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育休復帰後の手取りを増やす申請「育児休業等終了時報酬月額変更届」とは?
育児休業等終了時報酬月額変更届で何が変わる?
通常は産休前の額面の給与(標準報酬月額)で社会保険料が計算をされていますが、こちらの申請をすることで、標準報酬月額を改定することができます。
復職後の給与が減った金額で計算してくれるので、結果手取りが増える制度です。
復帰後1ヶ月~3ヶ月の給与を基に平均を計算して、4ヶ月目から時短勤務の給与で再計算された社会保険料に改定されます。
手取りはどのくらい増える?
では具体的にどのくらい手取り額が増えるのか見てみましょう。
下の図のように産休前の月の額面が28万円で、育休復帰後の3ヶ月間の給与の平均が20万円になった方が申請をすると、4ヶ月目から毎月の手取り額が11,320円増える結果となりました。
お子様が生まれて支出も増えている中で、月に約1万円変わるのはかなり大きいですよね。
デメリットはある?
「育児休業等終了時報酬月額変更届」を申請すると、社会保険料の負担が減ると同時に納める厚生年金保険料の額も少なくなります。
そのため、将来もらえる年金額が少なくなってしまいます。
そこでもう一つ手続きしておきたいのが次の制度です。
よくある質問:

最後に、よくある質問をまとめました。
Q.この制度を利用するための条件はありますか?
A.主に下記の2つをクリアしていれば申請が可能です。①育児休業等終了時に3歳未満の子を養育している
②産休前と比べて給与が下がった(標準報酬月額の差が1等級でも下がれば該当します)
Q.この制度を知らなかったので手続きができているか分かりません。遡って申請はできますか?
A.ともに、2年間は遡って申請が可能です。なお、申請ができていたか不安な方は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認をしてみましょう。
復帰後4ヶ月目から「標準報酬月額」は下がらずそのままで、「保険料納付額」のみ下がっていればしっかりと2つとも申請ができている証拠です。

Q.申請をしないほうがよい人はいますか?
A.復帰後翌年9月※までに次の出産予定がある・傷病手当金を使う予定がある方は、「出産手当金」や「傷病手当金」の金額が少なくなるため申請をしない方がよい可能性もあります。※標準報酬月額が変わる定時決定より前のため
Q.復帰後に子どもが体調を崩してしまい、出勤があまりできない月もありました。その場合はどのように平均を出すのでしょうか。
A.育休復帰後の3ヶ月のうち1ヶ月だけでも17日以上出勤した月があればその月の給与で計算がされます。なお、短時間労働者として特定適用事業所にお勤めの方の場合は11日以上でOKな場合もあります。
まとめ
育休復帰前に知っておいていただきたい、育休復帰後の手取りを増やす方法と時短勤務をしても将来の年金を減らさない方法についてご紹介しました。
仕事復帰後はバタバタと忙しいため、このような申請はついつい忘れてしまいがちですが、手取り額が月1万円以上変わる方もいらっしゃるので、忘れずに申請をするようにしましょう。
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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