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子育て中におすすめの小説・エッセイをご紹介します
【1】星やどりの声|朝井リョウ
子ども達の名前に込められた思いに感動

一家の大黒柱だった父が亡くなり、残されたのは6人の子どもと父が作った純喫茶「星やどり」。
一見穏やかに見える家族がそれぞれ抱える悩みや葛藤。後半に分かる子ども達の名前の由来、そしてつながり…切なく幸福な涙に包まれる一冊です。
自分がいなくなった後、残される子ども達のことを考えない親はいないと思います。叶う事ならずっとずっと見ていたい家族の様子。それが叶わなかった父の残したもの…
あなたは今生きています。だからこそ子どもに教えられること、伝えられること、まだまだたくさんあると思います。今を大事に生きよう。そう思える作品です。
口コミ
・家族の温かさが感じられる、さらっと気軽に読める作品です。
・家族の絆や強さが伝わる素敵な本です。とても温かい気持ちになれます。
【2】不自由な絆|朝比奈あすか
他人事じゃない気がしてきます

同級生だった2人が、同じ年の子どもを産み再会します。頼もしいママ友ができたと最初は喜んでいた2人…
しかしそこに潜む劣等感や優越感。子ども同士の問題をきっかけに起こる様々な変化。やられるばかりの子どもに歯がゆい思いをする母親。乱暴ばかりし、赤ちゃんの頃から育てにくかった子を愛せない母親。
他人事じゃない話のせいか、親の心情、子どもの心情共、目が離せず一気に読んでしまう1冊です。
なかなか泣き止まない赤ちゃん。親の言う事なんて全く聞かない子ども。我が子を愛したいのに愛せず憎らしくさえ思ってしまう。そしてママ友関係。
子育てをしていくうえでぶつかる様々な悩み。今悩んでいるママに読んでほしい1冊です。
子どもは年齢と共に成長し解決していくことも多く、この本のように親の見ていないところで成長している子どももいるんです。
今がこうだから、ずっとこうなわけじゃない。子育てにこうじゃなきゃいけないっていう正解はありません。
こうならないようにと反面教師な解釈もできるし、今がずっと続くわけじゃないという希望にもつながる本だと思います。
口コミ
・とても読み応えのある内容です。子ども同士の関係性に左右される微妙な母親の心情が、とても繊細に描かれていて、どちらの気持ちも共感できて泣けました。最後は爽快感すら感じる内容で、とてもスッキリした気持ちで読めます。
・まるで自分のことかと錯覚してしまうほどリアルで濃い内容です。母親である前に、一人の女性として作り上げていく人間関係に、悩みながらも前に進んでいかなければならない現状などを深く考えることができます。
【3】ハッピーバースデー 命かがやく瞬間|青木 和雄
親として自分を見つめ直すきっかけになります

「おまえなんか産まなければ良かった」そう誕生日に母親から言われた娘はどういう気持ちになるでしょう…この主人公は母親からの愛情を受けないままに成長していきます。
子どもより親の方が精神的に成長できていない場合だってあるんです。少女のまっすぐな成長。それに伴なう周りの人の変化。そして親のはがゆいばかりの心の幼さ…
この本を読んだ感想は十人十色だと思いますが、子どもと向き合う忘れていた純粋な気持ちを思い出させてくれます。
親になる前に読んでおきたかった。今からでも遅くない、子どもをいっぱい愛そう…子育てに悩んでいる人にこそ読んでほしい。涙なくしては読めない作品です。
口コミ
・子どもから大人まで読む年齢によって響き方は違えど、誰にとっても考えさせられる内容です。自分の周りの全ての人の言動が、自分自身に影響するのだと実感できます。何度も読みたい作品です。
・親子で感動しながら読みました。
【4】あなたには帰る家がある|山本 文緒
結婚生活を考えながら読める恋愛小説

この小説の内容は、子育てというよりは結婚について、夫婦について、家族について考えさせられる物語かもしれません。
2組の全くタイプが違う夫婦。偶然にもそのお互いの夫と妻がそれぞれ別の場所で出会い物語が展開していきます。がしかし、物語とはいえ、内容はとてもリアルです。
こういうことって起こりうるのかも、と考えずにはいられないくらい細かくそれぞれの登場人物の気持ちや日常がリアルに描かれています。
話に出てくる専業主婦・綾子に自分を置き換えて、もしくは働きながら子育てしている真弓に自分を置き換えてこの物語を読んでみてください。子どもを育てている人なら、また結婚を経験している人なら誰にでも共感できる点があると思います。
ジャンルとしては恋愛小説とも言えます。それがなぜかは、読んでからのお楽しみにしましょう。長編小説ですが、次々と起こる事柄にドキドキしながら時間を忘れて一気に読んでしまいますよ。
口コミ
・不倫の恐ろしさがリアルに描かれている作品です。考えさせられる内容です。
・不倫に対する女性・男性どちらの気持ちも忠実に心地よく描かれています。
【5】色気は分娩台に置いてきました。|ヤマダモモコ
インスタから~笑える子育て奮闘記!

インスタグラムの投稿で話題の自虐日記が書籍化されました。多くのママ・パパさんが共感、爆笑したと大人気の子育てエッセイです。
とある新米ママの子育ての日常から職場復帰へのおはなしを、おもしろおかしく書いてあり、その内容は誰もが読んで「あるある」とうなずけることばかりです。
子育て奮闘中のママ・パパさんは一生懸命で悩みも多く尽きないと思います。育児に疲れている方にぜひ読んで欲しいこの本。
「こんなはずじゃなかった」と思っているのはあなただけじゃないと教えてくれる本です。読んだ後には、きっと笑顔になれる、そして勇気をもらえると思います。
口コミ
・育児中には共感できる内容ばかりで、励まされ、かつ笑えます。苦労の多い日々の中で、センスのある笑いに救われます。
・育児中の息抜きに最適な本です。ギャグのような育児あるあるネタが、とても笑えます。
【6】ささらさや |加納 朋子
心温まるファンタジー作品!亡き夫に支えられながら生きる親子

映画化もされ、ご覧になった方も多いかもしれません。主人公はとても純粋で正直者のサヤ。その夫は交通事故にあってしまい、サヤと幼いわが子を残しこの世を去ってしまいます。
サヤが一人で子育てに奮闘する中、ふりかかってくる事件。事件に巻き込まれるサヤを亡き夫がゴーストとなって助けに来てくれるというファンタジーとも、ミステリーともいえる作品です。
非日常的なおはなしですが、主人公のサヤの人柄に読者は心を打たれるでしょう。そして、そのサヤの魅力にどんどんと引き込まれていきます。やさしさ、人の温かさ、そういったものを感じさせてくれる本です。
口コミ
・優しさに満ちたファンタジー作品です。すんなりと入り込める世界観でした。
・幼い子を持つ主人公に、育児中の方なら共感できるかと思います。切ない内容に泣ける部分もありますが、優しく温かい気持ちになれる不思議なストーリーです。
【7】死ぬまでにしたい10のこと―初めて人生を愛することを知った女性の感動の物語 |ナンシー キンケイド
涙なしでは読めない感動作!最期を家族と前向きに過ごす母の強さ

この本も映画化されているので、映画を観たという方も多いかもしれません。わずか23歳にして余命わずかと宣告されてしまったベリンダ。彼女には、失業中の夫と幼い子どもたちがいました。
彼女は、死への恐怖に動揺することなく、前向きに人生でやり残したことをリストアップしていきます。そして、それを実行に移していく。
彼女の前向きな強さに、読者は心を打たれるでしょう。自分だったら、どうするだろう。と思わず考えずにはいられなくなります。
そのリストアップした内容の多くは家族のために書かれたものでしたが、中には自分のためだけに書かれたものもあります。それは、きっとママになった誰でも願うことかもしれません。
【8】主夫のトモロー|朱川 湊人
作家自らの主夫生活を元に書いた短編フィクション

タイトルにもあるように「主夫」のおはなし。主人公は働く妻を支え、家事と育児に奮闘している夫。その夫目線で書かれた、育児の悩みや家族のあり方。そして、社会からの「主夫」に対する視線。それらが、ユーモラスに描かれています。
実は、この作品は直木賞作家である著者の朱川湊人さん自身の体験をもとに書かれたフィクションだそうです。
だからこそ、共感できるポイントが数多く出てくるのでしょう。だからといって、ご自身の経験を美化するようなこともなく、現代の社会における子育ての現実や理想などをリアルに描いているのは、さすがと言ったところです。
ぜひ、パパさんにも読んでほしい作品ですね。
口コミ
・主夫目線で書かれたリアリティ溢れる暮らしが、とてもユーモアに温かい作品になっています。時に涙する部分もあり、充実した内容です。
・なかなか世間に浸透しない主夫の現実や悩みなどが、興味深く面白い作品です。
【番外編】関ヶ原〈上〉|司馬 遼太郎
歴史小説デビューに!戦国武将の生きざまが面白い

みなさんは歴史小説を読んだことがありますか?歴史小説といえば、有名なのがこの本の著者である司馬遼太郎さんです。司馬遼太郎さんの書く歴史小説は、歴史が苦手な人にもわかりやすく書かれていると評判です。
この「関ヶ原」というシリーズは上・中・下巻からなる大作です。でも、歴史小説を初めて読む、また歴史が苦手だという人でも関ヶ原の戦いについては聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。大河ドラマなどでも人気の戦国時代のおはなしです。
この小説の話の内容は子育てにはほとんど関係ないのですが、実は子育て中の女優の杏さんはご自分のお子さんたちにこの「関ヶ原」を読み聞かせてあげたとのこと。歴女の杏さん、そして旦那様の東出さんも司馬遼太郎さんのファンだとか。
まずは、ご自分で読んでみて、さらにお子様にも読んで聞かせてあげると歴史に興味を持ち始めるかもしれませんね。
口コミ
・関ヶ原の戦いまでの、戦国大名達それぞれの策や陰謀・生き方をダイナミックに描いた大作です。司馬遼太郎作品が初めての方にも読みやすくおすすめです。
・歴史小説が初めてでも、入りやすく分かりやすい内容です。関ケ原の戦いを取り巻く、数々の大名たちの人間ドラマが面白いです。入り込んで読んでしまいます。
まとめ
小説やエッセイはストーリーにのめり込んでしまうので、育児書とは違い頭に入ってきやすいというメリットがあります。
特に今回ご紹介した作品は、子育てから歴史小説、ファンタジーと多種多様な内容です。人のふり見て我がふり直せじゃないですが…作り話だからこそ客観的に見て、今の自分との共感や比較もしやすい作品もあります。
子育ての悩みを抱えるのは自分だけじゃない。反面教師としてこれらの話を受け取り、自分はこうはならない!自分はもっとやれる!と希望を持てるきっかけになって頂けたらいいなと思います。
また、日常からかけ離れた異世界の作品を読み、日頃の育児や家事・仕事を忘れてリフレッシュできるかもしれませんね。
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