母体の変化と胎児の成長
妊娠初期から後期にいたるまで、ママと赤ちゃんにはどのような変化が見られるのでしょう?
それぞれの時期に合わせてご紹介致します。
妊娠初期:2ヶ月~4ヶ月
2ヶ月(4週~7週):主要な器官のもとが完成

身長:約2.5cm
体重:約4g
7週目の大きさの目安:さくらんぼ
目・口ができ、心臓、肝臓、胃腸など主要な臓器になるもとがほぼ完成します。耳もできはじめますが、耳が聞こえるのはもう少し後に。
3ヶ月(8週~11週):体が成長し男の子・女の子の区別がつくように

身長:約9cm
体重:約20g
11週目の大きさの目安:いちご
人間らしい姿になり、性の区別ができるようになります。皮膚はまだ透明。赤ちゃんは羊水を飲んで排泄するように。
4ヶ月(12週~15週):手足を動かし、光にも反応

身長:約18cm
体重:約120g
15週目の大きさの目安:レモン
顔に毛が生え始め、筋肉の発達もさかんに、五感の中で、最初に触覚が発達しはじめます。羊水の中で手足を動かしはじめ、指しゃぶりをする姿もみられるようになります。また、光に対して敏感に反応するようになります。
妊娠中期:5ヶ月~7ヶ月
5ヶ月(16週~19週):耳が発達し音に反応するように

身長:約25cm
体重:約250g
19週目の大きさの目安:グレープフルーツ
髪・爪が生え始め、上体を後ろにそらしたり、首を左右に振ったりと、運動(胎動)が活発に。聴覚の発達が始まるのもこの時期です。
6ヶ月(20週~23週):激しい胎動、お腹の中で動き回るように

身長:約30cm
体重:約600~750g
23週目の大きさの目安:パイナップル
まゆ毛、まつ毛が生え始め、皮膚は鮮紅色、皮脂腺が発達してきます。味覚も発達し始めます。でんぐり返しなど様々な動きをするように。
7ヶ月(24週~27週):脳や目などが発達する期間

身長:約35cm
体重:約1000~1200g
27週目の大きさの目安:キャベツ
皮下脂肪の発達が不十分なため、しわが多い。脳がどんどん発達する時期。視覚に関する器官が発達し、明暗など外の光を感じられるようになります。
妊娠後期:8ヶ月~10ヶ月
8ヶ月(28週~31週):味覚が発達、羊水の味を判別

身長:約40cm
体重:約1500~1700g
31週目の大きさの目安:マスクメロン
うぶ毛が全身に生えてきます。早産した場合でも、この時期なら適切な保育で生存可能。30週を過ぎると、苦み・甘味がわかるように。
9ヶ月(32週~35週):爪や髪の毛が生えてきて見た目は完成

身長:約45~47cm
体重:約2000~2300g
35週目の大きさの目安:ハクサイ
皮下脂肪が増加してしわが少なくなります。爪も発達しますが指先までは届いていません。髪の毛が生えて、新生児とほぼ外見は同じに。
10ヶ月(36週~39週):いつ起きてるかいつ寝るか、リズムが出来上がる

身長:約50cm
体重:約3000~3200g
39週目の大きさの目安:カボチャ2個分
成熟胎児になり、爪も指先まで生えそろってきます。赤ちゃんは眠ったり起きたりするリズムもできて、いつ生まれても大丈夫な状態となります。
赤ちゃんの不思議
ここからは、アップリカが製品開発のベースの1つに考えている「赤ちゃん医学」から、“赤ちゃんの不思議”について、小児科医で日本赤ちゃん学会理事長である小西行郎先生に教えていただきたいと思います。
赤ちゃんが生まれながらにして持っている能力や特徴について、ちょっと知っておくと、心にゆとりも生まれ赤ちゃんに会える日がより楽しみになってきますね。
お腹の赤ちゃん編
教えてくださるのは、小西行郎先生

日本赤ちゃん学会理事長
同志社大学大学院心理学研究科赤ちゃん学研究センター教授、センター長
兵庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センターセンター長小児科医
お腹の赤ちゃんは甘党!?

お腹の中ですくすくと成長していく赤ちゃん、実はお腹の中にいるときから味覚が備わっていることをご存知でしたか?
妊娠3ヶ月頃からは、味を感じるための器官「未蕾(みらい)」が舌に現れて、未成熟ながらも胎児の頃から味覚が発達してくるといわれています。
とある実験で、妊娠中のお母さんのお腹の中に細い管を入れて、羊水に「甘み」と「苦み」を加えたところ、甘い羊水は良く飲むのに対し、苦い羊水は飲む回数が減ったことが確認されています!
人間にとって「甘み」は、いちばんおいしいと感じる味、「苦味」は害のあるものに多い味です。赤ちゃんはお腹の中にいるときから、危険を察知するために必要な“味の識別能力”を持って生まれてくるということですね。
目の動きから睡眠サイクルが作られる様子が明らかに!

妊娠37週頃の赤ちゃんは、一定のリズムで、閉じたまぶたの下で“目が動いている期間“と“動いていない期間“を繰り返しています。
これは私たちの睡眠リズムである「レム睡眠(浅い睡眠)」と「ノンレム睡眠(深い睡眠)」に対応しているのです。
妊娠10ヶ月頃の赤ちゃんは、お腹の中で眠ったり起きたり…、からだのリズムをつかさどる体内時計が動き始めて、睡眠リズムを作りはじめています。外界に出るその日に向けて準備を整えているのですね。
お腹の中でさまざまな音を聞き分けている?

胎動を感じる妊娠26週頃には、ママのお腹の中で、さまざまな音を聞くようになります。
お腹の中にいる赤ちゃんにとって、もっとも身近な音といえば「ママの声」です。
妊娠期間中ずっとママの声を聞いていることで、生後間もない赤ちゃんも、すでにママの声は聞き分けることが出来るのです。
音に関連して興味深いお話しがあります。
妊娠30週にまで赤ちゃんが成長した頃に、大きな音を立ててみると、お腹の中で「ビクッ」と動くことがわかります。この音を何度も聞かせていくと、お腹の中の赤ちゃんは同じ音では反応を示さなくなります。そして、その後に別の大きな音を立てると、再び「ビクッ」と反応を示します。
このことから、お腹の中の赤ちゃんがすでに音を聞き分ける能力が育っていることがわかったのです。
まとめ
赤ちゃんはお腹の中でも成長し、器官が作られ感覚が発達しています。外からの音やママの声に反応したり、胎動を始めたりして、ママはそれを実感することができます。
お腹の中にいる間はその姿を見ることができませんが、日々赤ちゃんの成長を感じながら、生まれてくるその日を楽しみにしてくださいね。
・掲載内容や連絡先等は、現在と異なる場合があります。
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。