の安全を確保するために、以下の点を確認しておきましょう。

病院の診療時間

多くの病院で年末年始は診療時間が変更となります。

病院の休診日や診療時間は事前に病院のウェブサイトや受付で把握しておきましょう。

緊急時の対応策

年末年始はかかりつけの医療機関が休診の場合もあるため、緊急時の対策を考えておく必要があります。

症状が重い場合や何か問題が起きた時のため、
・心配ごとがあれば、事前に主治医へ相談する
・かかりつけ医療機関の非常番号や救急対応の情報を確認する
・近くの救急医療センターの場所を把握する

などの準備をしておくと安心です。

妊婦さんが大掃除をするときに気をつけたいこと

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体に負担をかけない掃除の仕方は?

年末の大掃除は新しい年を迎える前に気持ちを新たにし、清々しい気分で迎える素晴らしい習慣ですが、妊婦さんにとっては体調が最優先です。

体に負担をかけずに大掃除を行うために、次の5つを意識してみましょう。

1. 作業を分散させる

大掃除を1日で全て済ませようとせず、数日に分けて作業を行いましょう。毎日少しずつ進めることで、体への負担を減らすことができますよ。

キッチンの掃除やリビングの整理、寝室の片付けなど、部屋ごとに分けて取り組むのがおすすめです。最も優先度が高いと思う場所から手をつけていきましょう。

2. 小さな目標を定める

無理のない範囲で大掃除の「目標設定」をします。全ての部屋を一度で完璧に掃除することを目標にする必要はありません。

タスクを細かくし、簡単で短時間で終わるものを目標にしましょう。達成感が得られてやる気も高まります。

3. こまめに休憩をとる

掃除作業中は、体への負担を最小限にするために定期的に体を休めて水分補給をしましょう。

疲れを感じたら、無理をせずに休息を取るようにしてください。

4. ひとりでやろうとしない

大変だと感じたら、遠慮せずに家族や友人にお願いをしてみましょう。

特に、大物の移動や高い場所、滑りやすい場所の掃除などケガのリスクがある作業は他の人にお任せしたほうが安心です。

他に、家事代行サービスを利用する選択肢もあります。出産後に家事ができない時にも役立つので、この機会に利用を試してみるのもいいですね。

妊婦さんに不向きな掃除場所や掃除方法

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妊娠中は特に避けたほうがよい掃除があります。

1.換気が悪い場所での掃除


換気不良な場所での掃除を避けましょう。クローゼットの奥深くや窓の開かない場所は通気性が悪く、有害な薬剤や埃がたまりやすくなります。

このような場所は避けて、換気ができる場所での掃除を優先してください。

2.有害な薬剤を使った洗剤の使用

有害な薬剤や化学物質の使用を極力避けましょう。

強力な漂白剤や揮発性の溶剤の使用は控えて、
・環境に優しい無害な掃除用品を選ぶ
・手袋やマスクを着用する
などして自己保護を心がけてください。

3.高所作業や重い物の運搬


妊娠中の体はバランスが崩れやすく、ケガのリスクが高まります。高所での作業、重い家具や荷物の運搬作業は避けましょう。

このような作業が必要な場合は、家族や家事代行サービスにお願いする方が適切です。

ごちそうが多い年末年始、食事で気をつけたいこと

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年末年始の食事のとり方

妊娠中もおいしいおせちや特別なごちそうを楽しみたいですよね。とはいえ、おなかの赤ちゃんのために、安全で健康的な食事を心がけることを忘れてはいけません。

そこで妊娠中の年末年始の食事のとり方について、いくつかポイントをご紹介します。

1.生ものに気をつける


妊娠中は、生の魚や生肉、生卵を摂取する際に注意が必要です。

生ものには食中毒のリスクがあります。お刺身、寿司、タルタルソースなど十分に加熱調理されていない料理は避け、しっかりと火を通した食材を選ぶようにしましょう。

2.栄養バランスを考える

妊婦さんには特に栄養バランスが重要です。

タンパク質、葉酸、鉄分、カルシウムを豊富に含む料理を選び、お肉や魚、豆類などのさまざまな食材を組み合わせることを意識するようにしましょう。

3.食べ過ぎに注意


年末年始は家族や友人と楽しむ特別なひととき。普段食べないようなおいしそうな食材ばかりでつい食べ過ぎてしまうことも多いですよね。

ただ食べ過ぎは消化の際に体に負担をかけ、胃もたれや不快感を引き起こす可能性があります。妊婦さんは適量を意識した食事を楽しんでくださいね。

注意が必要な食材は?

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年末年始はおいしい料理が豊富ですが、妊婦さんは食材選びに特に気をつける必要があります。

そこで妊婦さんに注意が必要な食材と理由をご紹介していきます。

●生魚(お刺身)
寄生虫や食中毒のリスクがあります。妊婦さんは感染症や食中毒の影響を受けやすいため生魚は避けましょう。

特に水銀濃度の高いクジラ肉やマグロなどの魚は摂取する量に注意が必要です。

●生肉
食中毒の原因となる細菌が含まれている可能性があります。

ハンバーガー、タルタルステーキなど、生肉を含む料理は十分に加熱調理するよう心がけましょう。

●チーズ、生ハム、スモークサーモン
食中毒の原因となる細菌が含まれている可能性があります。これらを含む料理は十分に加熱調理するよう心がけましょう。

●生卵
サルモネラ菌が含まれている可能性があり、食中毒の原因になりえます。

生卵の使用は控え、十分に加熱されたものを食べるようにしましょう。

●高カロリーや塩分の強いもの
体重増加や高血圧など生活習慣病のリスクが高くなる場合があります。

お店で買える加工品やレストランでの外食であれば、パッケージの原材料表示やメニュー表に栄養成分が表示されていますので忘れずチェックしましょう。

●アルコール
おなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、妊婦さんは避けましょう。

●カフェイン
高濃度のカフェインは、低体重など赤ちゃんの成長を阻害する可能性が示唆されています。

とりすぎには注意が必要です。

おでかけや旅行、帰省時に気をつけたいこと

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外出時のチェックポイント

人の往来が多い年末年始ですので、妊婦さんは特に注意が必要になります。

安全なおでかけを楽しむためのポイントをご紹介します。

人が多く集まる場所は避ける

人混みや混雑した場所では、転んだり押されたりするリスクが発生します。

妊娠中の体はバランスが崩れやすいためできるだけ混雑を避け、静かで安全な場所を選びましょう。

感染症の予防対策をする

大勢の人が集まる場所は各種感染症のリスクが高くなりますので、マスクの着用と手洗いを徹底しましょう。

体を冷やさない

寒い季節である年末年始のおでかけは、体を暖かく保つことが重要です。

妊娠中は免疫力が低下するので、どうしても風邪を引きやすい傾向があります。マフラーや手袋を着用し、体温を適切に保ちましょう。

トイレと休憩スペースを確認する

頻繁にトイレに行くことがあるため、おでかけ先のトイレや休憩スペースの場所を事前に確認しておきましょう。

長時間の立ちっぱなしや歩き過ぎは疲労と体調不良を引き起こす原因となることも。外出中はこまめに休憩し、寒い時期でも水分補給も忘れずに脱水症状を防ぎましょう。

保険証と母子手帳を携帯する

緊急時のことを考えて、保険証や母子手帳、かかりつけ医療機関の連絡先などを携帯しましょう。

妊娠後期の方は、破水に備えて大きめのタオルを一緒に携帯しておくと安心です。

長距離移動や宿泊時のチェックポイント

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旅行や帰省などの際に、安全で快適な旅を楽しむためのポイントをいくつかご紹介していきます。

主治医の許可を取る


旅行や帰省の計画を立てる前に、まずはかかりつけの医師へ相談しましょう。妊娠状態やリスクを考慮して、必要なアドバイスをしてくれます。

快適さを優先する

移動手段を選ぶ際、妊婦さんの体調と快適さを考慮しましょう。

長時間の運転や飛行機のフライトは、脚のむくみ、疲労、体調不良を引き起こす可能性があります。できるだけ短い距離で移動し、定期的な休憩を取るようにしてくださいね。

飛行機を利用するときの注意

医師の診断書の提出が求められる妊娠期間があります。

航空会社によって対応が異なるため、事前に各航空会社のホームページなどでチェックしておきましょう。

緊急時の準備

万が一の緊急事態に備えて、宿泊場所近くの医療施設を確認しておきましょう。

また、病院や医療機関の連絡先を家族や知人に共有しておくなどの準備もしておくと安心です。

まとめ

おなかの赤ちゃんと過ごす年末年始。楽しみ半分、心配半分の妊婦さんもいらっしゃるかもしれませんね。

イベントや行事が多く忙しくなりがちな年末年始ですが、まずはのんびり過ごすことを意識してみてください。

こちらの記事を参考にして、おなかの赤ちゃんと過ごす特別な年末年始を迎えてくださいね。(執筆:保健師)

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