Chapter1 妊娠の基本
「妊娠とくすり」について知るために、まずは妊娠について基本的なことを理解しておきましょう。
1.妊娠の成立と経過
妊娠は、排卵された卵子と精子が受精した後、受精卵が子宮内膜に着床することによって成立します。
〈排卵と妊娠〉
排卵は、月経周期が28日周期の人の場合、月経が始まった日を第1日として14日目前後に起こります。
排卵の前5日間と排卵日のあわせて6日間(28日周期なら月経から9~14日目ごろ)が最も妊娠しやすい時期です。
月経周期は個人差があるので、自分のサイクルを知っておくと役に立ちます。
〈受精~着床まで〉
排卵された卵子は卵管采と呼ばれる卵管の先端から卵管膨大部に取り込まれます。
そこで卵子は精子と出会い(受精)、受精卵となった後、細胞分裂を繰り返しながら卵管をとおって1週間ほどで子宮へ移動し、子宮内膜に着床します。
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〈器官の形成〉
受精から2週間たったころ(月経予定日を過ぎているのに月経が来ないころ)になると、赤ちゃんの器官(脳や心臓、手足など)の形成が始まります。
下の図を見ると、妊娠4週ごろからおよそ4週間、集中的に器官が形成されていくのが分かります。このころは、最もくすりの影響を受けやすい時期です。(「妊娠・授乳とくすり Chapter2:妊娠とくすり」を参照)
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2.妊娠時期の数え方
妊娠時期は、「○週○日」や「○ヶ月」として示されます。
妊娠週数
最後の月経が始まった日を0週0日として数えます。0週6日まで数えて、その次は1週0日となります。
分娩予定日は、妊娠40週0日です。
妊娠月数
0週0日から3週6日までの4週間を妊娠1ヶ月として数えます。ただし、受精時期がずれると妊娠の週数や月数は正確ではなくなります。
超音波検査による赤ちゃんの発育状況から予定日が修正されることもあります。
(参考)「妊娠・授乳とくすり」相談窓口
妊娠と薬情報センター
厚生労働省の事業として2005年に設置され、以降、相談・情報収集を実施している機関です。
全国に拠点病院があり、問診票などの必要書類を郵送後、電話や全国にある「妊娠とくすり外来」への相談が可能です。利用方法など詳しい情報はホームページをご覧ください。
妊娠と薬情報センター(国立成育医療研究センター内)
TEL:03-5494-7845
http://www.ncchd.go.jp/kusuri/
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地域の病院や薬剤師会など

各地域で相談場所を設けている場合があります。例えば東京の場合、虎の門病院、聖路加国際病院などに相談窓口があります。
*相談するにあたってくすりの成分が分からないときは、医薬品添付文書(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構http://www.pmda.go.jp)やくすりのしおり®(一般社団法人 くすりの適正使用協議会http://www.rad-ar.or.jp/siori/)、セルフメディケーション・データベース(日本OTC医薬品協会http://search.jsm-db.info/main2.php)で調べることができます。
本情報がまとまった冊子版(PDF)はこちら
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