Chapter2:妊娠とくすり
1.これから妊娠を望む方とくすり

●病気をもちながら妊娠を望む方は、病気やくすりが赤ちゃんに悪い影響を与えるのではないかと心配になります。
くすりをのんでいても、のんでいなくても、まずはいま治療を受けている医師に相談をして、妊娠に備えることが大切です。
相談する時期は、早すぎることはありません。妊娠初期にくすりをやめようと考えていても、気がついたときにはすでに遅く、赤ちゃんに影響する時期にかかってしまうこともあります。
時間が十分にあれば、くすりの必要がない状態にしてから妊娠したり、より影響が少ないくすりに変えたり、量や種類を減らすことができます。(「妊娠・授乳とくすり「妊娠とくすり」Q&A、持病の薬と一時的に服用する薬について」を参照)
●妊娠中、感染症にかかると赤ちゃんに影響が出ることがあります。妊娠を望んでいる方は、インフルエンザや風疹などの予防接種がいま必要かどうかを、あらかじめ医師に相談しておくと良いでしょう。
風疹ワクチンは、妊娠している可能性があったり、妊娠している場合は接種できません。妊娠前に接種し、接種後2か月間は避妊する必要があります。
2.妊娠中のくすり
● 一方で、くすりをのまなかったために、お母さんの病気が悪化し、赤ちゃんに先天的な病気が起こったり、発育が悪くなったり、おなかの中で赤ちゃんがなくなってしまうこともあります。
妊娠中であっても、必要があればくすりを使います。お母さんの健康は赤ちゃんに直結しますので、くすりをのんでお母さんの病気を治療した方が赤ちゃんの健康にとって良いことも少なくありません。
病気をもっている方、妊娠中にくすりをのまなくてはいけない方は、いま治療を受けている医師や産婦人科医、薬剤師に相談して納得のいく説明を受けましょう。(「妊娠・授乳とくすり「妊娠とくすり」Q&A、持病の薬と一時的に服用する薬について」を参照)
●いま病気がなくても、妊娠中に体調がすぐれなくなり、くすりをのんでいいか分からなくなる時もあるかもしれません。
そのようなときは、どのくすりが良いのか、医師や薬剤師にたずねましょう。また、病院でくすりを処方してもらうことがあれば、必ず妊娠中であることを伝えましょう。
(参考)「妊娠・授乳とくすり」相談窓口
妊娠と薬情報センター
厚生労働省の事業として2005年に設置され、以降、相談・情報収集を実施している機関です。
全国に拠点病院があり、問診票などの必要書類を郵送後、電話や全国にある「妊娠とくすり外来」への相談が可能です。利用方法など詳しい情報はホームページをご覧ください。
妊娠と薬情報センター(国立成育医療研究センター内)
TEL:03-5494-7845
http://www.ncchd.go.jp/kusuri/
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地域の病院や薬剤師会など

各地域で相談場所を設けている場合があります。例えば東京の場合、虎の門病院、聖路加国際病院などに相談窓口があります。
*相談するにあたってくすりの成分が分からないときは、医薬品添付文書(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構http://www.pmda.go.jp)やくすりのしおり®(一般社団法人 くすりの適正使用協議会http://www.rad-ar.or.jp/siori/)、セルフメディケーション・データベース(日本OTC医薬品協会http://search.jsm-db.info/main2.php)で調べることができます。
本情報がまとまった冊子版(PDF)はこちら
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