新生児のおへそ
胎児のときのおへその役割

胎児のときのへその緒の役割はとっても重要です。へその緒は赤ちゃんからママの胎盤につながっています。赤ちゃんはお腹の中では自分で食べものを食べたり、飲みものを飲んだり空気を吸って呼吸をすることはできません。
また、おしっこはしますが通常、うんちはお腹の中ではしないので老廃物の処理も必要です。赤ちゃんはどうやって栄養をとったり、体の中のいらなくなったものを排出したりしているのでしょうか?
そのような役目はすべて胎盤が行ってくれているのです。胎盤は妊娠7週頃から作られ始め、妊娠16週頃には完成します。そしてその後も大きくなり続け、臨月には赤ちゃんの6分の1程の重さにまでなります。
そして、赤ちゃんが産まれるまでずっとへその緒を介して栄養や酸素を送るなど赤ちゃんの生命を維持する重要な役目を果たしてくれます。
出産のときにおへそはどうなる?
出産をすると赤ちゃんは母体から出て自分で呼吸をし、栄養をとり、おしっこやうんちをするようになります。こうなると胎盤やへその緒の役目も終わりです。
赤ちゃんが産まれるとへその緒は切って赤ちゃんと離されます。そして、胎盤も赤ちゃんが産まれた後に子宮から出され、その役目を終えます。
おへそのトラブル
膿が出ている

まず新生児のおへそはママの胎盤から切り離されてすぐは、まだ乾燥しておらず触ると柔らかいです。これが徐々に乾燥し、だいたい1週間前後で赤ちゃんのおへそから取れていきます。
新生児のおへそのトラブルで膿が出ることがあります。これは、臍炎といって炎症を起こしている可能性があります。この他にも臍炎の症状としては、おへそがじゅくじゅくしていたり、臭いがあったり、おへその周りが赤くなることがあります。
臍炎は症状が軽度であれば清潔を保ち、消毒をして乾燥させることで大丈夫なこともあります。しかし、ひどくなると抗生物質を使ったり膿を出したりしなければならないこともあるので1度病院で診てもらうと良いでしょう。
臭い
へその緒が取れた後に臭い匂いがする場合も臍炎の可能性があります。まずはお家でのケアをしっかりと行い、炎症を起こしている時は病院を受診しましょう。
お家でのケアは、まず沐浴時にしっかりおへそまで清潔に洗います。沐浴後は消毒液を綿棒につけておへそをしっかり消毒してください。また、おへそは乾燥させてあげた方が良いのでなるべくおむつから出した状態にしておくと良いです。
じゅくじゅくしている
おへそがじゅくじゅくしている場合もまずはしっかり洗って清潔を保ち消毒をし、乾燥させましょう。それでも良くならず、じゅくじゅくしている以外にも赤くなっている、膿んでいる、臭い、痛がるなどの症状があるときは1度受診をしましょう。
でべそ
赤ちゃんのおへそが盛り上がってでべそになっているのはいわゆる臍ヘルニアです。おへその皮膚の膨らみには個人差があります。この膨らみの部分には腸があるので触ると柔らかく押さえるとへこみます。
でも、泣いてお腹に圧力がかかるとまた膨らんで出てきます。このような臍ヘルニアの場合、その多くは何も治療せずに経過観察で治る場合があります。
医師によってはへそを圧迫する方法をとる人もいますが自己判断で勝手に圧迫するのはやめましょう。ほとんどの場合は経過観察になりますが、その際に赤ちゃんがおへそを触りすぎて炎症を起こすことがないよう気をつけてあげてくださいね。
なかなか取れない
へその緒がなかなか取れないときも気になりますよね。通常は1週間前後で取れることが多いです。病院を退院する時に取れている子もいれば取れていない子もいます。
もし、退院のときにとれていない場合、病院によってはおへその周りにおへそが取れやすくなるように医療用の糸を結んでくれることもあります。お家に帰ってからは毎日沐浴で清潔にし、消毒と乾燥をしっかりと行うようにしてください。
へその緒が取れる時期には個人差もありますのであまり心配しすぎないようにしてくださいね。おへそのケアをする際は赤くなっていないか、じゅくじゅくしていないか、膿んでいないかなどをよく観察してあげてください。
ガーゼに引っかかってガーゼが交換できない
おへそにガーゼが引っかかって取れない時は、ガーゼを少しずつ切りながら優しく丁寧にとるか、沐浴の際にお湯につけて取るなど工夫をしてみてください。
同じガーゼをずっとつけていると不潔になりそこから感染を起こす可能性もあります。通常はおへそが乾燥していれば毎日ガーゼをつける必要はありません。
おむつがあたって痛そう
おへそが乾燥してくると硬くなっておむつに圧迫されると痛そうですよね。この場合は、おむつを少し折り曲げておへそがおむつの外に出るようにしてあげてください。
そうすることで、おむつでおへそが圧迫されるのを防ぐことができますよ。しかしあまりにも折り曲げすぎるとおしっこやうんちが漏れてしまうので気をつけてくださいね。
体験談:毎日お風呂上がりに消毒を
yuki_iwaさんからの体験談:
へその緒が取れる前後、かゆみもしくは痛みがあったのか、夜泣きが2~3日続くことがありました。しかし、へその緒が取れて乾燥してくれば自然と治ってきていたので、臍帯セットを使用して毎日、お風呂上がりに消毒をして様子を見ていました。
臍肉芽腫って
原因
臍肉芽腫の原因は、出生後へその緒が取れる際に一部の組織が残ってしまい、その組織の細胞が増え、盛り上がることで起きます。また、臍炎を放置して悪化させると肉芽腫ができることもあります。
治療法
臍肉芽腫の治療法は、一般的には硝酸銀棒や硝酸銀液を使って肉芽を焼き切ります。しかし肉芽腫が大きい場合には、肉芽の根元を糸でしばり、血流をとめることで壊死させる方法をとることもあります。
予防法
臍肉芽腫を予防するためには、おへそを清潔に保つことがとても大切です。沐浴の時にはしっかりとおへそまできれいに洗ってあげてください。
その後は綿棒などに消毒液をつけてしっかりおへそを消毒してください。また、おへそは乾燥させた方が良いのでなるべく空気に触れさせ、おむつで蒸れないようにしてくださいね。
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厚生労働省・子ども医療電話相談事業
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
まとめ
いかがでしたか?ママたちの中には赤ちゃんのおへそを触ると痛そうで上手く消毒ができないという人もいらっしゃるかもしれません。
でも、おへそを清潔に保ってあげることは臍炎や臍肉芽腫の予防につながります。きれいに洗って毎日清潔にしてあげてくださいね。
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