妊娠初期症状の腹痛 激痛や出血には注意
妊娠初期症状の腹痛 その原因は?

前項で、以下の痛みは順調な妊娠経過でも起こりうる、あまり心配のない痛みとご説明しました。
○チクチクとした痛み
○締め付けられるような痛み
○引っ張られるような痛み
○キュッとくるような痛み
これらの痛みは、赤ちゃんの成長に伴って子宮が急激に大きくなると感じる、と言われています。子宮は筋肉でできているため、急に引き伸ばされるとけいれんを起こしているような状態に。
またお腹だけでなく、足の付け根にも同じ痛みを感じることがあります。これは子宮を支えるじん帯が、子宮の伸びについていけなくなった時に生じる痛みであると言われています。
この他にも、便秘による痛みや、胃炎が腹部の近くで起きていると感じる痛みも、妊娠初期によく起こります。
体験談:妊娠初期症状の腹痛はいつから?その症状は?
shizuka03さんからの体験談:
4週頃に非常に強い腹痛がありました。トイレに行ったのですが、腹痛で冷汗が止まらなくなり、目の前も暗くなり、耐えていると、急に吐き気に襲われ、座った状態のまま嘔吐してしまいました。
救急車で運ばれ、結果的には虚血性大腸炎の疑いと言われ入院・絶食しました。数日後、CTを撮影するために念のため妊娠検査を行って、妊娠が発覚しました。
妊娠によるマイナートラブルだと判断され、退院することになりました。 しかし、退院後も吐き気がひどく、つわりにしては早くないかとも思われましたが、ほとんど食事が進まないくらいになりました。
妊娠初期症状の腹痛 生理痛との違い
妊娠初期症状の腹痛

一方で妊娠初期の腹痛は、先にも述べた通り子宮が大きくなろうと引き伸ばされることにより起こります。つまり、
生理痛→子宮の収縮
妊娠初期の腹痛→子宮の膨張
という、全く逆のメカニズムが原因となっているのです。ただし、お腹の中のことですので外から見えるわけでもなく、痛みを感じてもなかなか区別がつかないもの。妊娠初期には以下のような症状も現れますので、総合して考えるとよいでしょう。
○つわり(吐き気、過度の食欲など)
○風邪に似た症状(頭痛や微熱やだるさ)
○眠気
○胸のはり
○おりものの変化
○頻尿
○着床出血
普段の生理の時の症状と比べて、「いつもと違う」と感じたら妊娠の可能性も。妊娠検査薬を使用したり産院に相談したりしてみましょう。
対策や対処法
各種対処法

順調な妊娠経過で起こる腹痛は自然に治まるものが多く、特別な対策や対処をしなくても大丈夫なケースが多いです。
ただ、お腹が重力によって下に引っ張られると痛みが強くなりやすいので、立っている姿勢よりも横になってお腹の引っ張りを分散させた方が楽になるようです。
便秘による痛みの場合、水分や食物繊維、乳酸菌などを積極的に取ることで症状が和らぐことも。また体を軽く動かすと、血行がよくなり腸の動きも活発になります。
胃炎による痛みの場合は、大きくなる子宮に胃が圧迫され炎症を起こしやすくなっているので、消化に良い食べ物を取ったり白湯などで胃を温めたりすると効果的です。
いずれの痛みも、なかなか良くならないようなら産院に相談してみて下さい。薬の処方や栄養指導などで症状が改善することもありますよ。
体験談
monoiさんからの体験談:
軽度の頻尿になっていたのでトイレを我慢しないこと、外出の際はトイレの位置を把握しておくことなどに気をつけました。
また、夜のお風呂以外でも日中お股をシャワーしたり、頻繁に下着を取り替えて清潔を保つことを心がけました。おりものが出るようなときはナプキンを当てるなども。
10週のころ一度だけ酷い便秘になってしまったのですが、手持ちの市販の薬を飲もうかしばらく迷って産科に相談したところ、処方して下さった妊婦さん向けの薬が一日で効いて助かりました。もっと早く相談すれば良かったです。
トラブルが考えられる妊娠初期症状の腹痛
激痛や出血をともなう腹痛は注意

心配のない場合も多い妊娠期の腹痛ですが、注意したいのがトラブルに繋がるケース。激しい痛みや出血を伴う痛みの場合、次のようなトラブルの可能性が。
●流産、切迫流産
流産とは妊娠22週未満に妊娠が終了してしまうこと。切迫流産は流産しかかっている状態です。切迫流産の場合、適切な処置を受ければ妊娠の継続が可能。
●子宮外妊娠
子宮以外の場所に受精卵が着床してしまうこと。赤ちゃんは子宮の中でしが育つことができないため、残念ながら赤ちゃんを諦めることになります。
●絨毛膜下血腫
受精卵が子宮内膜に着床すると、胎盤を作るために絨毛と呼ばれるものを子宮内膜へ張り巡らそうとします。この時に出血し、吸収しきれずに血腫として固まったものが絨毛膜下血腫です。心配のない場合が多いのですが、絨毛膜下血腫と流産の可能性を示唆する報告もあり、注意が必要です。
上記以外にも腹痛を伴うトラブルはありますが、いずれも放っておくと一刻を争う事態になりかねないので、気付いたらすぐに産院に連絡し指示を仰ぐようにして下さい。
場合によっては緊急入院になることもあります。妊娠初期ではありますが、少しずつでも入院の準備をしておくと安心ですね。この頃から準備をしておけば、出産のための入院準備の際にも慌てずに済むというメリットもあります。
体験談
yulvi8さんからの体験談:
食べ悪阻はありましたが、週数が増えるごとに体調は落ち着いてきてはいたのですが、妊娠13週目で安静に過ごしていたはずなのに、夕方突然の鮮血の出血がありました。
病院に電話をすると、出血がひどくなるようならまた連絡をくださいと言われたので、しばらく安静にしていました。
すると、夜また出血があり、今度は生理2日目のような大量出血で出血が止まらなくなり、旦那さんと一緒に救急病院に急いで受診しました。
出血の原因ははっきりとは分からず、血腫が見られるという診断で前置胎盤気味だとも言われました。入院も進められましたが、薬を処方してもらい帰宅しました。
まとめ
以上のように妊娠初期の腹痛は、子宮の膨張やホルモンの変化によるものなど、順調な妊娠経過に伴う痛みであるケースが多いです。お腹が痛むとママは辛いですが、考えようによっては赤ちゃんがすくすくと育っているという証と捉えることも。
ただし腹痛が危険なトラブルの現れである可能性もありますので、激しい腹痛や出血を伴う時は、自己判断はせずに産院に相談しましょう。
(文書作成:さこまーま)
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